2007年10月 2日
メーカーに恩恵が薄い? ウォルマートの環境イニシアチブ

先週ウォルマートに関して、衣料用洗剤を濃縮型に絞るウォルマートと、ウォルマートによる温室効果ガス排出量削減イニシアチブ、という関連する二つの記事をエントリーしました。

双方ともにウォルマートによるサステナビリティイニシアチブなわけですが、ここでウォルマートは'Win-Win-Win'という表現を使っているようです。小売、メーカー、そして消費者の三者がWinする、という言い方です。

これに対してAdvertisingAge誌がシニカルな見方を記事としています。総体としてのエネルギー消費量の削減をメーカーに迫るウォルマートのイニシアチブはメーカーによる大きな初期投資を必要とするのだが、それによって達成されるコスト削減分のご利益のほとんどはウォルマートに行ってしまう、という主張です。
P&Gだけでも2億ドルの投資が必要となるんじゃないかと言う見方があるのですが、メーカーに対するリターンは大きくはないだろうとしています。


この記事を読んで、物事は複眼で見る必要があるなとあらためて感じました。

ふと思ったことです。

日本の小売企業はメーカーに対して協賛金による支援をなにかにつけて要請するのですが、金銭をダイレクトにねだるやり方はもう時代遅れではないかと思っています。そろそろこのあとあと禍根を残しがちなやり方から、ウォルマート流のナレッジで支援を要請するやり方に進化したほうが良い。

今回のサステナビリティイニチアチブも、メーカーが投資し、ウォルマートがリターンを得るのであるならば、'ダイレクトにお金をねだらない実に巧妙な支援要請戦略である'と言うことができるわけです。

鈴木敏仁 (12:13)
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