2008年8月29日
[米アルディ] 9月にフロリダに出店、年内に店舗数4桁突破

業界誌の質問に幹部が答えたものです。9月にフロリダ州に初進出し、年末までに当初の予定通りに店舗数が4桁を超えるそうです。
またテキサス州での配送センターの建設を5月に発表していますが、来年中には1号店がオープンするようです。

今年は新プロトタイプを開発してまして、たぶんこれでフロリダに攻め込むようです。

景気悪化という逆風を追い風にしている企業がここにもいます。


ちなみに昨年度の数値によると、南アルディ傘下のアルディ、北アルディ傘下のトレーダージョーズを合算すると、マイヤーを抜き、ウィインディキシーに次いで、米スーパーマーケット業界11位となります。たぶん今年中にはウィンディキシーを抜き、A&Pに肉薄し始めることでしょう。

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追記:フリーザーの売れ個数が昨年対比で7.1%伸びているという調査結果が出ました。ここで言うフリーザーとは冷蔵庫に入っているよくあるやつとはことなり、独立タイプのことです。フリーザーを除くアプライアンス分野が8%落ちているので、極めて特徴的なトレンドである、と説明してます。これはつまり、冷凍食品の買いだめのためです。値下げ時に買いだめし、訪問頻度を減らしてガソリン代を節約する。なんと、全米世帯の半分がフリーザーを持っている計算なのだそうです。
実はアルディもトレーダージョーズも冷凍食品の品揃えはすごくいいんです。作業コストがかかりませんし、価格が安いですから、この業態にはぴったりマッチする。
このトレンド、日本でもこれから強まると私は考えてるんですが、どうでしょう。

鈴木敏仁 (12:58)


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2008年8月28日
[ウォルマート] マーケットサイドのファザード

Marketsideウォルマートがまもなくオープンさせようとしている新フォーマット、マーケットサイドのファザード写真が公開され話題となっています。4店舗のうちの1店舗が位置するフェニックスのメサ市が、建築基準関係のページで公開したもので、ウォルマートが公的に使っているものではありません。

店舗サインは紫が基調、壁面はウッディでシックな色合いで少々地味かもしれませんが、これはショッピングセター全体全体とのコーディネートも関係ありそうですね。

ファイナンシャルタイムズ紙が関係者の情報として、長期的には1,000~1,500店舗、100億ドル規模の可能性があるとウォルマートが考えていると報じ、ウォルマートが単なる憶測に過ぎないとコメントするなど、いろんな情報が行き交っている状況です。


どうやら来月中にはオープンする模様。そろそろ本社に確認取ろうと思ってます。前回の新フォーマットはネイバーフッドマーケットで、もう随分前のことでした。マスコミの耳目を集める前だったのですぐに教えてくれて、オープニング日に視察に行ったものですが、今回はかなりガードが固いようでまだ公開されていないようです。

鈴木敏仁 (01:39)


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2008年8月27日
[ビッグロッツ] 増収増益の好決算、景気悪化時に強いバリューディスカウンター


ビッグロッツ昨日は、Jクルーやアメリカンイーグル・アウトフィッターズなど第2四半期の業績悪化というニュースが多かったのですが、あまり目立たないところで増収増益を記録している企業がありました。ビッグロッツです。知らない人も多いと思うので、ちょっとだけ載せておきます。

第2四半期の決算は、売上高1.9%増、最終利益高11.3%増の増収増益で、既存店成長率は2.8%増でした。半期では、売上高2.0%増に最終利益高16.1%。調子が良いです。
今年下半期の予測も、既存店成長率1~2%増と、プラス成長を予測してます。

この企業はバリューディスカウントストアという業態に属します。マーチャンダイジングはすべてクローズアウト。クローズアウトとは在庫過多やB級、返品など、通常のサプライチェーンからはじかれてくる商品の総称で、これを集荷して販売するわけです。
1,355店舗を展開する上場企業、こういう上場企業が存在するところがアメリカのおもしろさですよね。

この企業が調子が良いというのも、いまの経済環境を良くあらわしているなあと。ウォルマートの好調と根っこのところは一緒かなと思ってます。

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追記:25日の日記について思ったこと。好況時はターゲットが好調でウォルマートは調子を落とし、景気悪化時にはターゲットが調子を落としてウォルマートが好調。同じDS業態だけど、こうも違うというところが、両社の特徴を良くあらわしています。同じように上下するということは差別化ができていないということですからね。日本の大手小売企業がほとんど同じように推移するということは、同じようなことをやっているに過ぎないということなのですよ。

鈴木敏仁 (12:52)


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2008年8月26日
[CVSケアマーク] ビューティ専門フォーマットの実験を開始

ドラッグストアのCVSがビューティケア専門フォーマットの実験を開始するそうです。
名称はビューティ360、面積は2,500sqf(70坪)~4,000sqf(113坪)、まずは既存のCVS店舗の横にくつっけてオープンさせるようです。
年末までに東海岸に一店舗目を作り、数週間後に西海岸にニ店舗目を作る。一店舗目はワシントンDC、ニ店舗目はサクラメントではないか、という情報があります。

来年中に100店舗をオープンさせ、長期的には500~1,000店舗まで増やすとしてます。

この実験、とうとう来たかという印象です。カナダのショッパーズ・ドラッグマートがビューティブティックという名称で店舗内店舗型をすでに10年近く運営していて、近く独立型を作ると発表したばかり。幹部と会って話しをしたことがありますが、アメリカのドラッグストアには我々のコンセプトは真似できないと豪語してました。

Ultaアメリカでは、このポジションはアルタが独占しています。無競争の中急速に成長してきました。ただアルタは中商圏フォーマットでして、一方CVSは小商圏で作ろうとしているようですから、どう競合するのか興味深いところがあります。


ビューティは今後非常に有望な分野です。この景気悪化環境の中、ベア・エッセンシャルやエステーローダーといったプレスティージブランド企業や、アルベルトカルバーといったマスビューティ企業の業績は、落ちていないどころか伸びている。

今後のイノベーションも期待できる商品分野でもあり、だからP&Gやユニリーバはこちらにシフトしているわけです。


CVSにとっての成功のカギは、CVS(=薬)といかに関連性を持たせずに、しかしマスリテーラーとしてのCVSとのシナジーを作れるか、にあるでしょう。プレスティージビューティは、マスドラッグのイメージと合致しません。
ショッパーズ・ドラッグマートはこれを上手にクリアして成功しています。

もう一つは、プレスティージブランドメーカーがどのくらい支援するかでしょうね。

プロトタイプの登場が楽しみです。


参考までに、ショッパーズ・ドラッグマートのファザードはこちらです。
オーガニック食品のPBを開発

鈴木敏仁 (01:44)


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2008年8月25日
[ターゲット] 増収減益で来年の新規出店ペースを減速

先週の19日にターゲットが第2四半期の決算を発表したのですが、売上高5.6%増、最終利益7.6%減の増収減益でした。既存店成長率は0.4%減。半期でも5.3%増の7.5%減で増収減益となり、業績の悪化が鮮明となってきています。
この業績の悪化から、来年の出店ペースを90縲鰀95店から、70縲鰀75店へとスローダウンするとしています。

その前の週にウォルマートも第2四半期の決算を発表しているのですが、売上高10.4%増、最終利益高16.8%増、既存店成長率4.5%増で、絶好調。半期でも売上高10.3%増、最終利益高12.0%増、既存店成長率3.7%です。

ここ数年ターゲットが絶好調で、ウォルマートが徐々に勢いを失う、という図式が定着していたのですが、ここにきて完全に形勢が逆転された感があります。好景気時に強いターゲットと、不況に強いウォルマート、といったところでしょうか。


さてこのターゲットですが、対策として'Expect More. Pay Less.' のPay Lessサイドに焦点を当てるとしています。ウォンツとニーズの、ニーズを強化する。ただそうすると荒利益が犠牲になる可能性が強い。
楽観はできないでしょう。
ターゲットがどう巻き返すのかは注目に値すると思ってます。

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追記:先週一週間研修コーディネートで店を見てまわったのですが、ウォルマートとターゲットの店舗の完成度は相変わらず高かったです。また、フレッシュ&イージーは2店舗ほど視察しましたが、けっこうお客が入っていて、お店によるとは思うのですが、徐々に起動に乗りはじめている印象を持ちました。テスコはやっぱりあなどれませんね。

鈴木敏仁 (04:47)


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2008年8月25日
「ターゲットもついに業績悪化が表面化」Vol.12,No.35

アメリカ流通eニュース

 ターゲットの減速が表面化してきた。第2四半期の決算によると、売上高は5.6%増だったが、最終利益高が7.6%減の、増収減益という結果だった。この企業が減益決算を計上したのはいつ以来だろうか。しばらく記憶にない。既存店成長率は0.4%減で、既存店もマイナス成長に終わった。
 半期にしても、売上高5.3%増の最終利益高7.5%減で、大幅な減益となっている。今後の見通しも明るいものではなく、とすると通年でも減益となる公算が高くなってきたようだ。

鈴木敏仁 (01:40)


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2008年8月22日
[ダンハンビー] メイシーズと顧客データ分析で独占契約

ダンハンビーUSAがデパートメントストアのメイシーズと独占契約しました。もちろん提供するサービスはロイヤルティ・マーケティング、ここでの'独占'という意味は、他のデパートメントストアの仕事をしない、という意味です。

ダンハムビーはテスコの関連会社で、テスコのロイヤルティ・マーケティングを成功させた立役者ですね。このブログでも何回か書いてます。

これがアメリカでクローガーの仕事を受注し、徐々にビジネスを拡大しているのですが、デパートメントストア業界に進出というのはけっこう驚きました。スーパーマーケットでのノウハウを、ファッションに援用するというわけです。

今回のリリースでもうひとつ驚いたことがあります。ダンハンビーUSAにクローガーが出資している。'ダンハンビーUSAは英ダンハムビーとクローガーのジョイントベンチャーだ'とあるので、結構な比率で出資してそうです。
ということは逆に言うと、アメリカにおいてはクローガーの関連会社がロイヤルティマーケティングでビジネスを拡大し始めている、という言い方もできるわけですね。

それと、メーカーとのビジネスを強化するというニュースもある。P&G、ペプシ、キンバリークラーク、ゼネラルミルズ等の大手メーカーを顧客とし、メーカーだけで1億7500万ドルを年内に売り上げる、そうです。


メイシーズ、独占契約だから相当なお金を投じていますよね、たぶん。
そのお金を、現場のモチベーションをあげることに使うほうが、効果が高いような気がします。メイシーズの業績は低迷してますが、売場の店員たちを見てると、ああこれじゃあなあ、と思うことがしばしばですから。

鈴木敏仁 (04:32)


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2008年8月21日
[環境問題] 冷房時は入り口のドアを閉める、ニューヨークで規制

ニューヨーク市議会で先週可決されました。5店舗以上を経営するチェーン店で4,000sqf(112坪)以下の小売店が対象で、違反すると最初は警告、次からは罰金が課されます。罰金は最初は200ドル、次は400ドルだそうです。

冷房時にドアを開けておくか閉めておくかは、排出二酸化炭素量に大きな影響を与えます。ですから、きわめて当たり前の規制だと言えます。


ただ、一見すると当然だと思うのですが、結構見過ごされてます。

日本の都会においては、真夏でもドアを開放している商業施設は少なくない。チェーンストアで言うと、コンビニはドアがついてますが、ドラッグストアはドアなしがほとんどです。
ドアを開放することで出入りしやすくすることが目的なのですが、環境問題がクローズアップされている今はもうそういう時代ではないでしょう。

この問題はさらに、店内のクーラーをリーチインにするかどうかというテーマにもつながっていくと考えます。リーチインにすると売り上げが落ちるという理由で二の足を踏む小売企業がほとんどですが、しかし閉めることによるエネルギー効果は結構大きい。


日本も規制を検討するに十分なテーマだと思うのですが、どうでしょう。

鈴木敏仁 (06:23)


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2008年8月20日
[トゥィーン・ブランズ] リミテッド・トゥーをジャスティスに転換

トゥィーン・ブランズとはリミテッドがスピンアウトした専門店チェーンです。トゥィーンとは、キッズとティーンの中間、Betweenから取られたマーケティング用語で、この層を対象としたフォーマット(つまりブランド)をまとめて行くという意味で、トゥィーン・ブランズ、という名称がついてます。
日本語にするとわかりづらいですが、ブランドの複数形で"ズ"がついてますから、いろんなブランドを集合させているという意味があります。

ちなみにリミテッド・トゥーの対象年齢は7縲鰀14歳、13歳と14歳というティーンも含んでいるので、厳密に言うと対象年齢としてティーンズがはずされているわけではないです。

さてこのリミテッド・トゥー、トゥィーン・ブランズのフラッグシップなのですが、景気の後退で業績が悪化し、低価格業態として展開していたジャスティスというフォーマットに転換することを先週発表しました。
560店舗を来年の第1四半期までに終了し、26店舗を閉鎖、リミテッド・トゥーというフォーマットはスクラップ、ジャスティスは現在310店舗なので転換後は900店舗弱となります。


これ、リミテッドグループが持っているDNAの真骨頂ですよね。異なるフォーマットをどんどん創造し、環境の変化に応じてどんどん箱を乗り換えて行く。たぶんリミテッド・トゥーというブランドイメージが古くなったということもあるんでしょうけど、このすっぱりと切り替えて行くスピード感はすごい。
流行の移り変わりが早いアパレル業界には、リミテッド型の戦略が必須なんだろうなと強く思います。

鈴木敏仁 (04:58)


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2008年8月19日
[ホールフーズ] 本社人員を削減

ホールフーズが本社人員を削減するそうです。650人中の49人を解雇する。7.5%ですから、少なくないです。

増収減益でついに減速
こういう記事を書いたばかりですが、この減速に対応するためということになります。
減速とはいってもまだ十分に利益を上げてまして、このリストラをどう捉えるかは見方が分かれるでしょうね。

兆候を捉えて真っ先に対応するスピード感を賞賛するか。
赤字になっていないのに首を切る冷酷さを批判するか。

アメリカはこれができるから経営が楽だ、とも言えます。
一方、これをやっているから離職率が下がらないんだ、とも言えます。

日米の経営環境の大きな違いです。

ちなみにスーパーバリュも解雇を明らかにしてます。IT部門から100人を減らす。
6月には財務部門から80人を減らしてます。
これは、機能の一部をインドにアウトソースするからだそう。現在の経済環境を鑑みるに、全社規模でのコスト節約をこれからも継続する、というのがコメントです。

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追記:昨日より某小売企業の研修コーディネートで出張しています。アップデートが不規則になることもありますが、ご容赦ください。

鈴木敏仁 (03:57)


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2008年8月18日
「CVSがロングスを買収、米ドラッグストア業界は完全二極化へ」Vol.12,No.34

アメリカ流通eニュース

 CVSによるロングスの買収が発表された。ロングスと言えば、10年以上前の日本のドラッグストア業界にとってはベンチマークすべき優良企業としてもてはやされた企業で、この買収に時代を感じる人も少なくないことだろう。スーパーマーケット業界でアルバートソンズが解体されたのと似たようものかもしれない。
 ウォルグリーンやCVSがこの10年以上、大きな変革を遂げてきたのに対して、ロングスは旧態依然としてなんら変化してこなかった。だからいつかはこうなるだろうと思ってはいたのだが、ただ実際に買収されるとなると少々の驚きを感じるのである。

鈴木敏仁 (01:38)


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2008年8月18日
[ベストバイ] iPhoneの販売を開始

ベストバイが全店舗でiPnone 3Gを9月7日から販売を開始します。970店舗ですから、一気に販売チャネルが増えるわけです。今まではアップルストアとAT&Tの直営ショップだけでした。

現在iPhoneは供給が追いついていません。アップルは問題ないと判断したようですが、アドバルーンをぶち上げたはいいけど、店に行ったら商品がないということにならないといいですね。

ベストバイはこれで、薄型TVに変わる金脈を手にしたのかもしれません。欠品さえしなければ、年末商戦への追い風となる可能性は高いでしょう。
ここ数年携帯ショップを強化してまして、全店舗に"ベストバイモバイル"という売場の設置を終わったばかり、iPhoneのアソートはこの売場の強化にもつながります。

最近は楽器を置きはじめたり、とにかくいろんなことにトライし変わり続ける、これがベストバイのおもしろさであり、強さででもあります。

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追記:ボーダーズ買収を検討していたバーンズ&ノーブルが買収を断念しました。金融クランチで買い入れが難しくなっていることと、一部のボーダーズ店舗のリース期間に懸念を持っていることの、2つが理由だそうです。とすると、バイアウトか倒産が妥当な落としどころとなりますが、ダークホースはアマゾンです・・・。

鈴木敏仁 (08:43)


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2008年8月15日
[フレッシュ&イージー] シカゴでロケハンを開始

シカゴの地元紙が報じました。店舗および配送センターの物色を開始したそうです。
次はシカゴだろうと業界では噂されていたのですが、日のないところに煙は立たなかったようです。

シカゴにはトレーダージョーズが出ています。西海岸と似たような商圏なんですね。ただアルディ本体も店を増やしていて、競合は激しくなりそう。

ジューエル・オスコが小型フォーマットを開発
これもたぶん、フレッシュ&イージー進出を見込んでのことだったのでしょう。


まだ黒字化したという話は一切聞いてないんですが、それでも拡大し続けるというのは、ものすごい自信です。ぜったいに損益分岐点は超えるという非常に強い意志がリーダーにあるのでしょう。


ちなみにちなみにふと気づいたら71店舗にまで増えていました。
また先月の人員募集に対する応募が1万人を超えたというニュースも出ています。


追記:我が家のそばにあったファミマUSAはひっそりと撤退したようです。現在13店舗。昨年の赤字が6億8600万円、今年の第1四半期で4億9200万円の赤字を出しているという資料が手元にあります。2010年までに50店舗を出す予定なのだそうですが、増えずに減ってます。
フレッシュ&イージーの店舗をつぶさに観察して分かったのは、店舗ブランディングを意識して詳細にいたるまでこだわって作っているということ。その細かさにおもわず脱帽しました。ファミマにもそうあてほしいなと思ってます。

鈴木敏仁 (02:36)


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2008年8月14日
[ウォルマート] ブラジル事業に10億ドルを投資

ここ数日興味深いニュースが多く、どれを載せようか迷っているんですが、今日はお約束のウォルマートにしました。

来年度のブラジル事業への投資額を10億縲鰀11億2000万ドル(16億縲鰀18億レアル)に増額し、拡大戦略を取ると発表しました。予定している新規の店舗数は80縲鰀90店舗、今年の予定が36店舗なので、出店数を2倍近くに増やすわけです。

ウォルマートはブラジルには95年に進出し、現在は318店舗を所有、今現在の詳しい数値は持ち合わせませんが、たぶん国内の順位はPao de Acucar(発音が分かりません・・・)、カルフールに次いで3位だと思います。

今回の10億ドルという投資額は、ブラジルでの10年近くにわたる事業歴で最大だそう。昨年まで3年間の投資額が19億ドルですから、確かにかなりの増額ということになります。

ブラジル国家の成長性と、経済社会の安定性と、ミドルクラスの成長が、投資増額の理由とのこと。海外事業における中南米のポジションはウォルマートにとってもともと非常に高いということがその背景にあります。メキシコに次ぐ成長エンジンを作ろうということなのでしょう。

鈴木敏仁 (12:30)


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2008年8月13日
[CVS] ロングスを買収

ドラッグストアのCVSがロングスの買収を発表しました。予定買収総額は29億ドル。参考までに、07年度末のCVSの売上高は763億ドル、ロングスは52億6000万ドル、です。

この買収、結構サプライズです。
ロングスの店舗は大型プロトタイプでほぼすべてがNSCの中にあり、CVSの現在のプロトタイプとはマッチしません。まさか、という印象が強い。ただ数年前にセブオンを買収してロングスと似たような店舗をかなり入手しているので、この延長線というイメージなのかもしれませんね。

これで西海岸、とくに北カリフォルニアとハワイで大きなシェアを獲得したことになります。双方ともに人口がある程度密集していて、新規に進出していってシェアを取るよりも買収のほうが効率が良い地域です。

またCVSにとってはロングスが持っているPBMのRxAmericaが魅力的なのだ、という指摘もありました。


ロングスはリージョナルチェーンとしては最も大きな企業なのですが、もう10年近く変革を怠ってきた企業です。いつかはどこかに買われるレベルの企業ではありました。

そういえばロングスのCEOは02年にクローガーから来た人でしたね。生え抜きじゃない外部からの人が社長になると、企業に愛着心がないからか、良いディールがあればきっぱりと割り切ってしまう傾向があるような気がしています。

鈴木敏仁 (01:41)


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2008年8月12日
[パブリックス] 49店舗の買収総額は5億ドル

今年の6月にパブリックスがアルバートソンズLLCから49店舗を買収するプランを発表しました。両社ともにディーるの総額について口を閉ざしていたのですが、証券取引所へ提出した書類から、総額が5億ドルであることが判明したそうです。
ディールは来月に完了し、それ以降、旧店舗はすべてクローズ、改装され順次再オープンすることになります。

なんでも今回のディール、パブリックスにとっては過去最大の買収だそうですね。
この結果、トータル985店舗中の720店舗がフロリダ州内、という展開状況となります。ドミナンスの強化が目的でしょう。

ちなみに同社のマイアミのグローサリーシェアは50%を超えてます。
正直なところ、よくFTCが介入してこなかったなと。ディール規模の大小でしょうかね。


パブリックスは業界での評価の高い企業ですが、今後の成長予測も非常に高く、リージョナルベースのスーパーマーケットとしては最も注目してよい企業です。

鈴木敏仁 (01:23)


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2008年8月11日
「セイフウェイ、PBを競合企業でも販売?」Vol.12,No.33

アメリカ流通eニュース

 セイフウェイがPBで成功している。ブランド名はOオーガニック、05年に投入開始したばかりなのだが、今年に4億ドル(約500億円)の売り上げを予測する超ヒットブランドに育て上げた。さらにいっそうの拡販を目論んで、今年の秋から自社以外でも売り出すことを宣言している。
 PBとはこう開発し育てなければならないという非常に良い参考例で、日本の小売業がベンチマークすべき事例だと考えている。

鈴木敏仁 (01:37)


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2008年8月11日
[データ漏洩] 小売企業によるディスクロージャー問題が浮上

先週、小売企業のネットワークに不正に侵入しクレジットカード番号を盗んだハッカー11人が米司法省によって告訴されました。盗まれた個人データはトータルで4,100万件以上という過去最大規模の情報漏えいケースなのですが、被告の11人のうちアメリカ人は3人だけで、あとはウクライナ、ラトビア、中国など世界中に散らばっている点が目を引いたものです。

さて、盗まれた小売企業は、TJマックス、BJ'sホールセールクラブ、オフィスマックス、ボストンマーケット、バーンズ&ノーブル、スポーツオーソリティ、フォーエバー21、DSW、そして外食のデーブ&バスターズの、9社でした。
今日付けのWSJ誌によると、このうちデータが盗まれたことをお客に知らせて警告するという情報のディスクローズを実施した企業は、このうちの、TJマックス、BJ'sホールセールクラブ、DSW、デーブ&バスターズの4社だけであることを俎上にあげています。

情報漏洩ケースは近年増加していて、企業に対して消費者に早急に警告を発することを40州が要求しています。
紙面を総合するに、今回残りの5社が動いていない理由は、漏洩したという確かな証拠がないということと、それによる被害が表面化していないことにあるようです。フォーエバー21は連邦関係者による通告を受けて内部調査をしたが、漏れたという確たる証拠はなかった、としています。


小売企業はどの時点で消費者に警告を発するべきなのか。
早ければ早いほど、カード口座をクローズするなど消費者は先手を打つことができるようになる。
でもディスクローズすることで信用ががた落ちになるリスクがある。

これはリスクマネジメントの領域でしょうね。
万が一に備えて、手順を考えておくべきなのかもしれません。

鈴木敏仁 (01:28)


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2008年8月 8日
[チェーンストア] 7月の業績

7月の業績です。
大手チェーンストア38社の平均既存店成長率は2.6%増、先月の4.3%増から比較するとぐっと数値が落ち込みましたが、これは先月に戻し減税効果があったからです。プラスはこれで4ヶ月連続。
(資料:国際ショッピングセンター協議会)

アメリカはいま歳末に次いで売れる新学期セールの真っ最中なのですが、どうもやっぱり今ひとつのようです。今朝のWSJ誌は、景気にあまり左右されないティーン市場もとうとう冷え込みはじめているという記事を掲載していました。

以下、大手チェーンストアの結果です。

コストコ:6.0%
ファミリーダラー:4.6%
ウォルグリーン:4.1%
ウォルマート:3.0%
TJマックス:3.0%
ターゲット:-1.2%
リミテッド:-5.0%
サックス:-5.3%
ノードストロム:-6.1%
JCペニー:-6.5%
アバクロ:-7.0%
コールズ:-10.4%
ギャップ:-11.0%


現状では、歳末商戦に明るい兆しはまったく見えてきていません。

鈴木敏仁 (01:13)


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2008年8月 7日
[外食] メニューにカロリー表示、ロサンゼルスが規制を検討中

今朝のLAタイムズの報道によると、チェーンレストランのメニューにカロリー表示を義務化する法案が近々議会に諮られるかもしれないとのこと。ほぼニューヨークの規制と同じものだそうです。
ここで言うチェーンレストランは、15店舗以上を展開している企業のことです。


目的は、肥満問題に対する取り組みの一環だそうですが・・・。
これに効き目があるんでしょうかね。
子供のころからコカコーラを水のように飲むという食習慣から治さないと、無理じゃないかと思うんですが・・・やらないよりは、やるほうがまし、というレベルですよね。

コストがかさむレストラン側には、頭の痛い話だろうなあ。

鈴木敏仁 (01:58)


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2008年8月 6日
[ホールフーズ] 増収減益でついに減速

景気悪化どこ吹く風できたホールフーズでしたが、大幅減益でとうとう減速しました。第3四半期ですが、売上高22%増に対して最終利益が31%減、過去最大の減益幅となったようです。また既存店成長率が2.6%増で、これも過去最低の水準だそうです。

細かいことは流通eニュースに書くつもりなのでここでは省きますが、景気の影響をあまり受けない層にもとうとう影響が出始めた、ということなのかもしれません。テフロンのような企業だったので、"おお、とうとう来たか"というのが感想です。


ちなみに資料を読んでて目を引いたのは、イギリスでうまく行っていないという文面でした。過去1年間の赤字が1840万ドルとなっている。証券アナリストの、'いまこの企業はあちこちで壁にぶつかっている'というコメントが印象的でした。


ところで、「ワイルドオーツ買収案件が差し戻し」の件ですが、成長の鈍化傾向が見えてきたことで、FTCのしつこい追求もやっぱりフェードアウトして行くんじゃないでしょうかねえ・・・。もし政治が背景にあると、関係ないのかな。

鈴木敏仁 (10:26)


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2008年8月 5日
[デパートメントストア] リージョナルチェーンのボスコヴズが倒産

また倒産のニュースです。リージョナル・デパートメントストア・チェーンのボスコヴズという企業が破産法11条を申請し倒産しました。ミッドアトランティックと呼ばれる、ニューヨークからバージニアにまたがるアメリカ東海岸の真ん中あたりの地域で、49店舗を展開する企業です。
創業97年、あともう少しで100年というところが、痛い。

リージョナルベースのデパートメントストアとしてはボントンストアやディラードが有名ですが、この企業、私は知りませんでした。アメリカは広くて、私が知らないチェーンストアがまだまだ一杯あります。


さて倒産した要因は言うまでもなく消費減退にあるわけですが、メイシーズがM&Aで大きくなったときに手放した店舗を10ヶ所ほど買っていて、これが足を引っ張ったようですね。

またWSJ誌がもう一つおもしろい理由を書いているので紹介しておきます。
メイシーズが850店舗というナショナルチェーンとなり、PBを強化した。この結果NB衣料メーカーが中間価格帯のブランドラインを縮小せざるを得なくなったのですが、このためリージョナルベースのデパートメントストアが売る商品がなくなってしまったというのですね。

ナショナルチェーン、メイシーズの誕生による思わぬ余波といったところでしょうか。

鈴木敏仁 (11:01)


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2008年8月 4日
「景気鈍化でホールフーズもとうとう減速」Vol.12,No.32

アメリカ流通eニュース

 とうとうホールフーズが失速した。景気の鈍化が顕在化してきたにもかかわらず、少しずつ数値を落としつつも相変わらず好調を維持してきたのだが、第3四半期に大きな減益を記録、ついにこの企業も消費市場減退の波をかぶりはじめてしまった。
 影響をあまり受けないと言われる高所得層もとうとう財布の紐をしめはじめたようで、景気鈍化はじわじわと全体へと広がってきているようだ。

鈴木敏仁 (02:26)


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2008年8月 4日
[オフィスデポ] 業績悪化で格付けジャンクレベルに

ムーディーズがオフィスデポの格付けをジャンクレベルへと格下げしました。ジャンクレベルとはつまり、投資に適さないレベルということですね。

オフィスデポは先週、200万ドルの赤字決算(第2四半期)を発表したばかり。今回の格下げはこの業績悪化の結果によるものです。減収減益で、既存店成長率はマイナス10%でした。
理由は、個人と中小企業の需要の冷え込みです。

その数日前にはオフィスマックスも赤字を計上してます。
アメリカのオフィス用品業界、市場がかなり冷え込んできています。

ただし全滅というわけではないですよ。ステープルズは絶好調です。
ご参考までに。
[ステープルズ] コーポレート・エクスプレスの買収成立

鈴木敏仁 (02:19)


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2008年8月 1日
[ホールフーズ] ワイルドオーツ買収案件が差し戻し

昨年8月に連邦地裁が認めたホールフーズによるワイルドオーツの買収ですが、連邦控訴裁判所が地裁の決定が不十分だとして差し戻しを決めました。この結果、本案件は再び地裁で審理されることとなりました。

地裁に認可されてからすでに一年が経過、不採算店舗が売却されたり、店舗名が変更されたりと、すでに統合は半分以上進んでおり、買収が認められないということはありえないようなのですが、店舗売却がさらに求められる可能性があるとのことです。


憶測の域を出ませんが、本件、なんらかの政治的な背景があるのかもしれません。だとすると、もし民主党が政権をこの秋に取るならば、人が一気に入れ替わりますから、年明けにはこの件は消滅してしまう可能性があるでしょう。


FTCの主張の骨格は、オーガニックスーパーマーケットという市場が、普通のスーパーマーケットとはまったく関係のないところに存在するというものです。この独立した市場において独占が発生し消費者の利益にならないというロジックです。
しかし、大手スーパーマーケットのほとんどがオーガニックを強化し、セイフウェイにいたってはオーガニックPBのOオーガニックを大成功させており、無関係に存在するということはありえないわけです。

さらに、ホールフーズは非オーガニック商品をかなり品揃えしています。惣菜はすべてオーガニックではありません。オーガニックを強化したスペシャリティ型スーパーマーケットと表現するのが正しく、したがっていわゆる高級スーパーマーケットと真っ向から競合しているわけで、この買収の結果競合がなくなるということはほぼないのです。


ということで、FTCの言っていることにはかなり無理があり、それが通ってしまうということは、なんらかの政治的な背景があるとしか考えられないわけですね。


ここで、裁判費用がかさむのを避けてホールフーズのほうからFTCに対して店舗売却を含む和解プランを出してしまうようなことも可能なのですが、負けず嫌いのマッケイがこれをやるのかどうか。今後のホールフーズの動向には注目できます。

鈴木敏仁 (01:23)


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