ホールフーズが第3四半期の決算をリリース、売上高は2%増でしたが最終利益高が22.1%減の増収減益で、既存店成長率も2.6%減のマイナスでした。
マイナス傾向が止まらないのですが、やはり問題は利益と既存店がマイナスな点にあります。
利益が下がっているのは価格競争に陥っているからで、既存店の売上高が落ちているのはオーガニックという差別化要因が薄まりつつあるからですね。
気になったので、メモ代わりに既存店がいつから落ちているのかを調べてみました。
(ちなみに2015年は9月27日期末、9月の最終日曜日を期末にしているようだが未確認)
2016-Q3:2.6%減
2016-Q2:3.0%減
2016-Q1:1.8%減
2015-Q4:0.2%減
2015-Q3:1.3%増
昨年の半ばから既存店がマイナスに入り、そのまま下がり続けてます。
どこで下げ止まるのか、という状況になってきてますね。
さて本題ですが、実験店の365の3つめを旧来店舗の近くに出して自社競合の実験をすることを決算でコメントしています。
ワシントン州のベルビューに9月だそうです。
私は365を見たときに、旧来店との価格差をどう説明するんだろうという疑問を持ち、これを日経MJとダイヤモンドチェーンストアの誌面にも書いています。
その後ジョン・マッキーがカニバライゼーションは認知しているが解決法はまだ分からないと言っていることを知り、ああ経営陣もちゃんと分かっているんだな、走りながら考えようとしているんだなと理解しました。
ただどうも売上の食い合い問題を認知しているだけという気がする。
私の懸念は売上高だけではなく、同じ商品が同じ系列の店舗で、一方では安く、一方では高いという、この矛盾をお客にどう納得させるのかという点に興味があるのです。
つまり、ホールフーズのブランド問題と言いますかね。
双方の売価に食い違いがあると、価格の信頼性が落ちるのではないか。
ああ、365は経費が低いから売価も安いんだね、とお客がすんなり納得するのか。
旧来店に行って、なんでこれは高いんだ! ホールフーズはひどいな、にならないか。
お客が旧来店と365をまったく別の企業と見てくれればいいのですが、店頭でちゃんと368 by Whole Foodsってうたってますから、これは無理でしょう。
まあこれも走りながらということなんでしょう。
まだ実験は始まったばかりです。
マクドナルドが第2四半期に業績を発表したのですが、売上高4%減、最終利益高9%減、と減収減益でした。
業績が振るわない理由の一つとして挙げられているのが外食業界全体のスローダウンで、その原因として消費者の内食志向の高まりが指摘されています。
ランチは自分で作り、夕食は家で食べる、という人が増えているというわけです。
この結果について、ひょっとすると景気後退へのサインではないかという見方をしていて、そうかもしれないと思うのですが、私はもう一つ気づいたことがあります。
米国国勢調査局の発表では、今年1月の時点での消費者による外食支出は504億7,500万ドルで、小売での食品支出の504億6,600万ドルを史上初めて追い抜いた、となっています。
つまりアメリカ人の食は内食よりも外食へ傾いているんですね。
ならば、今回のニュースをどう理解するか、です。
景気後退のサインなどではなく単なる短期的なものに過ぎないのか。
ひょっとしたらスーパーマーケット業界が頑張ってお客を取り戻しはじめたのかもしれない。
さて、どうなんでしょう。
今後が気になるニュースです。
ユニリーバがひげ剃りのサブスクリプションモデルで急成長中のダラーシェーブクラブを買収すると発表しました。
買収額は10億ドルですべてキャッシュだそうです。
このバイアウトはけっこうサプライズです。
ダラーシェイブクラブの創業は2012年、わずか4年で企業価値が10億ドルになったというわけですね。
ちなみに現在の会員数は320万人だそうです。
リーバにとっての10億ドルの価値は、ビジネスだけじゃなくて320万の会員データも含まれています。
P&Gが洗剤のサブスクリプションモデルをはじめますが、私の予測としてはたぶん難しい。
ダラーシェーブクラブがやったことは相当大きなことだと思ってます。
この買収は面白すぎて、うんちくが長くなりそうなので、メルマガで書くことにします。
いまカナダのトロントで研修コーディネートの真っ最中なのですが、テレビのニュース番組がウォルマートのビザカード取り扱いストップを盛んに流していました。
ビザカードと手数料で合意に至らず取り扱いをやめると発表したのが6月11日。
昨日から1店舗でスタートし、これから370店舗へと水平展開するという内容で、実際にはじまったのでニュースになったというわけですね。
カナダでは大きなニュースなんだな、ということを感じました。
ディスカウント型のチェーンストアの場合、手数料を節約するためにクレジットカードを不可とする企業は他にも存在するのですが、ウォルマートですからね。
規模が違いすぎます。
大手小売と大手クレジットカードのバトルのはじまりということで、これからに注目です。
今年も東京でセミナーを開催することになりました。
今回は懇意にしている矢矧晴彦さんと組んで、私はアメリカを、矢矧さんはヨーロッパを、と欧米の双方をカバーします。
テーマは、私は昨今の食品リテールのトレンドである"フレッシュ"、矢矧さんはフード・ウェイスト、です。
海外スーパーマーケット徹底解説セミナー2016
食品に焦点を当てていますが、大きなトレンドなので、非食品を取り扱う小売業界に働く方々に加えて、卸やメーカーといったサプライヤーの皆様にも参考になる内容かと思います。
皆様のご参加をお待ち申し上げます。
ご存知の通りアマゾンが昨年に引き続き販促キャンペーンのプライムデーを実施しまして、その結果がリリースされました。
いつも通り売上など詳細は公開してません。
・グローバルで注文数は昨年対比で60%増加
・米国内の注文数は50%以上の増加
・モバイルデバイスによる注文は2倍以上に増加
成功したので恒例化するようなことを言っています。
メディアの予測では、グローバルで売上高は昨年の15億ドルから25億ドルに増えたのではないか、とのこと。
これもメディアの調査結果ですが、大手50社中の23社がプライムデーに対して何らかのプロモーションをぶつけたそうです。
ウォルマートも相当数の商品を値下げして、送料が無料となるミニマムオーダーをなくすなど限定プロモーションをやってました。
勝敗は分かりません。
一つだけ言えることは、歳末に近いような業界をあげての販促イベントが確立しはじめている印象があることです。
アマゾンを軸としているところが、なんとも恐ろしいところではあります。
ウォルマートは全店ジオフェンシングを完了しているそうです。
店頭でアプリを開くと自動でその店にいることになっているんですが、そういうことなんですね。
ジオフェンシングをご存じない方は、このあたりをご参照ください。
「ジオフェンシング」とは?今知っておきたい旬キーワードをやさしく解説!
他社決済を選択せず、自社アプリ決済を選んだのはこのあたりにも理由がありそうですねえ。
書くと長くなるので省略しますが、ジオフェンシング、自前アプリ決済、スキャン&ゴー、セービングキャッチャーはすべて、システム的にも戦略的にもつながっていますな。
ウォルマートはやっぱり他のリテーラーに先駆けてます。
ウォルマートペイを使ってみました。
写真のような端末が客のほうに向かって設置され、商品スキャン終了後に表示されているQRコードをアプリでスキャンすると、決済が終わるという仕組みです。
夏の終わりまでに全店で使用可能とすると発表していたのですが、どうやら前倒ししてすでに全店展開を終えたようです。
私はベントンビルの店舗で使ってみました。
NFCでかざすだけで済むアップルペイやアンドロイドペイと比べると、アプリを開いてQRコードをスキャンする分決済終了後までの手間が多いのですが、なんらかの意図があるのだろうと思っています。
ギフトカードを登録し使用できると言う事は、預かり金が増えて、手持ちのキャッシュが増えることを意味します。
これだけでも結構うまみがあるように思うのですが、ひょっとすると他の何かも考えているような気がします。
Walmart Pay is just the beginning of new things to come from us
(ウォルマートペイはこれからさらに導入する新しい何かの始まりに過ぎない)
と言うことをウォルマートはコメントをしているんですよね。
いったん実験をやめたScan & Goをひょっとする復活させるんじゃないかとひそかに思ってるんですが、どうでしょうね。
ディックス・スポーティンググッズがスポーツオーソリティ名を知的財産として競り落としたとメディアが報じました。
買収額は1,500万ドル。
また、31店舗のリースを800万ドルで買収したとも報じられています。
と言う事はつまり、イオンが使用している日本でのライセンスはこれからディックスに帰属することになるのかもしれませんね。
スポーツオーソリティの競売による資産の清算は7月末に終了する予定です。
ウォルマートが定額で二日間配送を無料とするプログラムを一般に公開しました。
名称はシッピングパス、年会費は49ドル。
導入は昨年なのですが紹介制としていたもので、今月から誰でも入会できるようにしました。
紹介制としていたのは一気に増えてキャパを超えてしまうことを恐れたのでしょうね。
当然のことながらアマゾンのプライムを狙い撃ちするもので、プライムデーに合わせての公開なのでしょう。
この半額というのは非常に興味深い値付けです。
プライム会員は何が目的で99ドルという年会費を払っているのか。
二日間配送、プライムビデオ、プライムミュージック、レンディング・ライブラリー等々が含まれているわけですが、全員がすべてを利用しているわけではない。
移行する会員が出てくるのかもしれません。
今後に注目です。
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