アパレルの最近のブログ記事

2020年8月25日
ナイキが小売企業9社と取引解消

ナイキが小売企業9社との取引を解消したと報じられました。
知られた企業はベルク、ディラーズ、フレッドマイヤー、ザッポス、など。

サプライヤーとして商品供給するのは戦略的に重要と考えるパートナーのみとして、あとは自社専門店チェーンとネットで売っていくというわけですね。

ナイキは6月に発表された第4四半期決算で減収減益だったのですが、そこで直販戦略の強化を打ち出していて、今回の流通チャネルの絞り込みはその一貫でしょう。

アップルの流通戦略と似通っているんじゃないかと思います。
ブランドが強いメーカーがこういう道をたどるのは必然なのでしょう。

鈴木敏仁 (12:40)


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2019年8月12日
ナイキが子供靴のサブスクリプションを開始

ナイキが子供向けスニーカーのサブスクリプションをはじめました。
サイズは4Cから7Y(2才~10才)、年間に4足で20ドル/月、6足で30ドル/月、12足で50ドル/月、年に二回返品用のボックスが届いてそこに履けなくなった靴を入れて返す、というシステムとなっています。

子供の足はどんどん大きくなるので、履けなくなるスピードが速く、履き替えニーズは非常に高い。
これを定額制にするというのは、ありだろうなと思います。
良いところに目を付けたのではないでしょうか。

鈴木敏仁 (12:13)


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2010年3月15日
[フィリップ・バン・ヒューゼン] トミー・フィルフィガーを30億ドルで買収

フィリップ・バン・ヒューゼンは多数のブランドを所有する衣料メーカーです。有名なのはカルバンクライン、アイゾッド、バス、等々。

トミー・フィルフィガーはよく知られたブランドです。90年代のピーク時には20億ドルを売っていたそうですが、拡大しすぎて失速、2006年にイギリスの投資企業にバイアウトされました。

フィリップ・バン・ヒューゼンの市場総額は24億ドルで、30億ドルという金額は同社にとっては大きなレバレッジを効かせた買収と言うことになります。

買収する理由は当然規模の拡大ですね。
トミー・フィルフィガーは現在メイシーズが独占販売していまして、今回の買収によってフィリップ・バン・ヒューゼンはメイシーズに対する最大のサプライヤーになるそうです。
今まではラルフローレンが一番大きかった。


デパートメントストア業界の上位集中が、サプライヤーの集約にも影響を及ぼしているというわけです。

鈴木敏仁 (02:27)


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2007年5月 2日
リズクレイボーンの減益

アパレルメーカー兼リテーラーのコングロマリット、リズクレイボーンが予想を大幅に下回る、65%減の減益決算を第1四半期に計上しました。これに合わせていろいろな記事が出ているのですが、ここ数年のマスアパレルの変化が分かってなかなかおもしろいので、まとめます。

・リズクレイボーンはデパートメントストアのお約束のようなマスレーベルなのですが、メイシーズによるメイの買収後のスクラップで90店舗が減り、さらに同社はPB強化をMD戦略としていて、チャネルが一気に縮小した。

・また他のデパートメントストアも、既存ブランドではなく新しいブランドを強化している。

・JCペニーやコールズも同様の戦略だが、さらにデザイナーズブランドの独占販売も強化している。

マスブランドを売るリテーラーがどんどん減っていて、一つの理由は他社にはない商品を売りたいという競合要因にあるのですが、さらにつきつめると消費者がもはやどこにでもあるようなものを求めなくなりつつあるということを意味しているのだろうと思います。

同社はこのトレンドを察知し、Juicy CoutureやLucky Brandといった今が旬のブランドを買い集め、リズクレイボーンの売上に占めるシェアを下げる戦略をここ数年とって来ました。現在40ブランドを持っていて、リズクレイボーンのシェアは10年前の70%から現在は20%まで下がっているのだそうです。
それでも減益となってしまった理由は、この多数のブランド自体にも課題があることを意味しているようです。

課題を打開する今後の取り組みは、マスリテーラー以外の販路の強化と、ターゲットとする消費者層をベビーブーマーからもっと下にシフトさせることとしてます。

極論ですが、マスアパレルの縮小、とでも言えばいいのでしょうか。ファストファッションともつながりますが、対象市場はより狭く、流行期間はより短く、という環境に適応できるメーカーやリテーラーだけが生き残っていけるということでしょう。

鈴木敏仁 (01:42)


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2006年3月22日
JCペニーのポップアップストア

JCペニーがニューヨークのマンハッタンに、3月3日から28日までの期間限定で、広告用途の臨時店舗をオープンさせています。
こういう店舗のことを、米国流通業界の専門用語でポップアップストアと呼びます。

ディスカウントストアでは、ターゲットがこの店舗を利用することで知られています。

このポップアップストアは広範囲な広告キャンペーンの一環で、キャンペーンにはアカデミー賞のスポンサーも含まれたりしています。

さて同社のもくろみはと言うと、「おばあちゃんの店」というイメージからの脱却にあるとしています。
かなり予算をかけたキャンペーンではありますが、決して高級志向へとアップグレードするためのものではなく、あくまでもミドルクラスをターゲットとしつつ、古くなったイメージを変えたい、ということですね。

シアーズ同様、老舗であるJCペニーのイメージは古くなってしまった。
これをオーバーホールするわけです。

日本でたとえれば、衣料を強化したい(または熟年向きの店というイメージを変えるために)ヨーカ堂が、銀座の一等地に一ヶ月間だけの店舗を出すようなものです。

詳しくはアメリカ流通eニュースに書きましたが、こういう地道なマーケティング努力の積み重ねがあってはじめてアパレルは売れるものなのだ、ということなんです。

鈴木敏仁 (10:03)


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2006年2月 6日
「タルボットがJジルを買収、顕在化する中年女性市場」Vol.10,No.06

アメリカ流通eニュース

 アパレル専門店チェーンのタルボットが6日、Jジルを買収することで合意に達したと発表した。タルボットはJジルの発行済み株式を現金で獲得する。総額は5億1700万ドル程度となる見込みだ。
 このJジルは業績が悪化していて建て直しが急務となっている企業。昨年初頭にリズクレイボーンからの買収オッファーがあり、一度断り、しかし年末に再び買収を持ちかけられたという経緯があり、タルボットはホワイトナイトとして登場したことになる。
 この分野、実はあまり目立たないのだが大きな変化が生じている。

<これ以降の内容に興味のある方は、アメリカ流通eニュース(有料)をご購読下さい。>

鈴木敏仁 (06:15)


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2005年11月21日
リズ・クレイボーンがJジルに買収オファー

アパレルメーカーのリズ・クレイボーンが18日に、専門店チェーンのJジル(J.Jill)に買収を持ちかけました。17日の株価に対して41%のプレミアムを乗っけた一株18ドルでのオファーで、総額は3億6600万ドルとなります。
翌日株価は高騰してこの18ドルを上回り、21日現在も18ドル前後で推移しています。このことは、他の買収企業が現れるか、またはJジルがさらにプレミアムを要求するであろうと市場が判断していることを意味しています。

リズ社は実は8ヶ月前に買収を持ちかけ、一度断られた経緯があり、今回のはカウンターオファーなのですが、英語表記はUnsolicited Offerとなっています。
求められていない(頼んでいない)買収オファーと言う意味です。
Hostile、つまり敵対的という表現ではないところがおもしろい。

まあ要するに、敵対的買収の一つ下のレベルということなんでしょうね。
Jジルがあからさまに拒否していないからでしょう。
日本語の正式な訳語が見つかりませんでした。
友好的買収か、敵対的買収しか、2つしか見当たらない。

受けて立つJジルの取締役会は、これからもう一度検討する、一般株主は今のところアクションは取らないでくれ、という声明を発表しています。

リズ社は主にデパートメントストア(Dpt)で自社ブランドを販売していますが、Dpt業態がここ数年合従連衡が激しく、取引先が集約されてしまい、アカウントの分散の必要性が生じてきているのが、買収攻勢の理由だそうです。
もともとこの企業はブランドの買収で大きくなってきていて、今回のオファーもその一環ということになります。

176店舗を持つJジル側はというと、35歳以上の高所得な女性、というターゲット層を狙う企業が多く(例えば絶好調のチコス)、競合要因で業績を落としていて、第3四半期までで赤字となっています。
一方カタログ/ネットが好調で、リズ・クレイボーンの狙いはこれだ、と言う話もあるようです。

鈴木敏仁 (04:54)


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