フォーチュン誌が非常に良い記事を掲載しています。
タイトルは『Why Wal-Mart can't find happiness in Japan』。
気になったところをわずかだけ抄訳抜粋します。
1)米国内は成長が飽和化し始めており、国内成長への偏りすぎを回避する必要があり、日本での失敗は許されない。
2)04年に1500人の大幅解雇をしたが、もともと日本の文化に馴染まない上に、外国人の手によるものというネガティブな意味合いが加わってしまった。
3)Always low pricesというモデルは開発国では受け入れられるが、高品質の他にないような商品に対して高額を支払う日本のような国ではうまくいかない。
4)基本的な疑問は適正なマネジメント体制をウォルマートが作っているのかということだ。日本で成功している米国企業のほとんどは、たとえばマクドナルドのように、上級管理職を日本人とし、権限委譲を行っている。しかしウォルマートはイギリス人やカナダ人などの外人チームに頼っている。カレジッスキーも日本語をしゃべらない。
5)ウォルマートの海外事業は中央集権型モデルだ。カレジッスキーの仕事はベントンビルの命令通りに仕事をすることにある。
6)カレジッスキーは学習中であることを認めている。
総体として、基本的に日本での課題をよく整理した文意であると思いました。
4縲怩Uは、アメリカの流通メディアでさえも今まで出てこなかった論旨なのですが、私はこれが問題だとずっと思っており、ようやくアメリカ人も分かったか、という気がしました。
海外事業のトップが本社の意向を伺いながら仕事をすると、現場との乖離が起きて、必ず失敗します。これは基本中の基本でして、日本企業がアメリカに出てきて失敗するのも、このケースがほとんど、20年以上アメリカにいて、これが理由で撤退していった日本企業を一杯見てきてます。
さらに、新任のCOOも小売業の外からですね。CEOが日本語をしゃべれず、日本でのビジネスを学習中で、そしてCOOもこれから学習するというわけで、どうやって経営するのか、大変だろうなあと思います。
いまの西友に必要なのは、小売の現場を良く知っていて、落ち込んだ現場を元気付けられるチアリーダー型の経営者でしょう。マイクロマネジメント型ではないと思う。
とりわけ企業再建には通常のマネジメント能力とは異なるものが求められるわけでして。
このあたりを、ウォルマートは分かっているのでしょうかねえ・・・?
ちなみに3はちょっと違うなあという気がしてます。日本人はモノを見る目が成熟していて、価値のない低価格はアピールしない、という表現が正しいように思います。
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