2010年1月29日
[ウォルマート] メジャーな組織の再編成を実施

ウォルマートが国内外の組織の再編成を発表しました。細かい組織変更はちょくちょくやっているのですが、大きな部門の再編なので発表したのでしょう。

◇ウォルマート事業部門では店舗オペレーション、ロジスティクス、不動産をCOO直下におく。ロジスティックスと不動産はウォルマート事業とは離れた独立した部門だったのですが、これを一つにまとめることになります。

◇店舗オペレーションの地域分類を、ウェスト、サウス、ノースの3つとする。これはもともと5つでした。

◇独立事業体だったネット販売のウォルマート・コムをマーチャンダイジング部門に統合する。


主要なものだけ抜粋しましたが、これに加えてかなりの職位の役割の変更があったようです。また海外事業についても変更があって、西友の人事異動がちょうど発表されてましたがこの本体の動きに連動しているようです。

この企業はもともと人の異動や組織変更を頻繁に行うことで知られてますが、今回のものはここ数年取り組んでいる新イニシアチブと、景気の悪化による環境の変化の2つが背景となっているように思います。

また先日はサムズでも組織変更がありましたが、つまり全社ベースでガンガン変えているわけです。

これほど大きく揺り動かしている競合他社が見あたらないことを考えると、やはりウォルマートはいろいろな意味で突出しているなと感じます。


ちなみにこういうのを英語でリストラクチャリング、またはりアライン(Realign)と表現します。日本ではリストラ=レイオフとなってますが、本来は組織構造を再編すること意味している単語ですね。
本当はエントリーのタイトルをリストラとしたかったのですが、日本の皆さんに勘違いされてしまうことを避けるために再編成を使用しました。

鈴木敏仁 (03:40)


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2010年1月27日
[ウェッグマンズ] 働きたい企業ベスト100ランキング、6年連続でトップ5入り

毎年恒例のフォーブス誌による100 Best Companies to Work For、ウェッグマンズが3位にランクインしました。5位以内にランクインするのは6年連続、100社以内に入るのは13年連続だそうです。2005年には1位になったこともあります。

このエントリーは毎年載せているのですが、毎年思うのは、同じようなランキングを日本で作ったとして、小売企業がどのくらいランクインするんだろう、ということです。
100位以内ならひょっとするといつくか入るかもしれないけれど、10位以内なら残念なことだけど皆無だろうと断言できます。

こういうランクに一社でも入るような時代が日本にも来るのだろうか・・・。


参考までに、その他のランキングされた企業です。

5位  ナゲットマーケット
15位 ザッポス
18位 ホールフーズ
36位 コンテナストア
41位 クィックトリップ
53位 ノードストロム
64位 スチュー・レオナルド
68位 メンズウェアハウス
86位 パブリックス


また昨年のエントリーはこちらです。
働きたい企業ベスト100

鈴木敏仁 (04:46)


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2010年1月25日
[ターゲット] 今年のPフレッシュタイプへの改装予定は340店舗

ターゲットが導入した生鮮をアソートしたプロトタイプが好調で、年内に10億ドルを投じて340店舗を改装する予定であることが分かりました。業界誌が報じています。

このPフレッシュと呼ばれるタイプは旧型よりも客数が6%増加し、年間の売上高に換算すると最低でも450万ドルの売り上げ増につながる。また340店舗の改装は既存店成長率を1%押し上げるだろうとしています。


一方、今後3~5年以内に海外に進出プランがあるようです。ターゲットは'いつ出るのか?'と言われ続けてきた企業なので、やっと周囲の期待に応えるというわけですね。ただしカナダ、メキシコ、ラテンアメリカといった、アメリカにとって海外とは言えないかもしれない与しやすいエリアを考えているようです。

鈴木敏仁 (04:46)


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2010年1月24日
[ウォルマート] サムズが1万1,200人をレイオフ

サムズクラブが1万1,200人をレイオフする予定であることを発表しました。トータル社員数が11万だそうなので、約1割にあたります。

そのうちの約1万人が店頭でサンプルするデモ販売をやっているパートタイマーで、残りの1,200人がおなじく店頭で新規会員を獲得する仕事をしているパートとなっています。

レイオフの理由は、デモ販は外部の専門会社にアウトソースするため、新規会員の獲得には別の有効な手法上がるから、となっています。先日10店舗の撤退を発表したばかりで、業績も競合のコストコと比べると良くないのですが、業容縮小のためのレイオフというわけではないようです。

デモ販は業界慣行としてもともと外部委託する領域でして、自前でやっていること自体が珍しいとも言える。ウォルマート本体はアウトソースしてますし、スーパーマーケット業界全体がそうです。

ですから今回の外部委託化そのものは驚くことではない。
またレイオフされたデモ販要員の多くはアウトソーサーに雇われる可能性が高そうなので、社内不安が起きるようなものでもなさそうです。


ただ、こういうリストラをどんどん進めていくアメリカの大手小売企業と、ほとんど進まない日本の大手小売企業を見比べると、暗澹とした気分に少々なります。組織編成の大胆な改革に取り組む大手企業って、あまり聞きませんものね、日本では。
もちろん、人をぽんぽん切ってしまうアメリカのやり方も決してほめられたものではないのですが。

万惣高取店さて話は変わりますが、先週末広島へ行ってきました。目的は写真の店舗を見るため。
この企業、作業に対する思想が根本から異なっています。簡単に言うと、日本の小売業が文系と体育会系で占められているのに対して、この企業は理系なんです。
流通業界って、アメリカもそうなのですが、ユニークな企業は田舎から生まれるのだという真理を再確認しました。

鈴木敏仁 (04:18)


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2010年1月20日
[プロクター&ギャンブル] ネット販売サイトをオープン予定

先週、P&Gが直販サイトをオープンさせるプランを持っていることをWSJ紙が報じました。P&Gの商品のみを販売するネット販売ビジネスで、サイトはwww.pgestore.com、まだ公開されおらず、近々オープンする予定のようです。
目的はリサーチ、またはマーケティング、消費者とダイレクトにつながることで何かを得ようとしているわけです。

名称は失念しましたが、P&Gは自社のビューティケア商品を売るサイトを以前持ってましたね。これはもう閉鎖されてます。またイギリスではネットスーパーに投資してます。

加えるに、以前エントリーしましたが専門店チェーンのArt of Shavingを買収したり、洗車ビジネスを買ったりと、消費者とダイレクトに接するビジネスは結構展開していまして、今回のプランはその延長線上にあると理解すると分かりやすいです。

つまりP&Gとしては珍しいことではない。
ただ日本も含めたメーカーの世界の常識に照らし合わせると、少々珍しいと言うことになるわけです。

P&Gはそういう企業です。


P&Gはエスノグラフィー的なアプローチをこの10年ぐらい強めてます。
簡単に言うと、消費者の生活の中にまで入り込んでその行動を深く理解しようとする手法で、調査を主体とする従来のマーケティング手法からさらに一つ突っ込んだやり方です。

CEOみずからが消費者の家に行って、消費行動を観察し、分析し、理解する。
P&Gは実はこれをやってます。

さらに、新興国では小売の店員として社員を派遣して流通を理解しようとまでしています。


つまりネット販売も含めた一連の動きはおそらくエスノグラフィー的な発想から出ているんじゃないかというのが私の理解なんです。


そしてこの手法を採用している小売企業がテスコ、ということになります。

鈴木敏仁 (05:22)


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2010年1月19日
[ウォルマート] サムズが組織の再編成を実施

先週、サムズが不採算店舗10ヶ所を閉鎖する事を発表しています。サムズは600店舗を展開していますので、規模を考慮すると10店舗程度の撤退は普通のスクラップ&ビルドの範疇なのですが、今まで年間に二桁を閉鎖したことがなかったのでメディアがこぞって取り上げていました。

さて一週間後の昨日、今度はカテゴリー分類の再編に伴う人事の変更が実施されました。"食品&ビバレッジ"、"ヘルス&ウェルネス"、"テクノロジー&エンターテイメント"、"ホーム&アパレル"、"フューエル(ガソリン)、オート、タバコ、キャンディ"、の5つです。
もともとは、"雑貨"、"食品"、"ハードグッズ"、"ソフトグッズ"、"フューエル(ガソリン)を含むサービスビジネス"の5つでした。

よくある言葉を使うと、生活者視点でのカテゴリーの再編成、とでもなりましょうか。または、ライフスタイル分類、という表現が好きな方も多いかもしれません。
要は消費者ニーズに従って部門のくくりを変えたということです。


日本の小売企業はこれがなかなかできませんね。いまだに、衣食住、ですから、旧態依然としています。


ところでこのサムズの一連の変化は、本体ウォルマートのプロジェクトインパクトに連動しています。つまり同じ文脈でビジネスを変えようとしているんです。マーチャンダイジングを大きく変えていて、これが部門の再編成に影響してます。またプロジェクトポートフォリオと呼ぶ新しいプロトタイプも導入するなど、店舗オペレーションも変革のまっただ中です。


ということで、ウォルマートは本体だけではなくてサムズも変わりつつあるという話でした。


<追記>
来週講演があるため本日より日本に出張します。エントリーのリズムが崩れますが、ご容赦いただければ幸いです。


フッター用データ
トゥイッターR2Link

鈴木敏仁 (09:18)


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2010年1月18日
[ウォルグリーン] フレッシュフーズと総菜導入で来店頻度をアップを狙う

ドラッグストアのウォルグリーンがフレッシュフーズや総菜を強化するプランを持っていることが明らかとなりました。ユニリーバ、ネスレ、サラリーといった大手メーカーと協議中だそうです。

このフレッシュフーズというのは生鮮三品を意味していて、ペリッシャブルに代わって最近よく使われる表現なのですが、どこまで揃えるのかは不明。おそらく冷食のことだと思うのですが、ひょっとするとバナナやリンゴなど保存期間の長いグローサリータイプの青果も導入するのかもしれません。


ウォルグリーンが食品を強化し始めたのは今に始まったことではなく、もうかなり前からのことになります。目的は来店頻度の向上、コンビニエンス性を強化して少しでも来店する機会を増やそうとした。
ウォルグリーンは戦略として非常に立地にこだわっていまして、少々家賃が高くても望ましい交通量であればそちらを選択するという企業です。ここで食品を取り扱うことは理に適っていることではあります。

当初は加工食品のアソートメントの拡大から始めたのですが、その後はチルドとフローズンへと進んでいます。
この冷食を昨年あたりから一層拡大し始めている。

ウォルグリーンの食品売場写真はシカゴの本社に一番近い店舗の昨年末のものですが、手前のチルドのアソートメントがかなり拡大され、さらに奥の方に見えるフローズンにはピザなどの冷食がかなり増えてました。
おそらくこれを水平展開するのではないかと思うのですが、さらに青果が入ってくるのかもしれませんね。

ただ青果を加えるとなると、サプライヤーという問題が出てきます。現状はコンビニ卸を使っているのですが、彼らがどこまでフレッシュを取り扱えるのか。ウォルグリーンは店舗数も多いですしね。
このあたりがカギでしょう。

ターゲットが食品強化したPフレッシュと言い、アメリカの小商圏型小売企業は食品の強化に余念がありません。

鈴木敏仁 (02:03)


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2010年1月15日
アメリカ歳末商戦、12月は前月比でマイナス0.3%

すでに何回か歳末商戦の結果をエントリーしましたが、今回は商務省による調査結果です。12月は前月と比較して0.3%減、エコノミストの予測は0.5%増だったのでかなり悪かったことになります。
またこの数値には自動車の売り上げも含まれていて、これを除くと0.2%減で、これも予測の0.3%増よりも下回りました。

通年では6.2%減で1992年以来最も大きな下げ幅となりました。


前回の調査数値は大手小売企業約30社の既存店成長率ですね。
今回のはいわゆる商業統計で前月比です。

前者がプラスで後者がマイナスなのですが、分析のベースが異なるので単純比較ができないところが残念です。

両方見比べて、"景気の回復はまだら模様"ぐらいのことしか言えません。
気の利いたことが書けなくてすみません。


ただ12月の売上高が11月を下回るというのは問題かもしれない。
景気の回復にはもうちょっと時間がかかるのかな。

鈴木敏仁 (02:10)


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2010年1月14日
[ウォルグリーン] 海外進出は当分なし、国内にリソースを集中

昨日、ウォルグリーンが株主総会を開きまして、速報の中からいくつか戦略的なポイントを抜き出しておきたいと思います。

◇先週6日に発表された12月の業績が既存店成長率0.3%減と良くなかったのですが、現在進行中のリモデルやマーチャンダイジングのローカライゼーションといったイニシアチブがこれからプラスに作用するだろう。

◇アメリカ国内に集中するつもりなので海外進出はしばらくはない。

◇新規出店は過去に比べると減らしたたが、これからも新店は増やしていくし、買収も視野に入れる。

◇インフルエンザの予防接種は9月以来550万人を記録、これは全米全体の接種量の5%にあたる。新型インフルエンザは100万人。これによって来店したお客がリピーターになったかどうかを現時点で語るのは時期尚早。


海外進出といってもおそらく北米からということになるでしょう。いきなりアジアということはないと思います。
ちなみにインフルエンザの予防接種は強力な販促キャンペーンとなってまして、各ドラッグストアがこの一月ぐらい強力に前面に押し出しています。日本のドラッグストアにはありえない話ですね。

トゥイッターR2Link

鈴木敏仁 (01:59)


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2010年1月13日
[ウォルグリーン] スナイダーズ25店舗を買収

ウォルグリーンが、本社をミネソタ州ミネトンカに置くスナイダーズから25店舗を買収すると事を発表しました。買収額などは未発表。
この25店舗のうち数店舗は閉鎖され、ファーマシー顧客名簿は近隣のウォルグリーンに移管されることになります。またスナイダーズはこの25店舗の他にフランチャイジングで10店舗程度を持っているのですが、こちらは契約によってしばらくスナイダーズという名称を使用するとのこと。


スナイダーズは一度倒産してまして、その後カナダのカーツグループ傘下にあった企業です。80年以上の歴史を持つ老舗ですが、ナショナルチェーンとの競合に勝つことができませんでした。

もうずいぶん前のことになりますが、スナイダーズの幹部と合って新しいフォーマットを見せてもらって事があります。たしかドラッグエンポリアム的なディスカウントに力を入れた店舗だったと思うのですが、完成度が低くて、がっかりした記憶があります。


アメリカのドラッグストア業界は大手3社に収斂されて、もはや大型の合併や買収は難しい環境となってます。その中で、大手チェーンストアによるこういう小さなローカルチェーンの買収は継続して発生しています。
ただ老舗のスナイダーズが買収されると、知られたローカルチェーンってもうあまり残ってないような気がします。買収対象がかなり限られてきている。


こういうニュースを聞くと、リージョナルチェーンがこれからどうなるのかということに興味が湧いてきますね。

鈴木敏仁 (02:02)


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2010年1月12日
[フレッシュ&イージー] ダンハンビーUSAとビジネスの可能性について協議中

業界誌が報じたところによると、フレッシュ&イージーがダンハンビーUSAとビジネスの可能性について協議しているのだそうです。

ダンハンビーはテスコが84%を所有する子会社で、同社のロイヤルティマーケティング(LM)を支えている企業ですね。アメリカではクローガーと50:50でダンハンビーUSAを設立して、クローガーのLM戦略を成功に導きました。
いまはクローガーだけではなく、他社にもサービスの提供を開始しています。

昨年、このダンハンビーUSAの本社を訪問し業務について詳しく聞く機会がありました。ここには詳細は書きませんが、実にパワフルな企業でした。

フレッシュ&イージーのティム・メイソンCEOはテスコのLMをダンハンビーとともに成功させた立役者で、アメリカ進出時もメイソンが責任者だと言うことで、LMについてずいぶん言われたものでした。メイソンはすべて否定してました。

ところがここに来て考え方が変わってきたのかもしれませんね。

フレッシュ&イージーの一店舗当たりの売上高と、導入とランニングコストを考えると、店舗数が一定量に達しないとペイしません。その店舗数にそろそろ到達してきたということなのでしょうか。

ただあのモデルはEDLPだからこそというところがありますね。
LM入れると値下げ販促が増えて、作業コストが増大しますから、モデルが壊れる可能性がある。


ただし協議中のサービスがLMだとは断言していません。
ダンハンビーUSAのCEO、エドウィナ・ダンは業界誌の質問に対して、「LMかどうかをここで断言することはできない、社外秘だ」、とコメントしていて、ひょっとするとLMではない別の分野なのかもしれません。


課題は大株主で主要クライアントであるクローガー、フレッシュ&イージーとは傘下のラルフスが競合してますから、簡単に事が進むということはありえません。

鈴木敏仁 (02:09)


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2010年1月11日
[トイザラス] 歳末の既存店成長率は4.6%、復調は確実か

トイザラスが歳末の業績を発表しました。12月の米国内の既存店成長率は4.6%増、大手チェーンストアの平均値が2.8~2.9%のプラスでしたから、平均を上回る業績を上げたことになります。

すでに昨年中に何回か取り上げてますが、トイザラスは歳末に向けて新しい試みに取り組みました。一つはモール内に一時的に開店するポップアップストア(ホリデーエキスプレス)、ベビーザラス内に設置する店舗内店舗、FOAシュワルツ売場の設置、などなどです。
これらが成果を出したということですね。

とくにモール内のホリデーエキスプレスはよかったようで、リース条件が非常に良いこともあって今月中に閉鎖する予定だったものを延長するそうです。
ポップアップストアについてのエントリーはこちら。
年末年始のみ営業するポップアップストアを開発


この数字を見る限り、トイザラスの最上場は近いでしょう。

鈴木敏仁 (01:12)


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2010年1月 8日
歳末商戦の既存店成長率は2.8%増

昨日の第一報に続き、今回はICSC(国際ショッピングセンター協議会)による数値です。2.8%のプラスで昨年の4月以来の成長率でした。
昨日の数値とほぼ同じですね。こちらは33社を調査対象としています。

また11月も含めた長い意味での歳末商戦とすると数値は1.8%増、予測が1%増だったそうで、こちらも予想以上の結果でした。

また通年では2%のマイナスで、このことは前半悪かったが後半に良くなってきたことを示唆しています。消費が徐々に上向いてきていることを感じます。

ICSCによる今年の予測は3.5%増で、2006年以来の強い成長予測だそうです。


政府による数値は1月14日に発表されます。


トゥイッターR2Link

鈴木敏仁 (02:30)


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2010年1月 7日
歳末商戦の結果、第一報は2.9%のプラス

歳末商戦の第一報が出ました。調査機関はトムソンロイターズ、対象は大手チェーンストア30社。
これによると12月の売上高対前年比は2.9%増で、予測の2.0%を上回りました。
昨年の数値が極めて悪かったとは言え、とりあえず底は打って戻ってきた印象が非常に強いですね。

カテゴリー別に見ると、ディスカウンターが5.3%増、衣料専門店チェーンが4.7%と非常に強く、また不調業態の代名詞ともなっているデパートメントストアも0.7%のプラスでした。

企業別で強かったのがオフプライスストアのTJマックスの14%増、一方ダメだったのがアバクロの19%減でした。
意外だったのはサックスの9.9%増で、富裕層が消費を再開したような感じがします。


サンプル数が30社なのでこの数値がすべてを表しているわけではないのですが、少なくともマイナス成長ということはないだろうということは分かるでしょう。

これから数値がどんどん出てきますので、追っていきたいと思います。

鈴木敏仁 (02:33)


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2010年1月 6日
[ベストバイ] HD無線技術の企業への投資

ベストバイがSiBeam社という、HDのビデオやデータの信号を無線で送受信する技術を持ったプロバイダーに資本出資することを明らかにしました。出資額は不明。

HDの無線送受信技術によって、例えばTVとビデオの配線の必要がなくなるのだそうです。これから普及することが期待されていて、この技術を持っているのがSiBeam社ということになります。


家電のディスカウンターがこういう技術ベンチャーに投資するという点におもしろさがあります。たぶん目的は二つ、単なる物販からの変革を模索したいということと、エレクトロニクスの大企業としての使命を果たそうとしていること、でしょう。

前者については、PCや家電の取り付けなどサービスを強化しようとしていて、今回の投資はその延長線上にあると考えることができます。

後者については、デジタルメディアに特化したファンドを昨年立ち上げてまして、自社のビジネス強化とは別のスタンスで投資を活発化させている。

ベストバイという企業のユニークさを感じるニュースではないかと思います。

鈴木敏仁 (03:37)


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2010年1月 5日
[ターゲット] 期間限定、バルク販売の新プロモーションを開始

ターゲットが新しいプロモーションを開始しました。MWCタイプのバルク販売専用の売場を作るプログラムで、名称はザ・グレート・セーブ(The Great Save)、1/03~2/21までの期間限定の販促です。


売場を実際に見たわけではないので詳しいことは言えませんが、価格の安いバルクパックを販売するということは目新しいことではなく、ターゲットも昔からやっている手法です。
おそらく売場とアイテム数を拡大し、プログラム名を付け、目立つようにした、ということだと思います。

ターゲットはウォルマートに比べると価格が少々高いイメージがあって、これが今は若干の足かせになってます。これを修正する必要があるのですが、景気が悪化してしばらく静観してしまった。即座に動かなかった。
これがこの企業の出遅れの原因になってます。
またターゲットというブランドイメージを壊したくないので、価格訴求には少々慎重なきらいがあって、これも出遅れの一因となっています。


今回の販促は期間限定ですから、テストなのだと思います。
とりあえずやってみて、結果をはかってみる。
ウォルマートもターゲットもこういうトライアルはしょっちゅうやってますね。

鈴木敏仁 (03:19)


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2010年1月 4日
[ウォルマート] グローバルソーシングの効率化イニシアチブ

遅くなりましたが、明けましておめでとうございます。
今年もこのRetailwebをどうぞよろしくお願い申し上げます。


さて年明け最初のニュースはウォルマートです。サプライチェーンの効率化イニシアチブを立ち上げることを明らかにしました。ファイナンシャルタイムズ紙が報じています。

取り組みの核とる分野はグローバルソーシングで、簡単に言うと中間業者を可能な限り排除してダイレクトソーシングし、流れを集約しなおして効率化はかる、ということとなります。

CEOのカストロライトのコメントは、「今後数年間にレバレッジがかけられる主要な領域となるだろう」。最近のウォルマートはレバレッジという表現をよく使うのですが、特定領域をてこ入れすることで全体に影響を及ぼす、というような意味合いです。

このために、衣料と非食品をメインに扱うグローバルマーチャンダイジングセンターと呼ぶ配送センターを4ヶ所を設立。また青果もグローバルベースでダイレクトソーシングに転換、その後は鮮魚、冷食、加工食品にもこのイニシアチブを波及させて行く。

ダイレクトソーシングにすることで今後5年間に5~15%のコスト削減を実現、長期目標として掲げている全体の80%をダイレクトにすることができれば40~12億ドルの節約になるだろうとしています。


同社はプロジェクトインパクトで店舗段階の業務改革を現在進行形で進めているわけですが、流れがほぼできあがったので、次はサプライチェーン、とくにソーシングの効率化に取り組む、ということなんでしょうね。


ウォルマートに停滞の二文字は無縁、です。

鈴木敏仁 (12:45)


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