2011年4月29日
[ウォルマート] 銃器の販売を全店舗の半分にまで再拡大

5年前に全店舗の3分の1まで縮小していた銃器の販売を再拡大することを明らかにしました。およそ半分の店舗まで増やすとのこと。約3,600店舗ですから、計算すると約600店舗にライフル売場が戻るということりなりますね。

ファブリック(クラフト)や釣り道具と同じで昔から取り扱っていたウォルマートにとっては伝統的なカテゴリーで、原点に帰るための戦略の一つに過ぎないと、ウォルマートは説明しています。


というのはたぶん表面的な理由で、単純にスペース効率がいいからだと思うんですけどね。

銃器を売る理由はハンティング、田舎商圏ではハンティングはスポーツの一つでして、だからライフルもスポーツ用品の一つという扱いなんですよね。サム・ウォルトンがハンティング好きだったのは有名な話です。


まあしかし、アリゾナで銃乱射事件が起きたばかりですし、論議を呼びそうなニュースではあります。

鈴木敏仁 (03:36)


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2011年4月28日
ソニーの個人データ流出量はTJマックス超え

ソニーのプレステ用のネットワークシステムにハッカーが侵入した事件で流出した個人情報は7,700万人分だそうですね。
2007年にTJマックスのデータが流出した時は4,560万件で、これが過去最大の流出量と言われていましたから、ソニーは記録を塗り替えたことになります。

4,560万人のデータが漏洩したTJマックス

今月初頭にはこういうニュースもありました。
電子メール情報の漏洩


以前から同じ事を書いてますが、こういうニュースを聞くと思い出すのが決済システムの生体認証です。
クローガー、ジューエルオスコー、グリーンヒルズといった企業が実験を始めたときに、普及したとしても絶対に使わないぞと心に決めたものです。私企業に生体データを提供するなんてリスクを考えたらありえないだろうと思ったからです。

しかしこうやってどんどん流出されると、保守しているセキュリティ企業の信頼ってガラガラと崩壊していきますね。データは流出するものということを前提にしなければならないわけで、消費者としては何かと便利だけど一方でやっかいな時代だなと言わざるを得ません。

鈴木敏仁 (01:34)


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2011年4月27日
[ストップ&ショップ] 商品スキャンと清算用のiPhoneアプリを開発

ストップ&ショップの端末ステーション店頭でお客がスキャナーを借りて、購入する商品のバーコードをお客自身がスキャンし、レジでスキャナーを手渡すと清算ができて、レジで一つ一つスキャンしなくても済む(つまり時間を短縮できる)というサービスをストップ&ショップはもともと提供しています。

写真用のような貸し出しステーションが入り口にあるのですが、これを借り出すにはFSPに登録してなければなりません。

このスキャナーの代わりにiPhoneを使うことのできるアプリを同社が投入したというのが今日のネタです。
カメラ機能で商品をスキャンすると金額が積算されて、買い物を終えるとデータがレジに伝送されて支払いを済ますことができるというアプリです。データの送受信のスピードアップのために無線LANを店内に用意するそう。

アプリはこのシステムを管理しているModivMediaという会社が開発したようです。


ストップ&ショップはたぶんアメリカではホールフーズと並んで唯一、電子棚札を採用している企業で、こういう最先端のテクノロジー系のプログラムが好きな企業です。


さてではこのアプリを使うかというと・・・個人的には面倒かなという気がしますね。アプリを立ち上げ、カメラを起動し、という時間がちょっと不便かなと。
そうするならば、スキャナー借りてしまったほうが早いですよね。


ただ、なるほどこういう方向性もあるのだなという気づきのようなものを与えてくれる事例じゃないかなと思うわけです。
携帯端末とリテールがこれからどう絡み合っていくのか、そんなテーマの一つの良い参考例だと思います。

鈴木敏仁 (01:40)


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2011年4月26日
ショッピングセンターも携帯アプリを開発する時代に

ショッピングセンターデベロッパーが携帯端末用のアプリを開発し始めているという記事を今日のWSJ誌が掲載していました。

アメリカのショッピングモールは長い年月をかけて少しずつ集客力が落ち、滞留時間が短くなってきています。
これにネットが拍車をかけていると言われている。
モールで売っているような商品はいわゆる買い回り商品ですから、ネット販売向きのカテゴリーが多いんですね。
またゆっくり買い物をしている時間がないからネット販売を使うわけですが、アメリカは働く女性が多いですからモールよりネットを選ぶ人が少なくないというわけです。

この傾向に歯止めをかけるために、最大手のサイモンやウェストフィールドがアプリを開発しているという記事なのですが、ネットに対抗するためにモールがアプリを作る、という論旨がおもしろい。


ショップキックという既存のアプリに参加するだけではなく、オリジナルも作っている。このオリジナルはいまのところ、車をどこに止めたとか、モール内店舗のプロモーションを表示したりとか、映画館の上映時間を知らせたりといったレベルの機能のようです。

しかし今後は例えばグルーポンのような機能へと進化させたいということをサイモンのCEOが言っている。これを"モールオン"と呼び、開発企業を買収するかまたは自らの手で開発するそう。


デベロッパーが自らこういうことに取り組む時代になってきたということに興味を引かれたのでした。

鈴木敏仁 (03:02)


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2011年4月25日
[ウォルマート] 食品ネット販売の実験開始

4月5日にエントリーしたとおり、ウォルマートが食品のネット販売を始めるという噂があったのですが、噂の通り実験を開始しました。

名称はWalmart To Go、地域はサンノゼ限定、取り扱いアイテムは、生鮮三品、総菜、乳製品、卵、、パン、グローサリー、冷食、HBC、ベビー、紙製品や洗剤、ペット等、となっています。

フレッシュからグローサリー(非食品含む)までほぼすべて、つまりスーパーマーケットが取り扱う部門はおおよそカバーしていることになります。
ただしネットを見る限り表示されているアイテムは限定的です。おそらくアイテム数をまずは限定し、少しずつ拡大して行くことを考えているのでしょう。

配送料は5ドルからとなっていますが、ミニマムオーダーがあるようです。しかしヘルプを見るショッピングカートを見てくれとしか書いておらず。何がミニマムオーダーなのか分かりません。今のところ買い物しながらでないと判断できないということになりますね。


ウォルマートが出店している地域のデモグラフィックと、食品ネット販売向きのデモグラフィックって、あまりマッチしないように思うんです。
仮にこれを拡大するとしても、かなり限定的なビジネスになるような気がしているのですが、どうでしょうね。

鈴木敏仁 (02:39)


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2011年4月25日
「カナダの小売業界のおもしろさについて」Vol.15,No.17

アメリカ流通eニュース

 先日トロントに店舗取材へ行ってきた。2泊3日、正味で二日間、24店舗を駆け足で見て回ってきたのだが、非常におもしろかった。いつも1泊程度でしか行かず数店舗を見るだけで終わらせているのだが、数十店舗を一気に見ると店舗作りの思想のようなものまで分かったような気がする。
 カナダはアメリカと長い国境を接していて人の往来が激しく、人種的にもアメリカと似通っており、一見するとまるでアメリカのような国である。ところが細かく見てゆくとかなり違うことに気づく。
 これはおそらくカナダという国の成り立ちから来ているのだろう。この違いが店舗にも表現されているのである。


<これ以降の内容に興味のある方は、アメリカ流通eニュース(有料)をご購読下さい。>

鈴木敏仁 (10:13)


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2011年4月22日
[ホールフーズ] クリーニングカテゴリーに独自のエコレーティングを採用

外部の企業に委託し、クリーニングカテゴリーの全商品のエコ度をレーティングし表示するプログラムをホールフーズが開始しました。
ハウスホールド・クリーニングと言っているので、住居用洗剤分野だと思うのですが、衣料洗剤も含まれているかもしれませんね。近いうちに店舗で確認してこようと思っています。

名称はエコスケール・レーティング・システム。赤、オレンジ、黄色、グリーンに色分けされるそうで、おそらくPOPを使うのではないかと思います。オレンジを最低ラインとし、赤となった商品は製造内容を修正するか、さもなければ店頭から削除されるそうです。

またパッケージの成分表示をこのプログラムは求めています。規制上は中身の成分表示が義務づけられているだけで、パッケージに関してはノータッチですね。


このプログラムは、ウォルマートが主導して始まったサステナビリティ・インデックスのコンセプトとほぼ同じような気がします。ウォルマートの方は業界スタンダードの構築を目指して非常に大きな取り組みになっているのに対して、こちらは第三者機関に任せているだけという点が違います。

しかしながら、小売企業としてエコ度を表示するプログラムを実行しているのはホールフーズだけですから、先駆けたという点で素晴らしいし、スーパーマーケットが非食品分野のクリーニングアイテムにエコ度表示を実施するという点にも感銘を受けます。

このあたりにホールフーズという企業のユニークさを感じますよね。


トゥイッターR2Link

鈴木敏仁 (03:57)


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2011年4月21日
[ギャップ] 海外事業組織編成の見直しとオールドネイビーの日本進出

国内不振が長引いているギャップの海外事業強化は焦眉の急で、2013年までに海外事業とネット販売の売上高を全体の30%とするという目標を立てて、この2つを米国内を補うビジネスへ成長させようとしています。

その一環としてまず海外ビジネスを一つの事業体にまとめる組織編成の見直しを実施することを明らかにしました。欧州、中東、北アフリカ、アジア、南米の30カ国に展開する530店舗を一つのユニットとし、本拠地をロンドンに置く。

また来年末をメドにオールドネイビーを日本に出店するそう。1995年にギャップ、2005年にバナナリパブリックをオープンさせ、オールドネイビーは最後に残ったフォーマットでした。


一説によるとユニクロは最盛期のオールドネイビーを参考にしたと言われてますから(ギャップとも言われてますがフォーマット的にはオールドネイビーでしょう)、言わば本家がとうとう日本にやってきてユニクロと競合するというわけです。
成功するのかどうか、非常に楽しみですね。

鈴木敏仁 (01:48)


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2011年4月20日
[フレッシュ&イージー] テスコが昨年度の決算発表、大幅に増えた米国事業の赤字

英テスコが昨年度の決算発表(2月26日期末)、その中でフレッシュ&イージーの業績に触れているのですが、赤字がさらに増えてまして米国事業がいまだ軌道に乗っていない状況を物語っています。

売上高は8億1,800万ドルで前年比42%増なのですが、赤字が3億700万ドルで昨年の2億5300万ドルから大幅に増えています。
既存店成長率は9.4%増でした。

コメントでは、昨年サプライヤーを買収したのでこれが赤字額を急増させた、今年度は赤字は縮小して行くことだろう、300店舗で損益分岐点を超える予定で、2013年度末までには黒字化するだろうとのこと。
ちなみに現在の店舗数は172店舗です。


店舗を見る限り、ちょっとおおざっぱな言い方なのですが、だいぶこなれてきたなという印象を持ってまして、黒字化へ向かっているという説明も決して的を外していないようには思うのですが、しかし赤字額が大きいので大丈夫なのだろうかと心配になります。

まあ、キャッシュフローを公開していませんから経営的に本当はどうなのか分からず、表面的にか判断できないわけで、フレッシュ&イージーの現状はまだまだ不透明です。

鈴木敏仁 (02:32)


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2011年4月19日
[ウォルマート] ソーシャルメディアのコズミックスを買収

ウォルマートがコズミックスというソーシャルメディアを買収しました。買収額は非公開、@WamartLabsという新設の部門に属して、ソーシャルメディアとモバイルコマースに関する技術を開発して行くことになるとのこと。

コズミックスのホームページによると、同社が提供しているのは、独自に開発したプラットフォームを利用してソーシャルメディアが発信する情報をフィルターにかけ選別するサービスです。

これをウォルマートが利用しようということなんですが、カストロライトのコメントを引用しておきます。

「ソーシャルネットワーキングとモバイルアプリケーションは消費者の毎日の生活の一部となってきており、ネット販売とリアル店舗でどう買い物をするかという行動に影響を与えている」


ウォルマートは中長期的にネットを重視するということを言ってますから、その戦略の一環としての買収ということになろうかと思いますが、こういう事をしているリアルリテーラーが他に見当たらないので、ウォルマートの動きの先見性というかユニークさが目立ちます。

鈴木敏仁 (01:54)


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2011年4月18日
[ベストバイ] 4つの中期戦略を発表、主軸はネット販売

ベストバイが証券アナリストと機関投資家向けのカンファレンスを開催、今後の中期戦略を明らかにしました。

○ネット販売の拡大:目標は今後5年間で現在の20億ドルから40億ドルへ
○ベストバイモバイルの店舗増:今後5年間で600~800店舗とする
○中国のファイブスターへの投資強化:売上高を2倍の40億ドルとする
○店舗レベルでの生産性の向上:今後3~5年間で店舗面積を10%削減、7000~8000万ドルの節約を目指す


ネット販売の強化について、執行副社長の表現がおもしろいので引用します。

"There's new difinition of conbenience: the ability to interact with a company on your terms"

最初の一文は、コンビニエンスという考え方に新たな概念が存在するようになってきた、という意味です。

次の一文がおもしろい。
直訳すると、"それぞれの消費者の好きなやり方で企業と情報交換する能力"という意味ですが、つまりお客と企業の接点が一つではなくいろいろあって、それを消費者が好みによって選択することができ、これが新たなコンビニエンス性というものなのだ、ということを言おうとしているわけです。

スマートフォンのアプリを駆使して情報を収集したり、タブレットPCを使って買い物をしたりといった、アクセス手段の多様化が前提になっていると思います。

小売業界におけるコンビニエンス=利便性とは、今までは店舗へのアクセスの容易さや、小型フォーマットによる買いやすさというリアルなものに主眼が置かれて来ましたが、ここにネットというバーチャルな手段が含まれ始めているということを前提にして企業が戦略を組む時代というわけです。

鈴木敏仁 (02:28)


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2011年4月18日
「小売企業がリードするアメリカのエコムーブメント」Vol.15,No.16 4/18

アメリカ流通eニュース

 4月は22日にアースデーがあるため環境ネタが増える時期である。例えばスターバックスが22日にマグカップを持参すればコーヒーを無料で提供するサービスを実施したのだが、これは紙のカップの使用を減らすことをお客に促すイニシアチブである。
 小売業界では3つほど興味を引くニュースがあったので、ここで紹介しておこう。

*****

 まずはウォルマートから。同社がエコに取り組み始めたは2005年からなのですでに5年が経過したが、おそらく小売業界をはるかに超えてアメリカ全社会の環境イニシアチブのトレンドセッターになっていると私は感じている。ウォルマートが取り組み始めてから米企業のエコ活動が活発化し始めているように思う。
 2005年に開発されたプログラム名がサステナブル360、そのときに設定された三つの目標が、「使用エネルギーを100%再生可能エネルギーとする」、「廃棄ゼロ」、「資源と環境を再生可能とする商品の販売」であった。
 今回この中間発表という位置づけでレポートがリリースされた。例えば"2012年までに温室効果ガスの排出量を20%削減するという目標は2009年末の時点で10.6%削減まで到達"や、"新店とリモデル店舗の、特に青果、ディスプレー、壁に貼り付けられたサインをハイライトするためのライトをLEDに転換、およそ50%消費電力節約を実現"といった項目が並んでいる。長いレポートなので詳細は省くが、着々と進んでいることが分かる。
 次にホールホーズ、クリーニングカテゴリーの全商品にエコ度をレーティングし表示するエコスケール・レーティング・システムと呼ぶ取り組みを始めている。外部機関に委託して各商品を調査しレートをつけ、お客がわかりやすいように赤、オレンジ、黄色、グリーンに色分けし表示する。ホールフーズとしてはオレンジを最低ラインとし、赤の場合は中身を修正するかさもなければ店頭から引き上げるという。
 ちなみにハウスホールド・クリーニングと表現されているので住居用洗剤関連だと思うのだが、衣料洗剤が含まれているのかどうかは店頭で確認してみようと思っている。
 このプログラムはウォルマート主導で始まったサステナビリティインデックスと考え方は基本的にはまったく同じである。各商品がそれぞれの尺度で主張しているエコ度を第三者機関によるレーティングで客観的に評価し、それを分かりやすい表示の仕方で消費者に示そうというものだ。
 おそらくアメリカの小売企業でこれを公的に開始しているのはホールフーズだけで、しかもスーパーマーケットが非食品分野で始めている点で、ホールフーズという企業のユニークさや価値が分かるというものだ。
 ちなみにサステナビリティインデックスには欧米のほとんどの大手消費財メーカーが参加、また大学などのアカデミックな組織や、マークス&スペンサーやアホールドなどヨーロッパの小売企業も参加しており、欧米主導の産学協同で標準化が進んでいる。日本企業の参加が望まれるところだろう。
 最後にセイフウェイ、環境団体のグリーンピースが毎年発表しているシーフードのエコ度ランキングで一位に選ばれている。二位がターゲットとウェッグマンズ、三位がホールフーズである。
 サステナブルな漁獲という取り組みに対しては興味を持つ企業が増えていて、乱獲が懸念されているクロマグロやチリシーバス(スズキの一種)の販売をやめる企業が出てきたり、シーフードのベンダーとの取引に一定のポリシーを設定したりということをしている。魚をあまり食べない民族だけに取り組みも進みやすいように感じている。
 ちなみに環境テロリストとも言われるグリーンピースの活動には賛同できないという個人的な感情はここではおく。

◇取り組みが加速する米小売企業のエコイニシアチブ◇
 日本の流通企業のエコ活動が部分的なのに対してウォルマートにはまず大きなビジョンがあり、そして極めて包括的かつ広範囲でしかも競合も含めて流通全企業に取り組みを解放しているため、より合理的でしかもハイスピードで進んでいるように思う。一般的なエコ意識については日本の方が高いと思うのだが、企業の取り組みという点ではアメリカの方が先行してしまったようだ。
 ホールフーズのプログラムも先駆けているのだが、一般に普及する日もそう遠くはないのではないか。インデックスが標準化を実現したら普及は加速することだろう。
 アメリカのエコは一般の意識はまだまだ低いのだが、学校でリサイクル運動をするなど教育の現場は変わっており、エコな教育を受けた子供達が大きくなるにつれ社会も変わって行くことだろう。いままさにその転換点にアメリカはいるような気がしている。大量消費文化の代名詞だったアメリカも少しずつ変わりつつあるのだが、アメリカを見ているとエコで小売企業の果たす役割は小さくないということが分かるのである。

鈴木敏仁 (09:53)


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2011年4月15日
カナダの店舗を視察中

ロブロウが運営するスーパーセンターいまカナダのトロントにいます。目的は取材、販売革新にカナダの小売業について書く予定です。
今日一日見て回り、明日も一日見て回って帰途につきます。

カナダはほぼアメリカと言っていいような国なんですが、ヨーロッパの影響が強く残っていて、アメリカと微妙に違う。この微妙さがすごくおもしろいんですね。
たとえばウォルマートがスーパーセンターを作っています。アメリカのフォーマットとほぼ同じなのですが、子細にみると違う点がたくさんある。

このあたりを書いてみたいと思っています。

鈴木敏仁 (04:59)


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2011年4月13日
[チポレ・メキシカン・グリル] 東南アジアテーマのファストカジュアルを開発

今日は興味を引いた外食ネタを一つ。
チポレはメキシカンのファストカジュアルで、1000店舗以上を展開するチェーンレストランです。まだ中小企業の時にマックが投資して、マックの資本で一気に伸ばした歴史を持ってます。
マックはその後、本業に集中するために関連企業の多くを手放して、いまはマックと資本関係はありません。

このチポレはファストカジュアルという業態で先駆けた企業の一つだと思います。


この企業が新たなフォーマットを開発するというのですが、コンセプトが東南アジア。
タイ、マレーシア、ベトナムの、一階が商業施設で二階が住宅で、おなかたすいたら一階レベルに降りていってぱっと食べることができる、そういう環境をモチーフとして作るそう。

店舗名はショップハウス、一号店はワシントンDCに夏頃をメドにオープン予定です。


興味を引いた理由は「タイ、マレーシア、ベトナム」という東南アジアコンセプトがおもしろいなと思ったからです。
例えばPFチャンがやっているペイウェイは「日本、中国、韓国、タイ、ベトナム」でして、アジア飯という点ではすでにあることはあるんです。
ただ中国や日本を除いて東南アジアに焦点を当てているところがユニークかなと。

チポレの説明では、いまやっているスタイルをそのまま適用できるということを言ってまして、確かにそうかもしれない。

どんなフォーマットになるのか、個人的にけっこう楽しみです。

鈴木敏仁 (01:02)


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2011年4月12日
[ライトエイド] セブアロットとの共同フォーマットが順調に推移

ライトエイドがスーパーバリュ傘下のセブアロットとパートナーシップを組んで、ドラッグストアと食品をミックスしたフォーマットの実験を実施しているという話はすでにエントリーしました。

セブアロットと提携して新フォーマットを開発

10店舗で実験しているのですが、第4四半期の既存店の売上高が前年対比で83%上がったと順調さをアピールしてまして、スーパーバリュとの今後の契約次第では店をさらに増やす可能性があることを示唆しています。


もともとライトエイドは一店舗当たりの売上高が低いですから、ここに食品を導入すれば売上は確かにどんと上がることでしょう。課題は生産性と利益、儲かるのかどうかですよね。


ライトエイドとセブアロットがくっつくとどういう店になるのか・・・まだ見たことがないので、一度見てみたいと思っています。

鈴木敏仁 (04:03)


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2011年4月11日
[ウォルマート] 低価格を前面に出した広告キャンペーンを開始

ウォルマートが新たな広告キャンペーンを開始しました。タグラインは"Low Prices. Every Day. On everything"、すべての商品が毎日低価格というメッセージです。


過去数年かけて取り組んだプロジェクトインパクトが失敗に帰したのは周知の事実で、修正をかけ始めたのが昨年の夏からですね。それ以来新たな取り組みを開始してきたわけですが、店頭エクセキューションレベルでのメドが立ったのでしょう。

広告を打つことで消費者にメッセージを伝え始めたわけですが、こういう場合、店頭をまず変えることが先決ですから。広告を打ったけど、店頭は変わっていない、では、お客がさらに離れてしまいます。
ですから、キャンペーンを開始したということは、準備が整ったということを意味していると思います。


資料によると8500アイテムを戻しこれに"It's back(戻りました)というPOPをつけるそうで、アイテム削減で被ったダメージをなんとかしようという努力があらわれています。

また価格マッチングも実施するようで、低価格イメージの回復もトライしようとしている。タグラインにもそれが表現されてます。


ウォルマートの反撃が始まったというわけですが、一度離れたお客がどう反応するのか、非常に興味深いですね。

鈴木敏仁 (05:55)


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2011年4月11日
「新キャンペーンの投入で巻き返しをはかるウォルマート」Vol.15,No.15

アメリカ流通eニュース

 ウォルマートが新たな広告キャンペーンを展開中だ。キャッチフレーズは"Low Prices. Every Day. On Everything(すべての商品が毎日低価格)"、価格を前面に押し出すテーマとなっている。ウォルマートのリリースによると、"プライスリーダーシップというプロミスを再生させる"としており、昔の基本に立ち返るというわけだ。テレビ広告では店員を登場させて低価格と節約について話をさせるというアピールの仕方を取っているようだ。
 プロジェクトインパクトが失敗し、役員二人が更迭されたのが昨年の7月のこと、その後歳末までには既存店を上向かせるとしていたのだが結局ダメで、想定以上に時間がかかっていると苦戦を認めたのが歳末後の今年初頭のことであった。
 今回のキャンペーンは次の一手ということになるのだが、果たしてその成否はどうなのだろうか。


<これ以降の内容に興味のある方は、アメリカ流通eニュース(有料)をご購読下さい。>

鈴木敏仁 (09:49)


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2011年4月 8日
[サイモンプロパティーズ] 電気自動車(EV)向けの充電スタンドを設置

ショッピングセンターデベロッパーのサイモンプロパティーズが、自社が所有するモールにEV向けの充電スタンドを実験的に設置することを明らかにしました。
フロリダ州オーランドのモールにすでに設置済みで、春中にはサンノゼのスタンフォードショッピングセンターに導入するとしています。


昨年の11月にウォルグリーンが18店舗で実験することを発表してまして、流通業界はこの充電スタンドの設置に積極的です。
これもまたサステナビリティな取り組みの一環ということなんですね。

こうやって充電スタンドが少しずつ増えていって、車の台数も徐々に増加して、どこかの時点でクリティカルマスを超えて一気に普及し始めることになるんだろうなあ、ということを考えたのでした。

鈴木敏仁 (02:12)


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2011年4月 7日
[ウェッグマンズ] 日本製食品の安全性についてのコメント

ウェッグマンズのプレジデント、コリーン・ウェッグマンがブログにて日本の震災について言及しています。

レジでの募金活動で47万1,194ドルが集まり、米赤十字社に寄付を実施したことがまず一つ。アメリカ人の、というよりもいま世界中の人たちの思いが日本へ向かっていて、感謝の言葉になりません。
この浄財がつまらない経費に使われることなくすべてが被災された方達にもとに届くことを祈るばかりです。


さて興味を引いたのは、日本製の食品に対する安全性に対するコメントです。

・鮮魚、精肉、生鮮、乳製品に日本製はない
・グローサリーの一部に日本製はあるが、災害が発生する以前に輸入されたものである


このことはつまり、日本の商品に対する消費者の懸念が実際に生じているということを意味しています。


我々日本人は、というよりも海外に住んでいる日本人は、日本製の商品の高い品質と信頼性を誇りにしてきました。しかしいまそれが揺らいでしまっている。
悲しさやむなしさのようなものを感じてしまうわけです。

原発問題が長引けば長引くほど、この傾向はどんどん強まっていくことでしょう。大変な時に我々は突入してしまったようです。


原発問題の早期の解決を祈るばかりです。

鈴木敏仁 (02:44)


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2011年4月 6日
[ブロックバスター] ディッシュネットワークが買収へ

ブロックバスターの閉店セール経営破綻し裁判所の管理下にあったブロックバスターですが、昨日買収希望企業を集めてのオークションが開催され、衛星放送サービスのディッシュネットワークが2億2800万ドルで競り落としました。

投資家のカール・アイカーンなど複数の入札があり、競売は午前中から午後遅くまでかかったようです。

衛星放送サービス会社が買収する目的は、一つは獲得した店舗を営業拠点とすること、一つはブロックバスターが持っているオンデマンドサービスによるシナジー効果を期待しているようです。

ブロックバスターは全盛期には9,100店舗もあったそうですね。それがいまは2,400店舗で、さらに700店舗の閉鎖が決まってる模様、つまり1,700店舗程度となるわけです。

店舗を構えてビデオをレンタルするというビジネスが終わりを告げる象徴のようなニュースではないかと思いました。

鈴木敏仁 (02:59)


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2011年4月 5日
[ウォルマート] ネットスーパーとアプライアンスへの参入?

ウォルマートがネットスーパーの実験を検討しているとブルームバーグが報じました。プロジェクト名は"プロジェクト・タイタン"、場所はサンノゼ、ただしやるかどうかを検討し始めた初期段階で、やらない可能性もあるとのこと。
またウォルマートはノーコメントでただの噂に過ぎないかもしれません。

もうひとつ、テキサス州の100店舗でアプライアンス(白物家電)の実験をするという話をウォールストリートジャーナルが報じています。こちらもウォルマートによる確認コメントはありません。


どちらも難しいカテゴリーで、本当にやるとしたらお手並み拝見ということになるでしょう。単なる私の勘ですが、どちらもとりあえずやってみる可能性は高いかなと思ってます。

ただ、いまウォルマートが抱えている課題の直接的な解決にはつながらないでしょうね。

鈴木敏仁 (03:32)


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2011年4月 4日
電子メール情報の漏洩

昨晩、ベストバイからメールが届きました。

「On March 31, we were informed by Epsilon, a company we use to send emails to our customers, that files containing the email addresses of some Best Buy customers were accessed without authorization. 」

3/31に、メールの管理をまかせているEpsilonという会社のデータがハックされ、メールアドレスが漏洩した。ついては今後怪しいメールには注意して欲しい。こちらからメールでクレジットカードナンバーなど重要な情報を聞くようなことはない。

という内容です。


これと同じ内容のメールが、ベッド・バス・ビヨンド、ヒルトン、ディズニーからも届き、おや?と思っていたら、今日のニュースによるとクローガーとウォルグリーンも被害にあったそう。

つまり同じベンダーを皆使っているというわけなんですね。サービス業界に強いデータ管理会社ということなのでしょうか。
けっこうみんな同じ会社を使っているのだなということを発見しました。


多くの大手企業が使っているベンダーということはよほどしっかりした企業なのだろうと思うのですが、それでもハックされてしまうんですよね。
こういう事例がある限り、指紋認証なんてありえないと思ってしまうわけです。

鈴木敏仁 (03:50)


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2011年4月 4日
「上昇するショッピングセンター空室率」Vol.15,No.14

アメリカ流通eニュース

 半月ほど前に経営破綻して裁判所の管理下にあったブロックバスターの処遇が決まった。買収に名乗りを上げた数社によるオークションが開催され、衛星放送サービスのディッシュネットワークが2億2,800万ドルで競り落とした。
 獲得した店舗を衛星放送サービスの拠点とすること、ブロックバスターが持っているオンデマンドサービスとのシナジー効果を期待していること、の2点が買収の目的だそうで、レンタルビジネスは手じまいとなりそうだ。
 ブロックバスターは全盛期に9,100店舗を全米に展開していたのだが、その後どんどん減って、経営破綻後はさらに減っていまは2,400店舗、さらに700店舗の閉鎖が決まっているので1,700店舗まで減ることになる。
 つまりこの企業一社だけで、7,400ヶ所もの空きスペースを作ったということになる。
 景気が悪化して以来、多くのチェーンストアが破綻して撤退しているのだが、それ以上に体力的に弱い中小企業が影響を被っている。そしてその結果がショッピングセンター(SC)の空室率に表れている。


<これ以降の内容に興味のある方は、アメリカ流通eニュース(有料)をご購読下さい。>

鈴木敏仁 (09:48)


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2011年4月 1日
リテールブランドの価値ランキング

昨年に引き続きブランドマネジメントの専門会社、インターブランド・デザイン・フォーラムが小売企業のブランド価値を試算してのランキングを公開しました。
Best Retail Brands 2011

ランキングはブランド資産の総額で計算されてます。
試算の方法は長いので省きますが、こちらの掲載されているので興味のある方はどうぞ。
Methodology

1、ウォルマート: $142,030 -8%
2、ターゲット: $23,301 -9%
3、ホームデポ: $20,315 19%
4、ベストバイ: $18,823 6%
5、CVS: $16,561 17%
6、ウォルグリーン: $14,443 1%
7、サムズ: $14,400 18%
8、コーチ: $11,588 30%
9、アマゾン: $9,665 23%
10、デル: $8,880 -4%
(金額単位は100万ドル)

今回興味を引いたのはサムズの7位に対してコストコが19位と、サムズの方が価値が高く評価されている点です。前回もサムズが10位以内だったのに対してコストコは10位以下でした。
レポート詳しく読んでも、この二社にどうしてこういう差が付いているのかよく分かりません。逆なんじゃないかと私は思いますが。

ウォルグリーンよりもCVSの方がブランド価値が高いと評価されているのもおもしろいです。


ちなみに前回、スーパーマーケットは50位以内にホールフーズのみでしたが、今回はパブリックスが入っています。

鈴木敏仁 (02:13)


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ペプシネックス



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