2009年1月30日
[ウォルグリーン] COOのグレゴリー・ワッソンがCEOに昇格

昨年の11月にCEOのジェフリー・レインが突然辞任し、その後取締役会が次のCEOを探していたウォルグリーンが、結局社内昇格を選択しました。現COOのグレゴリー・ワッソンがCEOとなることが発表されました。

ワッソンは1980年にファーマシーの研修生からウォルグリーンでのキャリアをスタートした生え抜きで、COOになる直前はウォルグリーン・ヘルス・サービスというスペシャリティ・ファーマシーやPBMを統括する部門の責任者でした。

資料によると、外部エージェンシーを雇って探している期間中50人近い候補者がいたそうです。

このヘッドハント企業に委託して経営者を探すという行為はウォルグリーンにとっては史上はじめてのことでした。人材のパイプが太いウォルグリーンにしては異例のことなのですが、どうも行間を読むに、景気が悪化しているこの時期には財務に強い人が必要だろうという投資家サイドからのプレッシャーがあったように感じてます。

今回の発表に対しても、不満を表明する証券アナリストがいました。

でも、長期的に見たら社風を継承している社内人材の昇格が一番なんですよね。
結局、手堅いウォルグリーンらしい結論を出したな、という印象です。

鈴木敏仁 (01:58)


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2009年1月29日
[働きたい企業ベスト100] 小売企業のトップはウェッグマンズ

今年で紹介するのは4年連続です。
フォーチュン誌が選ぶ『The 100 Best Companies to Work for』から、小売企業を抜き出してみました。

5位:ウェッグマンズ
10位:ナゲットマーケット
12位:REI
22位:ホールフーズ
23位:ザッポス
27位:クィックトリップ
32位:コンテナストア

一昨年、5位までに小売企業が3社もランクインしたのですが、今回はウェッグマンズの5位が最高位でした。またランクインしている総数が一つ減ってまして、小売業、若干落ち気味かなという気がします。
ただ日本で同じようなランキングして、小売企業がいったい何社入るかと考えてみたら、やっぱりアメリカの小売企業は日本よりも良い労働環境を提供しているなと思わざるを得ません。

参考までに、昨年のエントリーです。
『働きたい会社ベスト100』、ナゲットマーケットに注目


今回の注目は初登場のザッポス、靴のネット販売企業です。

創業は1999年、業界誌に始めて登場したのは3年前ぐらいでしたでしょうか。
あまり気にしていなかったのですが、去年ぐらいから出てくる頻度が増えて、おやっと思ってたら、とうとう今回のランクインでメジャーな舞台に出てきちゃいました。

経営者が常識にとらわれていないんですね。これが、雇用環境にも現れているようで、このあたりが評価されたように思います。

そういえば、ロサンゼルス空港の手荷物検査エリアにある小物を入れるためのトレー、底面にすべてザッポスの広告が入ってました。こんなところを広告で使うのかというアイディアに舌を巻きつつ、ああこんなところでザッポスが広告してるのかとびっくりした記憶があります。

鈴木敏仁 (03:30)


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2009年1月28日
[ターゲット] 本社スタッフ600人をレイオフ、配送センターも閉鎖

ターゲットが本社スタッフの600人をレイオフすると発表しました。またアーカンソー州にある配送センター1カ所を閉鎖します。配送センターは500人を雇用していると言うことなので、合わせると1,100人です。
また本来人員を雇用し配置しなければならないオープンポジション400を雇用せずにおき、さらに上級管理職の昇給をしばらく止めて、経費を削減するそうです。

昨日のホームデポの7,000人も結構な規模ですが、個人的にはターゲットのレイオフの方がインパクトが強いですねえ。ホームデポはおおよそ分かっていたことなので納得できるのですが、ターゲットは想定していなかった。社員数35万人のうちの1,100人と、決して大きなレイオフではないのですが。


そういえばふと思い出したのですが、ウォルマートは数年前に本社スタッフの削減をやってました。100人レベルでしたか。赤字でもなく増収増益だったのですが、成長が若干スローになる予兆が見え始めた時期のレイオフで、その用意周到さというか、手のつけ方の早さに驚いたものでした。
ウォルマートはいま好調ですからリストラはないと思うのですが、これだけ競合企業がやり始めると、ウォルマートはさてどうするんだろうとけっこう気になります。

鈴木敏仁 (06:08)


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2009年1月27日
[ホームデポ] エキスポデザインセンターから撤退、7,000人をレイオフ

ホームデポがエキスポから撤退することを発表しました。全34店舗、解雇される従業員は5,000人。

エキスポを開発したのは1991年のことでした。昔の自分の記事を引っ張り出して参照してみたのですが、それまでずっと実験フォーマットにとどまっていたものを、98年に強化フォーマットとしたのがその年にCEOとなったアーサー・ブランクで、当時は200店舗構想をぶちあげていました。

ブランクは個人的にも、どうしてもエキスポを成功させたがっている、と当時言われていたんじゃないでしょうか。
たしか91年の立ち上げの時にもからんで、思い入れがあるというようなことを聞いたような気がします。


成功しなかった理由は二つ、リフォームビジネスってチェースストアのスケールメリットが全然機能しない領域であることと、中から上の所得層を狙ったことにあるでしょう。

このエキスポに加えて、小型フォーマットのヤードバーズ(5店舗)、HDバスというバスルーム専門のリフォームフォーマット(1店舗)からも撤退します。

本社の管理部門の人員も加えると総解雇人員数は7,000人、また管理職(オフィサー)は10%削減されるのに加えて、賃金アップを凍結するそうです。


別フォーマット総撤退の結果、残るはオレンジ店舗だけとなり、コアフォーマットにリソースを集中していくことになるわけですが・・・ホームデポは過去たくさんの別フォーマットを開発してきたのですが、ことごとく失敗に帰したわけで、これはこれで感慨深いものがあります。

この企業ほど多角化の下手な小売企業って、他に存在しないような気がするんですよね。
ウォルマートがうまくいっているのをみると、なおさらその下手さ加減が際だちます。

別事業をおこし成功させるためには黄金律のようなものが実はあるんですが、セオリーを全く踏んでいなかったんでしょうねえ。


現CEOのフランク・ブレイクに対する業界評価は低くありません。
時間はかかりそうですが、復活の可能性も低くないと思っているんですが・・・。

鈴木敏仁 (02:48)


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2009年1月26日
[ウォルマート] 南米チリ最大手D&Sの買収成立

昨年12月末から開始していたD&Sの公開買い付けが成功し、買収が成功しました。
ウォルマートの所有比率は58.2%で、残りの40.1%は大株主だったイバニェズ一族、1.7%がその他の一般株主、となるそうです。

これでウォルマートは年商がドルベースで38億ドル超の大きな企業を手中に収めたことになります。また中南米では10カ国目でこの地域だけで進出国が2桁を越えたことになります。

鈴木敏仁 (01:20)


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2009年1月23日
[流通業界団体] FMIとGMAがコラボレーションで合意書に調印

GMA(Grocerry Manufactures Assocition、グローサリー製造業協会)は食品と日用品を製造しているメーカーが集まっている協会、FMI(Food Marketing Institute、食品マーケティング協会)はスーパーマーケット企業が集まっている協会です。
この二者が今後いっそう協同して活動するという合意書を先月交わしました。

サプライチェーン、情報テクノロジー、環境問題、といった分野の改善や効率化で、両者がより一層協同して取り組むという内容で、双方のスタッフが一緒に共同作業するというような具体的なプランも含まれています。また、大手メーカーとリテーラーの経営者たちを集めての定例エグゼクティブミーティング(日本だと理事会や役員会)を合同で開催したりもするそう。

グローサリーの日本語訳は食料雑貨でして、もともと非食品も含まれている言葉です。アメリカのスーパーマーケットで売られているものを思い起こしていただければ分かりますが、薬、文具、雑誌、といった分野も含まれる。GMAは非食品も含めたいわゆる日用必需品を製造しているメーカー集まっている業態協会でして、このタイプは日本には存在しません。
日本はお役所ごとの縦割り官僚型協会でして、生活者視点ではないんですね。

ですから今回のような、メーカー協会と小売協会が業界を代表して覚え書きを策定して、業界をあげて積極的にコラボレーションを推進しましょうというような取り組みが、なかなか進みません。

GMA型の協会は日本でも必要だと思ってまして、この点についてはあちこちで言い続けいるんですが・・・。
日本の流通業界のために、いつか実現したいというのが私の夢です。

鈴木敏仁 (03:09)


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2009年1月22日
[ウィリアムズ・ソノマ] 1,400人のレイオフと関連施設二カ所の閉鎖

キッチン用品専門店チェーンのウィリアムズ・ソノマがフルタイマー1,400の解雇と、コールセンター1カ所と配送センター1カ所の閉鎖を発表しました。解雇人数は全体の18%に相当、今年に入って倒産や破産を除いて最大の解雇数です。このリストラで7,500万ドルの経費削減を見込んでいます。

同社は歳末商戦で既存店成長率がマイナス24.2%と売上が大きく落ち込んだ企業の一つでした。

参考までに、フォーマットの特徴はアップスケール型、総店舗数は626、ポッテリーバーン、ウェストエルムなどの他フォーマットも展開している企業です。


さて、各社のダウンサイジングが活発化していますが、年初から人員削減に踏み切った企業は以下の通りです。

ウィリアムズ・ソノマ:フルタイマー1,400人
サックス:本社1,100人
ウォルグリーン:本社1,000人
ベストバイ:本社500人
バーンズ&ノーブル:本社100人
チャーミングショップ:本社225人

企業のサイズを勘案すると、今回のウィリアムズ・ソノマのレイオフは非常に大きいものだと思います。

市場縮小に合わせて、企業サイズも一気に縮小させる。
アメリカの小売企業の動きは日本と比較するとやはりダイナミックです。

鈴木敏仁 (03:30)


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2009年1月21日
[パブリックス] 1,000店舗目をオープン

来月の2月5日に1,000店舗目をオープンさせるそうです。場所はフロリダ州のセントジョンという地域で、店舗面積5万4,000sqf(約1,500坪)のコンビネーションストアです。

総店舗数が4桁を越える食品小売企業は少なくありませんが、一つの店舗名で、とするとけっこう少ない。
ウォルマートスーパーセンター、クローガー、フードライオン、アルディ、そしてこのパブリックスぐらいなものなのです。

有名なリージョナルチェーンとしてはウェッグマンズやHEバットが存在しますが、最も成長率が高くて注目すべき企業がこのパブリックスだと私は思ってます。

鈴木敏仁 (12:20)


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2009年1月19日
「成長に拍車がかかりはじめた米アルディ」Vol.13,No.04

アメリカ流通eニュース

 昨年来、アルディの出店スピードが加速してきているのだが、ついにニューヨークへの出店をほのめかしたため一般メディアの耳目を集めはじめた。ウォールストリートジャーナルが特集で取り上げているのだが、私の記憶では全国紙による記事は初めてではないかと思う。
 グローバルという視点で見たときに、おそらく、ウォルマートとテスコの2社に次いでベンチマークすべき企業がこのアルディだろう。
 ご存じない方も多いと思うので、アメリカでの現状を中心にしてこの企業について簡単にまとめておこうと思う。

鈴木敏仁 (04:06)


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2009年1月19日
[サーキットシティ] 経営再建を断念し廃業へ

サーキットシティ昨年11月に倒産して破産法管理下にあったサーキットシティが再建を断念し、廃業することになりました。07年度の売上高は117億ドル、日本円に換算すると約1兆円企業が消えてなくなることになります。

倒産後、自主再建は不可能とみて資本を売却することによって延命を図ろうとしていたようです。話し合いの席に着いていた企業は2社、1社は中南米で大きな事業を展開しているメキシコの富豪プリエドで倒産直後に株を買い増して筆頭株主となっていました。
もう1社はバイアウト企業でした。

買収交渉が不調に終わった理由は、サプライヤーが支援を放棄したことにある模様。サプライヤーがもうダメだと判断して、デューデリジェンスの時間を与えなかったそうです。

大きな小売企業もサプライヤーから支援を受けられなければ息の根が止まるという、とても興味深い事例となりました。


07年度末の総資産額は約37億ドル。
過去の資料を調べてみたのですが、この資産レベルでの企業精算という意味においては97年のモンゴメリー・ウォード(約49億ドル)に次ぐ規模の破綻ということになると思います。

昨年倒産した時点で社員数4万人。大変な数の人たちが雇用を失います。

ただなんとなく感じるのですが、廃業の規模の割にはメディアの扱いがどうもあまり大きくないのですよね。
こういうニュースにみんな慣れちゃった、ということなんでしょうか。
1兆円規模の企業ですから、日本なら大変なことになっていることでしょう。


廃業が決まった翌日の土曜日から在庫一掃セールが始まってます。サーキットシティ
右の写真のようにすごく混んでました。
ごった返す店内で、もうまもなく職を失う店員が一生懸命対応しているのが印象的でした。

"みんなハイエナのようだなあ、もっと早く来てあげればよかったじゃないか"、なんて思ったりしたのですが、でも自分も同類なので人のことは言えませんね(笑)

在庫一掃セールについてはちょっとだけおもしろいネタがあるのですが、これはR2リンクで。

鈴木敏仁 (01:53)


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2009年1月16日
[店舗ブランド] ブランド価値ナンバーワンはウォルマート

ブランドマネジメントの専門会社、インターブランド・デザイン・フォーラムが小売企業のブランド価値を試算してのランキングを公開しました。
試算の方法は長いので省きますが、ブランド資産の総額でランキングされてます。

1、ウォルマート: $129,809
2、ベストバイ: $21,981
3、ホームデポ: $20,809
4、ターゲット: $17,111
5、CVS: $12,566
6、デル: $11,695
7、ウォルグリーン: $11,145
8、ロウズ: $10,710
9、サムズ: $9,478
10、コーチ: $9,052
(金額単位は100万ドル)

店舗名をブランドと見立ててブランディングするという考え方は、日本の小売業界では、アパレル専門店チェーンを除くと、ほぼ欠落していると私は考えてます。

ウォルマートは1位ですが、ただ安売りしてきたからブランド資産が一位になったわけではないということは、おわかりいただけるでしょう。ウォルマートでさえ、きっちりとブランド管理しているのがアメリカです。

ランキングは50位まであるのですが、スーパーマーケット企業は唯一ホールフーズが47位に入っているのみ。
食品を扱う小売企業としては、ウォルマート、ターゲット、コストコ、サムズ、といったブランド名がランクインしているのですが、純粋なスーパーマーケットはホールフーズだけなんですね。

理由として、お客のエクスペリアンスや差別化よりも、プロモーションに偏向していてプッシュのし過ぎだからと説明しています。まあハイローどっぷりという意味においてはドラッグストアも似たようなものではあるのですが、お客のイメージという視点からはスーパーマーケットは確かに弱いかもしれない。

ウォルマートは全米最大の食品リテーラーですから、食品を扱っているという点においてはスーパーマーケットと代わりはない。唯一EDLPである点が、他のスーパーマーケットとは異なる点です。
EDLPという公平な売り方を消費者がちゃんと評価しているということでしょうかねえ。

ウォルマートの強さを垣間見るような気がします。

鈴木敏仁 (02:36)


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2009年1月15日
[米アルディ] 09年度の新規出店数は75、初のニューヨーク出店も

米アルディが今年度に75店舗を出店する予定であることを明らかにしました。
昨年度は100店舗の出店で、これにはフロリダ商圏への初進出が含まれていましたが、今年度は既存商圏への出店のみ。そのかわり現在テキサスに配送センターを建設中で、来年の春にはダラス/フォートワース商圏に進出します。

テキサスはウォルマートの地元ですので、敵地へ乗り込むわけです。
ウォルマートはドイツでアルディに負けたようなものですから、なかなか興味深いですね、これは。

また今年中にニューヨークに店を出すようで、おかげでようやくこの地味な企業にメディアが気づいたようです。全国紙が大きく記事にしたりして、耳目を集めはじめています。

鈴木敏仁 (02:21)


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2009年1月14日
[米国景気動向] 12月の小売業売上高はマイナス2.7%

米国商務省が本日小売業売上高の動向を発表しました。チェーンストアの既存店成長の動向ではなくシンプルに小売市場の統計であることと、前年比ではなくて前月比である点が、9日にエントリーしたニュースとは異なっています。

市場の予測は1.2%減だったそうなので、2.7%減は予想をかなり超える数値でした。

また年間では前年比で0.1%減となって、統計を始めた92年以来の年間として初めてのマイナスとなったそうです。

日本の記事を読むと'初のマイナス'なんて見出しが目につきましたが、92年以来の初のマイナスで、たぶんもっと過去にはマイナス成長はあったんでしょうね。見出しを見るとことさら誇張して受け取ってしまいますが、そういわけでもないです。


12月の数値から自動車の売上高を除くと3.1%減となって、数値が悪くなります。ただこれにはガソリンスタンドの15.9%減が含まれてまして、これを除くと1.4%減となって、マイナス幅が小さくなります。ガソリン価格は急落してますから、このあたりはちゃんと勘案してみなければいけませんね。

ずっとエントリーしているチェーンストアの既存店成長率でも、例えば1/09の記事を読めば分かるように、ガソリンを除くと数値がけっこう良くなります。

ちなみにガソリンの12月の売上高は前年比だと35.5%減だそう。

年間の売上高成長率がマイナス0.1%となってますが、ガソリンを除くと少なくともフラットにはなるんじゃないでしょうか。
とすると、確かに良い数値じゃないけど、大騒ぎするようなものでもないような気がするんですが、どうでしょうか。

鈴木敏仁 (02:36)


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2009年1月13日
[店頭販促] ウォルマートがP.R.I.S.Mから脱退

今回はちょっtテーマを変えます。
何回かエントリーしてますが、店頭をメディアとして捉えて、GRPのような店頭販促の評価指標を作ろうというパイロットが動いてます。
店頭のメディア化イニシアチブ

ウォルマート、ターゲット、Kマート、クローガー、ウォルグリーンといった大手小売企業16社、P&G、クラフト、ユニリーバなど大手メーカー30社がコンソーシアムを組んでます。名称は『P.R.I.S.M(Pioneering Reseach for an In-Store Metric)』

昨年末ですが、ここからウォルマートが抜けました。
もともと最後までコミットしないとしていたらしいですが。ウォルマートがPOSデータをニールセンなどの分析会社に提供していないことは知られてますが、このポリシーの一環だそうです。

実はウォルマート自体は、スマートネットワークでDS-IQという独自の評価指標を作ろうとしてます。イニシアチブにまず参加し、何やってるのか学習し、独自で実施するための参考とし、学ぶものがなくなったからやめちゃった。ウォルマートの過去を鑑みると、そういう可能性をすごく感じますよね。


このP.R.I.S.M、すごくユニークで興味を持っているんですが、ウォルマートがいなくなったことがどう影響を与えるのか、別の意味で興味津々です。

鈴木敏仁 (12:11)


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2009年1月12日
「サーキットシティが廃業、1兆円企業の終焉」Vol.13,No.03

アメリカ流通eニュース

 昨年11月に連邦破産法11条を申請し倒産していたサーキットシティが、再建を断念して企業精算の道を選択した。金融収縮のあおりで倒産中のつなぎ融資が得られず、買収に興味を示していた2社との交渉も不調に終わり、ジエンドとなった。
 07年度の売上高は117億ドル、日本円に換算するすると1兆円を越える企業の破綻である。

<これ以降の内容に興味のある方は、アメリカ流通eニュース(有料)をご購読下さい。>

鈴木敏仁 (04:04)


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2009年1月12日
[ウォルグリーン] 本社人員1000人をレイオフ

ウォルグリーンが本社スタッフの約9%にあたる1,000人をレイオフします。期限は年の半ば、自主的な早期退職と解雇と双方をミックスさせての人員削減で、2010年に5億ドル、2011年に10億ドルの経費を削減するプランの一環として実施します。

ウォルグリーンがこのレベルの人員削減を実施するのは同社の歴史上初のことのようですね。
業績は決して悪いわけでもなく、この時期にうまく乗った、というような印象がすごく強いです。

ベストバイはすでに本社人員500人の削減に踏み切っていますね。

米小売業界では、店舗閉鎖だけではなく本社人員の削減もはじまりました。

鈴木敏仁 (02:50)


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2009年1月 9日
[米小売業界] 巻き返しをはかれなかった歳末商戦

12月のチェーンストアの業績が出ました。

大手チェーンストア37社の平均既存店成長率は1.7%減、先月と同様に調査を始めた1969年以来の低水準でした。昨年の9月にプラスを記録して以来、歳末にかけて3ヶ月連続マイナス成長ということになります。
(資料:国際ショッピングセンター協議会)

以下、大手チェーンストアの結果です。

ウォルグリーン:-4.9%
ウォルマート:1.2%
コールズ:-1.4%
コストコ:-4.0%
ターゲット:-4.1%
TJマックス:-5.0%
JCペニー:-8.1%
リミテッド:-10.0%
ノードストロム:-10.6%
ギャップ:-14.0%
サックス:-19.8%
アバクロ:-24.0%

コストコのマイナスは相変わらずガソリンデフレと為替の影響を受けてます。ガソリン売上高を除いた国内事業は2%増、為替が昨年と同じと推定した場合の海外事業は9%増で、実質的には極めて堅調な業績です。

ウォルマートの数値はもともと海外事業が含まれていないのですが、ガソリン価格の影響は受けてまして、ガソリンを除くと1.7%増となります。こちらもまあまあなのですが、アナリストの予想を下回ってしまい、紙面にはウォルマートも業績悪化という感じの記事が踊ってます。


まあ、おおよそ11月と同じような数値が並んでいて、購買行動に大きな変化はなかったわけですが、巻き返しがはかれなかったという点で、惨敗ということになるのでしょう。

ただ昨日も書いたようにプラスを記録している企業もあるし、月次で業績を発表していない企業の中に好調企業もあるので、一概に"とにかく悪かった"とするのもどうかなと思ってます。

鈴木敏仁 (01:44)


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2009年1月 8日
[ファミリーダラー] 第1四半期に好業績を維持、通期の見通しも上方修正

本日は12月の業績が発表されているのですが、すべて出そろって概観できるまで待ちますので、明日のネタとします。
昨日発表されたファミリーダラーの第1四半期の業績を今日は俎上に上げます。この会社は8月末期末で、11月29日までの第1四半期の決算がリリースされました。

売上高は4%増の17億5000万ドル、最終利益高は14.3%増の5190万ドル、既存店成長率は2.1%増で、多くの企業が業績が悪化している中でこの数値は相変わらず光ってます。ついでに1月3日までの5週間の結果は既存店成長率6%増で、さらに数値を上げています。
今年度の見通しも、当初の売上高3縲鰀5%増を4縲鰀6%へ、既存店成長率1縲鰀3%を2縲鰀4%へと上方修正しました。


今日発表されている12月の業績から好調なウォルマートだけ引き出すと、既存店成長率は1.7%増でしたので、ファミリーダラーはこれを上回っていることになります。


この業態、景気が良いときに大きく伸びるというわけにはにいきませんが、ビジネスモデルをきっちりと作り上げてしっかりとマネジメントえしていれば、景気が悪くても大きく落ちると言うことがないですね。
市場を三角形とみなして、低価格帯の下が広く、高価格帯の上が狭い、という図式を思い浮かべてみてください。下方を狙うビジネスは市場が大きい分ブレが少ないと言うことができます。

ちょっと論点がずれますが、これ、とくに日本のメーカーが見過ごしがちな視点だと思ってます。

鈴木敏仁 (03:11)


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2009年1月 7日
[ウォルマート] 海外事業のトップにダグ・マクミロンが就任

マイケル・デュークのCEO就任に伴って空席となる海外事業の責任者に、現サムズクラブのCEOであるダグ・マクミロンが異動する人事が発表されました。デュークの異動と同じく2月1日に実施されます。サムズのCEOはこれから決めるとのこと。

いや、これはなかなかすごい人事じゃないでしょうかね。マクミロンの年齢は42歳、この若さでウォルマートで2番目に大きなユニットのトップに立つわけです。
ウォルマートの人事のダイナミックさを感じます。

サムズのCEOって若い人がなることが多いんですね。社風というか"事業風"がカジュアルで若い人向きというのもあるんですが、どうも修行の場、または生え抜き社員の昇格の登竜門とみなしている感がある。マイクロ・ソフトのCOOとして移籍したケビン・ターナーは37歳でサムズのCEOとなっていますが、業績を回復させて、次期リーダーとして見なされていた人でした。

マクミロンは配送センターの学生アルバイトが最初の仕事で、その後MBAを取ったりしているのですが、生え抜きのたたき上げと見られている人です。
サムズでの修行を卒業して、将来的にはかなり重視されている事業部門のトップに移るわけですから、かなり期待されているようだし、その期待に応えている人と言うことができます。

現在の状況では、デュークの次がエデュアルド・カストロ・ライトで、その次の集団のトップにマクミロンがいるような気がしています。年齢的にもぴったりはまってきます。

鈴木敏仁 (02:14)


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2009年1月 6日
[グッディズ・ファミリー・クロージング] 再生を断念、09年最初の破綻企業に

テネシー州に本社を置くグッディーズというアパレル専門店チェーンが破産しました。

連邦破産法11条を申請し倒産
このエントリーにありますように昨年6月に連邦破産法11条の申請をして倒産したのですが、4ヶ月後の10月に手続きを終了し再生したばかりでした。再生時にCEOは非常に元気なコメントを出していたのですが・・・まあ、経営者が落ち込むようなスピーチをするわけないですよね。
12月半ばの時点ですでに資金調達の行き詰まりが噂されていて、そのとおりとなりました。わずか半年あまりの間に倒産、再生、精算と、ジェットコースターのような最後でした。

このグッディズ、おそらく今年最初の破綻企業となってしまったように思います。


昨年末の資料ですが、11月の時点で倒産するリスクを負った小売企業は全体の25.8%にのぼるという数値がありました(対象企業数182社)。07年が7.3%だったので3倍以上に増えているのですが、4社に1社がリスキーだというこの数値には驚きます。

これから数ヶ月、破綻する企業がしばらく続いて出てくるのではないかと思います。

鈴木敏仁 (01:49)


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2009年1月 5日
「はじまった倒産と人員整理」Vol.13,No.02

アメリカ流通eニュース

 毎年のことなのだが、米国流通業界のこの時期はリストラや倒産のニュースが紙面を賑わせる。日本のように歳暮と中元と二つにばらけておらずギフト需要が歳末に集中するアメリカでは、歳末商戦の結果は死命を制すると言っても過言ではないほどの重さを持っていて、その結果がわかる年初に大きな動きが集中するからである。
 とくにいまは金融クランチで資金調達がままならず、売れず、つなぎで金も借りるということもできないという、ダブルパンチを食らいがちだ。
 年が明けてまだ半月も経っていないのだが、すでに企業精算を選択する企業が出ているし、大手リテーラーも人員整理を開始している。

<これ以降の内容に興味のある方は、アメリカ流通eニュース(有料)をご購読下さい。>

鈴木敏仁 (04:02)


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2009年1月 5日
[ネット販売] 歳末商戦で業界初のマイナス成長を記録

明けましておめでとうございます。
今年もRetailwebとR2リンクをご愛顧いただけますようお願い申し上げます。

さてまずは歳末商戦のニュースから。
11月1日からクリスマスイブまでの期間の、ネット販売の推移が年末に発表されているのですが、前年比2%のマイナスで、毎年20%近い成長を続けてきたネット販売市場で初めてのマイナス成長を記録しました。
リアルな小売業界一般の数値はこれから出てくるのですが5.5縲鰀8%程度のマイナスではないかと見積もられていて、ネット販売は史上初のマイナスになったものの全体から比較するととりあえずは悪くはない、という見方となっています。

またアマゾン、アップル、ウォルマートといった一部の企業に集中する傾向があって、その他の企業は10%以上の大きななマイナスを記録したようです。勝ち負けが鮮明に出たということですね。とくにアマゾンが強かったようです。

業界全体の数値はまもなく出てくるものと思います。

鈴木敏仁 (03:04)


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2009年1月 1日
「惨敗に終わった歳末商戦を概観する」Vol.13,No.01

アメリカ流通eニュース

 米労働省が8日、12月の失業手当申請者数が461万人に達し、1982年以来の高水準を記録したと発表した。続けて翌日に発表された12月の雇用統計によると、失業率は7.2%で16年ぶりの高い数値となったことが分かった。
 小売業労働者が高い比率を占める非農業部門の雇用者数は年間で258万9,000人も減少し、これは64年ぶりの数値。また2008年の平均失業率は5.8%で、前年の4.6%から上昇、こちらは2003年以来の数値となった。
 すべて市場予測を上回っている。
 このように"縲恃Nぶり"という数値が踊っているのだが、歳末商戦の結果も同じトーンで終わったことが、各社が業績を発表した9日に明らかになった。
 今年はこの市場動向からスタートしたいと思う。

<これ以降の内容に興味のある方は、アメリカ流通eニュース(有料)をご購読下さい。>

鈴木敏仁 (04:00)


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