2007年6月21日
ホールフーズ対FTC

ホールフーズが、傘下にあるヘンリーズ(29店舗)とサンハーベスト(8店舗)を、ワイルドオーツ買収が成就した場合に売却する準備があることを明らかにしました。
予定している売却相手はアポロマネジメント・・・有名なバイアウト企業ですね。

さてホールフーズのCEOジョン・マッケイは、ブログで今回の買収の正当性をきっちりと説明しています。おそらく小売業界広しと言えども、上場企業のCEO自らがブログで書き、しかもコメントを許しているというのはマッケイだけじゃないでしょうか。
さすが創業者。こういう人だからこそ、ホールフーズと言う極めてユニークなビジネスモデルを作り上げることができたのでしょう。マッケイと言う人がどういう人なのか、垣間見ることができると思ってます。

おもしろいのは、FTCに噛み付いている点です。
どうやらマッケイはワイルドオーツ買収について、取締役や経営陣に「これで競合が永遠に無くなる」的なコメントをしていて、これがFTCになんらかのルートで漏れて、FTCはこのコメントを問題視する書類を法廷に提示している。
これに対してマッケイは、「もし競合をなくすことが本質的に悪い、または間違っていることならば、FTCは永遠に買収を許すべきではない。ほとんどの買収案件は競合を市場からなくすこと目的としているからだ」とブログで反論している。

最近普通のSMがオーガニックを強化してます。我が家でも、毎日食べる乳製品にオーガニックを求めることが多いのですが、わざわざホールフーズに行く必要が無くなってしまっている。
つまり、ワイルドオーツをホールフーズが買収したところで、競合が無くなるということはありえず、長期的に見た場合、おそらくホールフーズは徐々に売上を落としてゆくだろうと私は感じてます。
つまり、FTCの言っていることには無理があり、マッケイは正論を吐いていると私は思うわけです。

そして、このように正面切って噛み付きつつ、一方で買収できたら37店舗を売却する用意があると妥協案を提示している。
実にしたたかな交渉戦略じゃないでしょうか。

鈴木敏仁 (02:30)
ペプシネックス



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