2010年2月26日
[セイフウェイ] 減収減益決算、既存店もマイナスで苦戦中

昨日はウォルマートがエコ関連のカンファレンスを開催しまして、温室効果ガス削減の目標数値などを発表したニュースがあったのですが、連日ウォルマートネタなので後回しにして、今日はセイフウェイを。

昨年度の決算発表があったのですが、売上高7.4%減、最終利益高は10億9,750万ドルの赤字と大幅な減収減益でした。既存店成長率は4.9%減、ガソリンの影響を除くと2.5%減でした。

この赤字、傘下のボンズの減損のおかげでして、これがなければ黒字です。
また一週間少ないという理由もあるし、デフレもかなり影響している。
このあたりについては決算が悪かった理由として説明されているんですが、それだけなのかなと感じるんですね。

なんといっても、既存店成長率4.9%のマイナスは小さくないし、売上高7.4%減はもっと小さくない。
デフレだけに理由を帰することができるのか。


店内写真は対象企業への配慮から可能な限りここでは載せず、登録制のR2リンクに載せるようにしているのですが、Flickrに一枚だけ大量のPOPが並んでいるボンズの景色を載せています。

あの大量の値下げPOPを見て大丈夫なのだろうかと感じたのは私だけではないでしょう。


景気の悪化で価格に焦点が当たる現在、セイフウェイが取ったマーケティングを主軸に置く戦略が苦戦してるような気がします。セイフウェイはターゲットになろうとしたんですが、そのターゲットが景気の悪化の影響をもろに受けましたから。


セイフウェイが苦戦しています。

鈴木敏仁 (11:20)


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2010年2月25日
[カスタマーサービスチャンプ] 小売企業のトップはノードストロム

ビジネスウィーク誌が今年から開始したカスタマーサービスのランキングがあります。名称はthe BusinessWeek Customer Service Champs

小売企業を上から抜き出すと・・・

1:L.L.ビーン
5:パブリックス
6:ノードストロム
9:バーンズ&ノーブル
10:エースハードウェア
11:アマゾン
12:ウェッグマンズ
19:パブリックス


まあおおよそ、なるほどね、というランキングではあるのですが、こういうのを仮に日本で作った場合、どの小売企業がランクされるんでしょうね。
25社中にスーパーマーケット企業が2社も入るのか?

どこか、ランク作ってくれないかなあ。

鈴木敏仁 (01:54)


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2010年2月24日
[ウォルマート] Vudu買収にみる戦略性

ウォルマートがVuduを買収するそうです。買収額などは不明、両社ともに多くを語っていません。

この買収、実に興味深い。

Vuduは創業3年目の若い企業です。
テレビにつなぐと映画が見れるというデバイスを開発して売っていたのですがまったく売れず、ネットのストリーミングに方針転換、映画1万6000本のライセンスを取得する一方、サムスンやシャープといった家電メーカーとも契約して彼らの商品にサービスを提供するビジネスを開始して、俄然注目を浴び始めた。

ウォルマートによる買収は先月から業界では話題になっていたようです。


ウォルマートは世界で最大のDVD販売ボリュームを持つ企業です。
ただここ数年売上が落ち続けている。理由は映画を"買う"から"借りる"にシフトしてしていることにあるわけなのですが、この借りるに自動販売機(キオスク)のような格安タイプが生まれたり、ケーブルオンデマンドやデジタルオンデマンドといったより便利なタイプが伸びてきていて、どんどん変化している。
同社はこのうちのデジタルオンデマンドを押さえようと数年前かえら実はいろいろトライアルしてきているんだけど、うまくいかなかった。

そして、自前ではうまくいかかないので、この分野で成功への道筋を付け始めた企業を買収してしまった、というわけです。


テレビを買ってネットにつなぐ。
Vuduがプレインストールしてあって、オンデマンドでストリーミングして映画が見れる。
これをウォルマート傘下の企業が取り扱う。

店頭の売上はこれから減るけれど、ネットで補ってしまう。
これがウォルマートの長期戦略と言うことになります。
日本の大手小売企業とはまったく異質の発想じゃないでしょうか。


今朝のWSJ誌は、ビデオレンタルのブロックバスターの苦戦をトップに持ってきていたのですが、ウォルマートのこの動きと見比べるとと非常におもしろい。
本来ならばならばこの買収、ブロックバスターがやらなければならない案件というような気がしますね。

鈴木敏仁 (03:34)


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2010年2月23日
[ウォルマート] 昨年の業績を発表、既存店成長率がマイナスへ

出張中の2/18にウォルマートが09年度の決算を発表しました。もうあちこちで目にしている方も多いと思うのですが、ここでもまとめておきます。

【米ウォルマート】
売上高2,582億2,900万ドル(前年比1.1%増)、営業利益高195億2,200万ドル(前年比5.2%増、既存店成長率0.2%減

【海外事業】
売上高1,001億700万ドル(前年比1.3%増)、営業利益高50億3,300万ドル(前年比1.9%増、

【サムズクラブ】
売上高476億1,000万ドル(前年比-0.4%減)、営業利益高15億1,200万ドル(前年比8.1%減)、既存店成長率0.8%減

【トータル】
売上高4,050億4,600万ドル(前年比1.0%増)、最終利益高143億3,500万ドル(前年比7.0%増)、既存店成長率0.3%減


トータルでは今年も増収増益で、しかも最終利益は7%増ですから、好調な決算と言うことができます。ただ懸念材料は既存店、マイナス成長となりました。ひょっとするとこの企業、通年で既存店の成長率が前年を割り込むというのは初めてのことなのではないでしょうか。

これが何を意味しているのか。


第4四半期も既存店成長率がマイナスだったのですが、食品と家電のデフレが影響したとしています。また通年のマイナスについては、一昨年の既存店が良すぎたと指摘。

つまりとりあえず経済環境を理由としているわけです。
でも、ひょっとすると在庫を減らしたリモデルストアも影響しているんじゃないかと。
在庫は減らすと売上も落ちます。
ちなみに期末の在庫は3.9%も減っています。


このリモデルの影響はさておき、経営数値の指標はどんどん良くなっているんですね。棚卸資産の回転日数、回転差資金、キャッシュサイクル、等々、数値はみんな良くなってます。

ざっくりと表現するならば、経済の不安定で収益が悪化しそうな中、財務体質は逆に強化されている、とでもなりましょうかね。
恐るべし、ウォルマート。


懸念材料は販売管理費率、とうとう19.5%となって20%目前となりました。
これはそろそろ下げる方向に持って行かないと、まずいんじゃないかなあ・・・と感じてます。

鈴木敏仁 (12:00)


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2010年2月18日
[サイモンプロパティーズ] ゼネラルグロースへの警告書を公開

サイモンがゼネラルグロースに買収をオファーをしたということは一昨日書きました。その翌日となる昨日はゼネラルグロースあてに、"早く決めないと買ってあげないぞ、または敵対的な買収に走るぞ"という内容の警告書を送りこれをメディアに公開しました。

細かいのではしょりますが、要はしびれを切らしたぞということで、公開して注目を浴びることで決断を促そうとしているのでしょうね。
どうやら他にも買収オファーしている企業がいるようで、サイモンのこの公開通知書は戦術的なものと見るのが妥当のようです。

資料によるともし買収が成立すると、ショッピングセンター市場の約3分の1、売上高上位319センターの50%を占めることになるようで、デベロッパー業界も寡占化が大きく進むことになり、ゼネラルグロースがどう動くのかに大きな注目が集まっています。

鈴木敏仁 (06:37)


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2010年2月17日
[ウォルグリーン] デュエインリードを10億ドルで買収

デュエイン・リード@マンハッタンウォルグリーンが中堅ドラッグストアチェーンのデュエインリードを10億7500万ドルで買収するという発表がありました。

デュエインリードはニューヨークマンハッタンの主商圏とするドラッグストアチェーンで、総店舗数は257店舗、年商は18億ドル、ずっと業績は悪くて昨年は営業赤字だったようです。
ニューヨークのメトロポリタンエリアに257店舗を持っていて、極論するとこのドミナンスで延命してきた企業です。

2003年頃だと思いますが、Oak Hill Capital Partnersという投資会社にバイアウトされていたので、この投資会社が出口戦略としてウォルグリーンへの売却を選択したのでしょう。
カナダのロブロウの幹部をCEOとして招聘し、ロゴを変えり、新しいPBを導入したりと、立て直しを図っていた矢先のことでした。

ウォルグリーンはしばらくデュエインリード名を変えずに維持するが、どうするかはこれから考えるとしています。


さてこのデュエインリード、アメリカのドラッグストア業界では4位なのですが、3位のライトエイドの年商は263億ドルですから、その差は14倍以上あります。真ん中がすっぽりなくて、完全に上位集中しているのがアメリカのドラッグストア業界でして、これにさらに拍車がかかってしまった。
デュエインリードの上にしたロングスがCVSに買収され、この企業も買収されたとなると、次は7億1100万ドルのキニードラッグですから、アメリカでは残るはもうローカルレベルとなってしまいます。


じゃあドラッグ業界に競争がなくなってしまうじゃないか、となるのですが、実はウォルマートやクローガーが競合と言うことになるんですね。例えば調剤売上高でランクを作るとウォルマートは4位となりまして、おそらくかなり近い将来ライトエイドを抜いて3位となってしまうポジションにいます。
アメリカのドラッグ市場は、調剤も含めて極めて熾烈な競合環境にあります。


ちなみにウォルグリーンは今回の買収で、ロングスをCVSに奪われた借りを返したような感じですね。

鈴木敏仁 (09:50)


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2010年2月16日
[サイモンプロパティーズ] ゼネラルグロースに100億ドルで買収オファー

こんな記事を12月にエントリーしました。
[ゼネラルグロース] 年内にも破産法適用から外れる見通し

年内にも手続きが終了するとその時は言われていたのですが、どうやらまだ裁判所の管理下にあるようなんですね。

この会社に対してサイモンが買収を提案しました。総額は100億ドルですから、日本円にすると1兆円規模の大きなディールとなります。
サイモンは買収提案をずいぶん前からしていたそうなのですが、ゼネラルグロースが決断せず、公開オファーに切り替えたといういきさつがあるようです。

サイモンは業界1位、ゼネラルグロースは2位、この二社がくっつくと巨大なショッピングセンター・デベロッパーが誕生することになります。

ちなみにゼネラルグロースの無担保債権者はこのオファーに賛成しているけど、株主は提案価格の引きあげを主張しているようで、今後ゼネラルグロースがどう動くのかは予断を許しません。

鈴木敏仁 (06:59)


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2010年2月15日
[ウォルマート] プロクター&ギャンブルと共同でテレビ番組をプロモート

先週末にWSJ誌が報じたところによると、プロクター&ギャンブルとウォルマートが共同で出資してテレビの2時間ドラマをプロモートするそうです。
単なる広告スポンサーとしてではなく、プロモートする、つまりコンテンツの内容に影響を及ぼすという点で取り組みが新しく、報道されたようですね。

目的は、ほんとうに家族向けのテレビドラマが近年見当たらなくなってしまったのだが、視聴者はこれを求めているということが調査で分かっており、二社が共同で投資してこのニーズに応える、となっています。

投資費用は450万ドル、両社の比率は明らかになっていないのですが、P&Gの方がかなり多いようで、対等というわけではなさそうです。
ですからこの日記のタイトルも本当はP&Gを頭に持ってこなければならないのかもしれないのですが、迷った結果、流通ブログなのでウォルマートとしました。

番組のコマーシャルはもちろん二社のみ、また番組内で商品が出てくるシーンを使うそうです。ウォルマートの場合はPBのグレートバリューでしょうね。

ちなみに番組名は"Secret of the Mountain"4月にNBCで放映予定です。


さて、ウォルマートはここ数年広告予算をかなり上げているんですね。もともと売上高に対する広告費率は極めて低く、上げたと言っても他社と比べるとそれでも低いのですが、しかし分母が大きいですから予算自体はかなり大きい。
参考までに2008年度の広告費は11億ドルで小売業界では1番、アメリカ全体では9位ぐらいではないかと思うのですが、昨年はさらにこれが上がったんじゃないかと言われてます。

またその使い方も昔に比べると洗練されてきていて、これはマーケティング担当役員のステファン・クィンがメーカー出身であることと無関係ではありません。

さらにメーカーとの共同広告をウォルマートは増やそうとしているのですが、ブランド主体としてウォルマートを従とする作り方で、メーカーからお金だけ取って小売主体のコマーシャルを作る業界でよくあるやり方を大きく変えています。

今回のテレビドラマのプロモートも、このマーケティング戦略変更の一環なのかなと感じています。


【追記】
明日より某小売企業の研修が来米し一週間ほどコーディネートです。セミナーが3回、少々ハードなスケジュールなので更新している時間が少なくなりエントリーが乱れると思いますが、ご容赦ください。

鈴木敏仁 (11:42)


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2010年2月12日
超繁盛店のカート回収の効率的なデザイン

今日は視点を変えたトピックを一つ。
アメリカは大きなカートでまとめ買いをしますが、駐車場でのこのカートの回収はまた面倒な作業です。通常はアルバイトが定期的に回収に行くわけですが、繁盛店は数が多いですから結構大変。
これを楽にするために、カートをつなげて後からプッシュするカート専用のプッシャーを使用する会社が多いです。


このビデオはこの機会を使って大量のカートを押しているところなのですが、おもしろいのは、この企業の駐車場はカート置き場が横に整列しているところなんですね。
つまりプッシャーを使ってカート置き場を横に動かしていくだけで全部回収できてしまうと言う、実に合理的なデザインなのです。
言葉では表現しづらいのでビデオで実際にご覧ください。

たいして売れない店ならこういうのは必要ないでしょうが、よく売れる店では回収がかなり楽になることでしょう。
こういうアイディアは、プロセスを絶えず改善する意志を持っていないと出てこないものです。

ちなみに企業名はWincoというスーパーマーケットです。

鈴木敏仁 (01:58)


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2010年2月11日
[GS1] リコールポータルにいっそうの参加を呼びかけ

GS1はサプライチェーンのグローバルな国際標準規格を設計し実施する国際組織です。分かりやすいのはバーコード、最近ではEPCglobalといってRFIDの世界標準化を研究するグループを組織してますね。

先週、FMI(食品マーケティング協会)とGMA(グローサリー製造業協会)が共同で開催したサプライチェーンカンファレンスで、GS1 USの上級ディレクターが、Rapid Recall Exchangeというポータルへの参加をとくに中小企業に対して呼びかけ、これをFMIがニュースとしてリリースしました。

このRapid Recall Exchangeとは、リコールが発生した場合にまず当事者(つまりメーカー)がリコール情報を通知し、これが関連企業(卸や小売企業)に速やかに知らされるという仕組みです。
現在登録企業数は144社、このうち通知を受ける企業が83社、通知する企業が61社だそうです。
ポータルがきっちり機能するためには可能な限りの参加者が必要なわけで、とりわけ中小企業の登録がまだ少ないのでFMIが広く参加を呼びかけたというわけです。ちなみに現在の登録数ですでに金額ベースで市場の85%をカバーしているそうです。

また近いうちに政府の管轄機関であるFDA(食品医薬品局)にリコール用のケースナンバーを送るインターフェースも開発するそうです。


私が今日これを取り上げた理由は、こういう業界をまたがった標準的な仕組みを作るがアメリカは本当に早いなと、ちょっと感心したからです。

動きが迅速な理由は簡単で、スーパーマーケット業界のFMI、ドラッグストア業界のNACDS、グローサリーメーカー業界のGMA、このわずか三者が集まるだけで食品と日用品を売る業界に必要な大きな話をどんどん進められるからですね。

とくにGMAの存在が大きい。GMAに相当する協会は日本に存在しません。

一度大手メーカーさん数社を訪問し、日本型GMAの必要性を説いて回ったことがあるんですが、興味をあまり示してくれませんでした。
僕の力不足でもあるんですが。
日本の流通業界の明るい未来のためには必ず必要だと今でも思っているんです。


リコールの情報を1ヶ所に集約し、その上で必要な企業に即座に通知しアクションを促すという仕組みは、やはりとても効率的ですよね・・・。

鈴木敏仁 (02:10)


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2010年2月10日
[CVSケアマーク] ライセンス切れ薬剤師の使用で195万ドルのペナルティ

CVSケアマークがライセンス切れの薬剤師2人を使用していたとして州から指導され、195万ドルの和解金を支払うことで同意したそうです。期間は1997年から2007年にかけて、場所はナッシュビルとマリオン(インディアナ州)、その間に6万枚の処方せんがこの2人によって処理されたとのことです。

たった2人なんですが、人の命に関わることなのでペナルティの額も大きいということなんでしょうね。

薬を扱う調剤は実は責任の重いビジネスだということが分かります。
ウォルグリーンやCVSなど大手ドラッグストアは服薬指導に関連する訴訟を必ず抱えているのですが、それだけ責任も重いということなんですね。


ちなみにこの手の金額の大きさが話題になることが日本では多いですが、結局のところこれが抑止力になるわけです。経済運営の基本的な考え方がレッセフェールで、日本的なお上主導型ではありませんから、ペナルティによって企業活動を制御することになるんだろうなと考えています。

鈴木敏仁 (01:07)


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2010年2月 9日
[ウォルグリーン] CFOが新プロタイプの効果を強調

ウォルグリーンもウォルマート同様にマーチャンダイジングの変革に取り組んでまして、名称はコンシューマー・セントリック・リテーリング(CCR)と呼ばれています。
この取り組みによって新プロトタイプを開発していまして、現在7,100店舗中の300店舗が改装されています。
新プロトタイプ導入とローカライゼーション

経済紙によるインタビューに対してCFOのウェイド・ミケロンが、この新プロトタイプは"売上を上昇させ、在庫管理技術によってコストを下げる"とコメント、改装プロジェクトのメリットを強調しています。
年内に3,000店舗を改装する予定です。

その特徴についての詳細は省きますが、簡単に言えば、カテゴリーごとに4つのプライオリティをつけてそれぞれに戦略性を持たせ、強化する領域と縮小する領域とメリハリをつけた、ということになります。


ただ、一見すると分かりづらい。
そのため、いったい改装するメリットがあるのかという疑問が、とくに証券アナリストから投げかけられてます。

CFOによるコメントはこういった懸念に対する回答なんですね。
ただ、改装の効果についての具体的な説明がなくて、これが懸念を生む要因となってます。


ウォルマートはプロジェクトインパクトで店舗環境を目に見えて変えているのですが、CCRは微妙な変化でして、同社の店舗を絶えずよく見ている人でないと変化がよく分からないレベルです。だから、これがどの程度の効果を生むものなのか私も知りたいところではあります。

 


トゥイッターR2Link

鈴木敏仁 (02:05)


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2010年2月 8日
[コストコ] COOにジェリネックが昇格、後継人事か?

先週、コストコが人事異動を発表しました。マーチャンダイジング担当バイスプレジデントだったクレイグ・ジェリネックが社長兼COOに昇格、ひょっとすると後継人事ではないかという憶測を呼んでいます。

ジム・シネガルの年齢は74歳、そろそろ引退が近いのですが、コストコ=シネガル、と言っていい会社で誰があとを引き継ぐのか誰もが興味を持っているんですね。
今まではほとんどそれらしき動きがなかっただけに、今回の人事は目立っています。

ただしシネガルはこの点についてまったくノーコメント。
今でも足繁く店舗を見て回っていて、「健康でハードワークを続けてるよ」なんてことを記者に答えてますから、まだしばらくはCEOとして実務を取るつもりのようです。

よくある老害とも無縁なのはおそらく現場に通っているからだと思うのですが、74歳で現役というのもよく考えると凄いことですね。

鈴木敏仁 (05:07)


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2010年2月 4日
[ウォルマート] 本社人員300人をレイオフ

ウォルマートが本社人員300人をレイオフすることを発表しました。
数日前にエントリーしましたがいまウォルマートは全社的な組織再編に取り組んでまして、本社人員の削減もその一環のようです。

リリースされたCEOマイケル・デュークのコメント。
"If we ask our operations to be leaner and more customer-focused, we must ask the same of our support teams at the home office."
- オペレーションをいっそうリーンとし、さらに消費者フォーカスとするためには、本社のサポートチームにも同じことを要求しなくてはならない(ほぼ直訳)。


実はこの300人程度の本社人員のレイオフは、ウォルマートにとっては今に始まったことではなくて、定期的に実施していることなんですね。

本社スタッフ700~800人を削減

これは去年ですが、数年前にも実施していた記憶があります。


官僚体制になってしまうことを未然に防ぐ。
現場の痛みを本社も共有しろ。

そんな意図やメッセージを感じます。

日本は高度経済成長時代にできあがったレイオフしない社会文化を今も引きずっていて、我が国の大手小売企業は肥大化したままです。
アメリカがすべて正しいわけではない。異常なほどの高給を取る経営陣を鑑みるとなおさらです。

ただ赤字を出したわけでもない世界最大の企業がスリム化に熱心な姿を見ると、日本の大手小売企業の未来を考え暗澹とした気分となってしまうのです。

鈴木敏仁 (06:14)


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2010年2月 3日
ターゲットのPフレッシュ

ターゲット@Westfield Culver City今日から4日間、小売企業の研修チームと一緒に店舗を見てまわってます。
ですので、今日はちょっとした視察メモを。

ターゲットのPフレッシュを見てきました。ショッピングモール内の2階というイレギュラータイプの新店。
Pフレッシュについては何回か書いてますが、生鮮を導入したプロトタイプのことです。
はじめて見たのですが、ほぼ予想通り。

1、店頭作業負荷が高いタイプの生鮮はない。たとえば葉物のような鮮度劣化が早く管理が難しいものは置いていない
2、チルドを拡大、もともとあったリーチインに加えて、オープン冷ケースを加えてハムソーセージやヨーグルトなどをアソート。
3、フローズンの陳列線は食品を強化した旧来のプロトタイプと長さは同じ。
4、精肉はアソートするが作業は店内ではなくて上流で。

この売り場を目的としてお客が来るのかどうかは微妙です。目的来店性があるとは言い難くコンビニエンスが来店局面になると思うのですが、ショッピングモールの2階ですからねえ。
ついで買い目的でしょうか。

では立地によっては目的来店性を持つのかと言うと、どうでしょうね。
私個人の意見としては、このためだけにターゲットに行くということはないような気がします。

Pフレッシュが既存店増にプラスに作用したためこれを今後増やすとしているのですが、それだけじゃなくて、他の売り場にも手を入れたから、総体として伸びたということじゃないでしょうかねえ。たとえばビューティケアの売り場が一段と良くなってましたから、このあたりも影響しているように思います。

食品リテールとしてきわめてインパクトを持った売り場ではなくて、マーケティング企業であるあのターゲットがここまで食品を持った、という点にインパクトがあると表現するのが妥当かもしれません。


店内写真はこちらをご参照ください。
売り場概観
チルドのオープン冷ケース
精肉もアソート

鈴木敏仁 (07:28)


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2010年2月 2日
[バーンズ&ノーブル] バイアウト企業が急接近、その意図は?

小売業界のバイアウトで財を成したビリオネア、ロン・バークルの動きが目立ち始めました。違う業界(メディアなど)へと興味がシフトしていたのですが、小売業界に戻ってきたようです。

まず先週、バーニーズニューヨークの買収に動いているという記事がWSJ誌に載りました。バーニーズは現在アラブ首長国連邦のデュバイに本拠を置くIstithmar社が所有しています。

そして今日、バーンズ&ノーブルにもアプローチしていることを各紙が報じています。
もともとバークルはバーンズ&ノーブルへの投資を数年前から始めていて、昨年末の時点で比率が18%となっていたんですね。
これに対して37%を保有する創業一族が取締役会に働きかけてポイズンピルを設定、バークルはこのポイズンピルが不当だとして当局に書面でクレームを送った、というのがストーリーです。


この資本を巡るバトルがどうなるのかはここでは置いて、バークルがバーンズ&ノーブルのどこに価値を見いだしているのかに私は興味があります。彼は一言だけ、同社の株価は資産価値をきっちりと反映していない(つまり安すぎる)、としているだけで、それ以上のことは分かりません。

アマゾンのキンドルに対抗して同社が出した電子書籍用のデバイスがnook、アップルが参入を宣言してこの市場がにわかに注目を浴び始めていて、このあたりに興味があるのか。
それとも、競合のボーダーズが痛んでいて、今後両社をくっつけるといったM&Aへと動きたいのか。


アマゾンとアップルの陰に隠れちゃってますけど、800店舗近くを展開するバーンズ&ノーブルって実は大きなエクイティを持っているなということを再確認できるニュースです。

鈴木敏仁 (02:39)


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2010年2月 1日
[フォーエバー21] 2,400坪のフラッグシップ店舗をオープン

先々週の1/23にフォーエバー21が巨大な店舗をオープンさせました。うっかり見過ごしていたのでエントリーしておきます。

場所はロサンゼルス郊外のセリトスにある、Los Cerritos Center、モールの核店舗としての入居で、倒産して消えてなくなったマービンズの後に入りました。フォーエバー21はマービンズ撤退後の空きロケーション14ヶ所を手に入れているのですが、マービンズはどれも店舗面積が大きいので、すべて通常のプロトタイプより大きなフォーマットとなります。

タイトルで書いたように売り場面積は2,400坪の二階建て、フィッティングルームが80ヶ所、レジが27台、従業員数200人、20万アイテムと、専門店チェーンとしては異例の大きさとなってます。

考え方は、店内に20の異なるコンセプトストアが入居している、だそう。
ストリート、クラブ、キャリア、キッズ、といった分類を20作ってマーチャンダイジングしているというわけです。


さてこの専門店として不釣り合いな巨大な店舗なのですが、フォーエバー21はこの大きさをどうしても作りたかったようなんですね。念願かなったというところです。
マービンズが撤退した後だし、商業不動産の環境も借り手市場なので、良い条件での出店なのでしょう。

ところが、適正規模を超えているんじゃないかという批判も非常に多い。
アパレルは浮沈の激しい業界ですし、巨大な店舗が将来的には足かせになる可能性は否定できないわけです。

 

衰退して消える企業があれば、勃興して入れ替わる企業がすぐに出てくる。
アメリカ経済のダイナミズムを感じる事例ではあります。


トゥイッターR2Link

鈴木敏仁 (05:34)


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