アパレル専門店の最近のブログ記事

2021年6月14日
ハドソンズベイ、フォーエバー21をインストアショップ展開

カナダのデパートメントストアのハドソンズベイが、フォーエバー21を店内のインストアショップして導入すると発表しました。
2店舗から開始して徐々に全店展開するとのこと。

フォーエバー21は破綻してカナダから撤退していたので、復活ということになります。

ハドソンズベイの目論見は若年層の取り込みでしょう。

ABG社とともにフォーエバー21を所有しているモール運営会社のサイモンは、決算発表時にフォーエバー21は好調だと発言しています。
今回のカナダ再進出で少なくとも縮小モードではないということだけは確認できたかなと思います。

鈴木敏仁 (01:12)


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2020年10月23日
ギャップ、2023年までに350店舗を閉鎖予定

ギャップが北米でバナナリパブリックも含めて2023年までに350店舗を閉鎖すると発表しました。
2020年中に225店舗を閉鎖する計画をすでに明らかにしているのですが、その修正計画のようですね。
あと3年程度で4桁を切って870店舗前後へ縮小することになります。

カンファレンスコールでCFOは、「その結果モールをベースとした露出が減ることになる。2023年までに80%の売上がネットかモール外ということになるだろう」、と言ってますね。
ということは撤退は主にモール内店舗ということになるようです。

つい最近店を見てきたのですが、相変わらず買いたいと思えるものがありません。
マーチャンダイジングを刷新しない限り縮小は続くのではないでしょうか。

鈴木敏仁 (03:00)


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2020年7月24日
アセナ・リテールグループが倒産

アセナ・リテールグループが連邦破産法11条の適用を申請して破綻しました。
2,800店舗中の1,100店舗を閉鎖する、とのことです。

アセナは、数多くのブランドを買収で集約した企業で多くの店舗名を持っているのですが、アンテイラー、ロフト、ルー&グレイ、レイン・ブライアント、が大幅に縮小されるのではないかとみられています。

元々の土台はドレスバーンというディスカウト衣料チェーンで、相次ぐ買収で企業規模を大きくしてきた経緯があり、借入金の比率が高い財務状況でした。
コロナ渦で続々と倒れている企業に共通している自己資本比率の低い企業、ということになります。

劣化した企業を安く買い再生させる、が投資の目論見だったのでしょうが、アパレルはいちど輝きを失うとリバイバルは難しいですね。

鈴木敏仁 (02:23)


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2020年6月24日
AEOが新フォーマットを開発、コンセプトはスローファッション

AEOが新しいコンセプトの新店をオープンさせたとメディアが報じました。
店舗名はUnsubscribed。

インスタのページでコンセプトを表明しています。

consciously-made, slow fashion
we believe in being kind-to ourselves, to each
意識高く作られた、スローファッション
自分たち自身に対して、そしてお互いに、優しくあることを奉ずる

新しいコレクションの投入は年に二回だけ、自社ブランドだけではなくてサードパーティブランドも取り扱うそう。

店名が良い。
サブスクはしない、やめる、といった意味です。
日本語に無理に訳すと、アンチサブスクや非サブスク、といったところ。

流行のファストファッションとサブスクに対する挑戦状のようなコンセプトなのですが、消費者の意識の変化は明らかにあって、しかしそれを形にして、そしてそれが支持されるのか、という興味がむくむく湧いてきます。

面白そうだなと思い共有です。

鈴木敏仁 (02:34)


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2020年6月19日
家賃の未払いでブルックフィールドがギャップを提訴

モール運営企業のブルックフィールドが家賃未払いでギャップを提訴しました。
3ヶ月分で金額は200万ドルだそう。

ギャップは今月初頭にサイモンにも提訴されてます。
こちらは6,590万ドルと報じられていて、ブルックフィールドとは桁が一つ違いますね。

ギャップのスタンスは、こういうご時世なんだからお互いに納得できる額にしましょうよ、ということらしく、おそらくギャップの求める家賃の値下げをモール側が納得できず交渉が決裂して、では裁判所で話し合いましょう、という流れかと思います。

訴訟が交渉術の一つとなっているアメリカではよくあることなのですが、ただ今のところ訴訟が報じられているのはギャップだけなので、同社が厳しい状況にあることは確かなようです。

鈴木敏仁 (02:42)


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2020年5月22日
TJマックスQ1決算、売上高19.2%減、最終利益高は8億8,750万ドルの赤字

TJマックスが第1四半期決算を発表したのですが想定通りの減収減益でした。
売上高19.2%減、最終利益高は8億8,750万ドルの赤字。

この企業、というよりもオフプライスストアというビジネスモデルは宝探しにあって、それをネット上では再現できないとしてネット通販をやっていないため、店が営業できないとまったく売れません。
なので減収と大幅な赤字は必然と言えます。

ただもともと業績の良い企業ですから強気ですね。
「営業が再開しつつあるのでまずは閉店したため積み上がった現在の在庫を大幅な値引きでクリアにする」
「それが終わったらフレッシュな商品がフローし始める」

おそらくフレッシュな商品とはこの数ヶ月に工場や問屋に積み上がっている過剰在庫で、これを大幅な底値で仕入れて売るということでしょう。
というか今まさに仕入れているところかなと。

こういう不透明なときにディスカウント業態は強いのです。

鈴木敏仁 (03:11)


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2020年2月24日
ギャップがEC中古ファッションのスレッドアップと提携

ギャップが中古ファッションのスレッドアップと提携しました。
お客が中古の服をギャップに持ち込むと、ギャップやバナナリパブリックといったグループ企業で使えるポイントがもらえます。
今は店舗でそれを使うとさらに15%の割引がつく販促も実施している模様。

スレッドアップはメイシーズやJCペニーとも提携してますが、ギャップは店舗数が多いので影響力ははるかに大きそうですね。

中古ファッションはアメリカでブームで、その理由の多くは若年層のエコ意識にあります。
ギャップはこれで再び若年層にアピールすることを狙っているのでしょう。

H&Mがリサイクルボックスを店内に設置し始めていますが、ギャップは別のやり方でアプローチをはじめたというわけです。

鈴木敏仁 (01:55)


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2020年2月21日
レスリー・ウェクスナーがCEOを辞任

LブランズのウェクスナーがLブランズのCEOを辞任し、同時にビクトリアズ・シークレット株の55%を投資企業のシカモアに売却し連結から外すと発表されました。

ウェクスナー、やっと退任なのですが、Lブランズの取締役として残るようなので、院政を敷く可能性は残されてます。

彼はもう82才で、トレンドに大きく左右されるアパレル業界では少し厳しいですよね。
ビクトリアズ・シークレットが変化できずに世の中に取り残されてしまったのも、彼の感度が鈍ってしまったからだとしか言えないわけです。

でも創業者って会社は自分の大切な持ち物だという感覚があって、そうそう簡単に手放せないようなので、しょうがない一面もありますね。

ウェクスナーの凄さは、リミテッドで垂直統合型の製造小売をはじめて成功させたことと、それ以来次のブランドを作り成功させ続けてきたことにあります。
既存のブランドを変化させるよりも、違うブランドを開発する手法を取ってきた。
ブランドというものは簡単に変化させることのできる代物ではないですから、その手法は正しい。
ところがビクトリアズシークレットとバス&ボディワークス以来、次の成功例を作ることができなくなってしまった。

そして変化させなかったので既存のブランドがどんどん陳腐化していった。

例えば、ビクトリアズシークレットはセクシー路線で成功しましたね。
これを突然いま流行のナチュラル志向に変えることはできない。
だから取るべきだった手法の一つとして考えられるのは、新興デジタルブランドを買収して次の別ブランドとして育てることでした。
ウェクスナーはそういうことをやってきた人なんですよね。

結果としてリミテッドも含めて過去の自分の作品とも言えるブランドを売却せざるをえなくなり、Lブランズとして残ったのが2つで、そのうちの1つのビクトリアズシークレットも過半を売却し、最後に1つだけ残して引退というわけです。

小売業界で革新を起こしたイノベーターがまた一人消え、時代の移ろいというものを感じざるをえません。

鈴木敏仁 (03:09)


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2020年2月12日
フォーエバー21、モールデベロッパーのサイモンが買収

連邦破産法11条の適用を申請して破綻し、裁判所管轄下で売却と清算の双方を選択肢として検討していたフォーエバー21ですが、モールデベロッパーのサイモンとブルックフィールド、それとブランドの知的財産をマネッジするオーセンティック・ブランドグループの三社がジョイントで買収することが決まりました。

総額は8100万ドル、最盛期には40億ドルを売った企業ですから、8100万ドルは激安と言って良いでしょう。

なぜ家主が店子を買収するのか。
リーススペースが空いてしまうと、他のテナントからクレームが来て、最悪家賃を値下げせざるを得なくなるからでしょう。
とにかくとりあえず営業を継続させることを最優先する。

いったんダメになった企業を再生できるかどうかは別問題。
サイモンがどう手を打つのか楽しみですね。

鈴木敏仁 (04:37)


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2020年1月13日
H&M、店内にリサイクル用ボックスの設置を開始

H&Mが不必要となった衣料を投げ込めるリサイクル用の専用ボックスの店内設置を開始しました。
1つめはNYCのフラッグシップストアに昨日導入され、これから全店舗に水平展開とされています。

おもしろいのはただの箱ではない点。

まずH&M商品だけじゃなくて、衣料ならなんでもOK。
重さを量る重量計が組み込まれていて、計量するとデジタル端末に重さとサンキューメッセージが表示される。
QRコードが表示されて、それをスマホスキャンすると次の来店時に使える15%オフのクーポンがもらえる。
NPOと提携して寄付した重量が50ポンド超えると1本植樹する。目標は年末までに重量500万ポンド、10万本の植樹。

テキスタイルの総廃棄量はおそらく食品よりも大きいと言われはじめてますね。
その廃棄増大に大きく寄与しているのがファストファッションで、アメリカ人のサステナビリティに対する意識の高まり中で風当たりが強まりつつある。
これに対応したイニシアチブということになります。

他の専門店チェーンが追随するのかどうか、注目です。

鈴木敏仁 (02:33)


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