昨日のWSJ誌が、「Wal-Mart Era Wanes Amid Shits」というタイトルで、ウォルマートの時代が終わりに近づいているという大きな記事を載せていました。
サブタイトルは、「ライバルは低価格に対抗する戦略を見つけた、世界は変わった」です。
要約すると、ターゲットやクローガーなど競合企業が戦略シフトによって戦い方を変え、そのためウォルマートの成長ももはや終わりに近づいている、という内容です。全体をおおおっているトーンはウォルマートに対してネガティブな印象が強く、これを読んだらおそらく普通の人は、「ああ、ウォルマートがもう終わりなんだな」と思うことでしょう。
でも、詳しく読むと、流通の素人が書いているなということがよく分かるんですよ。例えばペプシがFuelsophyという新しいエネジードリンクを今年の初頭に出したのですが、チャネルとして選択したのがホールフーズでした。これをもって、ウォルマートの影響力がなくなってきた、と言おうとしている。
しかしながら、これは商品特性とウォルマートの対象顧客が合致しないからに過ぎないわけですよね。
一面に掲載されているグラフが売上高成長と株価で、売上高が伸びているのに株価は2000年ごろから平行線でして、これをあえて並列させて見せているのは、株価を問題視しているんだな、ということが感じられる。つまるところ、株価が上がっていないから、もう終わりだ、と結論付けているのかな、とも思えてしまうわけです。
もうすぐ恒例のアナリストカンファレスがあるので、それを見込んでの意図的な過激な記事、ということかもしれませんねえ。株価をなんとかしろというメッセージをこめているような気がする。
そう言えば、90年代にウォルマートがV字回復したときは、ウォール街による批判がきっかけでした。買う価値がないと言われて、奮起した。ただ今回は回復しなければならないほど業績が悪いわけでもないですからねえ。
世界最大の売上規模を持ちながら、昨年度末の時点で売上高成長率9.3%増、当期純利益率3.3%、総資本営業利益率12.5%、ですから。
これで、株価が上がらないという理由だけで「終わりだ」と言われてしまうわけです。日本の流通業界の数値平均からすると、少々厳しすぎるかなという気がしないでもないです。
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