アマゾンが第3四半期の決算を発表、売上の伸びが市場予測を下回り、利益が大幅に減った、と大々的に報じられてますね。
連結売上高の伸びは15%増で、伸び率が20%を下回るのは19年前半以来だ、と書かれてます。
しかしながら、昨年同時期の伸び率が37%増なので、2年平均すると26%増となり、20~30%程度という例年の成長率の範囲内に入るわけです。
昨年が伸びすぎたのでその反動ですね。
通販減速!なんて書かれかたしてまして、確かに減速ですが、こんなものでしょう。
懸念材料は最終利益高50%減です。
CEOのアンディ・ジャシーは、「労働力不足、賃金上昇によるレイバーコスト、グローバルサプライチェーン問題、貨物・運送コスト増で、数10億ドルの追加コストが発生する見込み」と言ってますね。
グローバル物流の流れがおかしくなってしまっているのと、人手不足の深刻化は、アマゾンだけの問題ではなくてマクロな経済問題となってしまっています。
こういったコストがじわじわと売価に反映されていくことになる。
インフレ圧は簡単には解消されそうにないですね。
アマゾンの最近のブログ記事
今日もウォールストリートジャーナルが、アマゾンがデパートメントストアを開発する、試着室にテクノロジーを導入する、という記事を載せていたのですが、やっぱりデパートじゃないような気がします。
出店する場所がコミュニティ型ショッピングセンターで、もし衣料や雑貨が混在するならばターゲット的なフルラインディスカウントストアですよね。
ディスカウントでないというならば大型バラエティストアですが、ターゲットは低価格を前面に押し出していませんしね。
また衣料だけならばコールズと同じで衣料専門店です。
モール内ならばデパートの可能性はありますが、面積が30,000sqfとされているので、標準的なデパートが100,000sqfだから小さすぎる。
認識の相違はデパートメントストアの定義の違いからきているのでしょうが、業界人としては気になるんですよね。
いずれにしてもこの記事を読んで日本的な百貨店をイメージすると見間違うことでしょう。
さて今日はもう一つ、手のひら認証のアマゾンワンを地元シアトルの競技場、クライメイト・プレッジ・アリーナでの利用を開始するというニュースが報じられました。
入場する時の認証に手のひらを使うとういうわけです。
エンタメ業界大手のAEG社と契約して大規模イベントで使い始めるとすでに発表されていますが、これで2つめです。
それとアマゾンゴーのJWO技術を使った店も競技場内にオープンするようです。
こちらもアマゾンワンを導入するそう。
アマゾンワンはホールフーズやアマゾンブックスといったリアル店舗にも導入すると言っているので、これから確実に増えていきそうですね。
顔認証と違って端末の場所を選ばないので、生体認証としては手のひらの方が有利だと私は考えています。
WSJ紙が関係者からの情報として記事にしたのでバズりましたが、アマゾンがデパート開発を検討しているという話が浮上しています。
面積は30,000sqfだそうなので850坪ぐらい、標準的なデパートが100,000sqfだから小さい、何を売るのかははっきりしていない、という情報までです。
モールに出店するとは書いてないんですよね。
記事にはJCペニーのファザードやモール内の様子の写真が使われているので、ペニーやメイシーズのような業態をイメージしてしまいますが、モールに出るとは記載がない。
であるならば、850坪程度の店舗面積ならばモールではなくてコミュニティ型ショッピングセンター、つまりウォルマートやホームデポが入っているようなセンターに出る可能性がありますよね。
取り扱うカテゴリーが分からないので業態を想定できないのですが、CSC出店で850坪程度なら少なくともデパートとは呼ばないでしょう。
実はアマゾンは過剰在庫処分用のアウトレットを一昨年に検討し、昨年のパンデミック勃発で立ち消えになったという情報があります。
ひょっとするとこれが再浮上しているのかもしれない。
ということで、非食品フォーマットを開発しているという理解でとどめるのが良いと思っています。
アマゾンがMGMを買収したことはすでに日本でも報じられているので詳細は省きますが、ひとつだけ参考情報として加えておきたいのは、アマゾンは映画館チェーンの買収で協議中と2018年に報じられたことがあるという話です。
ホールフーズ買収と同じで、映画を消費するユーザーのリアルなデータが欲しいからだろうと説明されていました。
これが一転し、リアルからコンテンツの買収へとシフトしたわけです。
あらゆるケースを想定してフィージビリティスタディし、最適なディールを探し出すといったところでしょうか。
"なるほどそう来るのか"という買収案件ばかりで、アマゾンにはいつも驚かされます。
ちなみに映画館チェーンの買収は消滅したわけではなく、将来的にはいまだあり得ると思っています。
アマゾンが独立事業としてのプライムナウを終了すると発表しました。
アプリとウェブサイトを閉鎖しアマゾン本体に移管すると。
短時間宅配は依然アマゾン本体では提供するが、プライムナウという名称は使わないということでしょうかね。
なぜなのかいろいろ考えてしまうのですが、プライムナウというサービスを使う他企業がいないので別事業としておく理由がないということなのかもしれないですね。
短時間宅配はインスカートやドアダッシュが圧倒的で、競合するアマゾンを利用する理由はなくなっています。
ジェフ・ベゾスが株主宛に毎年公開している書簡に、プライムメンバーがグローバルで2億人を超えたという記載がありました。
昨年初頭の推定が1億5000万人だったので一年間に5000万人が増えたことになります。
各国会員費が異なり例えば日本はアメリカよりも格安なのですが、ざっくりとアメリカの119ドルで計算すると年間の会員費収入は238億ドル(日本円でおよそ2兆5,000億円)ということになります。
ちなみに書簡には、1260億ドルのバリュークリエーション、と記載されています。
プライムの価値は13兆円、と言っているわけです。
囲い込みのツールとして過去これほど成功した例はないでしょう。
ウェルズファーゴのアナリストによる推定ですが、アパレル&フットウェア市場でアマゾンがウォルマートを抜いてトップに立ったというニュースがリリースされました。
・アマゾンのアパレル&フットウェアの米国内売上高は15%増の410億ドル(4兆円超)だった
・これはウォルマートより20~25%多い
・アマゾンが急成長した理由はパンデミックによるECシフト
・米国内総市場の11~12%、ECアパレル市場の34~35%を占める
・今年中に450億ドルを超えると予測
アメリカで最も衣料を売る企業がアマゾンという時代がとうとうやってきました。
アマゾンは昨年2月にアプリベースの医療クリニックをシアトルの社員向けに営業を開始しているのですが、ここ数週間に21州で会社登録していることが分かり、拡大を開始するのだろうとメディアが報じました。
名称はアマゾンケア、ビデオチャットによる診療で、必要に応じて医療者が自宅やオフィスを往診するというシステムです。
今のところ社員向けだが、徐々に拡大しながら段階を踏んで最終的には一般消費向けのビジネスにするのだろうというのが大方の見方ですね。
アマゾンは調剤を開始しましたが、やろうとしていることは薬に限定されていません。
AWSを通して医療機関にシステムを売っていますしね。
彼らの思考は全方位です。
ご存知の通りジェフ・ベゾスがCEOをアンディ・ジャシーに譲り、自分はエグゼクティブ・チェアマンになるという発表がありました。
エグゼクティブ・チェアマンは日本語では執行会長とでもなるのですが、取締役会の会長との違いは業務を執行することが前提にあることです。
取締役会とはガバナンスする組織であり、業務を遂行する経営組織とは分離しているのですが、エグゼクティブ・チェアマンは執行が前提となっているわけです。
発表時にすでに幹部が釘を刺していますが、ベゾスは大きな戦略的決断には関与していくとしていますね。
ベゾスは一昨年の時点でデイリーベースの経営執行から離れていたのですが、パンデミックで前線に戻ったといういきさつがあります。
実質的にはそれを元に戻すだけなのではないかと私はみています。
アンディ・ジャシーが後継というのも既定路線で驚きはない。
ベゾスのシャドーとしてベゾスと行動を共にしたことのある人でもあるし、ジャシーがCEOとなって大きく何かが変わると言うことは想像しづらい。
ベゾスのコピーとして経営を続けることでしょう。
ベゾスはまだ57才です。
ファーストリの柳井さん、ウォルマートのサム・ウォルトンなど、いったん退いてから復帰するという例は少なくない。
創業者にとっては会社は自分の子供用なもの、またはすべて自分の所有物で、そうそう簡単に離れることはできないものです。
ということで僕の興味はベゾスがこのままフェーズアウトできるのか、それともご多分に漏れず戻るのか、の一点です。
アマゾンが空輸用に中古ジェット機を11機購入することが分かりました。ウェストジェット・エアラインから4機、デルタエアラインから7機、すべて767です。
旅客機を貨物用に改装して使うとのこと。
現在は737と767をリースで使用していて、2022年までに85機になるそうで、これがこれから7年から8年で200機になるんじゃないかという予想があります。
そうするとUPSの275機に肉薄していくだろうと。
ラストマイルは自前宅配網を構築して宅配企業へのアウトソースと自前の2つを使い分けているのが現状ですが、ミドルマイルとしての空輸はリースと自前を使い分ける戦略へと舵を切ったということになります。
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