2006年12月12日
ウォルマートのマーケティング戦略の行方は・・・。

ウォルマートは昨年半ばから戦略を大転換し、マーケティングを重視する方向性を打ち出しました。(この件についての詳細は省きます。)

広告を刷新するためエージェンシーの切り替えを決め、来年1月に契約が切れるのにあわせて数社にビッドさせ、ドラフトFCBという企業と契約したのですが、突然契約を破棄し、最ビッドを始めました。
年間契約額が5億8000万ドルですから、小さくない。

またこの契約破棄を発表する数日前に、ビッドを仕切ったマーケティングのジュリー・ロームという女性と、部下を一人解雇しており、そのいきさつについての憶測などが飛び交い、スキャンダルの様相を呈し始めています。

ウォルマートはロームの解雇の理由を一切明らかにしていませんし、ローム自身も噂を否定しているのですが、ドラフトFCBのパーティ接待を受けてしまったことが原因という見方が濃いようです。またロームと部下の男性が関係を持っていて(ロームは既婚で子持ち)、これも規律に触れたという見方もあります。

エージェンシーが見込み客を招いてパーティを催すことはよくあることなのだそうですが、通常は責任者は軽く出るだけで関与しないのだそうです。ロームも顔を出しただけだとコメントしているのですが。

ウォルマートはサプライヤーからガム1枚でももらわないことが社風で、米国企業中最も規律が厳しいと言われてます。ランチであってもおごられてはいけない。ましてはパーティなど・・・というわけです。

真相は藪の中、はっきりしたことは分かりません。
まあ、倫理規律に触れてウォルマートを解雇された人は一杯いますから、これ自体は珍しいことではない。

憶測が流れているのは、広告戦略の行方です。

ロームという女性はダイムラー・クライスラーから1月に引き抜かれた人なのですが、非常に斬新な広告を次々とヒットさせて、36歳という若さながら出世街道を駆け上ってきた女性です。
ウォルマートでもすでに新しいタイプの広告を作って、受けは結構良かった。
この女性が解雇されたことで、ウォルマートの広告がこれからどうなるのかという憶測がいろいろ流れている。

価格にこだわる昔ながらのマーケティングに戻すのか、または当初の予定通りにイメージ戦略を強化するのか。新イニシアチブはなかなか効果が出て来ていませんから、ロームの解雇は戦略のリセットを意味しているんじゃないのかという憶測が出てくるのも無理はないわけです。

私はたぶん変えないだろうと思っているのですが・・・。

鈴木敏仁 (05:19)
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