2006年5月31日
テスコの米国店舗名は'Tesco Fresh & Easy'?

ファイナンシャルタイムズ紙が5月19日に、テスコの米国進出に関して記事を掲載しました。
それによると・・・。

ロサンゼルスとフェニックスを進出商圏として考えている、店舗名はTesco Fresh & Easyで、面積は15,000sqf(約420坪)、生鮮と惣菜をアソートする。
郊外のオンタリオに配送センターを建設する、また空港そばのエルセグンドに本社オフィスをすでに開設、社員の募集を開始している、ともしています。

ただテスコは噂に過ぎず正確ではないと表明していて、信憑性はあまり高くはないようです。

トレーダージョーズをベンチマークしているという話もあるようです。

さてこのテスコのカリフォルニア進出、実は問題含みではあります。セイフウェイのネット販売事業の35%をテスコが持っているんです。またクローガーのロイヤルティマーケティングを請け負っているダンハンビーはテスコの関連会社で、クローガー傘下のラルフスはカリフォルニアの有力スーパーマーケットです。

逆に言うと、こういう事情があって、カリフォルニアア市場を良く知っているから選んだと見れなくもないわけで、だとするとセイフウェイとクローガーが黙っているわけがない。

両社とテスコの関係が今後どうなるのかは、業界筋の興味の的になっています。

鈴木敏仁 (04:27)


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2006年5月30日
ショッピング検索の1位はホームデポ

Nielsen//NetRatingsの調査によると、4月に使用されたショッピング用の検索キーワードの順位は、ホームデポ、ウォルマート、ターゲット、シアーズ、ベストバイ、の順番なのだそうです。

これは個人的にけっこう意外な結果なのですが、皆さんはどう思われますでしょうか。ウォルマートはアマゾンに次いで2番目のアクセス数だそうですから、検索でも上位に来るのは分かるような気がするのですが、ホームデポが1位ですか・・・。

ホームデポがオンライン/カタログ企業を買収」というタイトルで記事にしましたが、ホームニーズ領域はネット需要がやはり高いのかもしれませんね。

鈴木敏仁 (08:43)


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2006年5月29日
「日米同時に進行する大型店舗を規制する動き」Vol.10,No.22

アメリカ流通eニュース

 日本で改正都市計画法が参議院で成立したのと時を同じくして、サンフランシスコエリアの小さな町がウォルマートを拒絶した。アメリカにおいては出店を規制する連邦法は存在しないため、各地方自治体それぞれが出店の可否を決めることになる。大型店を拒否する点では日米ともに同じ動きと言うことができるのだが、地方の自治に委ねられている点においてはまったく異なる事例ということができる。

<これ以降の内容に興味のある方は、アメリカ流通eニュース(有料)をご購読下さい。>

鈴木敏仁 (09:51)


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2006年5月26日
アマゾン、グローサリービジネスを開始

アマゾン・コムがグローサリービジネスを始めました。1万4000skuを"EDLP"で販売するのだそうです。配送料はSuper Saver Programが適用されますので、25ドル以上買うと無料となります。

在庫は自分で持っており、自社のセンターから商品が送られます。
アマゾンの場合、実は取り扱い業者が持っている商品であることが結構あり、この場合発注するとオーダーが業者に転送され、25ドル以上の買い物でも配送料を取られることが多い。

グローサリーは自分たちで扱うというわけで、アマゾンの意気込みを感じます。現在はドライグローサリーだけですが、今後は生鮮も視野に入れるとしていますし、やる気はマンマンという印象ですね。

"EDLP"?って感じではありますが(笑)

このトライアル、うまくいくかどうかは微妙なところじゃないでしょうか。アメリカでは食品のネット販売は過去に一度頓挫しましたが、今では大手スーパーマーケットも強化してますし、競合はかなり激しくなりつつある。
アマゾンブランドがこの領域でどこまで通用するのか、注目したいと思います。

鈴木敏仁 (07:50)


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2006年5月25日
ホームデポの株主総会

ホームデポの株主総会が今日開催されたのですが、機関投資家がおもしろい決議案を2つ提出しました。

1つ目は社員のダイバーシティ(diversity、多様性)の統計レポートを提出せよというリクエストです。ここで言うダイバーシティとは人種、性別、年齢などのミックスの度合いのことで、これが偏ると偏見があるとして訴訟の対象となることがアメリカではあります。
ホームデポはこの問題による訴訟で、過去10年間で1億ドルの和解金を支払っているのだそうです。投資家が状況レポートを要求する理由は、これが損失につながり投資に影響を及ぼすと考えているからですが、ホームデポは01年以来この分析結果のディスクロージャーをしておらず、これが株主総会での決議につながったわけです。
日本には無いユニークな話だと思います。

さてもう一つが、CEOのボブ・ナーデリの報酬です。
保守的に見積もって2億4500万ドルの報酬をナーデリが得ている一方、CEOに就任以来5年を経過しているが株価が就任時よりも下がっていて、取りすぎじゃないかという主張です。

フォーブスがCEOの報酬ランキングなるものを作っているのですが、ナーデリは2,280万ドルで47位となっていて、投資家による見積もりとは数値が異なっています。投資家サイドは報酬専門のコンサルタントによる計算をベースとしているのですが、この大きな差がどうして生じているのか理由は定かではありません。

日本の場合こんなにもらっている社長さんはたぶんいないでしょうから、こういう決議案も株主から提出されるというケースはないんじゃないでしょうか。

さてでは実際の株主総会でひと波乱あったのかというと・・・ナーデリは質問に応えず、あっという間に総会を終わらせたようです。

ちなみに、2億4500万ドルとは、仮に1ドル120円で換算すると294億円でしてね(笑)
こんなにもらってどうするんだろう、なんて思うのは、貧乏人のひがみかな・・・。

鈴木敏仁 (09:18)


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2006年5月24日
ネット販売市場が2,000億ドルを突破

3年前に1,000億ドルを超えたネット販売市場が、年内に2倍の2,000億ドルを突破し2114億ドルとなるという予測が発表されました(Shop.org)
ただしこの数値には旅行ビジネスが含まれていて、これを除くと1,380億ドルだそうです。

旅行を除いた小売売上高の昨年の成長率は28%増で、トータル市場の4.7%となっています。

相変わらずネット販売は伸びているのですが、背景にはリアルとネットを融合させる各社それぞれの取り組みがあります。リアルとネット間の価格やロイヤルティプログラムの統合、店頭にキオスクを置いて情報を提供する、ネットで買った商品の返品を店舗で可能とする、など。

消費者の視点で言うと、両者はさらに融合して行って欲しいですね。そうすることでさらに利便性が増して、買い物する側は助かります。
リアルとネットの境界線はどんどん溶けていくことと思います。

鈴木敏仁 (08:52)


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2006年5月23日
ウォルマートの韓国撤退について

ウォルマートが韓国から撤退することを発表しました。16店舗を8250億ウォン(8億8200万ドル)で新世界に売却する。ウォルマートが進出後に撤退するのはインドネシアに次いで2回目です。

ウォルマートはこの3月、新世界から買収オッファーを受けるまで、撤退など考えもしなかったとしています。
カルフールが撤退しようとしたときに、32店舗の買収をめぐって争ったのがイーランドグループと新世界で、結局イーランドが競り勝った。新世界はこのときウォルマートにもオッファーをかけていたということになります。

撤退の理由についてはいろいろ書かれてますが、財閥系が強い韓国市場に入り込んでいけなかったということでしょうか。テスコはサムスンと組んでますし、やはりパートナーが必要だったということでしょう。
韓国市場は決して大きくは無いですから、苦労とリターンを天秤にかけて、売るほうが得策と判断したものと考えています。

さておそらく皆さんの興味は日本はどうなるのかということだと思います。

アメリカではここ数年、中国とインドばかりに焦点が当てられているが、アメリカ企業が実際にアジアで最も利益を上げているのは日本で、中国とインドを足しても、日本で稼ぐ利益を上回るにはまだかなりの時間がかかる、という論調がこちらのメディアに出ています。
マクドナルド、ティファニー、アフラックなどが例として引かれていました。

これくらいはウォルマートも分かっていることでしょう。
またウォルマートだけではなくてウォール街も分かっているはずです。もし日本から撤退した場合、なぜマックやスタバにできて、ウォルマートにできないんだという批判が投資家から巻き起こりそうで、とすると海外事業そのものに対する将来性が疑われそうで、そう考えると日本からはそうそう簡単に引くわけにはいかないだろうと私は思うわけです。

だからまだしばらくは日本から引くということはないと思うのですが、一方西友の黒字化までにどのくらいかかるのかという問題もあって、悩ましいところではあります。

以前記事として書いたとおり、外人CEOの力量がどうなのか。マイクロマネジャーではなく、モチベーターとして経営できるかどうか。日本人社員の懐に飛び込んで行って、彼らのやる気をどんどん引き出せる経営者なのかどうか。
やはり私はここに注目してます。

鈴木敏仁 (08:38)


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2006年5月22日
RediClinicとスティーブ・ケース

先週テキサス州オースティンのHEバット・プラスに行ってきました。およそ5000坪を超える店舗で、SMが作る初のスーパーセンターフォーマット、と言っていいでしょう。現在3店舗、実験の域は出ていないと感じました。
ウォルマートがスーパーセンターでSMのシェアを奪い続けてすでに10年以上が経過しているわけですが、今まで同じフォーマットで逆に対抗してやろうとする企業が出てこなかったこと自体、おかしなことだと思ってます。
遅きに逸した感が否めないですね。 DSCF4085.jpg

さてこのフォーマットの詳細は業界誌に譲るとして、今回は店内で見つけたテナントの話です。レジの外側に、RediClinicという名称で、インストアクリニックが入っているのを見つけたのでした。インストアクリニックそのものについてはアメリカ流通eニュースVol.10,No.16で書いたので詳細は省きますが、このRediClinic、実はAOLを創業したスティーブ・ケースが所有するRevolution LLCという会社が大株主なんです。
スティーブ・ケースは確かお兄さんを病気で若くして失い、それがきっかけでヘルスケアビジネスに興味を持つようになったと記憶してます。AOLタイムワーナーを辞めてからヘルスケア関連ビジネスを創業したということは聞いていたのですが、今回彼が出資するRediClinicをはじめて目にしました。

このビジネス、ものすごいポテンシャルがあるというのがもっぱらの見方でして、スティーブ・ケースは再び大きなビジネスを作ってしまうのかもしれません。

鈴木敏仁 (05:42)


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2006年5月22日
「マスターカードの上場と小売業界の抵抗」Vol.10,No.21

アメリカ流通eニュース

 マスターカードが上場した。上場初日は期待通りに株価が上がらなかったのだが、翌日からは上げ基調にある。23億9000万ドルを調達、2年前にグーグルが調達した17億ドルを超えて久しぶりの大型上場となった。市場総額60億ドルという大型公開企業の誕生である。
 さて初日に株価が公開価格よりも落ちたのだが、その理由として指摘されていたのが抱えている訴訟の多さで、その原告の多くは小売企業なのである。何回かここでレポートしたが、年々高騰する手数料に手の打ちようのない小売企業が、訴訟で抵抗している。

<これ以降の内容に興味のある方は、アメリカ流通eニュース(有料)をご購読下さい。>

鈴木敏仁 (09:48)


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2006年5月19日
アラン・ラフリーと質問力

最近P&Gについて追っています。日本ではあまり知られていないことのように思うのですが、P&Gはここ数年大きな変革に取り組んでいて、成功しつつあります。10年前のP&Gとはまったく違う企業へと変わりつつある。
そしてこの変革を引っ張っているのが、The moments of truthで書いたアラン・ラフリーというCEOです。
もしP&Gがこれからさらに成長を続けたら、名経営者として名前をとどめることになるかもしれない、そういうレベルの人だと思っています。

さて今回はこの人のビジネススタイルについて2つ。

まず大変なリスナーなのだそうです。相手の話をとにかくよく聞く。GEのイメルトをして、「スポンジのようだ」と言わしめるほどの聞き上手なのです。
これはとても重要なリーダーの資質だと思います。部下の話をよく聞くことは、彼らの信頼を勝ち得る重要な要素だと思います。
ちなみに私は最悪のリスナーです(笑)

次に、部下に対してとにかくしつこいくらい質問をし、これによって彼らの決断を助けるのだそうです。私はこの質問魔という彼の資質を知って、これもリーダーの大切な資質の一つだと気づきました。
つまり、自分の考えを押し付けることをせず、質問を繰り返しながら、あたかも部下が自分で決断を下したかのように持っていってしまう。結果として自分の考える方向に持ってゆくのだけれど、押し付けではなく、自発的に決めたように持っていってしまうプロセスが優れている。

このことを考えていて、ふと「質問力」(齋藤孝著)という本があることに気づき、日本で購入し読んだのですが、とても参考になりました。

一つ引用すると、最後のエピローグに、「ソクラテスもおもしろい。彼も質問上手であり、質問することがあたかも仕事のような哲学者だ...中略...自分が心理を説くのではなく、相手に質問を発することで相手自身に気づかせていくのだ」、という文があります。

なるほど、ソクラテスも質問魔だったわけです。
ラフリーの大学時代の専攻は歴史でして、ひょっとするとソクラテスからビジネススタイルを学んだ可能性が非常に高いと私は気づきました。
ラフリーに万が一インタビューする機会があって(あるわけないですが...)、このあたりを質問したら、齋藤さんにほめられるやり取りができるかもしれません(笑)

蛇足ながら、家電メーカーのワールプールも変革に成功しつつあるようです。P&Gなどの優良企業が取り組みを学ぶために訪問団を組んで大挙押し寄せているという記事を読みました。だから凋落したメイタグを買収することができたわけです。

鈴木敏仁 (03:52)


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2006年5月18日
ウォルマートのアップスケール市場実験店、その後

DSCF4120.JPG現在出張で再びダラスに来てまして、ウォルマートのアップスケール市場実験店にまた行ってきたのですが、すでにレイアウトの小さな修正がなされていました。
調剤カウンター前にもともと非常に広いスペースを取っていたのですが、これがなくなっていました。健康イベントでもやることを意図して広いスペースを取っていたものと推測され、前回訪問時は視力の検査の無料サービスをやっていたのですが、無駄だと判断したようですね。

確かにオリジナルはちょっと広すぎたかもしれないなあ。
こういうふうに、おそらくこれからどんどん修正をかけていき、良いものを他店に波及させていくことになるのでしょう。

この店舗の詳細は、販売革新6月号をご覧ください。

鈴木敏仁 (06:43)


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2006年5月15日
ついにベストバイがアジアに進出

ベストバイが買収で中国に進出することを発表しました。買収する企業名はJiangsu Five Star Appliance Co(Jiangsuは漢字で江蘚となるようです)、年商はドルベースで7億ドル(業界4位)、店舗数は136店舗、とのこと。
買収総額は1億8000万ドルで、これには1億2200万ドルの追加出資が含まれているようなので、自己資本自体は6000万ドル程度ということでしょうか。
中国当局の認可待ちです。

とうとうベストバイがアジアに来たか、という感じですね。
ウォルマートのリー・スコットは、将来アメリカ並みの流通市場に成長するポテンシャルを持っている国は中国しかないと言い切ってますし、ホームデポも進出を視野に入れてオフィスをすでにオープンしてますが、次はベストバイでしたか。

考えてみると、家電という分野はもっともグローバルな特性を持っているような気がします。もちろん流行の温度差はあるけれど、グローバルスタンダードにのっとって流通する非常に普遍的な分野です。家電メーカーのグローバライゼーションなんて当たり前の世界ですから、小売のグローバライゼーションも進まないほうがおかしい。
ベストバイは今まで数度の業績悪化を乗り越えた優良企業で、強い企業文化とバラスシートを持ってますから、とくにアジア市場ではこれから存在感がどんどん高まってくるかもしれません。

鈴木敏仁 (07:03)


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2006年5月15日
「2010年までにおこっているであろう7つの流通予測」Vol.10,No.20

アメリカ流通eニュース

 ACニールセンとスペクトラの2社をスポンサーとして、流通業界のマーケティング情報を交換するConsumer360という名称のカンファレンスが毎年開催されている。今年は5月16~18日の間に実施された。
 複数あるセッションの一つにおいて、ニールセンの上級副社長トッド・ヘールが、2010年までに普及しているであろう7つの業界予測をスピーチしたのだが、ユニークなので私の意見を付け加えながらここでレポートしたい。(ここではCPG業界;つまりSM、Dgs、DS業界を前提としている)

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鈴木敏仁 (09:44)


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2006年5月12日
ホームデポがローン専業銀行を買収


ホームデポが社員数37人の小さな会社を買収することを発表しました。社名はEnerBank、読み方が分からないんですが・・・たぶん親会社の名称がSMCエナジーで、エナジーから取ったのでしょう。とすると、エナーバンク、かな。

この会社、家のリフォーム時のローンに特化した銀行なんですね。店舗は持っていなくて、お客は業者(英語でコントラクター)を通してこの会社を知りお金を借りる、というビジネスモデルです。

ホームデポは既存店の売上を伸ばすために、取り付けサービスを最近強化してます。POPも随分目立ってます。DSCF3365.jpg
たぶん、例えば、このPOPの下にでも、「お金の心配は要りません、うちで借りましょう!」みたいな文言をつける、そういう企業を今回買ったわけです。

ちょっとひっかかるのは、ウォルマートの銀行所有に対しては過剰な反応があっていまだに決着がついていないのですが、ホームデポはどうなんだろうということです。 まだ公的機関の認可は受けておらず、とりあえず買収に合意したという段階なのですが、これに対する反応がまだ聞こえてきません。

やっぱりウォルマートはスケープゴート化してるんですかねえ・・・。

鈴木敏仁 (02:23)


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2006年5月11日
ウォルマートでしか買えない雑誌

allyou1.jpg

昨日ネットで記事を目にしたのですが、ウォルマートはゲーム市場の25%を占めていて、ゲームのコンテンツにまで影響を及ぼしているのだそうです。その販売力は、我々日本人の標準的な発想を超えてます。
タイトルのように、実はウォルマートでしか売っていない雑誌というものまであるんです。いわば、雑誌のPBですね。 

名称はAll You、発行しているのはタイムで有名なタイムインクです。タイムインクは三桁を越える雑誌タイトルを持っているそうで、All Youもその一つというわけです。月刊で、公称では50万部を発行しているとか。立派な一般雑誌です。
ターゲット読者はウォルマートで買い物をする中流階級の女性、内容は十分に読み応えがあるものなのですが、価格が1.97ドルと非常に安い。

 タイムインクがウォルマートと組んだ理由はいくつかあるのですが、1つはやはりウォルマートの販売力と物流力。全米雑誌シェアのなんと15%を占めているそうで、PB作っても十分なボリュームを期待できるわけですね。
allyou2.jpg

また当然広告も期待できる。2つ目の写真はフルーツ・オブ・ザ・ルームの下着の広告ですが、よく見ると左下に、ウォルマートだけで買えますと書いてある。この広告は'ウォルマートだけです'タイプですが、普通に'ウォルマートで買えます'と書いてある広告は一杯掲載されています。単純に雑誌のメディア効果を期待しての広告か、はたまたウォルマートとのおつきあいで出しているのかは、ちょっとわかりません。

鈴木敏仁 (07:18)


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2006年5月10日
ウォルマートが広告のネットエクスチェンジ設立を呼びかけ

ウォルマートを筆頭とする大手企業10社が(HP、マイクロソフト、フィリップス、トヨタのレクサス等)、全米広告主協会(ANA, Association of National Advertisers)主催のカンファレンスで、広告のネットエクスチェンジの設立を呼びかけました。

大手広告主から予算5000万ドルを集めて、エクスチェンジの実験を行う、ANAを母体として運営委員会を設立する、といったことを、ウォルマートのマーケティング部門の上級副社長がスピーチしたようです。

ここで言うメディアとは主にテレビのことで、要はコマーシャルの売買をネットでやろうじゃないか、ということです。
この分野の仕組みは40年以上前にできあがってそのまま何の変化も無く来た、ブラックボックスの多い領域である、もっと透明なものに改革しようじゃないか、ということです。

フォワードオークション;つまり複数の広告主が広告在庫にビッドすする、逆のリバースオークション;つまり複数のメディアが広告主の呼びかけでビッドする、という典型的な2つの取引を想定しているようです。
またEベイが取引プラットフォームのスキームをプレゼンした模様。

なるほど・・・広告にもエクスチェンジが適用できるかもしれないわけですねえ。これをウォルマートが引っ張っているところが、さらに興味深いです。

鈴木敏仁 (07:19)


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2006年5月 9日
ディズニーとマクドナルドの戦略的関係の変化と、肥満問題

 マクドナルドでディズニーのプロモーションを目にする、こんな光景は米国ではもはや当たり前なのですが、これが今年の末限りで見られなくなるようです。10年間の契約が今年末で終了するが、契約延長をしなかったそうです。完全に両社が袂を分かつわけではないようで、若干販促は残るようですが、今までのような契約ではなくなった。
 マクドナルドはすでにドリームワークスと新たな契約をしていて、シュレック3を店内販促するプランがすでに進 んでいるとのこと。

 さてこれをわざわざ今回俎上に上げたのは、昨日のLAタイムズが、子供の肥満問題から、ディズニーがマクドナルドから離れることを決めた、という業界関係者の話をメインに据えていたからです。つまり、イメージ問題によって、ディズニーがマクドナルドから離れた、ということです。
 両社ともに公的には否定していますので、真偽のほどは定かではありません。

 ディズニー自体がパーク内でフレンチフライを売っているわけだから、説得力はあまりない。ただマックのイメージが過去ほど輝いていないことは確かではあります。

 火の無いところ噂は立たないと言われますが・・・いずれにしてもそういう話が出てくるほど、米国の肥満問題は深刻化しつつあるということです。

鈴木敏仁 (05:33)


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2006年5月 8日
ウォルトン家の資産

あまり知られていない話ですが、もしサム・ウォルトンが生きていたら、彼の資産はビル・ゲイツを大きく上回っていました。

フォーブスによるランキングを参考にすると・・・

1位:ビルゲイツ、$51,000
6位:クリスティ・ウォルトン、$15,700
6位:ジム・ウォルトン、$15,700
8位:ロブソン・ウォルトン、$15,600
9位:アリス・ウォルトン、$15,500
10位:ヘレン・ウォルトン、$15,400
(数値単位は100万ドル=ミリオン)

ウォルトンファミリーの総計は$93,800で、ゲイツのおよそ2倍弱ということになります。
我々は世界で一番の金持ちはゲイツだと思いこんでますが、ファミリー単位で見ると実はウォルトン一家の方がダントツでトップなわけです。もしサム・・ウォルトンが今も生きていたら、ゲイツを大幅に上回る大変な資産家となっていたんです。

鈴木敏仁 (07:49)


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2006年5月 8日
「ウォルマートのオーガニック強化とそのインパクト」Vol.10,No.19

アメリカ流通eニュース

 ウォルマートがダラス郊外にアップスケール市場向けの実験店をオープンした。販売革新に取材記事を書いたので、詳細はそちらをお読みいただくとして、今回はこぼれ話ということで、ウォルマートとオーガニックについて書きたい。この新店で500アイテムのオーガニック商品をアソートして実験しているのだが、メディアにとってはよほどインパクトが強かったのか、しばらくこのネタが踊った。
 その議論の内容を中心にして、SM業界におけるオーガニックというカテゴリーについてまとめる。

<これ以降の内容に興味のある方は、アメリカ流通eニュース(有料)をご購読下さい。>

鈴木敏仁 (07:42)


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2006年5月 5日
アイスコーヒー市場の可能性

 アイスコーヒーを飲む習慣というものを、アメリカ人はずっと持って来ませんでした。あんなおいしいものをなんで飲まないんだろうと思うのですが、こういう場合、だいたいメーカーの存在がその理由になると私は思っています。つまり売れると見込んで商品を導入する飲料メーカーがアメリカには存在しなかった、ということです。
 例えばアメリカでは洗濯物を物干し場で乾かすという習慣がまったくありません。これは、乾燥機が世帯に普及しきってしまったからであり、普及させたのはGEなどのメーカーに他なりません。だって、乾燥機というものが発明される前は、アメリカ人も洗濯物を外に干していたはずなんですから。
 干すという習慣をなくさせてしまうほど普及させたわけですから、メーカーの販促の勝利としか言いようがありません。

 最近になってようやくアメリカ人もアイスコーヒーを飲み始めました。仕掛けたのはスターバックスです。スタバはアジア商圏進出にあたって市場を調査し、アイスコーヒーなるものが売れていることを知って、これはチャンスがあると感じていた。そしてペプシと組むことで缶入りと瓶入りコーヒーを導入して成功した。店頭でも夏場になるとアイスコーヒーが飲めるようになりました。
 つまりアメリカではスタバがアイスコーヒーを飲む習慣を作った、ということになるわけです。DSCF3745.jpg

 右の写真は、ダラスのセントラルマーケット(HEバット)で見つけた缶コーヒーです。スタバのダブルショットとならんで、2つ別のアイテムが並んでいる。現状ではダブルショットはほとんどのスーパーマーケットやドラッグストアが品揃えしてますが、他の2つは珍しい。スペシャリティ型フォーマットならではと言えるのですが、3アイテム並べている企業は数が少ないでしょう。

 アメリカの缶コーヒー市場はまだまだ未成熟でして、これから浸透するにつれて日本のように商品が増えてくるだろうと思っています。

鈴木敏仁 (06:16)


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2006年5月 4日
ファミマ!!に行ってきました

DSCF4000.jpg 3月末にオープンしたトーランスのファミマにようやく行ってきました。平日に通る道沿いにあって、毎日通り過ぎながら行かねば行かねばと思っていたのです、行く暇がありませんでした。ウェストハリウッド、サンタモニカ、ウェストウッドとオープンし、今回は4店舗目になります。

 店内はかなり凝っていて、おそらく建築コストは普通のコンビに比較するとかなり高いことでしょう。家賃はどうなのでしょうね。ウェストハリウッドに関しては伝え聞くに結構高いリースのようですが、今回はどちらかというとさびれたストリップセンターですから、それほど高いリースではないかもしれません。
 マーチャンダイジングは日本の商品をメインに、かなりとんがったスペシャリティ商品を配している、というイメージです。価格は全般的にかなり高めです。

 さて印象ですが・・・苦労しそうですねえ。

 このフォーマットはまさにスペシャリティ型です。カミソリのように非常に鋭い狭い領域のフォーマットです。
 確かに日本食はアメリカでかなりポピュラーなものとなってきていますが、アメリカ人の日常の食生活に必要というものではありません。ニーズではなく、ウォンツで買われるものです。そしてこのスペシャリティ型は通常、商圏人口がある程度多くなくては成立しません。ホールフーズやブリストルファームが普通のスーパーマーケットのようにたくさん作れない理由がこれですね。
 しかしファミマは大きめな商圏を必要とするこのスペシャリティ型を、コンビニという小商圏で成立させようとしているわけで、つまり理論上は非常に難しいことにトライしているということになるわけです。

 前回の記事で書きましたが、ニーズを基盤としていない以上、必要なものはストーリーとなるでしょう。ファミマがお客にとって何なのか、どういうライフスタイルを支援できるのか、といったメッセージが必要となる。ではマーケティング技術を駆使してなんらかのストーリー作りを試みているのかというと、今のところはそういう話は聞いていません。

 ちなみに、言ってみれば、いま日本で韓国がブームですが、韓国食材のコンビニが日本にできたようなもので、そう考えてみても、簡単ではないなということが分かるでしょう。

 普通のアメリカのコンビニにはない試みが一杯あっておもしろいなあという気はするし、日本の企業にはアメリカでぜひ頑張ってほしいのですが・・・。ちょっとアメリカ人には先鋭すぎるかもしれない。商売というものはとんがりすぎているとダメなもので、半歩くらい先に行くくらいがちょうどいい。
 もう少しメインストリームへと軸足を移すといいかもしれませんね。つまり例えばHBCにまで日本の商材をおいているが、これを普通のアメリカの日用必需品とするなど、アメリカ人が日常必要とする商材(またはサービス?)をもう少し増やす。これでまずは来店客を獲得し、その上でとんがった商品はついで買いしてもらう、ということを考えたほうがいいかもしれません。

鈴木敏仁 (03:06)


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2006年5月 3日
ウォンツを売るために必要なもの、「ストーリー」

ギャップのCEO、ポール・プレスラーが某誌で、アパレル専門店にはストーリーが必要だと、語っていました。彼はディズニーショップの拡大時に功績のあった人なのですが、ディズニーショップにもストーリーが必要で、そういう意味ではアパレル専門店も変わらないということを言おうとしたものでした。

このことはアパレルに限らないでしょう。

商品はすべからく、ニーズとウォンツに分類できると私は思うのですが、ウォンツを売るには必ずストーリーが必要となる、と私は思います。

例えばサプリメントはウォンツで売れるものです。日常生活に必要な消耗必需品ではありません。
だとしたら、棚に並べてPOPをつけるだけでは、売れる量は限られる。
ストーリーがあって、はじめてお客はいっぱい買う。

例えば いま私が注目している新しいドラッグストアコンセプトであるエレファントファーマシーのように、セミナーをやるとか、ヨガ教室を設定するとか、そういうものがあってはじめてお客はその店を信頼し、価格が高くても買うようになるわけです。

例えばアパレルの中でも、実用アパレルはニーズで買われる領域ですから、ストーリーはいらない。
でも実用アパレル以外をしっかり売るためには、すべからくなんらかのストーリーが必要となります。

そして日本のGMSのアパレルは、このストーリーを持っていないのが根本問題なんじゃないかなと。

シアーズのアパレルもストーリーが無いため、いつまでたってもダメなまま。
JCペニーはいま一生懸命ストーリーを作ろうとし、なかば成功し、業績が上向きました。

このストーリー作りとは、視点を変えるとブランディングと言う事ができ、さらにマーケティング活動の一形態と言う事がます。

リテールとはマーチャンダイジングビジネスであり、マーケティングという発想から程遠いビジネスです。良し悪しは別として、バイヤーの基本的なマインドは、いい商品さえ置けば売れるんだ、というもので、商品以外の外的要因で売るという発想をあまり持ちません。

とりわけ感度を重視する必要のあまりない食品やドラッグといったビジネスには、マーケティングなんて必要ないって思っている人も多いことでしょうが、しかしながら、例えばトレーダージョーズはかなり意識してストーリーを作ってきたし、ホールフーズにも強烈なストーリーがある。だから繁盛している。

食品日用品にしても、ウォンツタイプのカテゴリーや商品を売るためには、ストーリーが必要だと思います。そしてこのストーリーを創造してウォンツを売ることこそが、ニーズタイプのカテゴリーや商品で価格競争しながら、全体で利益を上げてゆくカギなのだと考えています。

鈴木敏仁 (03:46)


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2006年5月 2日
日米商品展示会の相違と流通集約度

DVC00020.jpgちょっと硬いタイトルとなってしまいましたが・・・。

前回の日本訪問時、偶然日程が合ったこともあって、3月17日に大手食品卸の加藤産業さん主催の展示会に足を運びました。
正直言うと日本での展示会ははじめてだったので、とても参考になりました。
アメリカのやたらお金をかけた派手なもの比べると質素なのですが、必要な機能にシェイプした感じで、とても好感を持てました。
卸主催の展示会としては歴史が非常に長いとのこと、参加人数も相当数なようです。

卸が主催する商品展示会は、アメリカにはたぶんないでしょう。ほとんどが業界団体が主催します。FMIが典型例です。

しかしこの協会主催型は、とくにCPG業界ではここ数年下火となりつつあります。理由は簡単、リテーラーの集約と、メーカーの集約によって、一堂に会してのマーケッDVC00034.jpgトが必要なくなってきてしまった。

逆に大手リテーラーが開催するケースが増えてきています。ウォルマートは新たなベンダーを発掘するために2日間の展示会を毎年開催していますし、HEバットやクローガーなど開催する企業が多い。

つまり一堂に会する場が、リテーラー側に寄って行ってしまっている。

一方日本の場合、メーカーもリテーラーもアメリカのような上方集約が発生していませんから、どうしても真ん中にそういう機能が必要となる。

両国の流通業界の特徴を現しているような気がしています。

鈴木敏仁 (02:55)


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2006年5月 1日
外人は西友を復活させられるか

ウォルマートの日本法人となった西友の社長は、カレジッスキーというウォルマートから来ている人物です。
彼が外国人として西友を復活させられるのか、私は非常に興味を持っています。

さて、前回の日本訪問時に某メーカーさんから伺った話によると、商品部長がASDAから来た人になったとのこと。カレジッスキーはキーマンを外人で埋め始めました。

いやはや、私が最も懸念していたことなんです、これ。
たぶんこれやりすぎると、外人部隊はどんどん浮いていってしまう。

日本で成功している多くの外資企業を見て欲しい。経営層にどれほどの外人が日本に来ているか。

カルロス・ゴーンが日産を任されたとき、本国から経営陣を連れてきたか。
バレンタインがロッテを任されたとき、コーチ陣を本国からつれてきたか。

外人経営者として必要なことは、いかにモチベーションをあげるかにつきます。
細かく細かく管理することを英語でマイクロマネジメントといいますが、現地に不慣れな人間がこれやるとだいたい失敗します。

ということで、西友の復活はまだ時間がかかりそうだなと感じてしまいました。

ちなみに、ゴーンはフェアレディZを日産復活のシンボルとした。
気持ちが負けていた社員が、これによって燃えた。

今後西友も、社員が一丸となれるシンボルが必要でしょう。
さてカレジッスキーはそれを見つけることができるでしょうか。
というよりも、そういうシンボルを見つけることが重要であることを、彼が気づいているかどうか・・・。

鈴木敏仁 (08:17)


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2006年5月 1日
「存亡の危機にあるミルズ、その真相は?」Vol.10,No.18

アメリカ流通eニュース

 ミルズという大型ショッピングモールをご存知の方も多いことと思う。買い物とエンターテイメントをミックする'ショッパテイメント'というコンセプトをモールに持ち込んだパイオニアだ。この企業が今存亡の危機にある。その経緯についてまとめておこう。

<これ以降の内容に興味のある方は、アメリカ流通eニュース(有料)をご購読下さい。>

鈴木敏仁 (07:38)


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