2009年3月31日
[メイシーズ] 役員に対するストックオプションの査定方法を変更

メイシーズがストックオプションの査定の仕組みを変えました。満額でもらうためには株価が上昇しているだけではなく、ベンチマークする競合10社の株価を上回っていなければならないというもの。

詳しく言うと、2011年に自社の株価がベンチマーク10社中の上位3分の1に入っていれば100%、3分の2から真ん中までだったったら75%、中間以下だったらゼロ、となってます。

ベンチマーク対象企業は、ディラード、ギャップ、JCペニー、コールズ、リミテッド・ブランズ、ノードストロム、シアーズ・ホールディングス、ターゲット、TJXカンパニーズ、ウォルマート。


株主利益と経営者利益をシンクさせようとするストックオプションのバージョンアップ版といったところでしょうか。評者のコメントはおおむね好意的でこれからこの仕組みを取り入れる企業が増えるだろうと語る人もいました。


でも、経営を短期的に取り繕うとする傾向が強まるような気がして、どうも諸手を挙げて賛同できないというのが率直な感想です。

鈴木敏仁 (02:14)


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2009年3月30日
[ビッグY] セイフウェイのPB"イーティングライト"を販売

セイフウェイが大成功しているPB、Oオーガニックとイーティングライトを他のチャネルでも販売する戦略に取り組んでいることを昨年エントリーしました。
[セイフウェイ] プライベートブランドのチャネル拡大戦略

東海岸のビッグYというスーパーマーケットが昨年12月にイーティングライト64アイテムを導入、結果が良いのでこの5月に100アイテムに増やすプランを持っていることが分かりました。
ビッグYの本社はマサチューセッツ州スプリングフィールド、30店舗程度のローカルチェーンです。

昨年、マリオット系ホテルのフロント横のコンビニエンスストアのフローズンにOオーガニックがあるのを見つけまして、つまり小売チャネル以外ではすでに売られているのですが、小売ではどうやらこのビッグYが最初のようです。

この地域にセイフウェイが店を持っていないことと、ビッグYが自社でオリジナルPBを開発できるほどの規模ではないことが、この商品を取り扱える要件になっているのでしょう。


すでにエントリーしたとおり、セイフウェイによるベター・リビング・ブランズ・アライアンスにはブローカーのクロスマークが参加してます。つまりビッグYで売られているイーティングライトの店頭支援はクロスマークが実施しているわけで、そのコストはルサーンが負担するわけです。プロモーションなどの販促活動も実施されるでしょうが、その流通販促金もルサーンが出すのだろうと思います。

小売企業が小売企業に商品を卸すとどうなるのか、背景の商流や物流についていろいろ考えを巡らせてしまいますね。

鈴木敏仁 (12:30)


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2009年3月27日
[ゲームストップ] 増収増益で高い成長率をキープ

今日はベストバイの好調決算が紙面を賑わしていたのですが、あえて注目しているゲームストップを俎上に上げます。ベストバイと同じ昨日に業績が発表されたのですが、非情に高い成長率を記録しています。

とりあえずまずはベストバイ、第4四半期の売上高成長率は10%、最終利益高成長率は23%減、既存店成長率は4.8%減でした。利益高の大幅マイナスはリストラコストの計上によるもので、特別損失を除くと7%程度のマイナスとなります。増収減益、既存店成長率もマイナスなのですが、市場予測を上回る数値だったため紙面を賑わしてます。

通年では、売上高は12.5%増、最終利益高は23.7%減、既存店成長率は0.2%減でした。


さてゲームストップです。売上高24.1%増、最終利益高38.2%増、既存店成長率は12.3%増で、この景気悪化という経済環境の中、ずば抜けた数値を残しました。また今年度の見通しは、売上高10縲鰀12%増、既存店成長率4.0縲鰀6.0%増と昨年度と比較すると若干保守的なものの、相変わらず高い成長を見込んでいます。
2008年度の新店数は、ヨーロッパのマイクロマニアの買収店舗も含んで1,002店舗と4桁に達しています。

同社のビジネスモデルのユニークさは、新品販売と中古販売がうまく同居している点にあります。これに加えて、5,000という店舗網によるコンビニエンス性と、店員のほとんどがゲームマニアという高いサービスレベルと、この3つがうまくかみ合っている。

この企業、いましばらくは成長し続けることでしょう。要注目だと思ってます。

鈴木敏仁 (01:27)


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2009年3月26日
[インディテックス] 年内にもギャップを上回る可能性

インディテックスはザラを展開するスペインの衣料専門店チェーン。08年度の売上高が141億ドルとなって業界1位ギャップの145億ドルに肉薄していることを本日のウォールストリートジャーナル誌が報じています。
インディテックスの今年の新店予定数は370縲鰀450店舗、ギャップのプランは50店舗。09年度のギャップは減収でしたし、この成長率の違いを考えると高い確率でギャップは1位の座から滑り落ちるのではないでしょうか。

衣料専門店チェーンは米国企業が中心的な存在を占めてきましたが、環境は大きく変化しつつありますね。


紙面で興味深いコメントがあるので拾います。

「イケア、リドル、ウォルマート、テスコ、ザラ、H&M、彼らは過去20縲鰀30年間、いつも同じ釘を打ち続けている」(ラース・オロフソン、カルフールCEO)
同じ釘を打つという意味は、ぶれないスタンスのことを言おうとしてます。

「現在の経済環境においても旧来のポリシーにこだわっている。店舗で重要なのは正しいファッションで、価格は重要だが2番目だ」(マルコス・ロペス、インディテックス資本市場担当部長)


つまり景気が良かろうと悪かろうと、同じことを繰り返しているだけだということです。
右往左往しない
優良企業に共通した方程式です。

鈴木敏仁 (10:52)


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2009年3月25日
[ピア1インポーツ] 3年連続の赤字を計上

ピア1インポーツが08年度の決算短信を発表、売上高は前年比12.6%減の13億2,000万ドル、最終利益高は1億2,900万ドルの赤字となることがわかりました。これで3年連続の赤字の計上、また一昨年度から35%近く増えていて、減収減益の度合いが悪化してます。既存店成長率は第4四半期はマイナス9.7%、通年の数値の記載はありませんでした。

短信では80店舗近い閉鎖を示唆しています。ちなみに総店舗数は一昨年度末の時点で1,117店舗でした。
また資本増強のために、海外の関連企業による7,900万ドル分の転換社債購入プランがあることが記されています。


もうずいぶん長いこと数値が悪く、いつ破綻してもおかしくないと思っているんですが、この短信発表の数日後に証券アナリストによるポジティブなコメントがあったりして、株価は若干上昇しつつあります。資本増強プランを好感したということでしょう。ただし依然1ドルを割り込んでいて、上場廃止のリスクを抱えてはいるんですが。

期末のフリーキャッシュフローは400万ドルで、この4年ぐらい減り続けてます。また10億ドルを超える年商規模で400万ドルというキャッシュはかなり少ない。


資金繰りという観点では、カギを握っているのはベンダーでしょうね、たぶん。
またマーチャンダイジングが飽きられてしまったという根本的な課題を抱えていますから、これをどう変えていけるのかもこの企業の生き残りのカギです

鈴木敏仁 (02:00)


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2009年3月23日
[バイロー] 連邦破産法11条を申請して倒産

サウスカロライナに本拠を置くリージョナルスーパーマーケットのバイローが連邦破産法11条の適用を申請し倒産しました。GEキャピタルから1億ドルのローンを手当てしており、再建に向けて営業を続けるとしています。

資料を読むに、倒産の直接の原因は今週返済期限の債務(3億6,000万ドル)にデフォルトしたことにあります。営業利益は出しているようですが、ここ数年利益がどんどん減っていて、手持ちの資金がショートし、金融機関も金融収縮で借り換えに応じなかったということのようです。


このバイロー、もとはアホールドUSA傘下でした。バイアウト企業が数年前に買収していたのですが、同じようにアホールドはブルーノというスーパーマーケットを売却していて、こちらも数週間前に倒産しています。

結果的には、そして金融的な表現を使うならば、アホールドは非常にうまく出口を見つけて売り抜けたということになります。

定期的に、そして確実にキャッシュをもたらすスーパーマーケットはドラッグストアと並んでなかなか倒産しないものなので、やはり時代を感じますね。


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追記)月曜日にアメリカへ戻る予定でしたが、空港の事故で滑走路が使えなくなり飛行機が飛ばず、いまだ日本にいます。アップデートが不規則になってしまい大変申し訳ありません。たぶん今日は飛ぶのではないかと思うので、明日からはアップデートのリズムが戻ると思います。

鈴木敏仁 (09:38)


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2009年3月21日
[アルディ] ビューティケアラインの投入

前々回に続いていアルディのネタです。
低価格帯のビューティケアラインを投入するとフロリダのローカル紙が報じました。
リップスティックが2ドル以下、クレンザーが2.99ドルなど、格安の価格帯でバーゲンショッパーを狙う。アルディは、ヨーロッパでは大成功しており、アメリカでもロレアルやオレイと競合するとコメントしてます。


これはよく考えると驚くべき戦略だなと思います。
アルディはグロサリーストアですからね。

日本にもリミテッドアソートメントストアを志向している企業は少なからず存在しますが、コスメで格安PBを開発しようという企業は皆無じゃないでしょうか。
大手メーカーにしても低価格帯ビューティ市場にはほぼ興味を示しません。でも実は大きな市場なんですよね。景気が悪化して先行き不透明となって、これから市場は拡大もすることでしょう。

アルディ、やはりすごい企業だと思います。

鈴木敏仁 (06:26)


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2009年3月20日
講演の御礼

今回は講演を二回させていただきました。一つ目は某スーパーマーケット企業さんの店長会議でのセミナー、二つ目はニューフォーマット研究所の勉強会でのセミナー。

私めの講演をお聞きいただいた皆様に、この場を借りて御礼を申し上げます。
おかげさまで二つとも好評をいただきまして安堵しているのですが、とりわけ二つ目の方で強い反響をいただきました。講演後の懇親会で「今日はよかった」とたくさんの方からお声をかけていただきまして、そうやって直後にポジティブなフィードバックをいただくというのは非常にうれしいもので、また今後の励みにもなります。

テーマは売り場の話でして、簡単に言ってしまえば、もっと効率をあげるため工夫しよう、自社のメッセージをこめよう、というものでした。
筋書きのようなものはあまりなくて、最近自分が強く思っていることをとりとめもなく話しただけなのですが、皆さんここに大きな課題を抱えていて、そこに私の話が響いたのかななんてことを思っています。


日本の小売業は戦後ずいぶん進化して、アメリカから100%丸ごと学んで済むというレベルではもはやありませんね。アメリカが日本から学んだ方がいい点すらいまやたくさんある。
その中で何が参考になるのか、アメリカの小売業の現場でピンポイントで探して焦点を当てて、日本の小売企業の皆さんに例示させていただく。この作業が私の仕事ということになります。


これからもいいテーマを探せて掘り下げていければなと思っています。

鈴木敏仁 (03:55)


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2009年3月19日
[アルディ] 1,000店舗目を来週オープン

昨年中に1,000店舗目をオープンすると言っていたので、すっかりもう4桁超えているのかと思っていたのですが、実はまだだったようです。
コネチカット州のウェストヘブンという地域で、来週中に1,000店舗目をオープンするという発表がありました。

目立つことを嫌う企業であまり表面に出てこないのですが、着々と店舗を増やし続けてます。来年中にはダラスにも進出しますね。
要注目企業の筆頭だと個人的に思ってます。

鈴木敏仁 (08:20)


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2009年3月16日
[ウォルマート] グレートバリューのリニューアル版を公開

ウォルマートは昨年中にプライベーブランドのグレートバリューをオーバーホールしてリニューアルすることを公言し、春先には導入を開始するとしていたのですが、ようやく新パッケージが公開されました。

長いこと使ってきたパッケージが完全に変わり、非常に新鮮です。
中身もかなり見直したみたいですね。新商品も80アイテム投入されるようです。
3月初旬から投入を開始し徐々に入れ替えて行き、5月末までに導入を終了するそうなので、店によっては棚にもう並んでいるのかもしれません。


私が感心しているのは、この時期にリニューアルを済ませて投入を開始すると言うスピード感です。いままさにPBに追い風が吹いているのですが、これをずいぶん前に見越してリニューアルに着手しこの時期に投入を開始してしまう。
ウォルマートらしいと思ってます。

鈴木敏仁 (10:15)


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2009年3月16日
[ロウズ] カナダとメキシコを強化、ホームデポと海外競合

ホームセンター業界2位のロウズが、年内にもカナダとメキシコで7店舗をオープンさせる出店プランを発表しました。
カナダには昨年7店舗を開店して現在12店舗ですからこれで19店舗に、メキシコへは2009年に進出することを表明していたものです。

カナダとメキシコは地続きですから海外と言ってもアメリカにとってはそれほど大げさなものではありません。
ただ両国ともにホームデポがすでに進出していまして、つまり両社がアメリカの上下を挟む外国でも競合を始めている点に興味が引かれました。ウォルマートも出てますから、ハードウェアカテゴリーではウォルマートとも競合するわけですね。
ちなみにホームデポはカナダに176店舗、メキシコには74店舗を持っています。


今年度のロウズは新店プランは120店舗、もともと140店舗だったので20店舗の削減なのですが、しかしそれでも120店舗を開けるというわけです。
この景気悪化の時期に強気ですね。ホームデポの新店予定数が12店舗ですから、余計に目立ちます。

鈴木敏仁 (12:09)


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2009年3月13日
[ウォルマート] ブライアン・コーネルがサムズのトップに

クラフト専門店チェーン、マイケルズのCEOブライアン・コーネルがダグ・マクミロンの後釜としてサムズのトップに就任する人事が発表されました。


これはとても深読みしたくなる人事です。

コーネルはもともと北米ペプシにいたひとなのですが、98年にセイフウェイに移ってマーケティングの責任者となり、その後マイケルズに移籍していました。
セイフウェイではメーカー視点でのマーケティング手法の移植に注力し、同社の現在の成功の基礎を作り上げた一人として評価が高い。


この人がサムズのトップになるという意味は何なのか。

ウォルマートがサムズのマーケティングのオーバーホールを考えているという理由が考えられる。本体はターゲットから来たジョン・フレミングがてこ入れして成果を出していますが、サムズはあまり変わっていませんから。

もう一つは、ウォルマートはサムズのトップをステップアップの試金石として見ているところがありまして、サムズでのコーネルの手腕次第では将来的には本体で活躍してもらおうと考えているのかもしれない、と深読みすることもできる。フレミングはいま商品部の責任者ですから、将来的なマーケティングのトップとしてコーネルを考えている可能性もあります。

いずれにしましても、非常に興味深い人事です。


ところでもう一つおもしろいのは、CEOが抜けるマイケルズが次の経営者として、元ウォルマートのジョン・メンザーを抜擢したニュースが同時に発表されている点です。一見するとウォルマートとマイケルズが人材を交換したような感じがしますよね。

マイケルズはバイアウトされて非公開となった企業ですが、この人事からは再上場を考えている可能性が匂ってきます。メンザーはもともとウォルマート本体のCFOだった人ですが、ウォール街受けが良くて、国際部門の責任者として異動したのも当時ちょうど海外活動を拡大しようとしていた時期で新たな資本調達を必要としたからでした。
マイケルズを買収した投資企業が彼に白羽の矢を立てた理由が透けて見えてくるというわけです。


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【追記】
本日から日本へ出張となります。目的は某小売企業の店長会議とニューフォーマット研究所と、二カ所での講演です。
これから一週間ほどアップデートが不規則となりますがご容赦ください。

鈴木敏仁 (08:01)


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2009年3月12日
[フレッシュ&イージー] 販促プログラムを変更、チラシ頻度をウィークリーに

フレッシュ&イージーのチラシ配布の頻度は従来3週間に1回、または2週間に1回で、この間に補完的に1ページのチラシを不定期に発行する、というパターンでした。これが先週からウィークリーに変更されました。
またチラシやニュースを電子メールで配布することも開始、3ヶ月間で4万5,000人が登録し、現在も毎週5,000人の新規登録者が増えているそうです。

先月末に「CEOが戦略の誤りに言及」という記事をエントリーしました。今回の変更はそのときの文脈に沿ってます。
つまり、"アメリカ人は価格プロモーションが大好きだ、EDLPがうまく機能していない"から、価格販促を強化しようとなった。


ただこうすることで、フレッシュ&イージーが求めていたビジネスモデルが崩れてゆく可能性があります。
崩れたら、ただのミニスーパーとなってしまう。

この企業、試行錯誤が続いています。

鈴木敏仁 (12:16)


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2009年3月11日
[クローガー] スーパーマーケット業界に吹く追い風

クローガーが昨年度の業績を発表しました。売上高は8.2%増、最終利益高は5.8%増の増収増益、ガソリンとリロケーションストアを除く既存店成長率5.0%増と、非常に好調な決算を記録しました。

外食をやめて内食傾向が強まっているという業界に吹いている追い風を受けつつ、コストコントロールと好調なPBが好調に寄与したとしています。

バランスシートによると販売管理費率は19.7%となってます。この企業、2005年に20%を割り込んで、一昨年度に20.2%にあがったものの、再び20%を下回る数値に落としました。ウォルマートが18.9%ですからわずか1%しか差がない。
これはつまり、ウォルマートとの価格競争力を持っているということを意味しています。
コストコントロールを好調の理由とする裏付けは十二分にある。

またウォルマートの販売管理比率は2004年以来上昇傾向にありまして、この傾向が続くとかなり近い将来逆転する可能性もあるかもしれません。


ハイライトしたいのはPB、第4四半期の結果しか出ていないのですが、売上高の27%、売れ個数の35%を占めていたとのこと。この数値はヨーロッパやカナダのスーパーマーケットの数値に近い。しかも低価格帯だけではなくてNBと同等レベルのプライベートセレクションも好調とのことで、一昨年あたりから強化してきたPB戦略が実を結び始めている印象があります。


ここ10年ぐらいスーパーマーケットは典型的な低成長業界だったのですが、俄然状況が好転してきたという印象が強いですね。

鈴木敏仁 (01:51)


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2009年3月10日
[CVSケアマーク] インストアクリニック90カ所を一時的に休業

CVSケアマーク傘下のミニットクリニックが90カ所の営業を一時的にストップします。季節要因によるとのことで、つまり需要のあるハイシーズンは営業し、需要がなくなったら休業するという、需要によってオンオフするモデルというわけです。
次にオープンさせるのはインフルエンザシーズンとのことなので、秋口になるようです。
ちなみに全クリニック数は550カ所なので、全体の16%程度に相当します。


このモデル、効率的とも言えるし、オフィススペースを占拠しているわけだから稼働していない期間が無駄にもなるし、よく分かりません。
インストアクリニック自体がまだ完全に受け入れられたというわけでもなくて総体としてまだまだの感が強く、たぶん外来が少ないクリニックもまだ一杯あって、その一部について季節営業でしのぐということのような気がします。これから患者数が増えてきたら、この季節営業はやめるんじゃないでしょうかね。


ただ病気の需要によってクリニックの営業をオンオフするなんて、日本では考えられないんじゃないでしょうか。

鈴木敏仁 (10:37)


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2009年3月 9日
[ホールフーズ] FTCと和解、買収後の長い法廷闘争を終結

ワイルドオーツ買収後に発生していたホールフーズとFTC(連邦取引委員会)の軋轢が、和解によってようやく終結しました。

そのの内容は、すでにクローズされている19店舗と営業中の13店舗のトータル32店舗を売却するというものです。前者のうち10は買収前にワイルドオーツによって、残りの9つはホールフーズによって閉められた店舗です。売却は第三者としての受託機関によって執行され、12ヶ月間の期間が設けられています。
ホールフーズに課された債務は店舗売却とこの受託機関に対する支援の2つだけとなっています。


13店舗の売却による損失計上の見込額はおよそ1900万ドル、09年度第1四半期における売上高は3100万ドルで、これは総売上高の1.3%に過ぎません。

FTCはステートメントにおいて、「買収によって減じられた競合が、この店舗売却でかなり修復されるだろう」とコメントしているのですが・・・。

閉鎖店舗が半数以上を占めていて、売却店舗の売上高が全体のわずか1.3%に過ぎないという結果を見る限りにおいては、これで競合がどうのこうの言うことに現実感はきわめて乏しい。客観的に見てホールフーズに有利な結果で終わったとしか言いようがないんじゃないでしょうか。

プレスリリースでいつも強気のジョン・マッケイは、終わってよかったという穏当なコメントしかしておらずあまりおもしろくないのですが、勝利宣言してもおかしくないように思います。


買収成立は2007年8月ですから、ずいぶん長いことFTCは無駄な税金をつぎこんだということになります。

鈴木敏仁 (10:40)


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2009年3月 6日
[アマゾン] 中古ビデオゲーム市場に参入、ゲームストップと競合か

amazonアマゾンが中古のビデオゲーム市場に参入することを発表しました。サイト上ではすでにサービスが稼働しています。

仕組みはというと、自分が持っているタイトルをサイトで探して買い取り価格を確認、商品を箱詰めして送る(ミニマム10ドル分、サイトで印刷した宛先ラベルを使うと送料無料)、買い取り金額はギフトカードとしてアカウントにクレジットされる、となってます。

このサービス、ビデオゲームの専門店チェーンとして急成長中のゲームストップと競合する可能性がある。売上高の25%、粗利益高の半分が中古商品というビジネスモデルでして、なので株価が急落しました。

 

ゲームストップの場合、持ち込んだ商品に対するクレジットはプロパー価格で買う商品に対する値引きとなるのですが、アマゾンの場合は他のどの商品でも使えまして、これがアマゾンにとっての優位なポイントとなっています。
ただ、いちいち送らなければならないという面倒さがありますよね。ゲームストップはそこらじゅうにありますから、気軽に持ち込める。コンビニエンスという点においてアマゾンは劣位に立ってます。

株式市場は敏感に反応しましたが、個人的にはそれほど大きな影響を及ぼさないように思うんですね。

 

いずれにしても、絶えず新しい何かに挑戦するアマゾンの姿勢は見習うべきものがあるでしょう。

鈴木敏仁 (12:16)


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2009年3月 5日
[コストコ] 相変わらず好調、最低価格でシェア拡大を目指す

コストコが第2四半期の決算を発表しました。売上高は1%減、最終利益高は27%減の減収減益、既存店成長率は3%減だったのですが、ガソリンのデフレとドル高による為替の影響を強く受けてまして、この2つを除くと既存店成長率は5%増でした。

財務的にはマイナス決算ですが、小売的には絶好調です。ウォルマートやバリューDSなど一部の企業を除いてほとんどが落ち込んでいる中、この高い既存店成長率は特筆できます。

コストコについては同じことをずっと書いている気がしますが・・・。


バランスシートを見ると会員費収入が3.7%伸びています。半期にすると4.9%増。
MWCのビジネスモデルは荒利益率と販売管理費率をほぼ同じとし、会員費が利益となる、というものです。
ですからこの会員費が伸びていると言うことは、ビジネスは順調に伸びていると判断してほぼ間違いがない。

景気が悪いから会員になるという人が増えているのかもしれない。
リリースにこのあたりについての言及はないです。

動向としては、「食品とHBCは順調に推移していて、またPBもかなり良く売れているが、グローサリー以外は不振」、とあります。
日用必需品は売れてるが、それ以外はだめ、ということです。現在の市場の動きをそのまま反映してます。

また、「可能な限り市中の最低価格を維持し、短期的には荒利を圧迫しても長期的な顧客ロイヤルティの獲得に努力したい」とこれからの展望をコメントしてます。

ちょうど業界3位の胃BJ'sの決算発表もありました。双方の文面を読むに、"大変な時期だけどしかし好機でもある"という認識で共通してていて、この業態、不況を追い風にしています。

鈴木敏仁 (05:03)


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2009年3月 4日
[アマゾン] カスタマーサービスのランキングでナンバーワン

ビジネスウィークの3/02号が、JDパワーの調査分析に基づくカスタマーサービスランキングを掲載しているのですが、並みいるリアル企業をおさえてアマゾンが一位にランクされています。

1、アマゾン
2、USAA(保険会社)
3、ジャガー(自動車)
4、レクサス(自動車)
5、リッツカールトン(ホテル)
6、パブリックス(小売)
7、ザッポス(ネット販売)
8、ヒューレット・パッカード(家電)
9、T・ロウ・プライス(証券)
10、エースハードウェア

最近「販売革新」誌にアマゾンについて書いたばかりなのですが、アマゾンの強さの土台はこの高いサービス品質にあると言えます。ちなみに08年度は大幅な増収増益で景気の悪化というものがこの企業にはまったく影響していません。


ついでながらこのランキングで目についたのが、6位のパブリックス、7位のザッポス、10位のエースハードウェアです。
リージョナルベースのスーパーマーケット企業が全米を対象としたランキングで上位に入ると言うことの価値は小さくないでしょう。日本で同じようなものを作ったときに、はたして上位に入るスーパーマーケットがあるかどうか。
10位のエースも特筆したい。ホームデポとロウズによるウェアハウス型がここ20年ぐらいアメリカを席巻してきましたが、小型のハードウェアストアが巻き返しをはじめてます。
ザッポスは『働きたい企業ランキング』でも上位に入っていて、要注目の成長ネット販売企業です。

鈴木敏仁 (02:17)


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2009年3月 3日
[ウォルグリーン] 販促ディスプレーのRFIDプログラムをバージョンアップ

一昨日のエントリーで、P&Gがウォルマートに対する販促ディスプレーRFIDプログラムの中止を決めたネタを書きましたが、ウォルグリーンは逆にバージョンアップするそうです。

ウォルグリーンがこのプログラムの実証実験を終えたは06年の末で、翌年の07年半ばには1000店舗まで増えて、いまはもう全店舗で使っています。
RFIDの賢い使い方

資料がシステムベンダーによるリリースだけなので詳しくは分からないのですが、全店舗でEPC標準に準拠したタグを使用するといったバージョンアップがメインとなるようです。

またベンダーによるリリースなので少々大げさ感があるのですが、読む限りにおいてはウォルグリーンのこのシステムに対する評価はかなり高いように思います。


対照的なニュースじゃないでしょうか。
一方はやめるけど、一方は前進する。

店頭の実現力を英語でエクセキューションレベルと呼びますが、ウォルグリーンのエクセキューションレベルはかなり良いと言うことができるようです。ウォルマートも業界では非常に高いと言われているんですけどね・・・。

鈴木敏仁 (03:01)


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2009年3月 2日
[ギャップ] 減収増益、今年度は100店舗のスクラップと50店舗の新規出店

ギャップが08年度の決算を発表しました。売上高は157億6300万ドルで前年比7.8%減、最終利益高は16.1%増、既存店成長委率は12.0%減でした。

減収に対して大幅増益な点が目につきます。理由は経費の削減、販売管理費は前年対比で10.9%も落ちてまして、これが利益のアップにつながりました。
この企業、景気が悪化する前から不調でして、ずいぶん前から再建に取り組んでます。各社、いままさに大幅間減益に落ち込んでいる中、この企業はずいぶん以前からの取り組みの成果が出て利益が上がってきているということのようです。

今年は100店舗をスクラップし、新規に50店舗をオープンさせます。また昨年業績を引っ張ったのがオールドネイビーだったのですが、今年はこれをてこ入れするとしています。


売り場に行くと、迫力がないんですよね。昨年の時点で全盛期の3分の1まで減らして、今回のバランスシートを見るとさらに4.4%下げてます。迫力がないのは、商品の密度感が店頭になくてスカスカ感が強いからです。

マーチャンダイジングに関して言うと、デザイン段階から店頭に並ぶまでのリードタイムを12ヶ月から9ヶ月に短縮するなど改善は進んでいるのですが、確かザラは2週間程度でしたから、まだまだ長いですよね。

おおざっぱに表現すると、縮小均衡傾向が強いように思う。

利益を確保できる体質にはなったようなので、あとはいかに売れるようになるかなのですが、景気も良くないですし、まだ少々時間がかかりそうな気がします。

鈴木敏仁 (02:33)


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ペプシネックス



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