ウォルマート2005-2008の最近のブログ記事

2016年5月12日
[ウォルマート] 宅配に定額制を導入

ウォルマートが宅配に定額制を導入しました。
名称はシッピングパス、年会費49ドルで、2日間宅配が無料となります。
会費50ドルで一部の地域で昨年から実験していたものを49ドルとして正式に導入したのですが、今のところ紹介制となっていて、まだ広く一般には開放していません。
ソフトオープン、といったところですね。

2日間宅配を実現するために、フェデックスやUPSといった大手よりも廉価なリージョナルレベルの宅配業者と組むようです。

宅配は規模がモノを言います。
アマゾンは大手から大きな割引を獲得しているようで、スタートアップが太刀打ちでくなくなりつつある。
ジェフ・ベゾスはこれを想定して赤字でもいいからシェア獲得を最優先してきたわけです。
ウォルマートも例外ではなくアマゾンの物量に勝てず、そのためナショナルキャリアではなくリージョナルキャリアと組む戦略に出たわけですね。

定額制もアマゾンの後追いです。
アマゾンが全てにおいて先手を打っている状況で、もはや後追いしか手がない、という印象です。

鈴木敏仁 (04:27)


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2010年2月15日
[ウォルマート] プロクター&ギャンブルと共同でテレビ番組をプロモート

先週末にWSJ誌が報じたところによると、プロクター&ギャンブルとウォルマートが共同で出資してテレビの2時間ドラマをプロモートするそうです。
単なる広告スポンサーとしてではなく、プロモートする、つまりコンテンツの内容に影響を及ぼすという点で取り組みが新しく、報道されたようですね。

目的は、ほんとうに家族向けのテレビドラマが近年見当たらなくなってしまったのだが、視聴者はこれを求めているということが調査で分かっており、二社が共同で投資してこのニーズに応える、となっています。

投資費用は450万ドル、両社の比率は明らかになっていないのですが、P&Gの方がかなり多いようで、対等というわけではなさそうです。
ですからこの日記のタイトルも本当はP&Gを頭に持ってこなければならないのかもしれないのですが、迷った結果、流通ブログなのでウォルマートとしました。

番組のコマーシャルはもちろん二社のみ、また番組内で商品が出てくるシーンを使うそうです。ウォルマートの場合はPBのグレートバリューでしょうね。

ちなみに番組名は"Secret of the Mountain"4月にNBCで放映予定です。


さて、ウォルマートはここ数年広告予算をかなり上げているんですね。もともと売上高に対する広告費率は極めて低く、上げたと言っても他社と比べるとそれでも低いのですが、しかし分母が大きいですから予算自体はかなり大きい。
参考までに2008年度の広告費は11億ドルで小売業界では1番、アメリカ全体では9位ぐらいではないかと思うのですが、昨年はさらにこれが上がったんじゃないかと言われてます。

またその使い方も昔に比べると洗練されてきていて、これはマーケティング担当役員のステファン・クィンがメーカー出身であることと無関係ではありません。

さらにメーカーとの共同広告をウォルマートは増やそうとしているのですが、ブランド主体としてウォルマートを従とする作り方で、メーカーからお金だけ取って小売主体のコマーシャルを作る業界でよくあるやり方を大きく変えています。

今回のテレビドラマのプロモートも、このマーケティング戦略変更の一環なのかなと感じています。


【追記】
明日より某小売企業の研修が来米し一週間ほどコーディネートです。セミナーが3回、少々ハードなスケジュールなので更新している時間が少なくなりエントリーが乱れると思いますが、ご容赦ください。

鈴木敏仁 (11:42)


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2008年12月24日
[ウォルマート] 集団訴訟で和解、2億5000万ドルを費用計上へ

ウォルマートが集団訴訟63件について和解しました。すべて賃金をめぐる訴訟で、法律で定められた休憩を与えていない、残業を強いた、残業代を支払っていない、といった内容です。
和解金の総額は今のところ未定で、最低でも3億5200万ドル、最高でも6億4000万ドルと見積もられています。そのため、第4四半期に2億5000万ドルが費用計上されます。

同社は同様の訴訟に対する和解金として、05年にカリフォルニアで1億7200万ドル、06年にペンシルバニアで1億7200万ドルを支払ってまして、今回が最初というわけではありません。
またウォルマートだけではなくて、大手スーパーマーケットなどこの類の訴訟で和解金を支払っている企業は少なくないというのが現状です。


この時点で63件について一気に和解した理由は、来年に議会で議論がはじまる新しい法案に対する準備だろうという見方があります。この法案は組合の結成を現状よりも容易にするもので、民主党が政権を握った結果実現化する可能性が高まっています。
ウォルマートは法案成立に強く反対していて、反対勢力の中心となっています。

法案を議論しているときに係争中の訴訟を引き合いに出されると不利になるため、いまのうちに和解して重箱の隅をつつかれるのを避けようというわけですね。和解金という費用がかかりますが、法案が成立して支払うコストを考えたら戦略的に負けを選ぶ方が得策とふんだわけです。

鈴木敏仁 (01:44)


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2008年12月22日
[ウォルマート] チリ最大手のD&Sを公開買い付け

ウォルマートがチリ最大手のD&S(Distribucion y Servicio)社を買収する予定であることを発表しました。株式公開買い付けによる買収で、火曜日から買い付けを開始、もし全株の50.01%の買い付けに成功しなければ買収は断念するとしています。

D&Sの年商は30億ドル、店舗数は185店舗、チリ最大の小売企業です。
昨年、業界2位のファラベラを買収することで合意したのですが、独禁法にひっかかり当局の許可が得られず破談となった経緯があります。大株主であるイバニェズ一族は株を手放したい意向で、しかし国内に売却先が見あたらず、そのためウォルマートとの話が進んだようです。
ちなみにカルフールがチリから数年前に撤退、そのときの店舗の売却先がD&Sでした。

ウォルマートによる中南米進出国はアルゼンチン、ブラジル、コスタリカ、エルサルバドル、ガテマラ、ホンデュラス、メキシコ、ニカラグア、プエルトリコで、今回の買収が成立すると10カ国目となります。


そう言えば、西友のカレジッスキーが買収について言及したとかいうニュースを先日目にしました。日本の小売企業の株価は一部の好調企業を除いてお買い得価格となってますから、言われなくても、買収を考えているであろうことは容易に想像がつきます。

例えばイオンの時価総額は現在6940億円です。ウォルマートの07年度末のバランスシート上の現金等価物の総額は55億6900万ドル、とりあえず1ドル=100円で換算とすると5,569億円となります。1,000億円ほど足りないのですが、実は06年度末の数値は77億6,700万ドルで、前年は上回るキャッシュを手元に持っていたことになります。

現実論としてこういう買い方はありえませんが、ここで言いたいことは手持ちの現金で買う買わないではなくて、そのくらいの"体力差"がついているということです。

イオンが三菱商事の出資をあおいだ理由の一端が分かるように思います。

鈴木敏仁 (02:51)


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2008年12月15日
[ウォルマート] 景気後退が変える消費行動

ウォルマートCEOのリー・スコットがテレビのニュース番組に出演、ミシガン州の州知事やグーグルCEOのエリック・シュミットらと経済や政治についてディスカッションしました。

そのコメントの中で、私の注意を引いたものをいくつか引用します。


☆食品の購買量がどんどん増えているのだが、とくに冷凍食品が売れている

食品が増えているということはたぶん、外食を控え食材を買って料理する人が増えているということだと理解しました。そして、冷凍食品が売れているという点に注目したい。私は最近この分野に注目してまして、セミナーでもこの点に触れることが多いのですが、私の感じていることを裏付けるコメントだと思います。


☆消費者の最大の関心事は雇用である

つまり現在、消費を左右しているのは雇用情勢だということですね。


☆調剤は増えているが過去のような増加率ではない。そして傾向として見えるのはセルフトリートメントだ。食品の買いだめ傾向が強まっていて家で料理をする人が増えている。事実、残り物を上手に利用しようとする人が増えている。つまり、消費者は消費行動を変えているのである。

景気後退によって買い物パターンが変わりつつあるということを、ウォルマートとして実感しているという意味だと思います。


変化を上手に捉えられる小売企業は好調を維持し、気づかない小売業は衰退する。
大変な時期ですが、これを好機とみなせるかどうかが、勝負の分かれ目なのだと思います。

鈴木敏仁 (05:14)


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2008年12月10日
[ウォルマート] サービス残業訴訟で和解、5,425万ドルを支払い

ウォルマートがミネソタ州でサービス残業に対する団体訴訟で和解し、5,425万ドルを支払うことで合意しました。対象となる従業員は1998年9月11日から2008年11月14日までにウォルマートとサムズで働いていた人で、10万人が対象となります。

現在ウォルマートは全米各州で同様の訴訟を76件抱えているそうです。


このサービス残業訴訟、ウォルマートは何回も訴えられてお金払ってますし、ウォルマートだけじゃなくてスーパーマーケットやドラッグストアなどあちこちの企業が和解金を支払ってます。

ウォルマートの場合、この問題を解決するためのシステムを導入したような記憶があるのですが、でもやっぱり機能していないようですね。
サービス残業は、とりわけ小売業界では日本でも問題となることが多いのですが、アメリカでも同じ課題を抱えているということです。

#####

追記:ウォルマートがクリスマス直前あたりから99ドルのiPhoneを売るんじゃないかという噂が流れてます。店員が漏らしているようで、信憑性は高いというのがメディアの判断です。これ、本当だとすると、すごくおもしろいですよね。いろいろ考えさせられるネタです。

鈴木敏仁 (01:48)


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2008年12月 4日
[ウォルマート] 死亡事故の遺族が提訴

一昨日にエントリーした死亡事故の遺族がウォルマートを提訴しました。原告側は、十分なセキュリティ体制の欠落に加えて、ウォルマートによる集客を刺激する独特なマーケティングと広告テクニックに責任があると主張しています。

在庫数限定の売り切りゴメン型の手法でお客を煽ったことに責任の一端があるという意味ですね。


この件、訴訟は不可避だと思ってたのですが、マーケティング手法がやり玉に挙がるとは思ってもみませんでした。

よくあるやり方に過ぎなくて、ウォルマートが一方的に糾弾されるのもどうかなと思うのですが、人が亡くなってますし、難しいケースですね、これは。

おそらく和解するんじゃないかと思います。


今年はウォルマートに強い追い風が吹いた年でしたが、最後の最後にケチがついてしまったような印象です。

鈴木敏仁 (03:18)


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2008年12月 2日
[ウォルマート] オープニングにお客が殺到して店員圧死

ブラックフライデーの初日の朝、ロングアイランド(ニューヨーク郊外)のウォルマートで開店を待ちきれないお客数千人が入り口ドアのガラスを割って殺到し、押しとどめようとした男性の店員が倒されてお客に踏まれて圧死するという痛ましい事件がありました。

開店は朝の5時だったのですが、深夜の時点で500人以上が列を作っていて警察が整理をするような状況だったそうです。
死亡した店員の他に4人が病院に運ばれています。


殺到したお客は、ウォルマートがブラックフライデー用に用意しているスペシャルプロモーションが目当てでした。
そのくらい、歳末商戦初日の販促は魅力があるということを意味していますね。50インチのプラズマテレビが798ドル、サムスンの10.2メガピクセルのデジカメが69ドル、などなど、激安商品を数量限定でマーチャンダイジングしていました。

ウォルマートの集客力に驚いてしまうのと同時に、お客に踏まれて亡くなった店員を思うとやりきれない気持ちになるニュースですね・・・。

鈴木敏仁 (01:38)


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2008年11月25日
[ウォルマート] スキャンエラーで140万ドルのペナルティ支払いに合意

スキャンエラーとは、値下げ販促をしていてチラシや店頭でその価格を表示してあるにも関わらず、レジでのスキャン価格がプロパー価格となっていて、お客が不利益を被ることを意味しています。

カリフォルニア州当局が州内164店舗についてランダムチェックを2005年12月から実施(期間は不明)、平均すると一人あたり8.40ドルも余分に支払っていることが判明、今年の初頭に州が提訴し、ウォルマートが和解を受け入れました。

ウォルマートは140万ドルのペナルティを支払い、スキャンエラーについての苦情を受け価格をチェックする店員を別途選任します。また今後オーバーチャージが見つかった場合はアイテム1つにつき3ドルを返金、3ドル以下の場合は無料とするプログラムを導入するそうです。


こういうエントリーを書いたことがあります。
スキャンエラーの比率

2003年の同様の訴訟で、アルバートソンズは185万ドルを支払ってます。今回のニュースとともにカリフォルニアでの話でして、たぶん他州でもたまに発生しているのだろうなと思ってまして、この件はアメリカでは決して珍しいことではないと思ってます。

このときアルバートソンズが取った措置は今回のウォルマートと同じで、店員のエクストラ作業でカバーするというものでした。


日本ではたぶん電子棚札になってしまうのですよ。一方アメリカで電子棚札を使う企業は非常に少ない。
なぜかというと、導入費用に対するROIが低いからに他なりません。店員にエクストラで支払ってやってもらった方が安く済む。また棚札に価格以外のいろんな作業情報を表示して見える化していることも理由の一つだろうなと思ってます。

導入している日本のスーパーマーケット企業はテクノロジーベンダーに乗せられちゃっている気がすごくしてるんですが、そう感じてるのって私だけなんでしょうかね。

鈴木敏仁 (01:06)


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2008年11月22日
[ウォルマート] リー・スコットの退任

昨日の朝のニュースでリー・スコットが退任することを知り、エントリーしたかったのですが、研修コーディネートで時間の余裕がなくて、載せるのが遅くなってしまいました。

後任はマイケル・デューク、2月1日からCEOに就任するそう。リー・スコットは取締役会の中に設けられているExecutive Committee(執行委員会)のチェアマン、およびアドバイザーとして留任するそうです。


さてこの人事、かなりのサプライズでした。後継問題はここしばらく取りざたされてきたのですが、リー・スコットの年齢は59歳、あと数年経営しながら後継が決まっていくのだろうというのがおおかたの見方でした。

マイケル・デュークは58歳、スコットとほとんど代わりがない。スコットがあと数年働いて引退する年になると、デュークも同じく引退する年齢となる。後継としての能力は十分だけど、年齢的にCEOの可能性はないだろうと言われてました。

もう一人、レースを走っていたのがエデュアルド・カストロ・ライトで、年齢は53歳。年齢的にはぴったりで、たぶんこの人がCEOになるのではないかと思っていたのでした。


リー・スコット、疲れちゃったのでしょうかね。
この人、2000年に就任以来アンチウォルマートキャンペーンや訴訟への対応ばかりで、「経営者となってこういうことをすることになるとは思ってもみなかった」、というコメントを聞いたことがあります。
景気後退というこの時期に業績を維持するという功績を花道にしたのかなと思ってます。

鈴木敏仁 (10:09)


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