2006年8月17日
あげ足取りはしたくないのだが・・・

日本の業界誌でちょっと気になる記事を読みました。内容に間違いがある。
アメリカの情報を仕事として収集し、しかも長くこっちに住んでいる私が読むと、アメリカに関する記事には明らかに間違っているものがよくあります。ただ枝葉の場合が多くて、いつもは読み飛ばすことにしています。
ただ今回のはちょっと気になってしまいました。書くかどうか迷ったのですが・・・思い切って載せてしまいます。

雑誌名や執筆者は伏せます。
ウォルマートに関する話です。

記事によると・・・
「今年の株主総会の席で会長のロブ・ウォルトンが、CEOのリー・スコットに一ヶ月の休暇を勧めた。この発言は創業家によるクビを意味するのではないかとささやかれている」
「そして後任はジョン・メンザー氏、だという」

私の過去の記事を読んでいる方はご存知のとおり、スコットは4月の時点で1ヶ月の長期休暇を取ることを決めてます。そして彼は本当に5月に1ヶ月間休んで充電した。
そして株主総会は翌6月でした。

つまり、上記記事が本当だとすると、スコットは休暇をとった直後に再び1ヶ月の休暇をとれと、ロブ・ウォルトンに株主総会で言われたことになる(笑)
そんなこと、ありえないですよね。執筆者はおそらく、情報を完全に読み違えている。

そしてこれを延長するかたちで、「クビを意味するのではないかとささやかれている」、とまで書いている。いったい誰がささやいているのでしょう(笑)
情報ソースが不明。
創業一族がスコットをクビにしようとしているという話は、少なくとも私が持っている情報にはないです。

株主総会においてはこの記事の内容とはまったく逆のコメントをロブ・ウォルトンはしています。要約すると、'スコットは長い休暇を取るに値する、彼のおかげでウォルマートはさらに成長した、もし同じようにこれから27年間頑張ってくれたら、また長い休暇をあげようじゃないか'と冗談まじりに、もっと頑張ってくれと言っている。
これに対してスコットは、'27年後の休暇はエキサイティングですね、コミットしましょう'と、冗談で返しています。
これが事実です。

次に「後任がメンザーだという」としているんですが、これについても情報ソースが不明。

昨年国際事業の責任者のジョン・メンザーと、国内事業の責任者のマイケル・デュークが入れ替わりました。これはウォルマート流の典型的なやりかたで、2人を競わせようとしている。
古くはデイビッド・グラスとジャック・シューメーカー、最近ではリー・スコットとボブ・マーチン。
国内も海外も現時点はOKだけど、将来の安定的ないっそうの成長という観点では問題を抱えている。ポンと入れ替えて、頭をリフレッシュして、解決策を見つけ出すことを上が期待している。
そしてこういう難題を解決できたほうを、次のリーダーとして期待している。

たぶん結果は3縲鰀5年はかかります。このとき、スコットは60歳を超えている。おそらくその時点で、どちらかを選び、スコットは引退するのではないか、と私は現在考えています。

スコットの引退の可能性を報じるメディアはたしかに多いんです。長期休暇がその証拠だというわけですね。ただ本人も広報も、現時点では否定しきっています。
そしてメンザーが後継に決定しているなどどいう噂は、私は聞いたことがないんです。可能性は高まったし、この時点で国内事業の責任者になったことで頭一つ抜けた感はあるけれど、それはデュークとの一騎打ちが終わった後で、そのためには国内部門のてこ入れの成功が必要なわけです。

あげ足は取りたくないんですけど・・・気になってしまって・・・正確な情報をと思い書いてしまいました。悪意はまったくないので、もし万が一この文章で不快な思いをする方がいたら、謝っておきます<(_ _)>

鈴木敏仁 (12:13)
ペプシネックス



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