アメリカにはバーンズ&ノーブルとボーダーズという二大書籍チェーンが存在しますが、このうちの二番目にあたるボーダーズが第4四半期に赤字を計上、06年度の通年でも赤字となることが分かりました。
営業利益は出しているものの、資産を減損処理したため赤字となったんですね。減損したのは国内の店舗に関する有形固定資産と、イギリスは有形と固定の双方の固定資産を減損しています。
既存店成長率は、ボーダーズ2.2%減、グループのワルデンブックスが7.5%減、海外が0.4%減で、すべてマイナスでした。
原因はおおよそ2つ、活字離れと競合が指摘されてます。なかでも競合が大きそう。同業他社のバーンズ&ノーブルに加えてウォルマートやコストコといった他業態が本を結構売っている。
またやはりネットの影響がある。ボーダーズは自社開発をやめてアマゾンと組んでいて、ネット発注の本をボーダーズでピックアップできるというサービスを提供しているのですが、当のアマゾンにシェアを奪われてしまっている。
さらに書籍以外の取り扱いカテゴリーである音楽CDは、ダウンロードの時代となってしまった。
ワルデンブックスも調子が悪い。このフォーマットはRSC出店タイプなのですが、いまどきRSC内の書籍専門店に本を買いに足を伸ばす人がいなくなってしまったわけですね。
ワルデンブックス564店舗を300店舗に減らし、アマゾンとの契約をやめて自社オリジナルを作る、大型店舗の改装する、など再建策を決算と同時に発表しているのですが・・・
実はバーンズ&ノーブルも07年度の見通しを下方修正したりして、アメリカの書籍リテールは大きな曲がり角に来ているような印象なのです。両社の合併、またはバイアウト、といったオプションが現実味を帯びてきました。
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