ショッピングセンターの最近のブログ記事

2021年4月 8日
モールの空室率が過去最大の上昇率を記録

第1四半期のモールの空室率が昨年の第4四半期から0.9ポイント上昇して11.4%となり、2009年第1四半期の0.8ポイント増を上回る過去最大の上昇率を記録したそうです。
ムーディーズによる統計分析なのですが、構造的な変革が起きているのでこれがボトムではないだろうとしているので、空室率はこれからさらに上昇する可能性があります。

前回のエントリーの通り、大型モールは大きな曲がり角に来ていて、その象徴がこの空室率といったところでしょう。

鈴木敏仁 (03:54)


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2020年9月14日
モール運営企業がJCペニーを買収か

破綻して破産法の管轄下にあるJCペニーですが、再びモール運営企業が買収することになりそうです。
先週末にリリースされた情報によると、サイモンとブルックフィールドが共同で買収することで合意しました。
買収総額は17億5,000万ドル、店舗数は160店舗なので、1店舗当たりにすると約1,100万ドル。
破綻しただけにやはり破格ですね。

実はまだ確定したわけではなくて裁判所の承認は来月早々になるようですが、どうやらブルックスブラザーズの時にも登場したオーセンティック・ブランズ・グループもこれから噛んでくるかもしれないという情報もあります。

ということでJCペニーもいきなり消滅するという危機は去って、店舗名は残ることになりそうです。

鈴木敏仁 (04:09)


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2020年8月12日
モール運営最大手のサイモン、減収減益だが赤字は回避

モール運営最大手のサイモン・プロパティー・グループが第2四半期(6/30期末)の決算を発表しました。
売上高は10億6200万ドルで24.0%減、営業利益高は6億1,117億ドルで14.7%減、最終利益高は2億5,421万ドルで48.7%減でした。

いつもはモール企業の四半期決算に興味を持つことはないのですが、この時期なのでどうなっているのだろうと知りたくなって見てみたくなりました。
想定通りの減収減益なのですが赤字に陥ってはおらず、しっかりした企業はやはりこういう時期でも大丈夫なんだなということを実感。

面白いのはCEOのコメント。
「回収できている家賃は、4月と5月は51%、6月は69%、7月は73%。6月には普通に戻ってきたかと安心したが、7月には安心感が減って、今は完全に混乱している」

規制で営業停止となった期間の家賃をどうするかがグレーなままなので、最終的には裁判で決着を付けることになるのでしょう。

ちなみに現在は91%のテナントが営業を再開しているとのことです。

鈴木敏仁 (02:17)


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2020年6月 3日
モール運営企業、社債の利払いできず債権者と協議へ

モール運営企業のCBLプロパティーズが社債の利子118億ドルを支払えず、債権者との協議に入っていると報じられました。
猶予期間は1ヶ月で、この間に債務リストラができないとデフォルト、おそらく破綻となるでしょう。

テナントが営業できないので家賃収入が途絶え、その結果として利払いがストップするという、負のドミノがとうとう発生しました。
モール運営業界では初のことだそうです。

小売や外食という中心軸が弱まって周辺業界ではバタバタと破綻が出始めているのですが、ショッピングセンターは資産規模が大きいので周囲に与える影響は大きそうです。

ちなみにCBLが運営している商業施設は108ヶ所だそうです。

鈴木敏仁 (01:05)


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2020年5月11日
モール運営企業がテナント救済に50億ドルを用意

モール運営企業のブルックフィールドが、営業停止で資金繰りが逼迫しているテナント救済に向けて50億ドルを用意する計画を明らかにしました。
非支配株主持分の株式を取得して運営資金を提供するとしています。

対象となる企業の最低売上高は2億5000万ドルとなっているので中堅以上の企業となりますね。
複数の機関投資企業が参加する模様。

フォーエバー21を救済したのはサイモンとこのブルックフィールドとABG社(ブランド管理企業)でした。
アメリカの大手モール運営企業には弱くなったテナントに投資して支えるという動きがもともとあって、今回の計画もその延長線と言うことができそうです

鈴木敏仁 (02:08)


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2019年4月22日
サイモン・プロパティ・グループがオンライン・アウトレットの実験を開始

ショッピングセンター・デベロッパーのサイモン・プロパティ・グループがオンライン直営アウトレットの実験をはじめました。
Simon Premium OUtlets

今のところまだベータ版です。
お客からの注文は、サイトから直接買うか、または専門店のサイトへとリダイレクトされるそうです。

目的は消費者データのようですね。
各テナントは自分の店でのデータは持っていますが、他店舗で何を買っているかといった包括的データは持っていません。
これを収集分析しインサイツとしてテナントに売る、これがサイモンの目的です。

デベロッパーが消費者データの収集に乗り出す時代というわけです。

うまくいくのかどうか現時点では不明、失敗する可能性が高いような気がしますが、R&Dですからやる方が正しい。
成功するとけっこう大きなインパクトを持つような気がします。

鈴木敏仁 (02:24)


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2017年11月15日
ブルックフィールドがゼネラルグロースに148億ドルの買収提案

ブルックフィールド・プロパティ・パートナーズがゼネラルグロース・プロパティーズに148億ドルの買収を提案しました。

買収成ると、不動産資産の総額1,000億ドル、年間営業利益高50億ドルという巨大なモール運営企業が誕生する、ということなのですが、調べてみたところ最大手のサイモンを確かに上回るようですね。

大規模な買収プランなので業界メディアを賑わしています。
モール業界にも再編の予感、といったところでしょうか。

<追伸>
noteというプラットフォームを使い始めています。インターフェースが気に入ってます。
人が集まる場を創造したアップルストアの新店
写真を多用したコンテンツはこちらを使おうと思ってまして、適宜アップデートしていきますから、チェックしてみて下さい。

鈴木敏仁 (02:48)


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2017年6月 1日
ショッピングモールの25%が5年以内にクローズする

ショッピングモールの20~25%が今後5年間以内にクローズするという、なかなかアイキャッチングなレポートがリリースされました。
出したのはクレディスイス。

もともと下位20%は危ないと昨年あたりから言われはじめているのでショッキングというわけではないのですが、これから5年以内と期限を切った点が目を引きます。

アメリカのRSC業界はかなり深刻な状況にあるわけですが、打開策を見いだせるかどうか、見いだせたとしてそれは何か、に注目したいと思っています。

鈴木敏仁 (10:57)


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2017年4月28日
増える負け組モールと投資企業

もともとアメリカのショッピングモール業界はここ10年近く完全に成熟していて、新築は1年に1つぐらいしか増えないという状況でした。
理由はたくさんあるのですが、端的にショッピングディスティネーションとしての魅力が減じてしまいました。
そもそも先進国では買い物がレジャーではなくなりますので、モールでゆっくり時間を過ごすという人がいなくなってしまうものです。

追い打ちをかけるように、モール内に出店する専門店チェーンの破綻とデパートメントストアの縮小が続き、モールは今大変なときに来ているのですが、結果として勝ち組と負け組がはっきりしていまい、負け組モールの破綻が増えてきています。

ここで、モール業界の負け組REITに的を絞ってショートをかけて利益を上げている投資企業がいるということをWSJ誌が記事にしていて、なるほどなあとうなってしまったのでした。
もしシアーズが破綻したら、ダメになるモールが一気に増えて大きく儲けることができる、ということをこの投資企業の経営者が言っています。

要するに、成長してもダメになっても、どちらにしても投資企業には儲ける道筋があるということですね。

こういうことを知ることは自分の発想をフレキシブルにするためにとても有効だと思っています。
物事を一つの側面からだけ見ていると、固定概念に縛られてしまって過去の延長線からしか発想できなくなってしまいます。

鈴木敏仁 (10:10)


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2015年3月 9日
[サイモン・プロパティーズ] 競合のメイスリッチに買収提案

REITでアメリカ最大のショッピングセンター・デベロッパー、サイモン・プロパティーズ・グループが、業界3位のメイスリッチに買収提案をしたことが分かりました。

提案株価は先週金曜日の株価に対して9%プレミアムを乗せた91ドルなのですが、月曜日の今日の時点で92ドルを上回っており、提案額は上げられることになるだろうというのが大方の見方です。
買収予定総額は債務を含めて2,240億ドルにのぼります。

2014年度末のサイモンの年商は48億7,100万ドル、一方のサイモンの年商は11億500万ドル、双方合算すると60億ドルという大きなSCデベロッパーが生まれることになります。

サイモンのモチベーションは、モールへの客足が年々減っている環境下でテナント小売業に対する交渉力を高めたいという思惑があるそう。

主に小売企業がSCを開発する日本と異なってアメリカは専業不動産開発業界が成立しており、テナントと大家の間には家賃を巡っての綱引きがあり、テナントが大きくなるとSCデベロッパーも大きくならなければならないんですね。

メイスリッチはサイモンからの提案をすでに断っていて、そのためサイモンが提案を公開したといういきさつあがあります。
これからメイスリッチが動くのか、注目が集まっています。

鈴木敏仁 (01:11)


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