ホームセンターの最近のブログ記事

2020年5月26日
ホームセンター大手二社の業績比較

おもしろい比較記事があったので、それをそのまま共有します。
ホームデポとロウズの第1四半期決算の結果。

既存店成長率
ホームデポ:7.5%増
ロウズ:12.3%増

売上高成長率
ホームデポ:7.2%増
ロウズ:11.3%増

最終利益高成長率
ホームデポ:10.6%減
ロウズ:27.8%増

EC成長率
ホームデポ:79%増
ロウズ:80%増

ホームセンターはエッセンシャルなビジネスとみなされて営業継続してきて、人が家にこもったことでDIY需要が急増したことが売上高増につながっています。

食品業界と同様の業績アップなのですが、ホームデポは利益のみマイナスで、リリースを読むに特別ボーナスなどの社員に対する還元でマイナスとなっているようです。
ホームデポはトータル8億5,000万ドルを投じ、一方のロウズは3億4,000万ドルで、両社に大きな差があります。

総体としてロウズに軍配が上がる結果ですが、福利厚生の考え方で両社若干の温度差が表面化、といったところかなと思います。

鈴木敏仁 (02:20)


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2018年6月12日
ホームデポ、ラストワンマイルに12億ドルを投資

ホームデポがこれから5年間で12億ドルをラストワンマイルに投資することをあきらかにしました。
人口の90%に当日か翌日までの宅配を可能とするために、大きな商品を集約する目的のハブを100ヶ所、フルフィルメントセンターを数十カ所作るとのこと。

私が考えるにホームデポはECで先頭を走っている企業の一社でして、ロードマップをきっちり作って一つ一つ課題をクリアしてきました。
おそらく店舗ベースでの取り組みがひと段落したので、次は外側の環境の改善へ、という事なのでしょう。

内側をやらずに、いきなり外側へ、ではない点を理解しておく必要があります。

鈴木敏仁 (04:55)


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2018年5月25日
マーヴィン・エリソンがロウズのCEOに

マーヴィン・エリソンがJCペニーのCEOをやめて、ロウズのCEOに就任すると発表がありました。
想定外の話で、"おぉ、そう来たか"と驚いたのですが、いろいろ考えると面白いネタではあります。

エリソンはターゲットからスタートして、ホームデポで花が咲いた人です。
ダメだった店舗をどんどん再生していくような店舗運営に突出した能力を持った人だったようで、ホームデポでかなり若いときに役員となっています。

次のCEOとも言われていたのですが、前CEOのブランクの後任として選ばれたのが商品部畑のクレイグ・ミニアで、レースに負けたエリソンがどう動くのかなと思っていたら、なんとJCペニーのCEOにヘッドハントされた。
ペニーがガタガタだったときだったのですが、それなりに回復させて、さあ次に打つ手は?というときに、ホームデポと競合するロウズのCEOになったわけです。

JCペニーに限界を見いだした。
デパートの経営はこれ以上は無理だと判断した。
自分をCEOにしなかったホームデポに逆襲したい。

野次馬としてはこういう理由を考えることができて、だから面白いネタなのです。

ホームデポはいま絶好調なのですが、ロウズは後塵を拝していてなかなか追いつけません。
エリソンはホームデポ再建の立役者の一人なので、その成功事例がロウズに持ち込まれることになります。
ロウズがこれからどう変わるのかに注目ですね。

鈴木敏仁 (12:01)


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2016年2月 5日
[ロウズ] カナダのロナの買収で合意

ロウズがカナダのホームセンターチェーン、ロナを買収することで合意したと発表しました。
買収総額は32億カナダドル(23億米ドル)、現行株価のおよそ2倍のプレミアムでロナ取締役会から承認を得ました。
店舗数はロナ500店舗、ロウズは40店舗、両社合わせるとおよそ56億カナダドル規模となるそうです。
ただし規制当局の承認をこれから取らなければならないので、最終決定ではありません。

ロウズは2012年にも買収を提案しているのですが、提案額が低いとして拒否された経緯があります。
2度目の今回は買収額を上げ、さらに買収に対して保守的な地元行政に対して十分な根回しをしたようです。

ターゲットは完全撤退、セイフウェイは売却して撤退と、カナダ市場で失敗するアメリカの企業が後を絶たないため、今回の買収プランに対して懐疑的な見方があります。
ただ根回しの中で、ロナ社員を解雇しないという約束事項があるようで、実質的にはロナがロウズを吸収することになるのではないかと思うので、リスクは低いように感じています。

鈴木敏仁 (01:46)


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2015年2月12日
ロウズの実験

ロウズが実験している店員ロボットを見てきました。
まだ本当に実験段階で、毎日こまかなバグを修正しながら実用化に向けて試行錯誤を繰り返しているとのこと。
これがこれから普及するかどうかはわかりませんが、これがいったいどういう意味を持つのかを考えておくことが重要なことだと思っています。
たぶん日経MJの連載に書く予定です。

鈴木敏仁 (09:40)


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2013年6月21日
[オーチャード・サプライ・ハードウェア] 連邦破産法11条を申請し破綻、ロウズが買収オファー

オーチャード・サプライ・ハードウェアが連邦破産法11条を申請し破綻しました。資産総額4億4100万ドルに対して負債総額は4億8,000万ドル。


現時点では、全91店舗中の60店舗に対してロウズが2億500万ドルで買収提案、8店舗で清算のための在庫処分セールスを裁判所が許可、22店舗が許可待ち、という状況です。
在庫処分セールスを請け負う清算企業(リクィデーター)はこれから入札で決め、いつものヒルコとゴードンが第一候補として名乗りを上げているようです。
ロウズの買収提案も最終決定ではなく、清算か売却かを天秤にかけて最もリターンが高い方を裁判所が選ぶことになります。

オーチャード・サプライ・ハードウェアはもともとシアーズホールディングス傘下でしたが、2011年末にスピンオフされて単独上場企業となりました。
シアーズホールディングスは上場益を得て、一方破綻によってババを引いてしまった株主が一杯いるというわけで、結果として投資家ランパートは不良資産を見事に売り抜いたということになります。

鈴木敏仁 (08:37)


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2013年5月25日
[ロウズ] 既存店成長率で17四半期連続ホームデポに負け

ロウズが第1四半期の決算を発表しました。売上高は0.5%減、最終利益高は2.5%増の減収増益、既存店成長率は0.7%減。
この既存店成長率がホームデポに対して17四半期連続で負け続けているそうで、好調ホームデポと不調ロウズという図式が鮮明となってきました。

一時期まではホームデポが再建途上、対するロウズ絶好調はという状況だったのですが、完全に逆転しているというわけです。
ちなみに数日前に発表されたホームデポの第1四半期の決算は、売上高7.4%増、最終利益高18.5%増、既存店成長率4.3%でした。

ロウズのCEOのロバート・ニブロックが会計畑出身の数値系の人で、店舗運営やマーチャンダイジングが分かっておらず、これがモチベーションの低下につながっていると業界では言われはじめてます。
まあ畑違いの人でもリーダーシップがあれば引っ張っていけるものなのですが...

アメリカのホームセンター業界は勝ち負けが完全に入れ替わりましたね。

<追記>
これから一週間ほど出張となるためエントリーが遅れます。ご容赦ください。
視察中の店舗の様子など時間があったらアップします。

鈴木敏仁 (07:54)


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2012年8月21日
[ロウズ] 第2四半期に減収減益、ホームデポと対照的な決算

ロウズが第2四半期の決算を発表、売上高2%減に最終利益高10%減の減収減益で、既存店成長率は0.4%減、すべてマイナスという結果に終わり、通年の業績予測を下方修正しました。
一方、実はホームデポが先週に第2四半期の結果を発表しているのですが、売上高1.7%増、最終利益高12.4%増、既存店成長率2.1%増で、すべてプラス、通年の業績予測を上方修正しています。

まったく対照的な決算なのですが、ホームデポの再建が終わったことと、その結果として両社の差が無くなってきたことを示唆しているような気がします。
ホームデポとロウズを比較した場合、ロウズの方が調子が良いと思っている方は少なくないと思うのですが、もうそういう時期は終わったようですね。
実際ホームデポに行くと、従業員の対応が昔に比較すると格段に良くなっているのを感じます。

ちなみにロウズ、販促企画を若干減らしたことも業績に影響しているようですね。
どうもアメリカの流通業界は総体として値下げ販促を減らす傾向があるようで、このあたりについては流通eニュースに書こうと思っているところです。

鈴木敏仁 (01:18)


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2012年8月 7日
[ロウズ] カナダのロナへの買収提案、ロナが拒否して白紙へ

ロナロウズがカナダのロナに買収を提案しましたが拒否されました。総額は18億カナダドル、買収提案した7月8日の時点での株価に対して36.7%のプレミアムが乗せられた金額だったのですが、自らの再建プランの方が成功する可能性が高いとしています。

ロナはここ数年業績を悪化させていました。ロナ自身は消費者の消費意欲の減退を不調の要因としているのですが、カナダに進出しているホームデポとロウズとの競合もかなり影響しているようです。

ロナが拒否した背景には本社があるケベック州の政治的な意図もあるようですね。選挙戦を控えて他国企業による買収を与党が反対している模様。

カナダにロウズは31店舗、対するホームデポは180店舗で、ロウズとしては巻き返しを図る絶好のチャンスでした。

ロナは公式には売却を検討したことはないとしていて、今回の買収提案はいわゆる"敵対的"。
ロウズがさらにアプローチをかけるのかどうかは今のところ不明です。

鈴木敏仁 (04:14)


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2012年7月18日
[エースハードウェア] 小型のプロタイプを開発、名称はエクスプレス

エースハードウェアが5,000sqf(約140坪)という超小型フォーマットを開発しオープンさせました。アイテム数は約1万1,000。
もともとこのサイズの店舗は400ヶ所あって、業績が良いのでプロトタイプ化したとのことです。

エースハードウェアは小売企業がグループとなって卸を運営するコオペラティブ形式の大手企業です。
店舗数は4,400、売上高は35億ドルという規模ですね。
ホームデポのような大型店ではなく大きくても500坪程度の小型フォーマットで、中小オーナーがほとんどなので、"近隣の金物屋"的な存在。
米流通業界ではホームデポやロウズばかりが注目されますが、実はこのサイズのハードウェアストアもかなり市場を持っているんです。


この企業がさらに小型のプロトタイプを作ったと聞いて、ああ、ここでも小型化かと。
小型化の波はハードウェアにも及んでいるんですね。


しかし、店舗名がまたエクスプレス・・・小型店舗はなんでもこれなんです、アメリカは。

鈴木敏仁 (03:15)


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