ウォルマートが第3四半期の決算を発表しました。
連結売上高0.7%増(為替の影響を除くと2.5%増)、連結営業利益高10.4%減、米国ウォルマートの既存店成長率は1.2%増、でした。
営業利益が減っている原因は従業員の待遇改善とEコマースへの投資でこれは想定内。
私がずっと気にしているのは価格販促やディスプレーを減らしてEDLPを強化したことが売上にどう影響を与えるのかという点なのですが、米国ウォルマートの来店客数は0.7%上がっており、既存店成長率もプラスなので、成果は出ているということになります。
簡単に言えば、価格販促を減らして店内を整理しすっきりさせ、前出しや欠品退治といったベーシックなことに注力し、そのためのモチベーションアップのために労働環境改善に投資し、これが売上と客数アップにつながっているということです。
ちなみにEコマースの伸びが既存店成長率に寄与していると言っているので、インストアピックアップが増えていることを意味し、ここでも取り組みの成果が出ているようです。
ウォルマートの店頭についてはFBでポストしているとおりです。
残るは歳末商戦なのですが、現状の戦略でこれを乗り切ったら、ウォルマート、というよりもマクミロンの手腕は相当なものだと言わざるを得ないと思っています。
ウォルマート2016の最近のブログ記事
ここ1ヶ月以上、各社の研修コーディネートで店を見て回ってます。
もっとも興味を引いているがウォルマートの店頭、同じ店舗も含めて相当回数訪問しているのですが、マクミロン改革は着実に店頭に表れていると感じています。
さてこの店頭でずっと不思議に感じていたのは価格販促の少なさです。
昨年から意図的に減らしてきてはいるのですが、今の時点でも少なくて、このまま歳末商戦に突入していくのかという疑問。
ウォルマートは定番価格も下げているので、ひょっとすると定番価格だけで勝負するのかとまで思っていました。
このあたりまではFBで写真付きで書いてます。
ここから先が新情報。
どうやらウォルマートは歳末向けのセールをネット販売に限定して昨日から提供を開始し、店頭用の目玉(名称はドアバスター)も用意するがブラックフライデーのみ、という戦略を取っているようです。
なるほどなあ、と。
これはいろいろと考えさせられる戦略です。
書くと長くなって止まらなくなりそうなので、考察は別の機会(ひょっとしたらメルマガ)とします。
ウォルマートが中国での豚肉のソーシングでブロックチェーン・テクノロジーの実験を開始するようです。
IBMと清華大学が共同で実験、4ヶ月後に結果を検証し、おそらく拡大することになるだろうとしています。
ブロックチェーンはビットコインの仕組みをサポートしている技術として知られていますが、これからはサプライチェーンで活用されることになるだろうと見られている・・・ということを、このニュースを読み調べてみてはじめて知りました。
どうやら様々なロジスティックス上での運用が可能で、効率化が期待されているようです。
小売業界でウォルマートが先駆ける、ということになりそうですねえ、これは。
ウォルマートが時給社員90万人に総額2億ドルのボーナスを支給したと発表しました。
店舗のインセンティブプログラムの一環、一人当たりの平均額は222ドル強。
ダグ・マクミロンがCEOになってまず手を付けたのが店舗環境で、店舗環境をよくするためには人材が重要という観点から、時給アップ等の人材への投資をはじめたのはおそらくご存知の通り。
その結果が出始めて、次は価格へ、と切り替えたと私は思っていたのですが、労働環境の改善はまだ続いているんですね。
ウォルマートがカートを自動で動かす技術でパテントを取得したようです。
カートの下にルンバのような円形のデバイスを取り付けて動くようにする模様。
自動配送センターのキーヴァが使っているようなデバイスのイメージですね。
あちこちに散らばっているカートを自動で回収することが最初の目的ですが、どうやらデバイスを他に援用して商品を動かしたり、スキャンしたり、在庫を確認したり、といったことも想定しているそうです。
将来への布石としてアイディアを整理してパテントをどんどん取ってしまっているのがアマゾンですが、ウォルマートも頑張っているんですね。
日本の小売企業も頑張って欲しいところですが・・・
サムズクラブが秋までに654店舗でスキャン&ゴーを利用可能とするようです。
昨年の秋から240店舗で実験した結果の水平展開です。
ウォルマートのスキャン&ゴーについてはこちらをご参照ください。
アプリを利用してのセルフスキャンを実験
過去記事にあるように、ウォルマートはスーパセンター200店舗でこれを実験したのですが、使う人が少なくていったん中止にした経緯があります。
サムズで復活させるというわけですね。
ただし今回はバージョンアップさせて、セルフレジを飛ばしてスマホのみで決済まで済ませられるようです。
すでにスーパーセンターでアプリ決済は導入してますから、何か特別なことをしているわけではない。
アプリ決済を導入したときに、私はたぶんスキャン&ゴーを近いうちに復活させるとにらんだのですが、サムズからはじめるとは想定外ではあります。
スーパーセンターでも近い将来に開始するんじゃないでしょうか。
おそらくウォルマートはスキャン&ゴーとアプリ決済を組み合わせるという絵をかなり前から描いていて、だからiPhoneやAndroidといった機種に依存するNFC型の決済を採用せずに、お客としては少々手間がかかる自社アプリ決済の道をあえて選択したのだろうと私は考えています。
ウォルマートが第2四半期の業績を発表したのですが、第1四半期に引き続き好調です。
連結売上高:0.5%増(為替の影響を除くと2.8%増)
連結営業利益高:1.6%増
USウォルマート既存店売上高:1.6%増(7四半期連続客数増)
ネイバーフッドマーケット既存店成長率:6.5%増
海外売上高:6.6%減(為替の影響を除くと2.2%増)
サムズクラブ売上高:1.3%減
グローバルEコマース売上高:11.8%増(為替の影響を除く)
こうみるとサムズが悪化してますが、あとは伸びてます。
サムズはガソリンデフレの影響をかなり受けているはずなのですが、資料に記載が無いです。
マクミロンとフォランが組んでのUSウォルマートのてこ入れですが、結果が出てきているようです。
店舗に関しては実にオーソドックスな基本の見直しと、今のトレンドをウォルマートなりに取り入れることと、これにECをきっちりと絡めていくという、そんな取り組みなのです。
マクミロンもフォランも現場に通って現場の声を一生懸命吸い上げているんですよね。
成果が出始めているということを知り、やはりやるべきことはそういうことなんだよね、ということを改めて感じているところです。
先週憶測記事をポストしましたが、正式に買収が発表されました。
買収総額は33億ドル、30億ドルがキャッシュで、3億ドルが株式というディールです。
創業がおよそ1年前なので、わずか1年間で33億ドルの価値を持つ企業となったわけです。
資料によるとジェット・コムの売上高は10億ドルなのですが、これは流通総額なので、実際のネットの売上高はたぶん半分以下でしょう。
創業者のマーク・ロリーはダイパー・コム等を立ち上げて大きくしその後アマゾンに売却して一儲けしている人です。
再び創業し、極めて短期間で企業価値を上げて、出口を見つけたわけで、たいした人だなと思います。
ジェット・コムについては昨年日経MJが一面で掲載し、私も執筆しているので、目にした方も少なくないことと思います。
さてこの買収、ポジティブとネガティブな見方があって見解は錯綜しているのですが、一つだけ言えることは、ウォルマートに今までとは異なる優秀な人材が入っていく可能性が高くなるだろうということです。
小売ってエンジニアには魅力が無いですからね。
ウォルマートは@ウォルマートラボという別会社を作って、わざわざサンノゼに本拠を置いて人材獲得に努めていますが、それでもやはり小売なのでアマゾンやグーグルに比べれば弱い。
資料によるとマーク・ロリーはしばらく残るようですから、彼目当てに入ってくる人材も多いことでしょう。
これからどうシナジーを出していくのか、または出せなくて失敗するのか、これからが非常に楽しみなバイアウトです。
いまカナダのトロントで研修コーディネートの真っ最中なのですが、テレビのニュース番組がウォルマートのビザカード取り扱いストップを盛んに流していました。
ビザカードと手数料で合意に至らず取り扱いをやめると発表したのが6月11日。
昨日から1店舗でスタートし、これから370店舗へと水平展開するという内容で、実際にはじまったのでニュースになったというわけですね。
カナダでは大きなニュースなんだな、ということを感じました。
ディスカウント型のチェーンストアの場合、手数料を節約するためにクレジットカードを不可とする企業は他にも存在するのですが、ウォルマートですからね。
規模が違いすぎます。
大手小売と大手クレジットカードのバトルのはじまりということで、これからに注目です。
ウォルマートは全店ジオフェンシングを完了しているそうです。
店頭でアプリを開くと自動でその店にいることになっているんですが、そういうことなんですね。
ジオフェンシングをご存じない方は、このあたりをご参照ください。
「ジオフェンシング」とは?今知っておきたい旬キーワードをやさしく解説!
他社決済を選択せず、自社アプリ決済を選んだのはこのあたりにも理由がありそうですねえ。
書くと長くなるので省略しますが、ジオフェンシング、自前アプリ決済、スキャン&ゴー、セービングキャッチャーはすべて、システム的にも戦略的にもつながっていますな。
ウォルマートはやっぱり他のリテーラーに先駆けてます。
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