2006年8月 8日
アルディに負けた独ウォルマート

ウォルマートがドイツでうまく行かなかった理由として、ドイツ人は余計なサービスを必要としておらず、アメリカ的なスマイルを受け入れなかった、などと書くメディアがこちらには多い。

欧州に詳しいコンサルタントの矢矧晴彦さんは、そんなことはないと、一蹴してました。
つまり、価格に見合った価値をドイツのお客も求めているわけで、いくら店員が笑ったところで、価格が納得するものでなければ、お客は来ないというわけです。
これは別にドイツだけではなくて、日本でもアメリカでも一緒でしょう。

結局のところ、独ウォルマートはアルディとの価格競争にに負けたということの一言につきると思ってます。

では、なぜ負けたのか。それを知るには、アルディという企業を知らなければならなりません。
業態としてはボックスストアなんて呼ばれていますが、フォーマット名はさておき、実は矢矧さんに教えていただいたアルディの'べからず集'を知り、つまりビジネス運営上やっていはいけないことのリストをアルディは作っているのですが、読んで分かったのはこれはもうウォルマートと同じじゃないかということなんですね。
簡単に言うならば、難しいことをせずに、すべてを徹底的にシンプルにする、ということを根本ポリシーとしている。それによって、低価格を実現するわけです。
ウォルマートとまったく一緒(笑)

拙著で記しましたが、アメリカにおいてウォルマートはダラーゼネラルを最大の競合企業とみなしています。その理由については拙著を読んでくださいね(^^)v
そしてダラーゼネラルとアルディって、同じ業態に属しているんです。
つまり、ウォルマートにとってアルディは、もともと正面からぶつかる相手であるわけです。

ウォルマートはドイツ企業を買収したわけですが、これをウォルマート型モデルに変えたかったのだが、なかなかうまくいかなかった。企業文化にまで立ち入らなければならない領域ですから、生半可なリーダーシップではうまく行きませんから。
そして仮にうまく行ったとしても、しかしそこにはすでにウォルマートと似た哲学で成功している既存企業が存在した。

独ウォルマートの失敗って、こういうことなんでしょうね、たぶん。

鈴木敏仁 (05:44)
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