2013年5月25日
[ロウズ] 既存店成長率で17四半期連続ホームデポに負け

ロウズが第1四半期の決算を発表しました。売上高は0.5%減、最終利益高は2.5%増の減収増益、既存店成長率は0.7%減。
この既存店成長率がホームデポに対して17四半期連続で負け続けているそうで、好調ホームデポと不調ロウズという図式が鮮明となってきました。

一時期まではホームデポが再建途上、対するロウズ絶好調はという状況だったのですが、完全に逆転しているというわけです。
ちなみに数日前に発表されたホームデポの第1四半期の決算は、売上高7.4%増、最終利益高18.5%増、既存店成長率4.3%でした。

ロウズのCEOのロバート・ニブロックが会計畑出身の数値系の人で、店舗運営やマーチャンダイジングが分かっておらず、これがモチベーションの低下につながっていると業界では言われはじめてます。
まあ畑違いの人でもリーダーシップがあれば引っ張っていけるものなのですが...

アメリカのホームセンター業界は勝ち負けが完全に入れ替わりましたね。

<追記>
これから一週間ほど出張となるためエントリーが遅れます。ご容赦ください。
視察中の店舗の様子など時間があったらアップします。

鈴木敏仁 (07:54)


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2013年5月24日
[クローガー] アプリにロイヤルティカード機能を搭載

クローガーがロイヤルティカード機能を搭載したアプリを開発し公開しました。
商品のバーコードをスキャンすると値下げデータが登録され、レジでアプリをスキャンするとカード使用となって、値下げが適用されるという仕組みです。
また調剤のリフィル、クーポンのダウンロード、チラシの閲覧、買い物リストの作成、といった機能もあるようです。

私はいまのところ、ウォルグリーンとCVSのロイヤルティカードをアプリで使ってます。
アプリにするとカードを持ち歩く必要がないので便利なのですが、導入している小売企業は半分に満たないんじゃないでしょうかね。
ただお客からしたら便利だし、企業側としてもアプリを使わせることは今後の展開に有効ですから、これはおそらく近い将来スタンダードになるでしょうね。

ちなみにウォルマートが拡大し始めたスキャン&ゴーの実験も始めたようです。
これにもロイヤルティプログラムを絡めることができますから、水平展開は確実なのではないかと思います。

鈴木敏仁 (06:30)


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2013年5月23日
カード大手に対する手数料訴訟で和解案を大手小売企業が拒否

手数料が不当に高いとして小売企業がカード大手のビザとマスターを相手取って起こした集団訴訟で、カード企業から和解案が出されたのが昨年の7月のことでした。
カード大手が小売企業による集団訴訟で和解

この和解案に難色を示したのが大手小売企業で、その後紆余曲折があって、結局公的に拒否する声明を出しました。
拒否したのは、ウォルマート、ギャップ、ロウズ、コストコ、ナイキ、スターバックス、その他トータル19社です。

また業界団体のNRFも反対を表明しており、和解を受け入れない企業は今後増える可能性が高いでしょう。

和解を拒否できる最終締め切り日が5/28で、和解案が法廷で最終認可されるのが9/12だそう。
この後は和解を受け入れない企業とカード大手が仕切り直ししての集団訴訟となるわけです。

コメントを読む限り、カード会社側は強気です。
カード会社がいくつかあると言ってもほとんどはビザとマスターで独占市場ですからね。

日本のような電子マネーが普及するとこの独占も崩れると思うのですが、ほとんど進んでいないのが現状です。
ウォルマートによる銀行業進出も金融ロビーに阻止されましたし、アメリカの金融業界は強いですね。

鈴木敏仁 (06:03)


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2013年5月22日
[オートゾーン] 利益をもたらした長い冬

オートゾーンが第3四半期の決算を発表しました。売上高は4.5%増の22億1,000万ドル、最終利益高は6.8%増の2億6,560万ドル、既存店成長率は0.1%減。
このうちの最終利益高が予測を超えたのですが、理由がおもしろい。

冬が長かったから。
冬は車が傷みやすく、長いと修理期間も長くなるので売上が伸びる。

ドラッグストアと同じですね。
冬が寒く長いと儲かるのですが、理由は風邪薬が売れますから。

ホームセンターは春が稼ぎ時です。
長い冬が終わり暖かくなると、DYIや改装需要が高まるからですね。

小売はおもしろいです。

鈴木敏仁 (09:32)


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2013年5月21日
[シアトルベストコーヒー] ウォルマートの駐車場内で店舗展開を開始

ウォルマートの駐車場の一角にシアトルベストコーヒーが店舗をオープンさせます。
場所はダラスエリアで明日の21日に10店舗を同時オープンさせるようです。
面積は49㎡(15坪)、店内に椅子はなくてドライブスルーのみというユニークなフォーマットです。

今まで見たことのないコンセプトなのでイメージがつかみづらいのですが、駐車場の真ん中あたりに小さな小屋のような店を作るのでしょうね。

多くのスーパーマーケットがスタバを店内に導入してますが、これからはセルフのコーヒーマシーンが普及し始めます。
加えて駐車場内にドライブスルーというフォーマットが登場するというわけです。

シアトルベストはスタバ傘下で、スタバの二次ブランドような位置づけですね。
ボーダーズー店内で展開していた475店舗がすべて閉鎖となっていまは75店舗。
実験という表現がないので、この駐車場内フォーマットはこれから増えていきそうです。

鈴木敏仁 (06:25)


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2013年5月18日
[アバークロンビー&フィッチ] 対象顧客サイズからもれた人たちからの批判

アバクロは対象とする顧客層を絞りきっています。ファッションに敏感な若年層ですね。
そのためサイズも絞っていて、XLがないそうです。スタイルの良いクールな若者がターゲットですから、肥満体サイズは必要ないということのよう。

CEOのジェフリーが2006年にファッション雑誌の取材にこのあたりのことを語り、「我々が排他的だと言われれば、まったくその通りだ」と答えているのですが、これを掘り出して問題視する人が出てきて、change.comで「全員が公平に着ることができるように大きなサイズをアバクロに作らせよう」という嘆願書をポスト、これをみたハフィントン・ポストのブロガーがCEOに公開質問状を掲載したのが先週のこと。

アバクロはしばし静観していたのですが、口コミでけっこう広がりだんまりを決め込むことは得策ではないと考えたのか、ジェフリーが「言葉の選択を誤ったかもしれないことを後悔している、差別やいじめといったものに我々は100%反対する」とコメント。
謝罪はしていませんし、サイズ戦略を変えるつもりはないとしていて、何も変わらないのですが、とりあえず火消しに努めたという印象です。

対象顧客を絞るというのはあたりまえの戦略ですよね。
サイズがなくて着ることができないならばダイエットするのが先とも言えますし。
しかしだから無視する、というわけにもいかない。
こういうくだらない批判に対しても誠意を見せないと、ネット時代のいまは燎原の火のように批判が広がってブランに傷が付く可能性があるということを、このニュースを読んで強く感じたのでした。

鈴木敏仁 (08:01)


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2013年5月16日
[ウォルマート] バングラデシュで独自の安全基準を適用か

バングラデシュでの大事故以来、自社商品の多くをこの国から調達している欧米の大手小売企業が批判の矢面に立ち、安全基準の導入を検討するために各企業が会合を持ったのが先々週のことでした。

この結果、H&Mやインディテックスが中心となって複数のヨーロッパ企業が安全基準に関する協定を導入することで合意したのですが、ウォルマートやギャップといったアメリカ企業は反対のスタンスをとってきました。
この状況下でウォルマートが、工場の安全性をチェックする第三者機関を雇って委託先の工場を監査することを発表、ヨーロッパ企業とは歩調を合わせない姿勢を鮮明にしました。

ギャップのコメントを読むに、現在の協定の文言だと事故が発生した場合に米国内で訴訟が起こる可能性があるからというのが、理由の一つのようです。
同社は修正を提案しているとしています。

こういう場合、欧米企業はさっさと足並みを揃えてしまうことが多いのですが、今回は利害がなかなか一致しないようです。

ちなみにユニクロ等の日本企業の名前が出てきていないのですが、バングラデシュでの生産量が少ないからか、米メディアが単に見過ごしているだけのか、それとも日本国内でメディアが騒いでいないのでだんまりを決め込んでいるのか、正確なところはよく分かりません。

鈴木敏仁 (06:18)


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2013年5月15日
[ダラーゼネラル] 5月に1万人を雇用

ダラーゼネラルが全米40州で1万人を雇用するためのジョブフェア(就職説明会)を開催しています。
各州のキャリアセンターや図書館、ホテル、市役所といった場所を借りて面接を実施してリクルートするわけですが、170ヶ所にも及んでおり、ダラーゼネラルの規模を実感します。

しかし1ヶ月で1社で1万人雇用というのは桁が違うのですが、おそらくそれだけ離職率も高いのではないかと。
とりわけ高いスキルレベルを求めない店舗レベルではおそらく絶えず大量の人が、やめて、雇用されるということを繰り返しているはずで、ジョブフェアをあえてやるから目立つだけなのでしょうね。

鈴木敏仁 (06:11)


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2013年5月14日
経営者と現場社員の給与の差

アメリカでは議会が上場企業に対して、CEOと管理職ではない社員の給与(ボーナス等含む)比率を提出するよう求めています。
リーマンショック後の金融規制強化のために制定されたドッド・フランク法に基づくものなのですが、公開している企業は今のところ皆無、たぶんまだペナルティがないことと、計算するためのメソドロジー(方法論)が確立していないからなのでしょう。

これをビジネスウィーク誌が独自の方法論で算出してランクにしたのがこれです。

【記事】 Disclosed: The Pay Gap Between CEOs and Employees

【ランキング】Top CEO Pay Ratios

S&P500社の平均値は204:1、リスト上の上位100社の平均値は495:1、だそう。

小売企業を上から抜き出すと...

JCペニー:1,795
アバクロ:1,640
ターゲット:664
ウォルマート:611
メイシーズ:595
ロスストアズ:426
クローガー:386
セイフウェイ:375
ベッド・バス&ビヨンド:370
ロウズ:332

ウォルマートはいまも販売管理費率が低い方の企業なのですが、これを見る限りにおいては、現場社員の低給料の上に成立しているという批判は100%間違っているわけでもないということが言えるようです。
また売上上位10社で私が抜き出した上位10社ランクに入っていないのは、CVSケアマーク、コストコ、ウォルグリーン、アマゾンの4社です。

ドラッカーはこの比率を25以下にしなさいと言っていたそう。
行き過ぎているのは明かというような気がします。

鈴木敏仁 (07:34)


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2013年5月11日
[ベストバイ] Twelpforce(トウェルプフォース)によるカスタマーサービスを中止へ

ベストバイがツィッターを利用しての、日本で言うところのお客様サポートを提供し始めたのが4年前のことでしたが、やめることが分かりました。
お客が@twelpforceに質問を投げかけると従業員が答えてくれるサービスで、全盛期には社員3,000人が登録されていたそうです。

やめる理由は140字で答えられない質問が少なくないからとなっているのですが、業績悪化も理由の一つでしょうし、同社はネット上にサポートコミュニティを作っていて、そちらの方が効率が良いからなのでしょうね。ツィッターは質問と答えが流れて行ってしまいますが、コミュニティとすればナレッジを蓄積してアーカイブ化できますから。

これ、ベストバイがはじめたときは新時代のクラウドサービスとしてけっこう大々的に取り上げられたものなのですが、やめるときはまったくニュースになりません。
でも本当は最初から最後まで追わないとダメだし、やめるときの方が参考になることが多いんですけどね。

鈴木敏仁 (06:10)


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2013年5月10日
[ホールフーズ] 戦略転換で絶好調をアピール

ホールフーズが第2四半期の決算をリリースしました。
売上高13.3%増、最終利益高20.3%増、既存店成長率6.6%増と絶好調、戦略転換が大成功していることを印象づけました。
大手スーパーマーケットでこの数値は見事ですね。

戦略転換とは、スペシャリティやオーガニックではなく"健康を売るスーパー"へと基本テーマを変えたことと、低価格商品を投入したりハイローを実施して価格を訴求する戦略へ変えたことです。
背景には当然創業者のジョン・マッキーがいるわけで、彼の強いリーダーップが急速な戦略転換を支えたのでしょう。

リリースでは、ここ数年に新店の面積を小型の30,000~35,000sqf(845~985坪)に縮小したのだが、5~8年前に建設した40,000~45,000sqf(1,127~1,267坪)の店舗の既存店が非常に強く、新店の面積を再び35,000~45,000sqfへ拡大すると言っています。
通常5~8年経ると店舗は成熟して既存店の成長は止まるものですし、いまアメリカの小売り業界はいかに店舗を小さくするかがブームのようなものですから、ホールフーズの好調さを強調するような新店戦略シフトではないかと思います。

鈴木敏仁 (06:14)


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2013年5月 9日
[ウォルマート] マイケル・デュークの後継選び

CEOマイケル・デュークの後継候補として、ビル・サイモンとダグ・マクミロンの二人に絞られたとブルームバーグ(経済誌)が報じました。
ブルームバーグがどこから情報を入手したのかは不明、ウォルマートは噂にコメントはできないとしてノーコメント。

以前からこの2人しかいないと言われてきているので驚くべき事ではないのですが、こういう噂が立つと言うことはデュークの引退も近いのかもしれません。
定年退職制がないアメリカでは公的保険の対象となる65才でリタイヤする人が多く、63才のデュークもあと2年はやると思っていたのですが。

ちなみにサイモンは53才、マクミロンは46才。
年齢的にはサイモンですが、マクミロンの評価も非常に高い。
マクミロンが選ばれると世界最大売上高の企業のCEOが40台ということになるわけで、外野としてはこちらの方がインパクトがありますね。

鈴木敏仁 (06:13)


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2013年5月 8日
[ウォルマート] フォーチュン500社で売上高1位に

フォーチュンが恒例の500社ランキングを公開、ウォルマートが1位に返り咲きました。
ウォルマートはここ数年、1位と2位を行ったり来たりしているのですが、理由は二位のエクソンモービルの売上高が上下しているからですね。
原油価格が上がると売上高が跳ね上がりますし、下がるとがくっと落ちます。
ウォルマートはコンスタントに増収を続けてますから、実質的にはずっとトップと考えて良いかもしれません。

以下、上位50社の中から小売企業を抜き出してみます。

1、ウォルマート
2、CVSケアマーク
3、コストコ
4、クローガー
5、ホームデポ
6、ターゲット
7、ウォルグリーン
8、アマゾン

コストコがクローガーを抜き、アマゾンがロウズとベストバイを抜きました。
アメリカの小売業界は動きが激しいです。

鈴木敏仁 (06:23)


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2013年5月 7日
[セイフウェイ] PBを売るためのマーケティング

セイフウェイはPBの売上が高いことでよく知られた企業ですが、こういうことをやっているからだという話を今日は紹介します。
乳製品PBのルサーンを中心に据えたキャンペーンで、名称はThe art of dairy art contest、牛をアートとしてデザインしてもらい、投票で一番を決めるコンテストです。

マーケティングですね。
値下げしてチラシに掲載するプロモーションは商品を売るための技術ですが、マーケティングはブランドを売るための技術です。
直接商品に関わる活動ではなく、ブランドに関わる活動、ということになりますね。

こういう活動をたくさん積み重ねることによってブランドができあがり、お客はそのブランドを信頼して買うようになる。
ターゲットもブランディングに長けてますが、こういうおもしろいイベントを地道に積み重ねているからです。

小売企業というものはプロモーションに偏ってしまう傾向があり、マーケティングと口では言っても結局はプロモーションだったりすることが大半です。
マーケティン思想や技術が欠落している小売企業が少なくなくて、これは今後の課題だと思っています。

鈴木敏仁 (07:35)


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2013年5月 4日
[ウォルマート] ネット販売用ページのデザインをリニューアル

ウォルマートがネット販売用のホームページのデザインをリニューアルしました。

ポイントは以下の通り。

◇白いスペースを増やした。つまり全体としてすっきりとしたデザインにしたわけです。これは今の流行のようなもので、このコンセプトをデザインのベースとしているページは増えてまして、簡素が好きな私はこちらの方がベターに感じます。
例えば旧来型がFacebook、新型がGoogle+、というようなイメージですかね。Facebookを私が使わない最大の理由はノイズが多すぎることなんです。
ネット販売で典型的なごちゃごちゃ型が楽天でしょう。カオスと言っても良いデザインで、センスが極めて悪いと思っています。

◇上部のナビゲーションバーの検索窓を広げ、ドロップダウンメニューを加えた。ご存じの通り検索エンジンは独自のシステムを開発し、この結果コンバージョンレートが20%上昇したと言っています。

◇ナビゲーションバーに、トレンディングとマイストアを追加。トレンディングとはいま何が売れているかを表示するページで、ソーシャルではピンタレストの情報が共有されています。マイストアは自分がいつも使っている店舗を登録できて、クリックするとチラシや売れ筋を確認することができます。

◇左側の縦ナビゲーションバーからは枠が取り払われ、文字間を広げて、白スペースが強調されています。

一方、Eコマースを動かすプラットフォームを今までは市販のものを購入し利用していたが、これからは自社開発に切り替えることを発表しています。
自分たちのやりたいようにやるというわけですね。
競合という観点からは、行き着くところまで行ったら、最終的にはオリジナルを開発するのは必然だとは思います。

この発表、投資企業スポンサーのカンファレンスで担当役員のニール・アッシュによるものなのですが、非常に良いコメントがあるので引用しておきます。

The goal of each e-commerce program Wal-Mart develops is to go faster and faster and faster to meet changing customer expectations. Change is a choice, and the innovators are those who are almost as fast as the customer [in getting] to where the customer wants us to be.
「ウォルマートが開発しているEコマースプログラムのゴールは、変化するお客の期待に応えるよう、早く、早く、早く、進んでいくことにある。変化とは選択を意味し、お客が我々に期待している地点へと、お客と同じスピードで進んで行くことが革新なのだ」

消費者の変化について行くことこそが革新なのだ、はけだし名言。
日本の小売企業のEコマース担当者は、このコメントをオフィスに貼っておくべきでしょうね。

鈴木敏仁 (06:30)


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2013年5月 3日
[シアーズホールディングス] 店舗や商品よりもFSPを重視?

昨日シアーズホールディングスの株主総会が開催され、CEOとなったエディー・ランパートが司会を務めたようです。大株主兼チェアマンだったわけですが、CEOののダンブロシオが2月に辞め、後継が見つかっていない(または見つけていない?)ため、初めて会長兼CEOとして表舞台に出たというわけです。

実は書くことはないだろうと思って流して読んでいたのですが、ふとおもしろいコメントが目に付きまして、エントリーすることにしました。

"We are becoming a company focused less on products and less on stores and much more on members,"
「我々は商品や店舗ではなく会員により焦点を当てる企業になりつつある」(直訳)

ここで言うメンバーとはつまりロイヤルティプログラム、日本で言うところのFSPですね。

店や商品よりもFSPを重視する政策を取っている、ということを言っているわけです。
実際会員数はかなり増えていて、売上に対する比率もどんどん高くなっていて、だからこういう発言が出たのだろうなというのは分かります。
ただやっぱり何か外れているよな、という印象を持ってしまうんですよね。

私の感覚ですが、Kマートの売り場の、欠品の削減、前出しの励行、プロモーション陳列の管理、このあたりだけで既存店成長率のマイナスは止まるんじゃないかと思っているんです。
あとは店員のモチベーションアップ、ですかね。

すべて小売の基本中の基本です。
基本ができてなくてFSPどうのこうのと言われても...と考えてしまうは私だけだろうかと思ったのですが、資料を読むと、証券アナリストが"マーチャンダイジングと店舗を改善するためのドラスティックな再建プランが必要だ"と書いていて、ああ私だけじゃないんだなと安心したのでした。

鈴木敏仁 (06:17)


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2013年5月 2日
[ベストバイ] ジョイントベンチャーを売却してヨーロッパから撤退

ベストバイがヨーロッパから撤退すると発表しました。カーフォンウェアハウスと半々で組んでいたジョイントベンチャーの資本をすべてカーフォンに売却するとのことで、総額は5億ポンドになる見込み。
ベストバイがヨーロッパに進出したのは2008年で、イギリスに大型店舗を展開しようとしたのですがうまくいかず、戦略転換してカーフォンと提携し小型フォーマットの展開にシフトしたのですがこれもダメで、5年で見切りをつけたということになります。

テスコのアメリカ撤退と状況が酷似しているのですが、本拠地での業績が悪化して新事業を長期的に維持することができなくなったというのが最大の理由でしょう。

一方はアメリカから撤退し、一方はヨーロッパから撤退。
海外事業というものはほんとうに簡単ではないですね。

鈴木敏仁 (07:07)


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2013年5月 1日
[セイフウェイ] 次期CEOはロバート・エドワーズに

スティーブン・バードの引退が明かになったのが1月のことで、5月2日の株主総会で正式に退任するとしていました。
残りわずかになってようやく後任を発表、昨年の4月に全部門をまとめる日本で言うところの統括職についていたロバート・エドワーズが選任されました。
元々はCFOだったのですが、この統括職に就いた時点で後継になることは決まっていたような印象ですね。
次を探すと言っていたのは、形式的な経営者探しだったように思います。
株主向けですね。

このエドワーズ、セイフウェイには2004年にCFOとして転職してきた人なのですが、それ以前については社名の明記はあるものの専門が何なのかが分かりません。
ただCFOですから非常に高い確率で財務会計畑を歩んできたのだろうという想像はつきます。

巷間よく言われるのは、アカウンティング系を専門としている人が経営者になると...ですね。
数字がメインになってしまうからです。
実際、数字に細かい人ではあるようです。
まあリーダーシップとは専門分野とは異なる能力ですので、一概には言えませんが。

ちなみにスティーブ・ジョブズは、「メーカーはマーケティング畑の人間を経営者にしてはいけない」と言っていましたね。

小売は売場に立てる人が経営者になるべきだし、メーカーはモノ作りや商品にこだわりを持っている人が経営者になるべき、が私の持論です。

鈴木敏仁 (06:04)


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