2017年8月30日
[コールズ] 年末までに売場面積を半分に

デパートメントストアチェーンのコールズが今年の末までに売場面積を半分にするそうです。
"operationally smaller through balancing inventory and adjusting fixtures"、在庫と什器の調整でオペレーション的に小さくすると言っていて、つまりフィジカルに小さくするのではなくて在庫量的に半分にするということですね。
リースがありますから店舗はそのままにして、店内ボリュームを減らし、それに沿った什器とする。

店内スペースが余ったりしないのかは不明。
また在庫を半分にすると売上も減るわけで、家賃的にどうなのかという疑問もある。

新店はすでに小さくしていて、リロケーションでも小さくしています。
リースが残っている、リロケーションできない、既存店舗に対する処置というわけですが、収益的にどうなのか、すごく興味がありますね。

今のところ1,100店舗中の300店舗が新たなタイプとなっているそうで、これから増えてくると目にする機会もありそうで、実際に見てからまた書くつもりです。

鈴木敏仁 (11:33)


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2017年8月28日
モールの跡地に建設されるフルフィルメントセンター

アマゾンがクリーブランド郊外のノース・ランドールというところにフルフィルメントセンターを建設すると発表しました。

資料によるとこの場所は70年代に'World's Biggest Mall(世界最大のモール)'として登場した、The Randall Park Mallという名称の大型モールの跡地なんだそうです。
売上が落ちて閉鎖し、2014年に更地となって、デベロッパーの資金調達に地方行政が関与し、アマゾンがリースするかたちでセンター建設が決まった、と書いてあります。
群や市が誘致したんでしょうね。

モールが消えて、その跡地にアマゾンがフルフィルメントセンターをオープンするという、時代を象徴するような話ではないかと思い、取り上げてみました。

鈴木敏仁 (01:00)


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2017年8月25日
アマゾン/ホールフーズ、買収後の計画を発表

ホールフーズの株主が買収を承認しました。FTCは承認しているので、これで計画は滞りなく進むことになりました。
これに合わせて両社がプレスリリースを発表、何をやるかについて4つリストアップしています。

1、月曜日から値下げを開始する。リリースに書かれているのは定番の生鮮主体ですが、これから増やすとも書いてあるので、グローサリーに広げる可能性もあります。これは大方の予測通りというか、これをやらなかったらどうするのという話なので、特筆すべき事ではありませんね。ホールフーズは販管費率の非常に高い企業なので、下げると言っても限界があり、価格勝負をかけられるレベルになるには時間がかかることでしょう。

2、システム統合の後に、プライムをホールフーズのロイヤルティプログラム化する。これは予測通り。私の知る限りアメリカも含めてこれを言っていた人はいなかったのですが、今回の買収の最大の目的はデータですから、これは必然です。

3、ホールフーズのPBをアマゾンが売る。アマゾンのPBをホールフーズが売るということを言っている人が大半でしたが、私は当初から逆だと思ってました。

4、アマゾンロッカーを一部の店舗に設置する。とりわけ日本の識者と言われている人たちやメディアは店舗の宅配拠点化が買収の目的だと書いていましたが、それはないだろうと当初から私は考えていて、ただおそらくロッカーは置くだろうと書いたのですが、これも予測通りでした。

さてではこれ以外にこれから何をするかですが、私は4つ予測しています。
詳しくはメルマガに書きますが、そのうちの1つはインストアピックアップですね。
これは確実にやるでしょう。
ホールフーズ店内の商品、とくに生鮮主体となりますが、これにアマゾンの一般商品をからめる。ロッカーだけではなく、店内商品と一緒にまとめてピックアップできるできるようにする。
すると、オーガニック青果や冷食と、アマゾンが売っている普通のグローサリーと、マーケットプレイスで買った家電やオフィス用品を、まとめてホールフーズで受け取れるようになる。
ウォルマートやクローガーがいま取り組んでますが、手強い競合が登場することになるんじゃないでしょうか。

ちなみに私はジョン・マッキーがいつまで残るかに興味を持ってます。
さっさとやめて、しばらくおいて、違うフォーマットを創業する、なんてことになったら面白いんですけどね。

鈴木敏仁 (09:20)


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2017年8月23日
[ウォルマート] グーグル・エクスプレスに出店、グーグルアシスタントの利用を可能に

グーグルが展開しているマーケットプレイスのグーグル・エクスプレスにウォルマートが出店すると発表しました。
この結果、グーグルによる音声認識デバイスのグーグル・アシスタントを利用した買い物が可能となります。

マーク・ロリーのブログを読むに、グーグル・アシスタントが使えることを強調しているので、そのために出店するようです。
当然、アマゾンのエコーに対抗してのことでしょう。

グーグル・エクスプレスは一ヶ月10ドル、一年間で95ドルという会費制だったのですが、たったいま確認したところ無料に変更する、すでに会員となっている人には差額は返金する、と書いてあります。
ウォルマートを取り込むために無料としたのかもしれません。

またウォルマートは、お客の買物履歴をグーグルに渡すことで、音声による買物を容易にするとしています。

このパートナーシップ、考えるとなかなか含蓄が深いです。
グーグルエクスプレスにはコストコやターゲットも参加しているので、アマゾン対グーグル連合という図式が一つ形成されてゆくのかもしれません。

それと、ロリーがECのトップについてから打つ手が明らかに変わりましたね。
今回のパートナーシップはその変化が如実に現れていると思います。

鈴木敏仁 (12:51)


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2017年8月21日
[ウォルマート] 第2四半期の業績を発表、Eコマースが60%増

ウォルマートが第2四半期の業績を発表、既存店が依然プラスを記録して好調です。

・連結売上高は2.1%増(為替の影響を除くと2.9%増)、米国事業の売上高は3.3%増
・米国ウォルマートの既存店成長率は1.8%増、 来店客数は1.3%増、客単価は0.5%増で、この3つは2012年以来の高い数値
・米国ウォルマートの営業利益高は2.2%増
・ネイバーフッドマーケットの既存店成長率は5.6%増
・海外事業は、売上高1.0%減、営業利益高7.8%減、為替の影響を差し引くと売上高2.5%増、営業利益高2.0%減
・サムズは、売上高2.3%増、営業利益高14.4%減
・Eコマースは60%増

まず米国内店舗の既存店が依然プラスを維持しているのですが、ウォルマートは年数を経た繁盛店舗が多いのでゼロ成長でも御の字だと私は思っており、仮に1%台の成長率でも好調と考えて良いいわけです。何より客数が増えている点が好業績のバロメーターです。

次ぎに営業利益高がプラスである点、人材投資を増やして前年対比でマイナスが続いていたのですが、底を打った感があります。

そしてEコマースが60%伸びている点が注目できます。ジェットのマーク・ロリーが手堅くECを伸ばしはじめていることが分かります。
アナリストの中には、今までウォルマートはアマゾンを追うばかりだったがそろそろ逆にアマゾンが追う部分が出てきた、という人も出てきていて、論調にも変化の兆しが見られます。

ウォルマート、相変わらず調子がいいですね。

鈴木敏仁 (01:39)


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2017年8月18日
[アマゾン] 160億ドルの社債を発行

アマゾンが160億ドル、1ドル110円換算で1兆7,600億円の社債を発行しました。
ホールフーズ買収に対抗馬が出てくるというのが大方の見方だったのですが、実はすでにビッドは終わっていて、アマゾンが最終落札企業だったことが後で分かっています。
この社債の発行でホールフーズの買収はほぼ決定となりました。

なぜ社債なのかは金融のプロではないので私には分かりませんが、資料を読むにプロにもいろいろな見方があってはっきりとは分かりません。
自社株とキャッシュを使うのが普通なんですけどね。

ちなみにアマゾンの期末の手持ちのキャッシュ(および等価物)は190億ドルを超えています。
なのでホールフーズの買収予定額j137億ドルは手持ちのキャッシュでまかなえてしまいます。
アマゾンの財務パワーとはそういうレベルなんです。
ただこの企業は買掛が大きいので、実際には手持ちの現金だけでは買えませんけどね。

鈴木敏仁 (12:39)


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2017年8月11日
[セイフウェイ] ネットと店頭の売価の違いで4,200万ドルの損害賠償

セイフウェイが、ネット上で表示されているオンライン価格と実際に届けられて決済されたときの価格(つまり店頭価格)に違いがあって、消費者が損害を被ったとして集団訴訟を起こされていた件で、米国控訴審が原告の訴えを認めてセイフウェイに約4,200万ドルの支払いを命じました。

セイフウェイは、最初の表示価格と実際の価格に違いがある可能性があると使用規約に明示しているから問題はないと主張しているのですが、それを通知しなければないと裁判所が判断したようです。

ネットと店頭の価格がシンクしてないという問題は、マスターとプライスカードの価格がシンクしていないのと同じような問題ですよね。
ネットではセールしていたけど、店頭でのピックアップ時にはセールが終わっていた、なんてことも理論上は起こりえます。

チェーンストアの場合は地域ごとに売価を変えるゾーンプライシングを取っている企業もあって、その場合もネット価格とどう整合性を取るかという問題があります。

店頭ではプロパー価格なんだけど、ネット上ではセールやっているなんてことは、アパレル専門店チェーンでは実は良くあることで、これが重なると店に行く気がなくなってネットでしか買わなくなってしまいます。

スルーしてしまうようなニュースですが、けっこう重大な問題を含んでいるなと思い、取り上げてみました。

鈴木敏仁 (02:47)


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2017年8月 9日
アマゾン・プライムデーの破壊力

8/1と10日近く前にリリースされた調査結果で申し訳ないのですが、アマゾン・プライムデーの大手リテーラーの来店客数が平均32%落ちたそうです。
うっかりスルーしていたのですが、改めて考えてみると、けっこうインパクトありますね。
(リリースしたのはSence360という会社)

ざっと、シアーズが36%、コールズ31%、ターゲット28%、ウォルマート23%、ベストバイ19%、バーンズ&ノーブル11%、などなど。
一つの会社の販促キャンペーンで競合企業にここまで影響を与えるという例は他にないんじゃないでしょうか。

このブログを読んでいる日本の小売企業の皆さん、日本ではどうでしたか?
ここまで大きな客数減はないにしろ、やっぱり影響は出ているんじゃないでしょうか。

鈴木敏仁 (02:25)


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2017年8月 8日
グローバル流通最新トレンド2017

引き続き、9月のセミナーのご案内です。

【開催日】 2017年9月6日(水)13:30~16:45 (受付開始 12:45~)
【会場】 エッサム神田ホール1号館 301号
     東京都千代田区神田鍛冶町3-2-2 (TEL:03-3254-8787)
     http://www.essam.co.jp/hall/sp/access/
【受講定員】 80名(最低開催人数20名)
【受講料】 25,000円(税込)

【スケジュール】
13:30~14:30 鈴木敏仁
14:30~15:30 矢矧晴彦
15:45~16:45 対談

告知ページはこちら。
アマゾンが大変革する小売業の未来

お申し込みはこちらへ。
DRMオンラインストア

ぜひご参加下さい!!

鈴木敏仁 (11:54)


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2017年8月 7日
アセット・トラッキング・デバイスの出荷量が2022年までに3倍へ

Asset Tracking Deviceは直訳すると「資産を追跡するデバイス」です。
IoTの時代に、モノにくっついて、動きの監視を可能とするデバイスのことですね。
これが現在の2,200万ドル市場から2022年には7,000万ドル市場になるだろうと調査会社が予測しています。

技術の進化で、通信できる範囲が広がったこと、バッテリー寿命が延びていること、モデュールの価格が下がっていること、の3点が市場の拡大を後押しするとしています。
サプライチェーン上から店頭まで、こういったデバイスがこれからどんどん増えていくことでしょう。

ちなみにこのアセット・トラッキング・デバイスという表現は包括的でとても良いですね。
資料上には電波の種類をベースとして、「Bluetooth, ultra-wideband (UWB), Wi-Fi, 802.15.4 wireless, low power wide area (LPWA), 2G, long term evolution (LTE), narrow band IoT (NB-IoT), 5G, satellite, infrared, ultrasound, near-field communication (NFC), and radio frequency identification (RFID)」、が標準としてあげられています。
それぞれ長所短所があり、目的によって使い分けられることになります。

ここで使われるものがすべてアセット・トラッキング・デバイスとなるわけです。

鈴木敏仁 (12:34)


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2017年8月 4日
アマゾンと独占禁止法

アマゾンによるホールフーズ買収に関して、民主党が米国司法省と連邦取引委員会(FTC)にその影響についてレビューしろという要請をしたのが先月のことでした。
両社がくっついても食品市場の数パーセントのシェアだそうなので差し止めされることはないと見られているのですが、これによって独占禁止法についての議論が活発になっています。

ステープルズが投資会社によってバイアウトされたのが先々月ですが、この投資会社はステープルズの店舗を切り離してオフィスデポに売ることを検討しているというニュースが流れています。
ステープルズによるオフィスデポ買収プランはFTCによって2回差し止められてます。
でもまた計画しているということは、個人相手のリテールビジネスは双方を統合しないと存続が難しいというところまで来ているような印象です。

一方、アマゾンの法人向けビジネスのアマゾンビジネスの参加企業が100万社を超えたと発表されました。
急成長している模様。
おそらくオフィス用品は、個人も法人もアマゾンがかなり売っていると想像できます。

以上を総合すると、FTCはアマゾンと競合する企業の弱体化に手を貸した、と考えることができるわけです。

資料によるとFTCは、アマゾンはステープルズ/オフィスデポの競合企業としてみなすことはできない、と明言してます。
アマゾンを軽視してるんですが、ここから分かることは、アメリカの政府当局もアマゾンがよく分かっていないということではないかなと。
FTCの独占に対する見方や査定の仕方が旧態依然としていて時代に合っていないという批判も出てきています。

ウォルマートが成長していたときはバッシングされたものですが、アマゾンは今のところありませんよね。
見えない企業は強い、ということでしょうか。

鈴木敏仁 (01:43)


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2017年8月 2日
[ユニクロ] 自販機を使っての実験販売を開始

米ユニクロが自動販売機を使っての販売を開始するそうです。
数は10台、空港かモールでの展開とのこと。

実験目的のようで、"大きなコミットメントなしに成功するためにはどこで売れば良いのかを理解するため"、だそうです。

自販機を使っているのはベストバイが有名で183台、化粧品のベネフィットも展開してます。

アパレルを自販機で売るのは難しいような気がしますね。
ユニクロは知名度もまだ低いですし。

リスクが低いので、軽い実験といったところなのでしょう。

鈴木敏仁 (02:18)


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