昨年末に、IYがミレニアムの買収を発表しました。
そのニュースを米系のメディアがいくつか報じていたのですが、ロイターがIYの鈴木さんのインビューを中心に据えて記事としていました。
その中で、グローバルプレーヤーについての質問に対して、鈴木さんは、「日本は完全に特殊な市場である。成功するためには市場についての徹底的な知識が必要である」と語っていました。
(日本語のインタビューが英語になって、それをまた日本語に直しているのでニュアンスが違うかもしれませんが・・・)
こういう表現の裏側には、「日本ってのはお前らとは違うんだ、なめんなよ」みたいな感情が流れているような気がするのは、私だけでしょうか(笑)
カルフールが失敗して、「ほらみたことか、外人には日本市場なんて分かるわけねーだろ」的な意識は、確かに顕在化したかなとは思います。
ただ日本だけ特殊って事はありえないということを、皆さんには知っておいて欲しい。
カルフールはアメリカに単独出店して、失敗して撤退しています。
セフォラも単独出店して失敗して、縮小しました。
H&Mやザラは単独出店して、欧米間のアパレル文化の違いにものすごくびっくりしたという記事を読んだことがあります。
そう、ヨーロッパ人にとってのアメリカ市場でさえ、まったく異なる世界なのです。
アホールドはアメリカに進出して成功してますが、資本進出に過ぎず、オペレーションはCEO以下全員アメリカ人。
デルヘイズも同様、ベルギー人は経営陣に一人もいない。
つまりアメリカにおいて成功している外資とは、オペレーションを丸ごと現地化している企業です。
例えばユニリーバやP&Gなど日本で成功している外資も、オペレーションは丸まる現地です。
日本だけ特殊なのではなく各国それぞれが特殊であり、したがって成功の要諦はいかにオペレーションをローカライズさせられるかにあるのです。
本国のやり方は、外国では通じない、などということは、グローバル企業はよく分かっていて、今さら日本人に言われる筋合いなどないんじゃないのかな(笑)
カルフールは分かってないじゃん、という声が聞こえてきそうですが、彼らは日本進出の際、パートナーを探していたことはよく知られています。
結局見つからなかったので、しかたなく直営としたというのが真相という気がします。
逆にグローバル化が遅い日本の流通業界が、そういう説教に耳を傾ける必要があるように私は思うんですけどね。
例えばファミリーマートがアメリカに進出しましたが、ローカライズせず、日本人が店を作っている・・・。
そういうことで、日本市場特殊論をぶつ人がいたら、ああまたか、と思っていただいてよろいいかなと。
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