November 26, 2008
[食品メーカー] 値上げで好業績、今後の値下げはあるのか?
ウォルマートの政権交代ニュースで隠れちゃいましたが、同じ日にトマトケチャップのハインツが第2四半期の業績を発表してました。売上高3.5%増、最終利益高22%増の増収増益で、好調の理由のほとんどが値上げなんですね。
この好業績はハインツだけじゃなくて、クラフトやゼネラルミルズといった食品メーカー全体に共通していますし、P&Gなどの非食品主体のメーカーにも共通してます。
これに対して、小売側からの反発が強まってきている。
投資家とのカンファレンスコールでハインツのCEOが、"スーパーマーケットや他の小売企業との商談が現在フレンドリーではない"とコメントしていて、軋轢が生じていることをほのめかしてます。
10月の消費者物価が第二次世界大戦以降最大の下げ幅となる1%ダウンを記録して、デフレ懸念が強まってきている。原料も石油を筆頭に下落傾向が出てきています。
こういう環境の中で、メーカーが今後価格を下げるのかどうかに注目してます。
数100アイテムを値下げしてEDLP化で書いたように、値下げプレッシャーをかける小売企業も出てきてます。
ただ、一度上げたものを下げるってのはすごく難しいことです。
消費者としては下げてもらわないと困るんですけどね・・・。
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追記:今週はサンクスギビングウィーク、明日から4連休です。企業のニュースもがっくりと減りますので、リテールウェッブもお休みをいただきます。次回のエントリーは12月1日からとなりますので、よろしくお願い申し上げます。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 11:24 AM | | トラックバック (0)
November 25, 2008
[ウォルマート] スキャンエラーで140万ドルのペナルティ支払いに合意
スキャンエラーとは、値下げ販促をしていてチラシや店頭でその価格を表示してあるにも関わらず、レジでのスキャン価格がプロパー価格となっていて、お客が不利益を被ることを意味しています。
カリフォルニア州当局が州内164店舗についてランダムチェックを2005年12月から実施(期間は不明)、平均すると一人あたり8.40ドルも余分に支払っていることが判明、今年の初頭に州が提訴し、ウォルマートが和解を受け入れました。
ウォルマートは140万ドルのペナルティを支払い、スキャンエラーについての苦情を受け価格をチェックする店員を別途選任します。また今後オーバーチャージが見つかった場合はアイテム1つにつき3ドルを返金、3ドル以下の場合は無料とするプログラムを導入するそうです。
こういうエントリーを書いたことがあります。
スキャンエラーの比率
2003年の同様の訴訟で、アルバートソンズは185万ドルを支払ってます。今回のニュースとともにカリフォルニアでの話でして、たぶん他州でもたまに発生しているのだろうなと思ってまして、この件はアメリカでは決して珍しいことではないと思ってます。
このときアルバートソンズが取った措置は今回のウォルマートと同じで、店員のエクストラ作業でカバーするというものでした。
日本ではたぶん電子棚札になってしまうのですよ。一方アメリカで電子棚札を使う企業は非常に少ない。
なぜかというと、導入費用に対するROIが低いからに他なりません。店員にエクストラで支払ってやってもらった方が安く済む。また棚札に価格以外のいろんな作業情報を表示して見える化していることも理由の一つだろうなと思ってます。
導入している日本のスーパーマーケット企業はテクノロジーベンダーに乗せられちゃっている気がすごくしてるんですが、そう感じてるのって私だけなんでしょうかね。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:06 PM | | トラックバック (0)
November 24, 2008
「ウォルマートのリー・スコットが退任、その人事を読み解く」Vol.12,No.48
アメリカ流通eニュース
ウォルマートのCEO、リー・スコットが来年の2月1日をもって退任することを表明した。昨年後半頃から後継をテーマにしたについて業界誌などに俎上にのぼることが増え、おそらくそういう動きが社内にあるのだろうとは個人的に感じていて、そのことをそろそろ書こうかと思っていた矢先であった。
前任のデイビッド・グラスから2000年の1月に経営を引き継いで以来9年、モノを仕入れて売るという本来の小売業とは異なる課題に取り組むことの忙しい人であった。
<これ以降の内容に興味のある方は、アメリカ流通eニュース(有料)をご購読下さい。>
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:39 PM | | トラックバック (0)
[スーパーバリュ] 特定カテゴリーへのEDLP導入を加速
先週証券会社によって開催されたカンファレンスの席でのこと、CEOのジェフ・ノッドルが価格戦略について言及しました。
「従来ヘビーなプロモーションが必要とされるカテゴリーに、エブリーデー・プライシングを適用するプログラムを加速させる」。
値下げしないとお客が買わないカテゴリーで、ハイローをやめて価格を年間通して一定化する戦略を強化する、という意味です。
東海岸のショーズやアクメですでに導入しているが、他のチェーンでも導入を急ぐ、としてます。
ストップ&ショップが同じような戦略(名称はVIP:Value Improvement Program)を開始したのが06年のことでした。
ウェッグマンズのConsistent Low Pricesの導入は2002年。
すべてをEDLP化するのではなく、一部のカテゴリーの価格を固定するという点が共通してます。
こういう価格戦略をハイブリッド型と呼ぶ人もいます。
ハイローどっぷりのスーパーマーケット業界がEDLPに対抗するための有効な方策の一つなのではないかと秘かに注目してます。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:37 PM | | トラックバック (0)
November 22, 2008
[ウォルマート] リー・スコットの退任
昨日の朝のニュースでリー・スコットが退任することを知り、エントリーしたかったのですが、研修コーディネートで時間の余裕がなくて、載せるのが遅くなってしまいました。
後任はマイケル・デューク、2月1日からCEOに就任するそう。リー・スコットは取締役会の中に設けられているExecutive Committee(執行委員会)のチェアマン、およびアドバイザーとして留任するそうです。
さてこの人事、かなりのサプライズでした。後継問題はここしばらく取りざたされてきたのですが、リー・スコットの年齢は59歳、あと数年経営しながら後継が決まっていくのだろうというのがおおかたの見方でした。
マイケル・デュークは58歳、スコットとほとんど代わりがない。スコットがあと数年働いて引退する年になると、デュークも同じく引退する年齢となる。後継としての能力は十分だけど、年齢的にCEOの可能性はないだろうと言われてました。
もう一人、レースを走っていたのがエデュアルド・カストロ・ライトで、年齢は53歳。年齢的にはぴったりで、たぶんこの人がCEOになるのではないかと思っていたのでした。
リー・スコット、疲れちゃったのでしょうかね。
この人、2000年に就任以来アンチウォルマートキャンペーンや訴訟への対応ばかりで、「経営者となってこういうことをすることになるとは思ってもみなかった」、というコメントを聞いたことがあります。
景気後退というこの時期に業績を維持するという功績を花道にしたのかなと思ってます。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 10:09 AM | | トラックバック (0)
November 20, 2008
[アメリカ小売業視察] プライスラインが変わった99セントオンリーストア
99セントオンリーストアが"99.99セントストア"に変わってました。
このエントリーで書いたように、一部の商品のみ価格をアップさせると言っていたのですが、どうやらすべて価格を上げたようです。
言ってることと、やってることが、違ってます・・・。
つまり、中心となるプライスラインが変わり、そして増えたわけで、99セントオンリーではなくなってしまった。
売価を増やした理由は、主軸が99.99セントとなって値上げ感が強まってしまったため、39.99セントや69.99セントといった低い価格を導入して、値上げ感を緩和しようとしているように感じます。

これから原価が下がってくることが予想されますが、またピュアな99セントに戻すのかどうか。それともこのまま行ってしまうのか。
興味深いところです。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 8:19 PM | | トラックバック (0)
November 19, 2008
[アメリカ流通視察] フレッシュ&イージーのオペレーション技術のバラツキ
欠品が目立ちました。
今までの訪問店舗数は結構な数になるのですが、欠品がここまで目立つ店舗に初めて遭遇しました。
自動発注も、欠品や在庫過多といったイレギュラーを修正する努力を怠ると、こうなるという好例です。
トイレも汚くなってました。
開店してわずか1年以内の店舗とは思えないレベル。
数日前に訪問した店舗はすごく繁盛していて活気があったのですが、こちらはお客もまばら。店員にやる気も感じませんでした。
ここに来て、店舗ごとのオペレーションレベルにようやく大きなバラツキが出てきているのを感じたのでした。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 7:49 PM | | トラックバック (0)
November 18, 2008
[ターゲット] 来年も引き続き食品を強化
ターゲットが第3四半期の業績を発表、売上高1.9%増、最終利益23.8%減の増収減益、既存店成長率は3.3%減でした。
まだまだ業績回復には至っていないようですが、この企業のポジショニングを考えると、景気環境の中でしかたのないことではあります。
ブランドマントラ(またはキャッチフレーズ)であるExpect More, Pay Lessの、Pay Less側、つまり低価格を強調する方向へ転換して乗り切るということを言っていたのですが、店頭やチラシが大きく変わったということもなく、いまのところ大きな何かを打ち出したということもありません。
さてその業績発表の中で、来年も食品強化戦略を取るというコメントが目につきました。スーパーセンターではなく、ディスカウントストアフォーマットにおいて"積極的なテスト"を計画している、らしい。
ターゲットは来年中にP2009と呼ぶ新プロタイプを導入する予定です。2004年に導入したP2004のバージョンアップですね。これに向けてここ数年いろんな実験を店内でやってるんですが、この食品テストもそのためだろうと思います。
ターゲットの弱点は商圏が比較的大きくて、お客の来店頻度が低い点にあります。だから食品強化は的を射ている。しかし、食品を強化すると荒利が下がります。
ウォルマートがいまこの悩みを抱え始めている。
食品は諸刃の剣です。
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【追記】
本日より4日間研修コーディネートのためエントリーが滞るかもしれませんが、ご容赦ください。おもしろいネタがありましたら、ここか、またはR2リンクにアップしていきたいと思ってます。
ちなみに昨日のR2リンクの日記に、リネンズン・シングスの最終セールの模様を載せておきました。インストア研究家としては悲しくなるような光景です・・・。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 8:39 AM | | トラックバック (0)
November 17, 2008
「新イニシアチブを連発、ベストバイの変革への意欲」Vol.12,No.47
アメリカ流通eニュース
ベストバイが'女性に優しい'店舗というものを開発した。従来のフォーマットは男性向けだとして、より女性に焦点を絞って変更を加えた店舗である。
一方、ベストバイモバイルという名称でモール内に携帯ショップを展開する戦略を発表したばかりなのだが、品揃えを携帯電話に限定せず若干拡大する'モバイルライフ'という新たなイニシアチブもスタートしている。
<これ以降の内容に興味のある方は、アメリカ流通eニュース(有料)をご購読下さい。>
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:36 PM | | トラックバック (0)
[シアーズ] レイアウェイを20年ぶりに復活
シアーズがクリスマスシーズンに限定してレイアウェイをさせました。数週間前にKマートがレイアウェイをあらためて宣伝したところ受けがいいので、シアーズでも導入に踏み切ったとのこと。
レイアウェイは大恐慌時代にできたシステムで、日本語で言うと'お取り置き'ですね。前金を支払って商品を取り置いてもらい、お金を少しずつ支払い、完済した時点で商品を受け取れるというシステムです。
クレジットカードの代わりを果たして普及したのですが、カードがこれに取って代わった。
ウォルマートは2006年にこのシステムをやめてます。Kマートはずっと残してきたのですが、景気の悪化で使う消費者が再び増えてきたということなんでしょうね。
シアーズとKマートの市場ポジションのようなものを感じるイニシアチブではないかと思い、エントリーいたしました。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 9:55 AM | | トラックバック (0)
November 14, 2008
[ラルコープ] 景気悪化という"追い風"をうけて好業績をキープ
食品メーカーのラルコープが今年度の業績を発表、景気悪化という逆風を追い風として好業績をあげています。売上高は28億2,440万ドルで前年比26.5%増、最終利益高は1億6,780万ドルで426.0%増でした。
このメーカー、今年クラフトからPostという有名なブランドを買収した企業です、買収金額は26億ドル、小さな金額じゃないですね。
ということで、NBも売っているのですが、実は主力はPBです。
トレーディングダウン、つまり'同じ品種なら安い方を'という買い方がトレンドとなって、低価格のPBがよく売れている。
ニールセンによると6月末の時点でPB市場は前年比で10%近く伸びていて、NBの4%を大きく引き離してます。
ここ数日メイシーズの赤字計上を筆頭にして小売業界に低調な決算が続いてますが、一方ウォルマートが好調をキープするなど明暗が分かれてます。
CPGメーカーに目を転じると、今年の値上げで業績の良い企業が多く、とくにラルコープのようにPB主体の企業は猛烈に業績を上げている。
破綻や業績悪化のニュースだけを目にしているとアメリカの流通業界がよほど悪いんじゃないかと錯覚すると思うので、今日はあえてPBメーカーを俎上にあげてみました。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 3:00 PM | | トラックバック (0)
November 13, 2008
[R2Link] コンビニで薬を買ったことがありますか?
月刊マーチャンダイジング誌とのコラボレーション企画をR2リンクにて実施中です!
OTC(大衆薬・市販薬)販売の規制緩和で、コンビニで医薬品の一部を売ることができるようになりました。では、実際にコンビニで薬を買ったことがありますでしょうか?
R2リンクに設置中の投票ユニットにてアンケートにお答えください。皆さんのご意見が、そのまま誌面に反映されます。
あなたはコンビニで薬を買ったことがありますか?
結果は、月刊マーチャンダイジング誌2009年1月号に掲載されます。
締め切りは11/17です。
ご協力のほどお願い申し上げます!
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【追記】
昨日のエントリーにて、フレッシュ&イージーの出店ペースが想定通りで来年中には200店舗に達するだろうと書きましたが、来年の2月で200店舗という構想をもともと持っていたものを、来年の11月までに200店舗という目標設定に下方変更したと、昨日マーケティング担当のサイモン・ユーウィンズが業界誌に対してコメントしてました。
ということは、1年4ヶ月で200店舗を開店させる予定だったわけです。来年中に200店舗なのかと思ってました。
訂正いたします。
下方修正の理由は経済状態を上げているのですが、数ヶ月前に出店をしばらくやめたのも当然影響してるのでしょう。またフォーマットの修正をもっと加えなければならないと考えているのかもしれません。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:31 PM | | トラックバック (0)
November 12, 2008
[フレッシュ&イージー] 100店舗目をオープン
フレッシュ&イージーが100店舗目をロサンゼルス郊外のフラトンに本日オープンさせました。
一号店の開業が昨年の11月8日でしたから、ほぼ一年間で100店舗を展開させたことになります。
参考までに昨年のオープニング時のエントリーです。
フレッシュ&イージー、グランドオープンに行ってきました
50店
舗目は2月21日のことでした。
50店舗目をオープン
途中3ヶ月間ほど出店を止めた期間がありましたが、1年間で100店舗という出店数はほぼプラン通りなんじゃないでしょうか。また09年中に200店舗を目指すとしていたのですが、このペースだとクリアする可能性が高そうです。
ちなみに現在、南カリフォルニア49店舗、フェニ
ックス26店舗、ラスベガス25店舗、となってまして、この店舗数の配分も恣意的で、予定通り、という感じがします。
今日はメディアを招いての内覧会があり行ってきたのですが、CEOのティム・メイソンがスピーチをし、テレビの生放送に店内から出演するなど、何もしなかった一号店のときと比べるとずいぶんメディアへの露出に積極的でした。
昨年は異常なほどに注目されていましたから、大変なのでメディア出演を断っていたのでしょうが、今回のオープニングは内外の注目を浴びるというほどのものでもなかったので、受けたのかもしれません。
また業績が良くなっているのかなとも思います。
写真はグランドオープニングの人混みと、スピーチをするティム・メイソンです。
ちなみに、インタビューなどすべての行事が終わった後、店内で店員やお客に声をかけ、レジでキャッシャーまでしてました。
現場主義テスコの面目躍如、こういう経営者がトップにいる企業は強いのですよ。
店内写真や動画はR2リンクにぼちぼちアップして行こうと思ってます。
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追記:参考までに、マーケットサイドの情報や記事はこちらです。
マーケットサイド メサ店
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 4:18 PM | | トラックバック (0)
November 11, 2008
[ウェッグマンズ] 数100アイテムを値下げしてEDLP化
先週末、ウェッグマンズが数百アイテムの値下げを発表しました。
景気の悪化時の消費者アピールとしてはよくあることで、日本でも大手チェーンストアが"円高還元"などの値下げをやってますね。
今回取り上げた理由は、この値下げが一時的なものではないことにちょっと驚いたからです。
「この値下げは一週間とか二週間といったプロモーションではなく、当社のコンシステント・ロープライス戦略に沿っている、つまりこの価格は長期にわたって有効である」。
ウェッグマンズはPBを中心として一部のコモディティ価格を固定するハイブリッド型のEDLP戦略をとってますが、新たな商品群にこのEDLP戦略を適用するというわけです。
「原価が下がるだろう来年はまだ先のことだが、今下げることが大切だと考えている」。
そして「(これに合わせて)メーカーが近い将来価格を下げることを期待している、理由は原料と燃料コストが下がっているからである」。
メーカーにプレッシャーをかけているように感じます。
大手食品メーカーは今年の値上げで結構いい業績を上げていまして、これを念頭に置いているのかもしれません。
我が国の大手チェーンストアが最近宣伝している値下げは、しばらくしたら元に戻す通常のプロモーションと変わりがありません。
一時的な販促効果を狙っている日本の小売企業と比べると、ウェッグマンズの方に"価格を下げるぞ"という高い志のようなものを感じるのは私だけでしょうか。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:11 PM | | トラックバック (0)
November 10, 2008
[サーキットシティ] 連邦破産法11条の適用を申請し倒産
先週115店舗の閉鎖と7,300人の解雇を発表したサーキットシティが、連邦破産法11条の適用を申請して倒産しました。負債の総額は23億2,000万ドル、運転資金として11億ドルのDIPファイナンスの調達が決まっており、今後は破産法管理下の下で再建の道を模索することになります。
倒産を選択したのはベンダーの意図のようです。在庫を積み増さなければならないこの歳末商戦という重要な時期に、小売企業がどうなるか分からない不透明な状況では商品を卸せない。HPやサムスンなどの大手メーカーが倒産を迫ったというのが背景にあるようです。
リネンズン・シングスの倒産もベンダーがカギを握ってましたが、倒産という最終局面におけるベンダーが持つ影響力というものを感じますね。
さて復活の可能性ですが、私は低い方に賭けます。まあこれも、支払い条件を緩和するといった、ベンダーの意図がカギを握っていると思いますけどね。
サーキットシティ、ブロックバスターに資本を売っておけば良かった。
後悔先に立たず。
こういう経営判断のミスが積み重ねって、企業って立ちゆかなくなるものなんですよねえ。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 6:56 PM | | トラックバック (0)
「歳末商戦目前にしてサーキットシティ倒産」Vol.12,No.46
アメリカ流通eニュース
サーキットシティが連邦破産法11条を申請して倒産した。業績の悪化が止まらず、CEOの解雇などこの企業にはここしばらくニュースが多く、ブログでも主要なものはエントリーしてきたので、おおよそご存じの方も多いことだろう。
歳末商戦目前にしての倒産は消費者イメージの崩壊というきわめて大きなハンデを背負ってしまうことになるのだが、どうやらベンダー側が倒産させるという選択肢を選んだというのが本音のようだ。
<これ以降の内容に興味のある方は、アメリカ流通eニュース(有料)をご購読下さい。>
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:34 PM | | トラックバック (0)
November 7, 2008
[チェーンストア] 10月の業績
10月の業績です。
大手チェーンストア36社の平均既存店成長率は0.9%減、この時期の数値としては1971年以来の低水準となりました。9月まで6ヶ月間連続でプラス成長でしたが、これもストップ。
またウォルマートの数値を除くと平均値は4.2%減まで落ち込むそうです。
(資料:国際ショッピングセンター協議会)
逆に言うと、ウォルマートは一社だけで界平均値を3%近く押し上げているわけですねえ・・・
以下、大手チェーンストアの結果です。
ウォルマート:2.4%
ウォルグリーン:2.0%
コストコ:2.0%
ターゲット:-4.8%
TJマックス:-6.0%
コールズ:-9.0%
リミテッド:-9.0%
JCペニー:-13.0%
ノードストロム:-15.7%
ギャップ:-16.0%
サックス:-16.6%
アバクロ:-20.0%
いまだプラス圏ではあるものの、コストコの数値の悪化が目立ってます。この数ヶ月5%を切ることがありませんでしたから。また為替の影響で海外事業の既存店成長率が落ちていて、全社ベースとするとマイナス1%となります。
歳末商戦の予測を下方修正するアナリストが増えているようです。
ところで、本日のWSJ誌に、感謝祭直後のウィークエンド(いわゆるブラックフライデー)のトータル売上高の推移が掲載されてました。
2004年:$265
2005年:$303
2006年:$360
2007年:$347
04年から06年までのわずか二年間で36%も増えてるんですね。
これは使いすぎでしょう・・・。
アメリカ人の大量消費文化が少しでも変化して、使わずに貯蓄にでも回すようになるほうが、この国のためになるんじゃないでしょうかね。
今年の歳末商戦、マイナスでも何も問題ないように思い始めてます。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:27 PM | | トラックバック (0)
November 6, 2008
[ホールフーズ] 業績が急速に悪化、投資企業による資本注入で立て直しへ
ホールフーズが2008年度の決算を発表したのですが(9月28日期末)、景気の悪化で数値がかなり落ち込んでいます。売上高は前年比2.6%増の17億8,892億ドルでしたが、最終利益高が150万ドルで前年比95.6%減と大幅に落ち込みました。
利益が落ち込んだ理由の一つはワイルドオーツ買収コストです。一定の収入を見込んで投資したものの、想定以上に収入が減ってしまって利益を圧迫してしまった、ということになります。
通年の既存店成長率が資料に出ていないのですが、各四半期の数値を参考にすると4.8%増で、これだけみるとそれほど悪くはないです。ただ以下の通りどんどん悪くなっているのが見て取れます。
第1四半期:9.3%増
第2四半期:6.7%増
第3四半期:2.6%増
第4四半期:0.4%増
業績悪化の最大の要因はもちろん景気の悪化で、ホールフーズのようなプレミアム型がやられてしまうのはしかたのないことではあります。今までが良すぎたともいえる。
加えて、近年店舗面積をどんどん拡大してきてこれが重荷になってしまったことがあげられます。景気の悪化時にも耐えられる面積ではなかったわけで、つまり適正規模を超えていたと言うことですね。
そしてこの過大な店舗を増やしすぎてしまった。オーバーストアです。
さらに、競合するマススーパーマーケット各社がオーガニックを年々強化していることもあげられます。セイフウェイのOオーガニックなど、この分野でのヒットPBすらすでに存在している。
決算書を眺めてみて、ああ、これは重大な問題だなと感じるのは在庫です。在庫高が昨年度末から13.7%も増えてしまっている。売上高増が2.6%ですから、これは増えすぎ。急速な売り上げ減に対して在庫の縮小が追いついていない印象です。
また、どうやら運転資金が厳しくなってきている模様。来年度以降の新規オープン用に70店舗を超えるリース契約をすでに済ませていて、しかし手持ちの現金と信用枠と、予想されるいっそうの業績悪化を考えると、資金に余裕がなくなりつつあるとアナリストが指摘しています。
これを解消するために、決算発表と同時に投資企業レオナルド・グリーンによる資本注入を発表してます。金額は4億2,500万ドル。
レオナルド・グリーンは古くはライトエイドによるペイレス買収や、スポーツオーソリティやペトコなど、小売業への投資でよく名前の出てくる企業です。
今までは店舗を増やす一方で成長してきたホールフーズですが、これからはスクラップもありえるのかもしれません。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 3:15 PM | | トラックバック (0)
November 5, 2008
[CVSケアマーク] ビューティケア専門フォーマットを開業
8月に発表していたビューティケア専門フォーマットをワシントンDCにオープンさせました。
ビューティ専門フォーマットの実験を開始
名称は変わらずビューティ360。
資料によると、既存店の横に併設する形式で、面積は2,700sqf(76坪)、アソートメントはマス商品ではなくてプレスティージ商品、価格は15ドルから170ドル、となってます。
業界誌の写真を見たのですが、どうやらカナダのショッパーズ・ドラッグ・マートのコピーのようですね。
併設と書きましたが、ドラッグストアとは壁で区切って別フロアとしてあります。これはマスイメージとの混在を防ぎ、これによってプレスティージブランドメーカーから商品アソートの許可をもらうわけです。
ただしデパートとの違いは、店員がメーカー派遣ではないので押し売りがないことと、プレスティージ商品を手に取れるセルフ環境となっていることにあります。お客と商品の間にカウンターと人間を必ず介在させるという販売手法ではない。
アメリカにおいては唯一アルタがこれでビューティ販売のイノベーションフォーマットを作り上げたわけですが、ここにCVSも切り込んでいこうとしているわけです。
ショッパーズ・ドラッグ・マートの幹部は、アメリカのドラッグストアにこれができるわけがないと言い切ってましたが、CVSが果たして成功するのかどうか。
12月初旬にはロサンゼルス郊外にもオープンさせるようなので、見に行ってこようと思っています。
参考までに、右の画像はショッパーズ・ドラッグ・マートのビューティブティック、業界誌が掲載しているビューティ360のイメージとそっくりです。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:29 PM | | トラックバック (0)
November 4, 2008
[サーキットシティ] 155店舗の閉鎖と7,300人の解雇
業績悪化で苦闘しているサーキットシティが155店舗の閉鎖と7,300人の解雇を発表しました。
国内721店舗の約20%、従業員数4万人の約18%にあたります。
資料を読むに、倒産して店舗を閉鎖する方が有利なはずだがしないのは、連邦破産法11条の管理下で運営するだけの資金調達ができないからだろう、とコメントするアナリストがいました。
DIPファイナンスのことでしょうかね。
サーキットシティの新プロトタイプ
ここで書いたように、家電は倒産すると売れなくなるという問題もあるようです。
資金調達が厳しいので、年末に必要な商品が仕入れられないんじゃないかという指摘もありました。こうなってくると、ベンダーも取引条件を厳しくしてくるでしょうし。
そこまで逼迫しているということですね。
倒産もできず、商品も仕入れられないとすると、あとは精算しかない、ということになりますが・・・。
今日は家電業界でもう一つニュースがありました。昨年6月に倒産したトゥィーターが企業精算するそうです。現在の店舗数は94、倒産時点で154店舗でした。
トゥィーターの倒産
アメリカの家電業界、勢力図が大きく変わりつつあります。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 12:14 PM | | トラックバック (0)
November 3, 2008
「機関投資家がターゲットに不動産の分離を提案」Vol.12,No.45
アメリカ流通eニュース
ターゲットが信販事業における売掛債権の半分を金融機関に売却したのは今年の初頭のことであった。その後の金融業界の混乱と景気の後退による債務不履行の増加を鑑みるに、この売却判断は時宜を得ていたと言わざるを得ない。
昨年このプランを提案し、動きの遅いターゲットの経営陣に売却を強く迫ったのが投資家のウィリアム・アックマンであった。経営に積極的に関与する機関投資家をアクティビスト型と呼ぶが、アックマンは典型的なそれで、今まで多くの上場企業に対して経営プランを提示し動かしてきた。
このアックマンがターゲットに対して新たな戦略提案をつきつけている。
提案内容は、ターゲットが持っている不動産を切り離してREITとし、別会社として運営せよというものである。
ターゲットは総店舗数1,680のなんと85%が自社所有なのだそうだ。土地建物ともにすべて所有していて、資料によるとこの比率は米国流通業界では最も高いという。
私の知る限りでは、ウォルグリーンの自社所有比率が20%で、これがおそらくアメリカの平均的な数値ではないだろうか。
例えば最近CVSに買収されたロングスは約40%が自社所有物件で、比率がかなり高いと言われた。人工密集地に不動産を多く持っているため評価価値が高く、CVSが買収した理由の一つとも言われている。またCVSによる買収価格が低いと機関投資家が主張していたのだが、これは自社物件に対する見積もりが低すぎるという論旨なのであった。
こうみると、やはりターゲットの比率は突出している。
例えばウォルマートはスーパーセンター出店時に、周辺の土地を広く買ってしまい、開発したあとにあまった部分を売って利益を出すということをやっている。総売上高からすれば微々たるものなのだが、少しでも機会があるのなら、ということである。
また自社で使用する部分については、開発後に不動産をすべて他社に売却してリースバックするケースがほとんどである。固定資産のオフバランス化のメリットは少なくなくて、こちらを選択する企業がいまはほとんどだろう。
従ってターゲットの不動産自社所有戦略はやはり珍しいと言うことができる。同社の総資本に対する長期有利子負債の比率は比較的高いのだが、積極的な買収戦略を取っているわけでもなく、なぜレバレッジが高いのか不思議だったのだが、このあたりに理由があるのかもしれないと思っている。
さてREITとして分離するメリットなのだが、利益の最低90%を配当として分配する限り連邦税を免除される点があげられる。またターゲットを優良テナントとして長期リース契約を結ぶことによってREITとしての企業価値が上がるとアックマンは主張している。
アックマンのプランでは分離するのは土地だけで建物は残す。理由は改装する自由をターゲットが保有するためだとしている。
一方ターゲット側の懸念は、土地を失うことで借り入れに対する信用レーティングが落ちて資本の調達コストが上がってしまうことにある。逆に言うと今までは土地を担保として調達コスト下げてきたということを意味している。
この提案に対してターゲットは回答を保留しているのだが、どうリアクションするのか楽しみではある。
★アメリカの機関投資家の成熟度★
信販事業の売却提案と合わせて、アックマンの包括的な意図は小売ビジネス以外の事業をスピンオフさせようとしているようだ。投資家としての現実的な目的は株価だろう。
ビジネスの価値を株価に正確に反映させたいということと、焦点を絞ることが株価を上げることにつながるということの二点につきる。とくにターゲットのような優良企業の場合、他の事業が絡んでいない方がストレートにその価値が株価に反映されて良いのである。
ただ長期的には、リソースを核事業に集中させるという経営レベルでの目的もあるだろう。多角化には善し悪しがあるのだが、“悪し”の方に傾いてしまう企業の方が多いように思う。
今回の事例、日本人がイメージしがちな“モノいうハゲタカ株主によるごり押し”という印象はない。ときに経営側を超えるようなロジックや正論を持っているのがアメリカの投資家で、ここに機関投資家コミュニティの成熟度を感じるのである。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:33 PM | | トラックバック (0)
[ラルフス] ロイヤルティマーケティングの本格始動か?
ラルフスから先週販促メールが届きました。中身はクーポン。私が日ごろ使っているスーパーマーケットはボンズとラルフスなのですが、クーポンと言うものが届いたことがありませ。両社ともに会員カードを導入していて、データを分析してのロイヤルティマーケティング(LM)をやっているのですが。
原因は、我が家の買物がコストコ、トレーダージョーズ、日系スーパーと分散していて一定ボリュームに達していないからか、またはLMとは言うものの実はデータをきっちり分析していないか、どちらかでしょう。
私は後者じゃないかと思っているんですけどね。
さてラルフスは数ヶ月前にカードを切り替えました。クローガーによるダンハンビーに委託してのLMが成功しており、おそらくシステムを統一したのではないかと推測してます。クローガーは長らく西と東を別事業体として運営してきていて、システム上も一体化していませんでしたが、ここ数年組織統合を急速に推し進めています。
すぐに新しいカードを取得し使い始めたのですが、今回初めてクーポンが届いたのも、データ分析をきっちりはじめた証左ではないかと感じています。
ちなみに届いたクーポンは16種類もあるのですが、様々なカテゴリーに分散して一貫性がありません。私の買い方が散漫でターゲットを絞れないためか、または分析を始めたばかりで単に買物を刺激する目的なのか、どちらかでしょうね。
クローガー復活の理由の一つがLMと言われてますが、ラルフスにもそのベストプラクティスが移植され始めたようです。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:49 PM | | トラックバック (0)







