2007年6月18日
トゥィーターの倒産

トゥィーターという家電専門チェーンが6月11日に倒産しました。連邦破産法11条を申請して更正手続きを開始、負債の総額は示されていないのですが、6億ドルの債権企業向け融資が決まっており、これをベースとして今後清算するのか再建するのか検討されることになります。

この企業、売上高7753万ドル、店舗数153で、中堅リテーラーといったところでしょうか。専門店チェーンとしてはベストバイ、サーキットシティ、ラジオシャック、がいて、この下あたりに位置する企業でしょう。フルラインチェーンとしてのウォルマートとターゲットの部門としての売上高よりも小さい規模の企業かもしれません。

倒産の直接的な理由は薄型テレビの急速な値崩れにあるようで、この値崩れの引き金を引いた張本人がウォルマートと言われてます。昨年の歳末商戦での、NBの500ドル近い値下げが、他社へ一気に波及し、これで利益を出さなければならなかった企業を直撃したというわけです。

サーキットシティは70店舗の閉鎖と3400人の解雇を発表してますが、この中堅企業の場合は倒産となってしまった。

ただ薄型テレビの値崩れは直接的な理由に過ぎず、本質的な問題は他にありそうです。決算数値を見ると、98年の上場後3年間の黒字を経て、以来ずっと赤字決算なのです。
ネットで社史を眺めたところ、上場以来10店舗程度の小規模チェーンの買収を繰り返していて、これが足を引っ張った可能性が高そうかなと。小さな買収を繰り返して小さく拡大するだけでは、巨大なチェーンストアに対抗することは不可能。それよりも、フォーマットの革新に力を注ぐべきだったのかもしれません。

エンターテイメント+家電市場は急速に変化しています。これほど動いている市場は他にないんじゃないでしょうか。チャンスも大きいけど、ふるい落とされていく可能性も高くなる。トゥィーターはふるい落とされた典型例という気がします。

鈴木敏仁 (03:10)
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