2009年5月29日
[プロクター&ギャンブル] 戦略を転換し低価格帯へプライスレンジを拡大

プロクター&ギャンブルが昨日投資家向けのカンファレンスを開催しました。CEOのラフリーは今まで強気のコメントを維持してきていたのですが、おそらく価格戦略をシフトするんじゃないかと憶測を呼び、業界では少なからず注目を浴びていましたのですが、ほぼ予測通りの内容となっています。

これまではプレミアム商品ラインを重視してきたのですが、プライスレンジを下(または商品構成グラフでは左側)へと広げ、低価格帯商品に重心をかけるとしています。洗剤ではGain、おむつではLuvなどすでに成功例が出ていることを引用、両者の売上の伸びは高価格帯のTideやPampersよりも高い数値を記録しているそう。
またこの領域での商品開発もこれから強化するとしています。

ただプレミアム商品ラインも従来通りに開発するそうなので、つまり価格帯の高い方と低い方に重点を置く戦略になるようですね。
トレーディングダウンとトレーディングアップで、真ん中が空洞になる。景気の悪化でこの傾向が強まったということでしょうかね。

それと値下げも検討しているそうです。
どの程度になるのかは不明ですが、これが業界にどの程度の影響を及ぼすのかは注目です。


実は、マルボロフライデーにかけてタイド・サースデーになるのか、と言われてます。
マルボロフライデーは1993年4月2日にフィリップモリスが、市場シェアの低下に対処するために大きな値下げを断行し、ブランドエクイティが壊され、株価が大きく落ちた有名な出来事のことです。

どうでしょうね。


リーディングカンパニーのP&Gのシフトですから、追随する企業も増えるんじゃないでしょうか。

しかし、いままで小売からの値下げプレッシャーを受けつつ、値下げはしない、マーケティング強化で乗り切ると言っていたので、大きな戦略転換ですねえ、これは。


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鈴木敏仁 (01:21)


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2009年5月28日
[ターゲット] 委任状争奪戦の軍配はターゲットに

本日株主総会が開かれまして、懸案となっていた取締役の選任を巡る委任状争奪戦は、現在の取締役4人全員が改選されることとなり、入れ替えを要求していたアックマンの全面敗北となりました。

外部取締役の席を巡っての委任状争奪戦の勃発

結局、機関投資家たちは現状維持を望んだと言うことです。
ターゲットの経営は大きく乱れているというわけでもなく、現在の不振の原因のほとんどは景気に起因するものですから、保守的な結果になるというのは仕方のないことでしょう。

ただウォルマートや他の大手企業に比較すると、景気の悪化に対する対応策がそれほど目立たないんですね。動きがちょっと遅い印象を私は持っていて、このあたりで何か変える必要もあるのかなとは思います。


この件、外部取締役の導入について議論されている日本にとって示唆に富むケースだったように思います。投資のプロが主導するトピックで少々深掘りされていますので、興味のある方はどうぞ。
社外取締役の導入について


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鈴木敏仁 (12:36)


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2009年5月27日
[エースハードウェア] ロイヤルティマーケティングで新技術を導入

レジでの精算時に電話番号を聞いて入力するとその人のデータが出てきて、すぐに登録ができるようになる仕組みを導入したそうです。その場でポイントがたまり始め、プロモーションが使用できるようになるとのこと。700強の店舗がこのシステムに参加しています。
登録作業を簡素化して会員を増やそうというもくろみです。

導入に際しては、TARGUSinfoという企業の技術を採用。
このデータ、TARGUSinfoが作っているもののようです。電話番号とその他のコンタクト情報をどう収集しているのか知りたいところですね。プライバシー問題に浸食しないのかな。


エースについて書いたエントリーです。
エースハードウェアのコアコンピタンス

エースはここ数年復活してきているのですが、このロイヤルティプログラムの改善プログラムを見ても頑張っているのがよく分かります。
それと小商圏型だけにこういうプログラムにマッチするように思います。

ただ、データ分析をどこまでやっているのかは不明です。ただのポイントシステムレベルかもしれない。それと、コーオペラティブ・チェーンであるためこういうプログラムに参加する店舗が限定されますから、参加していない店舗ではカードが使えないというネックがありますね。


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鈴木敏仁 (11:12)


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2009年5月26日
[ターゲット] PBラインのオーバーホール

ターゲットは自社ブランドの非常に強い企業です。とくにファッション系は強く、PBの比率は90%近いのではないかと思います。このファッション系の強さが逆にこの企業の現在の不調の原因ともなっているのですが。

さてこのPBのうち、グローサリー部門のブランドをオーバーホールし新しい商品ラインの投入を開始することを先週明らかにしています。
手を付けたのはターゲットのシンボルである的のマーク(同社の用語でブルズアイ、牛の目という意味)をメインに据えた自社名を名称とした商品群で、主にドライグローサリーで使用されているものです。新たに導入されるラインの名称は"Up & Up"、40カテゴリーに800アイテムを投入する予定で、秋までには全店舗に並べるとしています。

すでに1年半ほど限定商圏で実験しており、その結果を踏まえての水平展開です。


さてこの新イニシアチブ、あの有名なターゲットのシンボルが入ったブランドの廃盤なので、若干違和感を感じないでもないです。非常に強いメッセージ性を持ったロゴですから、もったいないという気がする。ただこれが消耗品領域にあって、そして今まで決して強いプレゼンスを発揮してこなかったということが問題なのでしょうね。

ブランディングは同社のコアコンピタンスですから、たぶんきっちりと成功させてくることでしょう。

鈴木敏仁 (10:58)


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2009年5月22日
[ショッピングセンター] 増加するデッドモール

客が来ないデッドモールが静かに増えているという興味深い記事を、本日のWSJ誌が掲載していました。

◇3月31日末時点での12ヶ月間でモールテナントの既存店成長率はマイナス6.5%だった。
◇最大手サイモンプロパティのマイナス7.3%が大きく響いた。
◇デッドモールは現在84ヶ所、年内には100ヶ所となるだろう(2006年には40ヶ所だった)。

ここで言うデッドモールとは、営業はしているんだけど単位面積あたりの売上高が極端に落ち込んでいるケースのことで、具体的には250ドル/sqf以下を尺度としています。
(業界平均値は381ドル/sqf)


大型のショッピングモールはファッションを中心とした買い回り業態が集合しています。ですから景気に左右される度合いが大きい。衣料専門チェーンが軒並み数値を落としていて、これがモール経営を直撃しているわけです。
ゼネラル・グロースの倒産がこれを象徴しています。


抜け殻となった大型モールってつぶしがなかなか効かないんです。
でかいですから他業態への転換が難しい。全面改装して今風に直せればいいけど大きな投資が必要なってしまう。

チェーンストアのように苦戦が表面化しない領域なので、静かに静かに悪化が潜行している印象です。

鈴木敏仁 (11:49)


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2009年5月21日
[ウォルマート] サーキットシティ廃業後のシェア獲得を目指して家電売場のリモデルを実施

ウォルマートが今週いっぱいをかけて、スーパーセンター2600店舗を含む全3500店舗の家電売場を変えているようです。まだ実際には見てなくて、たぶんメジャーな改装ではないと思っているのでここに載せるかどうか迷ったのですが、記事が目立つのでエントリーしておきます。

これはウォルマートバイヤーによるブログです。
Introducing Walmart Wireless...

携帯電話の売場の変更について書いてます。

まず売場名をConnection CenterからWalmart Wirelessへと変更。
次にメーカー別に色分けするなどして分類を分かりやすくした。
最後に店内で選択できるプランの数を増やした。


それとアップルの売場をオーバーホールしてようで、これは今後商品ラインアップを増やすための下準備じゃないかという話が出ています。
アップルはイメージが合わないという理由で昔はウォルマートを敬遠していたのですが、数年前から少しずつ供給を始めている。今のところモバイルデバイスだけなんですが、マックの供給を考えているんじゃないかというんですね。


とまあこういう話はさておき、今回の家電強化の目的は、サーキットシティの廃業によって宙に浮いた売上を奪うためと言うのがもっぱらの評判です。こういう動きの早さがウォルマートの面目躍如です。ターゲットにはこういう話はまだ出ていませんから。


ちなみにウォルマートの家電強化は実は今に始まったことじゃありません。
ターゲットも家電には高いプライオリティをつけている。
だから、専門業態の中で弱体化していたサーキットシティが負けちゃったという図式がある。


では日本の総合業態企業が家電をめいっぱい強化しているかというと、そういう話はあまり聞かず、だから日本では専門業態が強いのだろうというのが僕の見立てです。


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鈴木敏仁 (10:42)


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2009年5月20日
[ロウズ] ホームデポと対照的な決算、住宅不況は底を打った?

一昨日はロウズ、昨日はホームデポと第1四半期の決算発表がありました。

ホームデポ:売上高9.7%減、最終利益高44%増、既存店成長率(国内事業のみ)8.6%減
ロウズ:売上高2%減、最終利益高22%減、既存店成長率6.6%減

ホームデポの高い利益増は昨年のこの時期に特別損失を計上していたからでして、実質は既存店成長率のマイナスが表しています。

いまだ両社、ロウズに軍配が上がっているという状況です。

今年度の業績の見通しもロウズの方が良い。また景気の見通しについても、ホームデポにはあまり良い表現がないのですが、ロウズは言葉を選びながらも景気回復の兆しが見えるとしていて、両社に温度差があります。


さて、昨日は商務省による住宅着工件数の発表があったのですが、季節調整後の年率換算で45万8000戸と前月より12.8%、去年の同じ月より54.2%もの大幅な減少となり、戦後最低を更新したそうです。
ただ下降線がそろそろ安定しそうだというアナリストの論調もあって、底打ち感が出てきてます。

そう言えば、そろそろ底を打ったか、というエントリーを何回かしてますね(笑)
期待感がこもっちゃってるようです。
ロウズの景気の見通しを合わせて読むと、そんな気がするんですけどね。

鈴木敏仁 (01:33)


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2009年5月19日
[CVSケアマーク] 個人経営調剤薬局グループが合併に異議申し立て

先週の水曜日のことですが、個人経営ファーマシー80社がFTC(連邦取引委員会)を訪問、CVSとケアマークの統合を見直すよう要請しました。ミーティングを企画したのは全米コミュニティ薬剤師協会(The National Community Pharmacists Association)です。

CVSケアマークが独占的地位を利用して不公平な取引を強いているという主張です。

この会議と同時にWSJ誌が不公平な取引の実態を記事としていました。おそらくNCPAが情報を提供したのだろうと思います。


掲載された取引の内容はここではおき、なぜ個人経営ファーマシーがCVSケアマークと取引で関係してくるのかという点が難しいところだと思います。CVSとファーマシーは本来競合はしますが、ビジネス上の取引は本来ないものですから。

これはPBMというサービスビジネスが何なのかを知らないと分からないところです。
これもまた説明すると長くなるのではしょりますが、簡単に言えば調剤に関する様々な事務処理を保険会社や大企業のために代行するビジネスなんですね。
分かりやすくもっと簡単言えば、上流に存在するビジネスなんです。ですから、下流にいるファーマシーはすべて取引対象となり、CVSだけじゃなくて独立系ファーマシーも取引相手となる。

正確に言うとちょっと違うんですが。まあつまりさらに単純化すると、スーパーバリュとアルバートソンズがくっついたため、スーパーバリュの小口取引先とアルバートソンズに競合問題が発生するというようなものと言えば分かりやすいでしょうか。


CVSとケアマークがくっつくことによって、総顧客数は1億3400万人、処方せん枚数は年間12億枚、店舗数は6万店舗にのぼってます。
CVSはこの巨大なネットワークの完成によって、高騰しているアメリカのヘルスケアコストを下げ、アメリカ社会に貢献すると言っている。

一方個人経営ファーマシーの主張は、CVSはその巨大な力を利用して中小を排除しようとしているというものです。


この軋轢、今後の行方に注目です。


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鈴木敏仁 (01:05)


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2009年5月18日
[ウォルグリーン] 新プロトタイプ導入とローカライゼーション

先週明らかになったところによると、夏までに35ヶ所の新プロトタイプ実験店舗をオープンさせ、秋までには400店舗に拡大するそうです。SKUを15縲鰀20%削減し低めのゴンドラを使用する、低回転商品を減らして消耗品を増やす(特にアフォーダブル・エッセンシャルズと呼ぶ販促プログラムで選択された商品)、といったところがこのプロトタイプの特徴となってます。

ウォルグリーンとCVSの違いの1つが店頭在庫量で、ウォルグリーンはかなり多いのですが、その分売上高も高いんですね。在庫量が多いですからゴンドラも高く、さらにゴンドラの上には在庫商品が積み上げられてまして、見通しが悪いというのが欠点でした。
これを減らして、ゴンドラを低くしようというわけです。
景気が悪くなってますから、店頭在庫を減らすというのは重要な戦略ではありますが、ただこれがそのまま売上減につながるのではないかという点を懸念します。


もう一つ、本社が店長に一定の予算を渡して、好きな物を仕入れて自由に売って良いというプログラムを実施しているそうです。ウォルグリーンはタイトなマネジメントコントロールの仕組みを持っている一方、店長に比較的大きな自由裁量を渡していることでも知られています。
ただ自由に仕入れて良いというプログラムは、チェーンストアとしては珍しい。
店舗がどこも同じとなってしまう金太郎飴化を防ぐためにマーチャンダイジングをローカライズするという取り組みは結構長くやっているのですが、今回の話はこれを極端にまで振ったものと言うことができます。


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鈴木敏仁 (11:00)


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2009年5月15日
[スーパーマーケット業界] 昨年の業界成長率は5.2%増

FMI(食品マーケティング協会)が恒例の"State of Food Retailing 2009"を昨日公開しました。以下ハイライトです。

◇売上高成長率は5.2%、改装とリロケーション店舗を除いた既存店成長率は4.5%と好調だったが、食品インフレ5.7%を差し引くと、実質は順番に0.5%増と1.2%増だった。

◇税引き後の最終利益は1.82%増。10店舗未満のインディペンデントは売上高1.9%増、改装とリロケーション店舗を除いた既存店成長率は5.11%増で、平均を上回った。

◇商品回転数は15.60から16.43へ、時間あたり売上高は138.90ドルから145.51ドルへ、スクェアフィートあたりの売上高は8.01ドルから8.32ドルへと向上した。

◇価格以外で重要と考えている戦略は、生鮮(97.3%)、ウェルネスと健康(68.4%)。

◇広告宣伝費の伸びはフラットだったが、新聞やテレビと言ったマスメディアが広告費に占める比率が52.2%から48.6%減って、よりターゲットを絞ったキャンペーンへと移行している。また寄付が広告宣伝費に占める比率が3.9%から5.8%へと増えた。


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鈴木敏仁 (12:07)


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2009年5月14日
[ターゲット] 食品売場を拡大して既存店を強化

ターゲットはすでにマーケットパントリーという比較的大きな食品売場を持っているのですが、これを拡大することを発表しました。年内に100店舗に導入し、ゆくゆくは全店舗に広げる予定です。
資料によると、実験したところ食品の売り上げが50%増加、周辺の非食品の売り上げにも影響を与えるなどポジティブな結果が出たためとしています。

これはP2009と呼ばれる新しいプロトタイプに盛り込まれる変化なのですが、何を導入し、どのくらい拡大するのかはいまのところはっきりとは分かりません。資料を読んで1つだけ分かることは、レジでスキャンしやすいように上流でプリパックした青果がアソートされるということです。ということは、チルドの精肉なども置かれる可能性がありますね。

イメージとしては、フレッシュ&イージーでしょうか。
店内で発生する作業負荷を極力小さくした考え方です。

食品を一手に扱っているスーパーバリュにそのキャパがあるのか、それともここだけ他の業者を使うのか、いまは不明です。


さてこのイニシアチブ、実は先日エントリーした委任状争奪戦と関係があるという見方があります。ウィリアム・アックマンは食品を強化しろと主張していて、彼の主張を少しでも取り入れたんだというわけです。P2009ではもともと食品ゾーンを拡大する予定だったので、ここであえて発表した理由はアックマンにあるという見方もできますね。


でもターゲットには我々はウォルマートとは違うという主張がある。なんと言っても、食品は荒利益を下げますからね。それと、ターゲットのファッション性の高いマーチャンダイジングと食品が本質的にマッチしないという問題もあります。


いずれにしましても、どの程度食品を拡大するのか改装店舗を見るのが楽しみですね。


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鈴木敏仁 (12:38)


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2009年5月13日
[セイフウェイ] オバマ大統領も評価するヘルスケアプログラム

セイフウェイのヘルスケアイニシアチブはここ数年非常に評価が高いのですが、オバマ大統領がセイフウェイを含む企業数社の幹部をホワイトハウスに招いてアイディアを交換する機会を持ちました。

大統領はセイフウェイのCEOスティーブン・バードに対して、"one of the best practitioners of prevention and wellness programs in the private sector"、つまり、"民間における予防と健康に関する最高の実践者"と、セイフウェイがやっていることに対して最大限に評価するコメントをしています。

セイフウェイがヘルスケア問題に真剣に取り組み始めたのは、南カリフォルニアで労働者によるストライキが発生したときからでした。高騰する健康保険が利益を圧迫しているため、これを削ろうとしてセイフウェイは労働者の反発をかった。このとき健康保険システムが危機的状態にあることを強く認識し、なんとかしようとした。
それ以来CEOのバードは業界の唱道者のような存在となり、自社での取り組むのと同時に官にも働きかけるなど、コツコツと努力してきたんですね。

これが今回評価されたというわけです。

資料に載っているセイフウェイのウェルネスプログラムの概要をまとめると・・・

名称はヘルシーメジャー・プログラム
非組合員3万人のうちの74%が加入
健康状態を定期的にチェックし、スコアがよい社員は保険料が安くなる
無料のフィットネスセンターを本社に建設
24時間無料の看護士ホットラインの設置
これによって企業として13%のコスト削減、従業員は保険料を20%近く削減できた


民間のイノベーターターとしてホワイトハウスに招集される名誉に輝いた企業には、ジョンソン&ジョンソンやマイクロソフトといった有名どころに加えて、小売企業としてREIが含まれていました。

鈴木敏仁 (12:22)


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2009年5月12日
[ダラーストア] 景気の悪化で高所得層のシェアがアップ

ニールセンの調査によると、高所得層によるダラーストアでの購買額が前年比で18%も伸びているそうです。
景気の悪化で、高所得層も買う業態をシフトさせていることをこの数値は示唆しているというわけです。
またダラーストアがアソートメントや店の雰囲気を改善して高所得層も来店しやすい環境を作り始めている点も理由としてありそうです。

ここで言う所得層は3分類。
低所得層:世帯年収3万ドル未満
中所得層:世帯年収3万ドル以上、10万ドル未満
高所得層:世帯年収10万ドル以上

そして売上に占める比率は、低所得層が45%、中所得層が47%、高所得層が8%となっています。
つまりこの8%の部分が急速に伸びているということですね。


おそらくここで言うダラーストアには、ダラーゼネラルとファミリーダラーが含まれていると思います。ただ双方ともにプライスラインは複数ありますので、店名にダラーがついてますが厳密にはダラーストアではありません。アメリカにはこのあたりにしっかりした業態名がないんですね。ダラーストアでひとくくりにしちゃうところがあります。

私はリミテッドアソートメントストアも含めて、いつもバリューディスカウントストアという名称を使っています。


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鈴木敏仁 (12:16)


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2009年5月11日
[ターゲット] 外部取締役の席を巡っての委任状争奪戦の勃発

ターゲットの取締役は12人、そのうちの5人分のポストが次の株主総会で改選対象となるのですが、このポストに機関投資家が自らの候補者を推薦し、ターゲット経営陣がこれを拒絶し、株主の委任状争奪戦が始まりました。

機関投資家とはウィリアム・アックマン、有名なアクティビスト型の投資家です。
機関投資家が不動産の分離を提案
エントリーしたようにもうすでに話題になっているのですが、所有不動産をリート(REIT)とする戦略と、クレジットカード事業の売却の、2つをこの人は提案していて、これをターゲットが受け入れないため、委任状争いに踏み切ったというわけです。先週の金曜日に候補者を立てるための書類を証券取引所に提出して判明しました。

以下、アックマンの書類上のコメントです。
「ターゲットの取締役会メンバーは、小売関連の経験が不足しており、また株主を代表するという認識が欠如しており、この景気後退時期に重大な業績悪化をもたらした」。

これに対して、ターゲットのCEOグレッグ・スタインハフェルはこう反論してます。
「アックマン氏による取締役の要求は、短期的な株価上昇のための駆け引きの一つだ」。

両者のコメント、こういう問題が発生したときの典型的な言い分ですね。


株主総会は5月28日、それまで、機関投資家を相手として激しい攻防が水面下で繰り広げられることになりそうです。

鈴木敏仁 (01:02)


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2009年5月 8日
[ウォルマート] 月次業績レポートの発表を中止

きのうは大手各社による月次の業績発表の日で、悪くない数値が並びまして景気の悪化もそろそろ底を打ったんじゃないかという論調が大勢を占めました。
中でもウォルマートによる5%の既存店成長率が強い印象を残しました。規模が大きいですから、ウォルマートの数値は消費動向のバロメーターとしても機能します。

さてこのウォルマート、この業績発表と同時に、来月から月次報告をやめて四半期ベースに切り替えることを明らかにしました。
「ウォルマートは長期的な成功をベースとして経営されている・・・カレンダー上のシフトのような単発的な要因によって数値上短期的な不安定感を生み出すような問題を減らすことができると思う」(トム・シューウィーCFO)

これに対するアナリストたちのコメントがおもしろい。
みんなこぞって反対してます。
ウォルマートは先行指標である、消費動向が分からなくなる、この景気悪化の時期に悪いメッセージを投げかけたものだ、等々。
数値分析で食べている人たちにとっては痛いでしょうね。

ただ、短い期間の数値を見て右往左往する人たちが減るということは良いことです。
アナリストの反応は、ウォール街の悪弊に毒された短絡的な反論でしょうね。


私はもともと四半期ベースの数値にもあまり興味がありません。昨年は毎月各社の既存店成長率を掲載しましたが、景気悪化の状況を把握したかっただけで、今年はやめました。各企業の業績は年次で見れば十分で、あとは店頭をじっくり見ていれば、何が起こっているのかおおよそ分かってしまうものです。

ちなみにこの数年、月次報告をやめる企業が少しずつ増えてます。資料によると、5年前の87社がいまは34社に減っているそう。トレンドとしては減る方向にあるようです。

鈴木敏仁 (12:44)


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2009年5月 7日
[スーパーバリュ] 新CEOにウォルマートのクレイグ・ハーカート

スーパーバリュが現CEOジェフ・ノッドル(62)の後任に、ウォルマートのクレイグ・ハーカート(49)を選任するという人事を発表しました。就任日は未定、円滑に交代するためにノッドルは会長職にしばらくとどまるそうです。

このハーカート、聞いたことのある方も多いと思います。現在は北も南も含めたアメリカ大陸全体の海外事業を統括している部門のCEOですが、その前はインターナショナル事業部門の上級副社長兼COOだった人で、西友買収後に日本で名前が知られた経緯があります。彼の転出後のポストを埋めたのがカレジッスキーでした。

ハーカートはウォルマートに移る前はアルバートソンズ、そしてアルバートソンズに買収される前のアメリカンストアズでキャリアを積んだ人でした。つまり、現在スーパーバリュ傘下にある企業群に昔いたというわけですね。

アルバートソンズ系の人たちと言語が通じる。
そして、スーパーバリュと競合するウォルマートでの経験がある。

スーパーバリュとしてはこの上ない適任者ということが言えると思います。


ハーカートが転出する理由は定かではありませんが、インターナショナル事業部門のCEOに42歳のマクミロンが異動し、さらにキャリアを上げていく可能性がウォルマート内では低くなったからという説明が一番しっくりきますね。


そう言えば、いまジョン・メンザーはマイケルズのCEOです。
"ウォルマートスクール"ですね、これは(笑)


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鈴木敏仁 (01:18)


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2009年5月 6日
[オーガニック] 2008年の成長率は17.1%

オーガニック取引協会(OTA)による業界調査レポートによると、昨年のオーガニック商品(非食品も含む)の総市場は246億ドルで、前年から17.1%の伸びだったことが分かりました。

そのうち、食品が15.8%増で229億ドル、非食品が39.4%増で165億ドル、そしてオーガニック食品が食品市場に占める比率は3.5%となりました。

景気が悪化し、プレミアムに属するオーガニックが敬遠されるトレンドもあるのですが、クーポンを使う、PBを購入する、といった様々な工夫を消費者がしながら買い続けていて、その結果として市場が伸びていると結論づけてます。


例えばホールフーズで買うのはやめて、セイフウェイのPBであるOオーガニックを買う、といったトレードダウンですね。ホールフーズの業績が悪化し、一方でクローガーやセイフウェイが作っているオーガニックPBが伸びている理由がこれで説明できます。


そう言えば、ホールフーズに買収されたワイルドオーツの創業者、マイク・ジランドが再創業したサンフラワー・ファーマーズ・マーケットが伸び始めているのですが、価格戦略がホールフーズよりも20%価格を下げる、なんですね。昔はホールフーズは避けるように出店していたが、今は目の前にいても怖くない、なんてことをジランドは言ってます。
これもまた、レポートの結論を裏付ける話なのかもしれません。

鈴木敏仁 (12:23)


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2009年5月 5日
[トイザラス] コンビニエンステーマの店舗内店舗、"Rマーケット"を拡大

トイザラスが260店舗で展開していた店舗内店舗コンセプトのRマーケットを全585店舗に拡大することを先週明らかにしました。
Rマーケットの特徴は、おむつやミルクや紙製品といったもともとアソートしていた商品に加えて、スナックや飲料といった食品を加えてひとつの売場にまとめている点にあります。コンセプトはコンビニエンス、忙しいファミリーにキッズをテーマにして利便性を提供しようと言うものです。
アイテム数は1,300、売場はレジの近くに位置させています。


もともとトイザラスは菓子を中心として食品を若干そろえていましたが、Rマーケットはこれを拡大し、もともとあった非食品の消耗品と一緒にして、そして売場名を付けた、と理解すると分かりやすいです。

食品によって来店頻度を高めようと言うわけで、ここ数年食品を強化しているダラーゼネラルやファミリーダラーと動機は一緒です。よくあることではあるのですが、では果たしてこれがトイザラスの売上増にどのくらい貢献するのかというと、難しいところがあります。

当然のことながらスーパーマーケットがあり、そしてウォルマートやターゲットが存在する。こういったグローサリー系の日用必需品をトイザラスにわざわざ買いに行く買い物動機を、個人的にはなかなかイメージできないんです。
skuが細かいですから、作業コストも高くなります。チラシなど販促も細かくなります。


ただ変化は大切です。
トイザラスはバイアウトに資本買収されて細かいこと分からなくなってしまったのですが、業績は良くなってきていると聞いてまして、こういった新機軸が店舗を活性化しているのかもしれません。


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鈴木敏仁 (01:18)


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2009年5月 4日
[ウォルマート] PBM(調剤給付金管理)プログラムの実験を終えて拡大へ

ウォルマートは昨年の9月からキャタピラー社をクライアントとしてPBMプログラムの提供を実験してきたのですが、実験段階を終えて他の組織へと拡大することを明らかにしました。

PBM(Pharmacy Benefit Management)とは簡単に言うと保険会社や大企業の調剤に関する処理プロセスを代行するビジネスです。詳しく説明するとアメリカの保険システムから説き起こさなければならないのでここでは省きますが、大手ドラッグストア企業は別事業として傘下に持っていますし、CVSが買収したケアマークはこの業界の大手でした。

ウォルマートは調剤売上高でライトエイドに次いで全米4位ですから、このビジネスをてがけかない方がおかしいんですね。ということで今回の事業の拡大そのものは取り立てて珍しいことではないのですが、やろうとしていることがPBM業界に影響を与える可能性があるんです。

PBM企業はクライアント(つまり大手組織)との契約で使う調剤価格をAWP(Average Wholesale Price)という業界参照価格をベースにして決めるのが慣習なのですが、ウォルマートはこれをしないと宣言してます。そのかわり、ウォルマートが支払ったインボイスプライスに経費と利益を乗せたシンプルな価格をクライアントに提示する。透明性を高めようというわけです。
業界参照価格には実はいろいろなコストが含まれていて、調剤コストがアップする温床と言われてます。またPBM企業ががっぽり稼ぐ源泉とも言われてます。

薬剤は製造段階から患者に届くまで、サプライチェーン上にどのくらいコストがかかっているのか非常に分かりづらいのが実際のところなんですね。ここにウォルマートは風穴を開けようとしているように思います。この新機軸がPBM業界にどの程度影響を当てるかは不透明ではあるのですが、いかにもウォルマートらしいイニシアチブじゃないかと思います。

鈴木敏仁 (02:10)


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2009年5月 1日
ジャック・ウェルチの七光り

クライスラーが連邦破産法11条を申請して倒産しました。
この会社のCEO、ロバート・ナーデリなんですね。
ナーデリはホームデポの前CEOですが、彼がホームデポをダメにした張本人と言われてます。

業績を落として解雇され、しばらくしてからバイアウト企業のサーベラスに見込まれてクライスラーの経営を任された。でもまた業績を上げられず、今後は倒産させた。
二連敗ですが、両社ともに規模が大き過ぎる。


この人はあのジャック・ウェルチの門下生です。ウェルチが後継者を決めるというときに、イメルト、マクナーニー、そしてナーデリの3人が候補だった(ひょっとしたらもう一人ぐらいいたかもしれませんが)。
ウェルチは、後継が決まったら残りの二人は悪いが辞めてくれと告げたそうです。まるで戦国時代みたいですよね。

この、ウェルチに見込まれたという点に惚れ込んだのがホームデポ創業者のマーカスとブランクで、何回か断られたんだけどしつこく頼んで、言ってみれば三顧の礼でナーデリをヘッドハントしたのでした。
結果としてこれは大失敗だった。


もう一人の候補者マクナーニーはいまボーイングにいますがちゃんと経営していて、それなりに評価されてます。
つまり、ナーデリだけだめなんですよね。

その上、ものすごい額の報酬をもらっている。
これだけ業績を落としながらがっぽり稼ぐって凄いですよね。
ウェルチの七光り、といったところでしょうか。

そう言う意味で、ナーデリという人は記憶にとどめる価値があるんじゃないかと思ってます。


ちなみに日本ではこの人のことを一般的にはナルデリと表記します。
R発音は日本ではルとせずに伸ばすのが習慣として定着してますよね。もしこれをナルデリとするならば、ウォルマートは「ウォルマルト」としなければなりませんし、例えばスターバックスはスタルバックスにしなければなりません。
日本のどこかの新聞記者が間違って書いて定着してしまったんだろうと思うのですが、僕はどうも違和感がありまして、ナーデリを使ってます。

鈴木敏仁 (12:08)


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