2006年11月13日
終身雇用を誇っていいのか?

我が国の企業は終身雇用をポリシーとし、必要に応じて人員を整理するアングロサクソン的なアプローチに対するアンチテーゼとして、屹立したものとして存在しています。
これこそが我が国独特の手法であり、あなたたちのように簡単に人の首を切るやりかたじゃないからこそ日本は発展してきたんだよ、というような説明をする人が多いし、決して間違っていないと確かに思います。人を頻繁に入れ替えることによって生じるコストは、スキルのある人を維持するコストよりも高くつくことは十分にありえる。

しかし実は見方を変えると、ひょっとしたら間違っているのかもしれないという見解を知り、目からうろこが落ちました。
不景気時に団塊世代を優遇し首を切らず、そのかわりに新規雇用を抑制した。その結果頭でっかちとなって下に続く人たちの出世が遅れ、さらに新規雇用を減らしたためフリーターが激増した、という見方です。

さらにこの団塊世代は、年金が一番いいときにやめてゆく。
おいしい果実を奪い去り、残るは彼らのおかげでスキルアップに遅れたフリーター、というわけです。

アングロサクソン式の人を単なるモノと同じ資源(リソース)として扱う視点は決して100%正しいとは思いません。しかし人の流動性を高くすることによって、やる気のある若い人たちに次の機会を提供する可能性が増えることもあるという見方が存在することを知ると、否定しきることもできないかなと思い始めてます。

日本の終身雇用にも歪みがあって、つまり両者には一長一短がある。

とくにメーカーの経営者に顕著だと思うのですが、「首は切らない」式のやり方を誇らしげに語る人がいたら、眉毛につばをつけて聞いてもいいかも知れません。
ちょっとシニカルかもしれませんが、それはつまり自分たちのポジションを守るためなのだ、という見方もできるのです。

鈴木敏仁 (06:01)
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