2011年11月30日
サイバーマンデーの売上高は過去最高を記録

サイバーマンデー(11/28)のネット販売の売上高が12億5000万ドルで、過去最高を記録しました。昨年対比で22%増。
ソースはComScore。

一方ブラックフライデーのネット販売の売上高が伸びていて、前年比26%増の8億1600万ドルとなりました。
12月の日別売上高で比較するとまだランク10位以内には入らないものの、この勢いだと数年以内にトップ10に入るのではないかとしています。


なぜサイバーマンデーが伸びているのかというと、たぶんここをピンポイントで狙って各社がプロモーションをかけているからなのでしょうね。
感謝祭の週末が終わり月曜日にみんな仕事に戻り会社のPCで買い物をし始めるからサイバーマンデー、という説明はどうもこじつけというか、しっくりこないところが正直なところあるんです。

誰かが言い始めて、それにマーケターが乗っかった、ということだろうなと思ってます。
感謝祭ウィークエンドの直後は売上はかなり落ちるでしょうから、ここに何か良いイベントを作るのは理に適っています。

鈴木敏仁 (08:18)


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2011年11月29日
ブラックフライデーの混雑にウォルマートの底力を見る

先週の金曜日(ブラックフライデー)から昨日の月曜日にかけて研修のコーディネートで店舗を見て回っていたのですが、毎日の状況の変化を感じ取ることができてなかなかおもしろかったです。


まず数値から。

・ブラックフライデー(11月25日)の売上高は前年比で6.6%増、昨年は前年比0.3%だった。

・金曜日から日曜日までの4日間の売上高は16.4%増。

・金曜日の一人当たりの予測支出高は398.62ドルで前年比9.1%増

・金曜日のネット販売への支出額は26%増

・昨日(サイバーマンデー)の売上高は18%増。

(※それぞれの出所と調査手法はすべて異なっています)


ということでざっと眺めるに、滑り出しは好調と言えるでしょう。
あとはこの好調さがどのぐらい持続するのかです。


さて先週の金曜日の午後、ウォルマートスーパーセンターに行ったのですが、その混雑度に圧倒されました。あれほど混雑したウォルマートを見るのははじめて、まるで渋谷か新宿の駅ナカを歩いているようでした。

管理が追いついておらず売場は荒れ放題、あそこまで荒れたウォルマートというのもはじめてでした。

とくに衣料が大変そうでした。
衣料の陳列管理技術には何か革新的な発明が必要ですね。でないといつまでたっても多大な作業工数をかけ続けなければなりません。

販促スペースはリテール・レディー・パッケージ(Retail Ready Package、ウォルマート用語のPDQ)が占めていて、また驚くような斬新なアイディアのPDQもいくつか発見、作業効率を上げつつインパクトのあるディスプレーを作ろうとするウォルマートの真骨頂という感じでした。

そして翌日から売場は立ち直りはじめて、昨日の月曜日にはいまだ乱雑さが散見されるものの、売場はほぼ復旧していました。

ちなみに近隣で競合しているターゲットも訪問したのですが、もともと客数が少ないフォーマットではあるものの、売場の荒れ方からみてウォルマートの圧勝という感じでした。


なんだかんだ言われてますが、あれだけ集客できる以上ウォルマートの底力はやはり相当なもので、そうそう簡単にダメになるような企業ではないということを肌で思い知ったのでした。

鈴木敏仁 (02:46)


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2011年11月23日
80%はブラックフライデーに買い物をしない

ニールセンがブラックフライデーの買い物動向調査を発表しました。

・80%の消費者はブラックフライデーに買い物を予定していない。

・買い物をする予定の20%のうち、71%はデパートメントストア、52%は家電ストア、51%はマスリテーラーかディスカウントストア、40%はネット、
27%は玩具ストア、23%はウェアハウスクラブ、で行く。

・買い物するグループの、32%は100~250ドル、24%は250~500ドル、20%は50~100ドル、15%は500~1,000ドルを支出予定。

・これが歳末での最初の買い物と答えた人は10%


この調査を見るに、10人中8人は買い物しないんですよね。買い物に人が集中するから凄い勢いに見えるだけということが言えそうです。ただ、その20%が全体の80%の売上を占めるとも言えそうではあります。


アメリカの歳末商戦がまもなく公的にスタートします。
今年の行方が楽しみですね。


さて明日は感謝祭でクリスマスに次ぐアメリカの一大イベントです。金曜日も休みとして日曜日まで連休としてしまう人がほとんどで、私もエントリーをお休みします・・・と言いたいところですが、金曜日より視察研修でお休みではありません。
月曜日に終わるので、11月29日からエントリーを再開したいと思います。

その間、R2リンクかGoogle+には近況報告をするかもしれません。


トゥイッターR2Link

鈴木敏仁 (05:57)


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2011年11月22日
[パブリックス] ネット販売の実験店舗

パブリックスのハイブリッドストア@Atlanta研修旅行のコーディネートが終わりまして、ロサンゼルスに戻ってきたところです。

さて、先週アトランタへ行ったときに店舗の視察先として楽しみにしていたのはパブリックスでした。

選択した店舗はネット販売の実験店舗、ネットで買った商品を店頭で渡す専用のスペースを設けているというので、どんな仕組みなのかを見てきました。

実験店舗を訪問したのですが、もう一つ、オーガニック専門フォーマットのグリーンワイズを通常店舗に融合させたハイブリッドと呼ばれている店舗に行ったらここでもやっていて、写真はそのハイブリッド店舗のものです。


この写真の奥の方に写っているのがパブリックスカーブサイド。

ネットオーダーを店員がカートでピックアップし、そのカートをこの部屋にそのまま保管しておいて(冷凍および冷蔵品のみ冷蔵庫に入れて保存しておく)、お客にはカートごと渡して車に運んでもらう(または店員が車まで運ぶ)という流れです。

店舗で買い物をする時間を省けて、配達時に家にいなくても良い、という点がお客のメリットということになります。


これ、うまくいっているのかは不明。
当初1年間の実験予定ですでにその期間は超えているのですが、依然実験中なのか、それとも稼働していているのかは分かりません。

鈴木敏仁 (03:13)


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2011年11月17日
ダラーゼネラルのオペレーションレベル

ダラーゼネラル@アトランタ本日ベントンビルからアトランタへ移動しました。
アトランタに来るのは久しぶりでして、いろいろ発見がありました。
その一つがダラーゼネラル。

店舗のオペレーションレベルが高く、欠品も少なく前出しもできていて、なかなか良い店だったのですが、私がよく行くダラスやシカゴの店のレベルは総じて低く、なるほどこういう店もあるのだなと少々驚いたのでした。

この地域の他の店舗を見ていませんから断言はできず仮説に過ぎませんが、本社が近いエリアだから店舗のレベルが高いのかもしれないなと。

ウォルマートもカリフォルニアの店舗よりもベントンビルの方が良い店ですし、ウォルグリーンもシカゴの店は総じてクォリティが高いですから。


ダラーゼネラルって雑然とした店というイメージができあがっていたのですが、実はそうではないということを知ったのでした。

鈴木敏仁 (05:36)


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2011年11月16日
リテール・レディ・パッケージの制作現場

スティーブ・ベイリーと2ショット@ベントンビル現在ベントンビルにいます。
今朝はリテール・レディ・パッケージ(Retail Ready Package、ウォルマート用語はPDQ)を作っている会社を訪問して、そのコンセプトや制作までの流れ、モックアップ(サンプル)を実際に作っている現場を見せてもらいました。

ここのオフィスの責任者のスティーブ・ベイリーとはもう10年来のつきあいなのですが、実はウォルマートでのキャリアの長かった人で、私がウォルマート本を書くときにいろいろ教えてもらった恩人でもあります。

ウォルマートのディスカウトストアの1号店でのアルバイトからキャリアを開始して、店長を経由してスーパーセンター商品部の非食品の責任者を最後に引退。
暇をもてあまして、サプライヤーのウォルマート担当の責任者として再び仕事を始めて今にいたっています。

たぶん、1号店を経験している人はもうほとんどいないんじゃないでしょうかね。


さてこのRRP、もう何度もこのオフィスを訪問して制作の現場を見ているのですが、毎回思うことは、アメリカのメーカーも小売りもきわめて合理的に売りと効率を追求しているなあということです。

店頭にとにかく人手をかけて雑然とした売り場を作りがちな日本のメーカーにこういう発想がいつか生まれてくるといいなと切に思います。

鈴木敏仁 (06:32)


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2011年11月13日
[ウォルグリーン] 新プロトタイプで実験中のヘルスガイドについて

ウォルグリーン新プロトタイプ@シカゴ本日より研修が開始、一日店舗を見て回りました。

実は数日前にウォルグリーンがプロトタイプを開発したという情報と、そこでヘルスガイドという新たな役割を付与した店員を実験しているという情報を得て、ロケーションを特定して見に行きました。

ヘルスガイドとは健康について何でも相談を受けますというアドバイザーのような役割で、カウンターをファーマシーの前に設置して人を常駐させています。

これ、アメリカのマスリテールの基本である「人はできる限りつけない」という思想から考えると、今までにはなかったアプローチと言えて注目できます。
ただし、ビューティケアのカウンターがなくなっていたのと、フォトコーナーがなくなってセルフの機械だけになっていたので、人件費に関してはちゃんと考えてやっているんだなというのは感じます。

このヘルスガイドの成否は、どこまで知識を持っているのかでしょうね。
きっちりとアドバイスできなければ存在する意味が無いですから。


いちおうプロトタイプと書いたのですが、これがほんとうに汎用タイプとなるのでしょうかね。
実験中なのかなとも思うのですが、まだこのあたりについての確認は取っていません。
いずれにしても、ウォルグリーンもかなり大胆に変わろうとしているのを感じる店舗です。

ちなみに名称は、ヘルス&デイリーリビングストア、と言います。

なお店内写真はR2リンクに近日中に何枚か載せるつもりです。

鈴木敏仁 (03:45)


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2011年11月11日
第二回R2Link勉強会のご案内

9月に一回目を開催しましておかげさまで好評でしたので、二回目を開催します。

期日:2011年12月15日(木)
時間:15:00-17:30
会場:モメンタムジャパン会議室

プログラム
◇アメリカ流通トピックス(鈴木敏仁・R2リンク)
◇中国の内陸部/地方都市のポテンシャル(水野政紀氏・大和住銀投信顧問株式会社)


なんと、アメリカと中国がテーマです。
グローバルな内容にぜひご期待下さい!


参加ご希望の方はこちらからお申し込み下さい。
第2回 R2Link勉強会


なお勉強会の後には交流会もあります。
R2リンク交流会@東京

協力:モメンタムジャパン

第2回R2Link勉強会


<追記>
明日より10日間、大手メーカーさんの研修コーディネートで出張です。いつものようにニュース記事のエントリーが減ると思いますが、ご容赦下さい。時間があれば研修中の気づきなどをアップしたいと思いますが、おそらくメーンはR2Linkになると思います。

鈴木敏仁 (06:33)


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2011年11月 9日
[コストコ] ワシントン州の酒規制の変更、住民投票で可決

ワシントン州で酒規制に変更を加える条例が住民投票で可決されました。
これ、コストコが2200万ドルの支援金をコミットしてまして、言ってみればコストコ規制なんですね。コストコは規制を変えるため州を相手取って訴訟を起こしたこともあって、長いこと変えようと努力してきた経緯があります。

あまり詳しくは知らないのですが、ワシントン州では10,000sqf(281坪)超の店でお酒を売ることができず、またハードリカーは州運営のリカーストアでしか売ることができませんでした。

これが、いかなる店舗でも売ることができるようになりました。
また卸を通さないと仕入れられなかった規制もなくなったようです。

ただし販売時に厳格なルールが課されるのと、州への税収を確保する条件が付けられている模様。
実は昨年も法案が住民投票で否決されていて、こういった条件を新たに付することで可決に持ち込むことができたということです。


反対していたのがもちろん卸業界、それと州知事を含む民主党も反対派だそう。


この規制、アル・カポネの時代の禁酒法の名残です。アメリカにはこの規制を維持している地方自治体が結構ありまして、もちろん表向きはお酒はコントロールしなければ大変なことになるという理由なのですが、本質的にはそれによって守られている業界があるから(具体的には卸業界など)ということになります。


しかしコストコ、2,200万ドルのコミットはすごいですよね。

鈴木敏仁 (03:26)


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2011年11月 8日
[ベストバイ] イギリスから撤退、今後はモバイル専門店で開発途上国へ参入

ベストバイが海外戦略を大きくシフトしました。

・イギリスで不採算が続いていた11店舗を年末までに閉鎖、進出時にパートナーとして組んだカーフォン・ウェアハウスとの合弁は解消する。

・カーフォン・ウェアハウスが所有している米モバイル専門店、ベストバイモバイルの資本をベストバイがすべて買収する。

・カーフォン・ウェアハウスとは発展途上国でのモバイル専門店の展開で新たにパートナーを組む。名称はグローバル・コネクト、手始めは中国で、ブラジルやインドを視野に入れて行く。


イギリスでの失敗は経済環境と競合のようですね。
ベストバイという知名度がなかったとも書いてあります。

まあ当たり前ですが最初は知名度なんて無いわけで、どこまで腰を据えて我慢できるかが勝負というところがあります。
ベストバイがイギリスへの進出決めたのは2008年、まだわずか3年ですから。

ただモバイルへフォーカスをシフトするというのは時代の流れでしょうね。

鈴木敏仁 (02:36)


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2011年11月 7日
[A&P] 投資企業と合意、来年早々には再スタート

破綻して裁判所の管理下にあるA&Pが投資企業と合意し、来年早々には債務整理終えて非公開企業として再スタートする予定であることが発表されました。

ユカイパ、その他二社が4億9000万ドルの投資をします。
ただし裁判所の認可がおりていないので最終決定ではありません。


ユカイパはあのロン・バークルが所有する投資企業です。
2005年にパスマークに投資、A&Pがパスマークを買収したことでA&Pの株主となり、2009年にはA&Pにてこ入れのために1億1500万ドルを投じています。


クローガーやアホールドあたりが買収するんじゃないかと思っていたんですが、中身が悪すぎたんでしょうかね。

これから再生の道を歩むわけですが、投資企業が持つということは出口が必ずあるわけで、再上場か、またはどこかが買うのか、数年後にはまたニュースになることでしょう。

鈴木敏仁 (02:28)


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2011年11月 4日
[シムズ] 連邦破産法11条を申請し破綻、清算へ

シムズが連邦破産法11条を申請したのですが、再建せずに企業清算の道を選択しました。1月末までに在庫を一掃するとのこと。清算されるのは傘下のファイリーンズも含まれます。
シムズは25店舗、ファイリーンズは21店舗。

双方ともにディスカウント型のアパレル専門店チェーン、業界で使用される業態名はオフプライスストア(OPS)です。


ファイリーンズは1908年創業で最古のOPS企業です。
ただかなり初期段階にフェデレイテッド傘下となって、そこから資本がうつろってあちこちにビジネスが移っています。
1998年に破綻して連邦破産法11条を申請、すぐに復活したのですが、2009年に再び破綻、シムズに買収されました。

シムズは1959年創業、上場企業でしたが業績悪化で2007年に非上場になっています。2009年に投資企業と共同でファイリーンズを買収、規模を大きくして立て直そうとしたのですが失敗し、今回の企業清算の決断に至りました。

つまりトータルで3回破綻、そして3度目の正直というわけにはいかなかった、というわけです。


日本ではもはやあまり知られていない企業ですが、アメリカの業界では老舗として著名で、しかしいつ破綻してもおかしくない状況でしたので、"とうとうその時が来たか"という印象をみな持っているのではないでしょうかね。


トゥイッターR2Link

鈴木敏仁 (03:43)


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2011年11月 3日
[フレッシュ&イージー] エクスプレス1号店をオープン

昨日フレッシュ&イージーが小型の実験店舗、エクスプレスをオープンさせました。場所はロサンゼルスのほぼアーバンエリア。
昨日シカゴより戻りまして、空港からの帰途で寄れるかなと思っていたのですが、ロケーションを勘違いしていてオープン初日を見ることはできませんでした。

資料によると面積は3,000sqf(85坪、標準店舗のおよそ3分の1)、アイテム数は2,700sku(標準店舗のおよそ半分)、生鮮やグローサリーを強化したコンビニというような印象です。

これからさらに4店舗を増やし、5店舗体制で実験して展開できるかどうかを検討するとしています。


このクラスのミニスーパー市場はほぼ零細なインディペンデントが満たしています。車で町を走れば、必ず何件かは目にする事ができます。
ここを大手が狙うというわけです。
カギはチェーン展開するほど利益が出るのか否か、でしょうね。

鈴木敏仁 (12:49)


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