ギャップのCEO、ポール・プレスラーが某誌で、アパレル専門店にはストーリーが必要だと、語っていました。彼はディズニーショップの拡大時に功績のあった人なのですが、ディズニーショップにもストーリーが必要で、そういう意味ではアパレル専門店も変わらないということを言おうとしたものでした。
このことはアパレルに限らないでしょう。
商品はすべからく、ニーズとウォンツに分類できると私は思うのですが、ウォンツを売るには必ずストーリーが必要となる、と私は思います。
例えばサプリメントはウォンツで売れるものです。日常生活に必要な消耗必需品ではありません。
だとしたら、棚に並べてPOPをつけるだけでは、売れる量は限られる。
ストーリーがあって、はじめてお客はいっぱい買う。
例えば いま私が注目している新しいドラッグストアコンセプトであるエレファントファーマシーのように、セミナーをやるとか、ヨガ教室を設定するとか、そういうものがあってはじめてお客はその店を信頼し、価格が高くても買うようになるわけです。
例えばアパレルの中でも、実用アパレルはニーズで買われる領域ですから、ストーリーはいらない。
でも実用アパレル以外をしっかり売るためには、すべからくなんらかのストーリーが必要となります。
そして日本のGMSのアパレルは、このストーリーを持っていないのが根本問題なんじゃないかなと。
シアーズのアパレルもストーリーが無いため、いつまでたってもダメなまま。
JCペニーはいま一生懸命ストーリーを作ろうとし、なかば成功し、業績が上向きました。
このストーリー作りとは、視点を変えるとブランディングと言う事ができ、さらにマーケティング活動の一形態と言う事がます。
リテールとはマーチャンダイジングビジネスであり、マーケティングという発想から程遠いビジネスです。良し悪しは別として、バイヤーの基本的なマインドは、いい商品さえ置けば売れるんだ、というもので、商品以外の外的要因で売るという発想をあまり持ちません。
とりわけ感度を重視する必要のあまりない食品やドラッグといったビジネスには、マーケティングなんて必要ないって思っている人も多いことでしょうが、しかしながら、例えばトレーダージョーズはかなり意識してストーリーを作ってきたし、ホールフーズにも強烈なストーリーがある。だから繁盛している。
食品日用品にしても、ウォンツタイプのカテゴリーや商品を売るためには、ストーリーが必要だと思います。そしてこのストーリーを創造してウォンツを売ることこそが、ニーズタイプのカテゴリーや商品で価格競争しながら、全体で利益を上げてゆくカギなのだと考えています。
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