2008年7月31日
[ドラッグストア] サンフランシスコ市がタバコ販売を規制

サンフランシスコ市がファーマシーでのタバコの販売を禁止にしました。議会で承認されたもので、ただし規制として成立するためにはもう二つ議決を取る必要があり、そしてもし可決すると10月1日から実施され、違反者には最大1000ドルの罰金が課されるそう。
ここで言うファーマシーとはお店の大小に関係なく、ドラッグストアであろうと、小さなファーマシーであろうと、ファーマシーを併設するスーパーマーケットであろうとディスカウントストアであろうと、すべて対象となります。

この規制はカナダを参考にしたそう。
同じような規制を求めて、ロードアイランド、ニューハンプシャー、テネシー、イリノイ、ニューヨークと5つの州の自治体の議会ですでに諮られているのですが、すべて否決されていて、アメリカではサンフランシスコ市が初の規制を通した自治体ということになります。

市の広報担当のコメントがふるってます。
「ファーマシーとは健康になるために行くところであって、ガンになるために行くところではない」。


ぼくはノンスモーカーなので、こういう規制は大賛成です。

スモーカーって、副流煙がどれだけ迷惑をかけているか気づいていない人が多くて、困ります。この迷惑とは、他人の健康を害するという極めてシリアスなもので、酒飲んで騒いで他人に迷惑かけるのとは根本的に違っているんですね。
タバコを吸う権利は確かにあると思うのですが、他人の健康を害する権利は絶対にない。

先週まで日本に出張でしたが、公の場所でタバコを吸う人が多く、本当に困りました。

と、今回はついつい愚痴モードになってしまいました(笑)

鈴木敏仁 (01:45)


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2008年7月30日
[マービンズ] 連邦破産法11条を申請し倒産

マービンズが倒産しました。非上場企業であるため負債総額等の詳細は不明、175店舗はすべて通常通り営業が続けられます。今後の店舗閉鎖等の再建プランについても詳細は明らかになってません。

マービンズはデパートメントストアにカテゴライズされます。日本ではジュニアデパートメントストア、などど表現されているようで、なるほどおもしろい業態名だなあと感心したことがあります。RSCではなくCSCに出店するファッション大店で、コールズが競合となります。

もともとはターゲットが持っていた別業態で、05年にバイアウト企業が複数集まってコンソーシアムを組んで12億ドルで買収した経緯があります。

いわゆる真ん中業態です。価格帯は真ん中、立地もRSCとNSCの真ん中。上下にはさまって苦戦する、という典型的なストーリーということになります。
正直言って魅力はまったくなくて、いつ倒産してもおかしい状態でした。バイアウト企業自身が、非常に難しい案件だと言っているくらいですから。

バイアウト傘下にある大手企業としてはリネンズン・シングスに次いで2つ目のケースとなりましたが、両社ともに今後どう"出口"を見つけるのか、興味深いところです。


年初から相変わらず倒産が続いていますが、まだまだ先がありそうな気がしてます。

鈴木敏仁 (10:34)


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2008年7月29日
[ユニリーバ] 北米洗剤事業の売却決定

ユニリーバによる洗剤事業売却の衝撃

このエントリーに決着がつきました。なかなか売却先が見つからず、たぶん無理なんじゃないかと言われていたんですが、1年かかってようやく決まりました。
買収するのはベスター・キャピタル・パートナーズという投資企業(プライベートエクイティ)でした。下位洗剤メーカーが買うのではと予測を立ててたんですが、はずれました。総額は14億50000万ドル。

ベスターはHuishという洗剤ブランドを持っていて、これにユニリーバのブランド群を合わせ、サン・プロダクトという企業を設立するそうです。

ユニリーバは北米から撤退するだけで、ヨーロッパ、アジア、アフリカ、南米といった国々では洗剤事業は継続させます。あくまでも、北米においてP&Gとの戦いに負けた、ということになるようですね。


洗剤って、商品に画期的なイノベーションがもうあまりないですよね。完全コモディティと化していて、成長性が低い。石鹸や洗剤で時代を作ったユニリーバが洗剤事業から撤退って衝撃的ではありますが、カテゴリーの面白さという点から見ると、ありうるのだろうなと。

またPEが買収するというのは、おもしろいですね。弱ったブランドを買い、オーバーホールして、再生するという機能を投資ファンドが担っている。日本にもこういう投資企業がどんどん現れて、大手メーカーがブランドをどんどん売却して資産を整理するという時代が来ると、メーカーの体力も強まるし、ブランドも生き返る可能性が高まるし、いいことなんだけどな、などと思います。

鈴木敏仁 (03:47)


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2008年7月28日
「マービンズが倒産、ショッピングセンター業界冬の時代へ」Vol.12,No.31

アメリカ流通eニュース

 再び倒産企業のニュースである。アパレルチェーンのマービンズが連邦破産法11条を申請して倒産した。4億6500万ドルのDIPファイナンスを調達しており、通常通り営業しながら再建の道を模索する予定だ。店舗閉鎖などの詳細は不明だが、少なくとも5縲鰀10店舗程度の撤退が予測されている。
 スティーブ&バリーが倒産したばかり、景気悪化による消費減退の影響はファッションビジネスに大きな影響を与えている。

<これ以降の内容に興味のある方は、アメリカ流通eニュース(有料)をご購読下さい。>

鈴木敏仁 (01:35)


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2008年7月24日
[コストコ] 第4四半期の業績悪化の見込み

8月31日期末の第4四半期の業績予測が、アナリストの予測数値を下回るであろうことを示唆しました。証券アナリスト向けの数値ですので、シンプルな収益ではなく、一株あたり利益の予測です。

理由は、商品原価とガソリン仕入れ値の上昇で粗利益が圧迫されていること、とくにここ数週間の上昇が激しく、一方売価にこれを反映することを遅らせているため、利益が圧迫されている、と説明しています。


コストコはほとんど一人勝ちと言っていいほど業績を落とさずにいる、ということは何回かエントリーしてます。これが悪化するかもしれないということが何を意味しているのか。
インパクトは小さくないかもしれません。

鈴木敏仁 (03:44)


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2008年7月23日
[レジ袋] ロサンゼルスが使用規制を実施

ロサンゼルス市議会が規制法案を可決、2010年の7月1日以降、小売店舗でプレスチック製のレジ袋が使用できなくなります。2012年の施行を目標としてカリフォルニア州議会も同様の規制を検討しているそうです。

サンフランシスコ、全米に先駆けてレジ袋を規制

サンフランシスコに次いで二都市目ということになるのですが、全米有数の大都市ですからインパクトは小さくないです。シアトルなど同様の規制を検討している都市が多いのですが、ロサンゼルスの影響を受けて規制が進む可能性があるかもしれません。

鈴木敏仁 (03:15)


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2008年7月22日
[フレッシュ&イージー] 酒販売に規制の可能性

カリフォルニア州議員がセルフレジ方式での酒販売に規制を加える法案を提出しました。もし規制が成立すると、セルフレジでのお酒の販売ができなくなる。現在カリフォルニアでは酒を売る際に身分証明書による年齢の確認を義務付けているのですが、セルフレジではこれができないため規制する、というわけです。

たぶんこれでもっとも影響を被るのは、フルサービスのレジがないフレッシュ&イージーです。同社の説明だと、誰かが酒をセルフレジでスキャンするとブザーが鳴り、担当者が年齢を確認するシステムになっていて、問題はまったくないはず、とのこと。

法案を提出した議員は、特定企業を狙い撃ちしたものではないと言っているのですが、明らかにフレッシュ&イージーを意識したものだと思います。食品労働組合がバックアップしている可能性もあるでしょう。組合結成を拒否している同社に対する反発は小さいものではないですから。


フレッシュ&イージーの酒売場は小さなフォーマットとしては相対的に大きく、お酒がアソートメントに重要な位置を占めていることは間違いない。これが売れなくなるということはけっこう大きなダメージになりそうで、この件の今後の行方は注目に値するでしょう。

鈴木敏仁 (06:00)


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2008年7月21日
[ウォルマート] デルと共同で取り付け修理サービスを実験

名称は"Solutions Centers by Dell"、大型テレビやコンピューターなどを自宅で取り付けたり修理するサービスを有料で提供するプログラムで、ダラス地域の15店舗で実験をすでに開始しています。

たとえばコンピューターにメモリーを増設するサービスは29縲鰀99ドル、一方ベストバイのギークスクワッドによる同等のサービスは39縲鰀139ドルとなっていて、若干安めに価格が設定されています。


この分野、ベストバイのギークスクワッドとサーキットシティのファイヤードッグが知られています。双方ともに成長分野として注目されているのですが、サーキットシティの業績が悪く今度どうなるか予断を許さないという状況の中、隙間を埋めようとするようなウォルマートの着眼点はなかなかすばらしい。
デルにとっても、儲け云々よりもデルという名称の露出が増えることに大きな価値がありそうな気がします。

また競争が激しくなってくることは消費者にとっても良いことで、そう考えるとこの取り組み、悪くないように感じます。

鈴木敏仁 (02:40)


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2008年7月21日
「市場が広がるブランドライセンスというビジネス」Vol.12,No.30

アメリカ流通eニュース

 衣料チェーンのコールズが来年から懐かしいブランド、Hang Tenを復活させる。クィックシルバーがバックアップ、デザインから製造まで引き受け、来年の春をめどに240店舗に導入し、年末までには957店舗に展開する予定である。
 Hang Tenは62年に若いサーファーによって開発されたブランドで、足跡マークを覚えている方も多いことだろう。40カ国で売られた歴史を持つが、アメリカでは03年に商品が消滅している。
 この販売ライセンスを持っているのがアメリカン・ブランドホールディングという企業で、コールズはこの会社と契約している。コールズはここ数年、PBの他に、他社のブランドを利用する独占ライセンスブランド(英語でExclusive Brand)を強化していて、Hang Tenもその一環なのだが、目的は他社との差別化にある。
 この小売企業が独占契約ブランドを利用する手法、アメリカではターゲットが非常に上手なのだが、いま流行の兆しがある。

鈴木敏仁 (01:34)


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2008年7月18日
[スーパーバリュ] ジューエル・オスコが小型フォーマットを開発

シカゴに本拠を置くジューエル・オスコが小型フォーマットを開発するそうです。名称は『Urban Fresh, by Jewel』、面積は約450坪、忙しい通勤客を対象として惣菜やサンドウィッチを強化、また精肉や鮮魚も扱い、オーガニックもアソートする、スペシャリティ型の小型スーパーマーケットとする予定です。


セイフウェイ傘下のボンズが開発した店舗は、『ザ・マーケット』で、後ろにボンズと小さくついてます。ジューエルもつけていて、名称のつけ方はほぼコピーです。
[セイフウェイ] 小型店舗の一号店オープン 名称はザ・マーケット

店舗面積もほぼ同じ。店舗内の構成も推測するにかなり似通ったものになるんじゃないでしょうか。
小売業界って、真似るということはごく標準的なあたりまえの技術のようなものですね。


フレッシュ&イージーが次に狙っているのはシカゴじゃないかとも言われていて、受けてたつ体制を整えておく、ということのような気がしています。

鈴木敏仁 (04:16)


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2008年7月17日
[ウォルマート] 農産物を地元農家から調達

農産物を地元農家から可能な限り調達することで、資源の節約をはかるプログラムに取り組むことを7月2日に明らかにしていたウォルマートですが、16日にオクラホマ州でキャンペーンを開始しました。

名称は'Locally Grown' プログラム、イベントには州知事も出席するなど内外の注目を浴びています。すでに全米ベースで調達の切り替えを図っていて、他の州でも今後イベントが開催されるかもしれません。

市場総額4億ドル近い農産物がローカル調達となる目論見で、ロジスティックスが短くなる結果、年間でディーゼル燃料が11万ガロン、走行距離67万2,000マイルが節約され、140万ドル分のコスト削減につながる、としています。


この地元農家戦略、ホールフーズやウェッグマンズなどもともとやっている企業が多数あり珍しいことではないのですが、ウォルマートという食品小売全米ナンバーワン企業が踏み込んだことにインパクトがあり、また調達先は集約することのみが効率につながるとという考え方を主軸に据えてきた企業だけに、戦略転換が持つ意味が大きいというわけです。

鈴木敏仁 (03:59)


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2008年7月16日
[ロイヤルティマーケティング] 有効活用には程遠い米国企業

シンクタンク(Retail Touchpoints)が大手小売企業のロイヤルティマーケティングの活用状況について調査レポートを発表しました。

ここ数年、店舗での購買データとネット販売のデータを融合させてマルチチャネル戦略をとる企業が増えており、これは良い傾向だとしつつ、しかし総合的な取組状況としてはまだまだだという論調となってます。

その根拠としてあげているポイントを2つ。

◇既存店での買い物ボリューム、バスケットサイズ、リテンションといったデータの推移を分析しているのは35%に過ぎない。

◇自社が扱っている商品をプロモーションしているかという質問に対して、半分以上のカードメンバーに対して売り込んでいると答えたのは9%に過ぎない。


ロイヤルティマーケティングで先を行っているのはテスコが有名ですが、カナダのロブロウも結構進んでいると言われています。つまり、アメリカではない。
ただし、日本のようにカード戦略とは名ばかりのポイントバックというただの価格プロモーションに堕しておらず、泥沼にはまっていないという点が救いといったところでしょうか。

鈴木敏仁 (01:24)


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2008年7月15日
[ベストバイ] 今後5年間で売上高を2倍に

投資家向けのカンファレンスで明らかにしたものです。5年間で年商を800億ドル、日本円にすると9縲鰀10兆円近い。
現在、全米小売業界売上高2位のホームデポが773億ドルですから、これを超えるというわけです。まあ、全体が上がって行くわけなのでいきなり上位に顔を出すというわけではないですが。

この成長を支える要因が5つ。

1、家電市場そのものの拡大、ベストバイは年率6%の成長を見込む。
2、アプライアンスや携帯電話など、現状では限定的なシェアしか取っていないカテゴリーの拡大。
3、楽器などの新カテゴリーへの進出。
4、パシフィックセールスのような、まったく新しいビジネスモデル、またはフォーマットの開発や買収。
ベストバイがパシフィックセールスを買収
http://retailweb.net/2005/12/post_47.html
5、海外事業の強化。

ベストバイはいまもっとも調子の良いディスカウントストア企業だと思ってますが、これは成長分野にいるというような偶然の産物ではなく、この企業の革新に対する熱意というか、企業文化というか、そういうものが大きい。血を見るような企業文化の革新など、この企業がやってきたことは賞賛に値します。
いかなる日本の小売企業もベンチマークすべきでしょう。


参考までに。
家電&エンターテイメントって、いま最もおもしろい分野です。ウォルマートやターゲットといった総合業態もずいぶん前から強化していて、だからベストバイのような専門業態が一人勝ちするという状況は生まれてません。一方日本の総合業態は相変わらずの食品強化に忙しくて、こういうおもしろい分野をなんとかするという意識が欠落していますよね。
だから、日本ではこと家電分野では専門業態が強いのだ、というのが私の持論であります。

鈴木敏仁 (03:13)


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2008年7月14日
「インストアTVと店頭陳列コントロール」Vol.12,No.29

アメリカ流通eニュース

 ウォルマートが店内で展開しているインストアTVについて以前書いたことがある。もともとはサム・ウォルトンが急増する店舗すべてを訪問できなくなって、店員たちとのコミュニケーション用に使い始めたイントラニーズだったのだが、インフラを使って店内でも番組を流し始めたのが始まりであった。10個ぐらいのモニターが店舗内に散在してコマーシャルを流しているのだが、家電強化の一環でTVウォールの売り場面積が最近増えて、そこでも統一メディアを流しているので、トータルするとかなりの数のモニターが店内に存在する。
 たぶん全米小売業の中でもTVモニターをプロモーションに利用するという観点からはウォルマートが最も進んでいて、他の企業はあまり興味を示していない。あえて上げればアルバートソンズやマイヤーで、最近ではダラーゼネラルやクローガーなのだが、一番使いそうなターゲットは家電売り場以外にモニターを一つも店内に置いていない。

<これ以降の内容に興味のある方は、アメリカ流通eニュース(有料)をご購読下さい。>

鈴木敏仁 (01:33)


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2008年7月14日
[ウォルグリーン] 出店ペースを減速

ウォルグリーンが今後3年間の年間出店ペースを減速することを発表しました。今年度の増床率は9%、これが2009年度を8%とし、2010年度を6%、2011年度を5%とする。店舗数にすると、2009年度:495店舗、2010年度:425店舗、2011年度:365店舗、となります。
同社は2010年度までに7,000店舗という目標を立てているのですが、現在6,297店舗ですから、若干スローダウンしても目標はクリアする予定となってます。

この減速で、5億ドルを浮かせるそう。この浮いた分を既存店や、昨年ぐらいから強化し始めている店舗以外のヘルスケアサービスへの投資に向ける、としています。
CEOのジェフ・レインは、業績云々ではなく、戦略的に投資の振り向け方を変えただけである、競合に勝つ最適の時とはみんなが弱っているときだと、強気のスタンスは変ええていません。


ちなみに、ムーディズが格下げしまして、このあたりも微妙に影響しているのかもしれませんね。
長期債の格付けがAa3で、最上級ではないけど非常に高い格付けだったのですが、これがA1に下がった。借入金、売上高成長鈍化、そして景気動向、を指摘しています。キャッシュフローに対する負債の比率が増えているそう。

ウォルグリーンは無借金経営で有名だったのですが、昨年あたりから活発化している買収で、負債が増えているのかもしれないです・・・と気になって調べてみましたが、08年5月現在の四半期分では長期借入金の項目はゼロなんですよね。
ウォルグリーンの決算は8月末なので、秋口に決算書が出たらあらためてチェックしてみようと思います。


>>15縲鰀28日まで日本に出張します。アップデートが滞りますが、ご了解ください。

鈴木敏仁 (08:05)


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2008年7月11日
[チェーンストア] 6月の業績

6月の業績です。
大手チェーンストア38社の平均既存店成長率は4.3%増、昨年同時期の2.4%に比べて大幅な伸びとなりました。3ヶ月連続のプラスです。
(国際ショッピングセンター協議会)
その理由は戻し減税竏註ュ府による気対策で各世帯に小切手が送られたこと、それと暑い天候と、2つが重なって予想以上の消費につながった、とのことです。

戻し減税についてはいろいろ言われてますが、短期的な刺激にしかならないと私も思ってます。景気不透明感が払拭されたわけではないですし、なんといってもガソリン価格が下がったわけでもないですしね。


ファミリーダラー:8.0%
ウォルマート:5.8%
コストコ:5.0%
TJマックス:5.0%
コールズ:2.3%
サックス:1.9%
ターゲット:0.4%
JCペニー:-2.4%
ニーマンマーカス:-2.4%
アバクロ:-3.0%
ギャップ:-7.0%
リミテッド:-9.0%
ノードストロム:-18.6%

ディスカウント系が強く、ファッション系が弱い、という傾向が相変わらず続いています。
ちなみにコストコは、ガソリン販売を考慮すると9.0%増になるそう。価格の高騰で、ロスリーダーとして売る小売系のガソリンスタンドがものすごく人気です。

鈴木敏仁 (10:18)


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2008年7月10日
[スティーブ&バリー] モールが生んだユニークな企業の倒産

再び破綻のニュースです。
スティーブ&バリーというアパレルチェーンが連邦破産法11条を申請して倒産しました。非上場企業であるため数値の詳細は不明。運転資金としての4000万ドルの調達が暗礁に乗り上げていて倒産間近というニュースが数日前から報じられていたものです。

店舗数は276店舗、年商はおよそ10億ドル。再建せずに清算する方向のようですが、シアーズホールディングのランパートが関与しているという話しもあり、今後の行方は不透明です。


さてこの企業、この数年急成長していて、創業者による強気の発言もあって、けっこう注目を浴びていました。ただ魅力のあるフォーマットとは思えず、どうしてこれが伸びているのだろうと不思議に感じていました。

理解するカギは、モールを管理するプロパティマネジメント(PM)によるインセンティブにあります。集客力のあるテナントに入居してもらうために協賛金のようなものを事前に支払うことがあるのですが、スティーブ&バリーはこれを結構もらっていた。相場の4倍近くで、そして大きな店舗面積であるため、200~600万ドルほどを入居にあたって支払いを受けていた。スティーブ&バリー

これをてことして成長を続けてきたというわけです。
ところが、商品はそれほど売れない。
どうも、営業利益のほとんどがこのインセンティブによってまかなわれていた模様。

極めてゆがんだ利益構造で成長を続けていたわけで、まあ言ってみれば、モールが生んだ特殊なビジネスモデル、といったところでしょう。


成長していたのでこの日記でも取り上げてみたいなと思ったりしたのですが、でも店を見るといまひとつで、なんか変だなあと感じてエントリーするのを控えていました。こういう直感って、おおむね正しいんですよね。

鈴木敏仁 (10:26)


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2008年7月 9日
[リミテッドブランズ] ピンクにカレッジ商品を導入

ピンクとは、ビクトリアズシークレットが4年前に開発したサブブランドです。対象年齢層は18縲鰀22歳、ビクトリアズシークレットの対象顧客層よりも低いのですが、これを店内に新ブランドとして展開し、顧客層を広げてしまうことに成功してしまいました。
ビクトリアズシークレットの復調を引っ張るピンク

まもなく10億ドルを超えるそうですから、もう立派なブランドです。ビクトリアズシークレット売上高の17%を占めています。

ビクトリアズシークレットのピンク

このピンクが、33の大学とライセンス契約し、ユニバーシティ商品を導入することを発表しました。またこの秋には15大学において3人程度の宣伝ガールを選んでの販促キャンペーンを実施する予定だそう。申し込みが殺到しているとしています。

ライセンス販売で大学はロイヤルティを獲得する。双方ウィンウィン、というわけですね。非常にユニークな販売戦略と言えるでしょう。ただ、学問の府がここまでやるのか、という感も否めませんが。契約しない良心的?な大学もあるそうです。


ピンクは近いうちに別会社としてスピンアウトするかもしれません。
このリミテッドによるサブブランドを育成してスピンアウトする戦略は、非常に秀逸です。スピンアウトした事業がオリジナルを凌駕してしまうこともある。主軸を固定しないダイナミックさが魅力です。
移り変わりの激しいファッション業界において長く生き残っている一つの重要な手法だと考えています。

鈴木敏仁 (10:15)


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2008年7月 8日
[フレッシュ&イージー] 新規出店を再開

サイン4月から新規出店をいったんストップしていたフレッシュ&イージーが出店を再開しました。7月2日にロサンゼルスのマンハッタンビーチという地域に3ヶ月ぶりに新店をオープンさせました。

遅ればせながら行ってきました。
フレッシュ&イージーの出店戦略はおそらく物流効率を考えてのもではなく、いろんなシチュエーションに出店させて実験しているものと思っています。高所得層、中所得層、低所得層、居抜き、郊外、ドラッグストアとのNSC、フリースタンディング、etc.。

今回の店舗は、隣のショッピングセンターにトレーダジョーズが入っていて角付きあって競合、また隣がオフィスデポというディスカウントストアとのパートナリングで、なかなかユニークな立地です。また近隣に、ブリストルファームという、スペシャリティ型のスーパーマーケットも存在する。

たぶん、厳しい競合環境にある場合、どうなるのかを測っているのでしょうね。

ちなみにここはよく視察で来る場所なのですが、フレッシュ&イージーがあった場所にどういう店舗が入っていたのか記憶がありません。


ファザードさてこのバージョンアップ版、旧型との違いは、賑わいを作っている点にあります。

一番目立つのは、店の前で単品を山積みして訴求している点ですね。これはたぶん手がかかるからだと思うのですが、今までやってませんでした。
また店内の壁面にメッセージを大きな文字で書いてある。これはこの店からというわけではなく、すでに他店舗でも採用されてます。今までは無地のさらっとした壁面だけでした。
賞味切れが近いパンを、Today's Specialと称してワゴンで割り引いていたのも印象的でした。このフォーマット、廃棄ロスのコントロールはたぶん死命を制すると思ってます。


実はこのフォーマットの弱点は、さらりとしすぎて面白みにかける点にあると思っていました。作業効率を徹底的に追求した結果か、無機質で、食品を売るときに欠かせない賑わいがゼロに等しかった。これを今回から修正かけたということなのでしょう。


月曜日のランチタイムに行ったのですが、お客さん、けっこう入ってました。
入手した資料からの推測ですが、損益分岐点を越えている店もあるんじゃないかと思ってます。私の直感に過ぎませんが、フレッシュ&イージー、徐々にいい方向に向かいつつあるんじゃないでしょうか。

鈴木敏仁 (10:15)


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2008年7月 7日
[セイフウェイ] P&G幹部がチーフ・マーケティング・オフィサーに就任

空席になっていたセイフウェイのチーフ・マーケティング・オフィサーの席に、P&Gでクレストブランドの再生に功績のあったダイアン・ディエツという女性が就任すると発表がありました。
セイフウェイのマーケティング担当トップが辞任
昨年の5月からですから、1年かかって後任が見つかったということになります。

このセイフウェイのCMOという職位ですが、大手メーカーからの人材が続いているというところに、この企業の戦略性を非常に感じています。この企業がやっているPB戦略はほぼメーカークラスのブランディングなので、メーカーから人が来ても違和感がない、またはメーカーからでないとやっていけない、ということなのでしょう。

そういえば、ウォルマートもCMOという職位があります。
日本の小売企業でマーケティングという部門が、商品部や店舗営業部と並ぶ時代って来るのでしょうかね。

鈴木敏仁 (02:07)


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2008年7月 7日
「ラルフスの価格戦略の修正、クローガーにシンクロナイズ」Vol.12,No.28

アメリカ流通eニュース

 南カリフォルニアに地盤を置くクローガー傘下のラルフスが、数千に渡る定番アイテムの値下げを発表した。同時に新たなロイヤルティプログラムを導入し、1ドルにつき1ポイントを提供し、500ポイントで5ドルのリベートを提供するとしている。
 ラルフスはここ数ヶ月、価格戦略に変更を加えるイニシアチブを続けて発表しているのだが、これはおそらくクローガーが取って成功している戦略とシンクロナイズしようとしているものだろうと考えている。

<これ以降の内容に興味のある方は、アメリカ流通eニュース(有料)をご購読下さい。>

鈴木敏仁 (01:31)


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2008年7月 3日
[ブロックバスター] サーキットシティ買収プランを白紙に

家電ディスカウンターのサーキットシティに対して買収提案をしていたブロックバスターですが、デューデリジェンスの結果、買収を白紙撤回することを明らかにしました。
[ブロックバスター] サーキットシティに買収提案

ブロックバスターのCEOはステートメントで、ビデオレンタルフォーマットと小売フォーマットのカップリングに依然可能性はあると見ており、今後は既存店でこの可能性に挑戦したい、とコメントしてます。


この買収プランに対してはそもそも懐疑的な見方が多くて、反対する株主も多く、デューデリジェンスうんぬんの前に、ハードルの多いプランではありました。サーキットシティ側も抵抗してましたし。


サーキットシティの業績悪化がこれで良くなるわけではなく、今後もいろいろなニュースが巷をにぎわすことでしょう。またブロックバスターも、先行き不透明なビデオレンタルというフォーマットをどう変革して行くのか興味深いところです。

鈴木敏仁 (04:01)


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2008年7月 2日
[スターバックス] 600店舗閉鎖へ

業績低迷で戦略の大転換を模索しているスターバックスが600店舗を閉鎖することを発表しました。創業者のシュルツが経営の場に戻っててこ入れを開始した時点で不採算な100店舗の撤退を発表していたので、500店舗を上乗せしたことになります。
この閉鎖で社員の7%が解雇されることになるそう。


スタバの低迷の原因は、おおよそ以下の3つでしょう。

1、景気の悪化でカプチーノといったプレミアム型商材への出費を消費者が抑え始めたこと。
2、マクドナルド、ダンキンドーナツなど、過去存在しなったタイプの競合が増えてきたこと。
3、そして当然のことながら、過剰な出店。昨年のグローバルベースでの新規出店数は2,500店舗、これは一日に7店舗のペース。


もういまや"どこでもスタバ"状態です。
過剰になったら、ダウンサイジングするしかありませんから、しかたないですね。


スタバは戦略転換で、普通のコーヒーの味をマイルドにしてしまいました。ブレンド名はパイクプレース。
薄味コーヒーが主流だったアメリカで、濃い深煎りコーヒーを持ち込んで革新を起こしたのがスタバですから、この路線変更は実はかなり意味が大きい。
味をマイルドにすることでマスを取り込んで業績を回復させようという目論見なのですが、しかし従来のファンからかなりの反発を受けてます。この軋轢をどう解決するのか、または従来のファンが離れることが新たな成長に結びつくのか、私はけっこう興味深く見ています。

ちなみに私は深煎りファンでして、インパクトのないパイクプレースに魅力は感じず、スタバへの足は遠のくばかりです・・・。


>>先週、某大手メーカーさんの研修コーディネート時に見つけたスタバ商品のアウトレット。
スタバの物販

鈴木敏仁 (07:14)


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2008年7月 1日
[電子処方せん] 大手ドラッグストアとPBMがネットワークを統合

ウォルグリーン等の大手ドラッグストア企業と、メドコやエクスプレス・スクリプト等のPBM(調剤給付金管理)企業大手が、電子処方せんの普及を促進するためにネットワークをつなげると発表しました。トータルすると年間1億枚の処方せんが電子化するそうです。

全米の年間処方せん枚数は44億枚で、まだまだ小さな規模に過ぎませんが、将来に向けての大きな一歩ということになります。


現在アメリカのドクターで電子処方せんが書けるのは4%程度だそう。初期投資が大きいためみんなしり込みしているそうです。これに対してインセンティブをどうつけるか、政治を巻き込んだ議論がされていて、処方せんの電子化は大きな流れとしては規定路線です。

鈴木敏仁 (02:20)


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