ミズーリ州に本拠を置くスーパーマーケットチェーンのシュナックス(111店舗)が、棚や床といった店頭を管理するAIロボットを全店展開すると発表しました。
シュナックスは売上高30億ドル強の中堅SMです。
この店頭管理ロボット、ウォルマートが実験をやめてしまいどうなるかと思いきや、はじめて本格導入する企業が現れて、まだまだ死んだ技術ではないということが分かりました。
棚の状況を把握するには、天井からカメラをぶら下げる(天井が低い場合は直接付ける)、棚にカメラを付ける、またはロボットに巡回させる、の3つになると思うのですが、どれが一番コスパが良いのか、試行錯誤しながらこれから時間をかけて徐々に判明してくるでしょう。
テクノロジーの最近のブログ記事
昨年の食品関連テクノロジーへの総投資額は2019年の166億ドルから9%アップの181億ドルでした。
プライベートキャピタル市場のデータ分析会社が発表しました。
このテクノジー投資には、例えば植物由来肉のようなメジャーとなった分野や、カーブサイドピックアップの最適化、モバイルオーダーの最適化、ドローン宅配、料理ロボット、などなど多岐にわたっています。
これには、投資家による投資分野として、食品、小売、外食のテクノロジーのプライオリティが高いということが背景にあります。
今まで遅れていたからポテンシャルが大きいと投資家が判断していることを意味していそうですね。
そして旺盛な投資が進化のスピードを速めています。
日本はこの業界関連テクノロジーのスタートアップを育てるという点で、少し遅れているというのが私の印象です。
日本であまり報じられていないようなので共有します。
米セブンが本社内で社員に限定して、商品スキャンなし、レジなしの、アマゾンゴー型システムの実験を始めたようです。
テクノロジーを提供している企業は不明。
アメリカでは数社がすでに実店舗で稼働させはじめているのですが、やはりアイテム数は少なく、商品形状も大きいものに限定されます。
店舗数もまだ少ない。
ただ米セブンがはじめたことで、まだどれも実験段階ですが徐々にですが広がりつつあるようです。
ちなみにアマゾンはすでに23店舗なので、定義上はすでにチェーンストア化しています。
対象カテゴリーは、精肉、青果、鮮魚、総菜、ベーカリー。
専用アプリを利用、店員が期限切れが近い商品をリストに登録、お客はそれを見て購入し決済、注文を受けた店員が準備し、お客は店に行ってピックアップ、という流れとなります。
値下げは最大で50%だそう。
昨年の11月から4店舗で実験をしていたもので、年末までに全246店舗へ水平展開します。
アプリを提供しているのはカナダに本拠を置くFlashfoodという会社で、アプリも同名です。
廃棄ロスをデジタルで減らす取り組みの一つ、ということができるでしょう。
とある経済雑誌の記事で、デジタル=ネット販売(または日本人が大好きな標語のオムニチャネル)と勘違いしている見出しを目にしたのですが、デジタルは傘のような最上位概念で、ネット販売はやるべきコトの一つに過ぎないですよね。
デジタルテクノロジーの使い道は一杯あって、その一つがこういった廃棄ロス削減なのです。
アップルペイの使用者は年内に3,030万人となって、スタバの2,520万人を抜いてトップになるという予測が出ました。
レポートしたのはeMarketer。
以下、グーグルペイは1,210万人、サムスンペイが1,080万人だそう。
その他・・・
・非接触型決済市場は、今年は989億ドルだが、2023年には2兆2,000億となる。
・店内決済に占めるスマホ決済の比率は9.1%伸びて6,400万人となる、これはスマホユーザー全体の30%。
よく聞かれるのですが、アメリカのキャッシュレス比率は70%で、クレジットカードにインフラを適応させてきたので非接触型に弱かった。
この状況で、二次元コード決済を先駆けてはじめたのがスタバで、先駆けたので使用者も多かったのですが、ついにアップルが抜く、というのが今回のニュースです。
スタバは一企業にもかかわらず1位だったという点がまず興味を引くわけですが、その次のポイントはアップルペイがトップに立った、という点です。
若年層を中心にして非接触型決済が伸びているようですね。
ちなみにコード決済花盛りで乱立する決済を小売企業がたくさん取り込まなければならなくてすごく面倒という状況になっているのが日本の小売業界ですが、アメリカは、例えばウォルマートとクローガーは非接触型を導入せず、自社コード決済のウルマートペイとクローガーペイしかやらない、など自社ポリシーを優先しているという違いがあります。
もう一つちなみに、スタバはQRではなくて横長のPDF417を使ってます。
前回に引き続いてレジなし店舗ネタです。
MLBサクラメント・キングスのホーム球場はゴールデン1センターと言いますが、ここにアマゾンゴー型の店舗が来月からオープンします。
テクノロジーベンダーはジッピン(Zippin)。
写真を見る限り、AH To Goと同じで冷ケースに入った飲料とスナック類で、アイテム数は限定されてますね。
球場内のコンビニですからその程度の品揃えで十分というわけです。
アマゾンを除いて現状ではこのぐらいの品数がAIで認識できる限界ということになるわけですが、しかしそのレベルの店舗の需要は探せばあるということですよね。
課題は投資額。
単店舗で採算を考えたらほぼ無理で、中長期戦略の一環とすることができるか、または他のマネタイズを見いだすか、です。
今回の店はおそらくジッピンの実験店舗で、テクノロジーベンダーによる戦略の一環と考えるのが妥当でしょう。
ウォルグリンがアルファベット傘下のウィング・アヴィエーションと提携して、ドローン宅配の実験を始めると発表しました。
場所はバージニア州クリスチャンバーグ、来月からのスタートです。
この地が選ばれた理由はウィングが実験している地域に近いからだそうです。
以下詳細。
・対象となっている商圏住民はウォルグリーンサイトで買い物をすると、宅配の選択肢としてドローンを選べる。
・対象アイテム数は100強と6パック。
・パックとは例えば風邪に必要なアイテムというようなテーマ別にアソートした複数の商品をまとめたもので、他はアレルギー、ベビー、救急、鎮痛、キッズスナック。
・調剤薬は含まない。
送料は明記されてないので不明です。
高いのか、それとも通常送料でやるのか、知りたいところではあります。
ウィングはドローンの商用利用でFAAの認可を最初に受けた企業ですね。
アマゾンはグーグルに先を越されたことになります。
UPSが自動運転のトラックを5月からアリゾナで実験していることをメディアが報じました。
秘密裏というか、メディアにリリースしてこなかったので、周囲は誰も知らなかった、というような見出しとなっています。
運営しているのはTuSimpleというスタートアップで、UPSは傘下の投資ファンドを通して資本も投じている模様。
現在はレベル3とのことなのでドライバーとエンジニアが同乗している段階です。
UPSもやってるんだなということがこれで判明しました。
ネスレが商品トレーサビリティのためにブロックチェーンのOpenSCを利用しての実験を始めると発表しました。
IBMのフードトラストをすでに実験しての次のフェーズという位置づけのようです。
最初に取り組むのはミルクで、ニュージーランドの産地から中東の工場やセンターまでをカバーするとのこと。
次に予定しているのはパームオイルとのこと。
IBMのフードトラストとの違いは、前者がサプライチェーン内のみに焦点を当てているのに対して、オープンSCはサステナビリティや倫理関連データまで拡大しているのと、QRコードによって消費者にデータを公開している点だそう。
ちなみにオープンSCはワールド・ワイルドライフ・ファンドとボストンコンサルティングによる共同イニシアチブです。
IBMフードトラストとは別のフォーマットが使われ始めた、といったところでしょうか。
このブロックチェーン技術を使った食品トレーサビリティは食の安全という観点で非常に大切な取り組みテーマだと思っていて、今のところ蚊帳の外にいる日本は国が音頭を取るべきだとずっと思っているのですが、お上はまったく興味を示さず、RFIDばかりに向いてしまっているのはどうしてなんでしょう。
不思議な現象だと思っています。
フォードが二足歩行宅配ロボットの実験を始めると発表しました。
どういうことなのか、まずはビデオを見てください。
自動運転車が宅配場所まで行き、ロボットがボックスを家まで運ぶ。
この二足歩行ロボットが解決するのは段差や障害物ですね。
アマゾンやFedExが実験を始めている小型ロボットは車輪で動くため、階段や障害物があるとそこから先に行けないというハードルがありまます。
なので一定の場所までお客が出て行かなければならない。
これがラスト50フィートの課題。
このハードルをこの二足歩行宅配ロボットが解決するというわけです。
フォードは2021年の実用化を目指すと言っています。
まだ先の話だろうと思っていた二足歩行のロボットが、もうここまで来ているのかと知って驚いたのでした。
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