2007年10月24日
【ウォルマート】 来年度以降の営業戦略を発表

ウォルマートが恒例のアナリストミーティングを昨日と今日に分けて開催中でして、これに合わせて今後の成長戦略をリリースしています。今日もカンファレンスがあって、いろいろまだ出てきそうですが、とりあえずメジャーな戦略が出揃ったので、ハイライトをまとめておきます。


◆「設備投資を押さえ気味にしつつ、営業キャッシュフローの改善につとめる。この戦略によってフリーキャッシュフローが増え、戦略的な買収の原資となり、配当と株の買い戻しで株主へリターンできる」(トム・シューイーCFO)
>>これが今年の戦略のすべてをおおっているトーンです。設備投資を押さえ(つまり新店を減らし)、営業キャッシュフローを増やし(つまり既存店をてこ入れし)、増えたフリーキャッシュフローを使って、戦略的買収をし(つまり海外に投資し)、配当と買戻しで株主を満足させる、ということです。

◆今年度の設備投資額は150億ドル(昨年は157億ドル)、その後2年間の設備投資額は140縲鰀150億ドルとなる予定。
>>今年度のオリジナルの予算は170億ドルでしたので、20億ドルも下がったことになります。また内訳を見ると、国内投資を減らしつつ、海外投資を増やしてゆく、という構成となっています。

◆今年度のスーパーセンター新店数は195(昨年度は281店舗)、その後の2年間は140縲鰀170となる予定。

◆今年度の増床率は6%(昨年度は8%)、その後の2年間は5縲鰀6%となる予定。

◆今年度の売上高成長率は9%(昨年度は12%)、その後の2年間は5縲鰀8%となる予定。


証券アナリストの反応はと言うと・・・
ウォール街が期待していたものよりも成長戦略の減速が少なかったことと、低い国内成長が海外への投資の大きさ(つまり西友)で相殺されてしまったこと、が指摘されています。
このため、株価は一日でおよそ3%下落しました。


株式という観点から見ると、ウォルマートは今、成長株のままでいるのか、それとも安定株となるのか、揺れ動いていて、これがアナリストをじらせています。
一般論としての業績は決して悪くないのですが、成長企業としてはもはや受け入れられなくなってきていて、だからいろいろ批判を受けているわけです。
ちなみにウォルマートの株価は2000年ごろからずっと平行線で上がっておらず、これがいろいろ言われる最大の要因となっています。


ところで昨日、西友について、週刊東洋経済からコメントを求められ取材を受けました。来週号に掲載されるそうです。西友についてはあちこちで私の考えを書いてきてますが、ここで2つだけ書いておきます。

ウォルマート幹部からはシステムやら物流やらへの投資がどうのというコメントばかり目につくが、人材に対する投資はどうしたのか?

カレジッスキーは、現場に火をつけるチアリーダー役に徹する必要があるんじゃないのか?


いろいろ書きたいことがあるんですが、今日はここまで。

鈴木敏仁 (02:50)
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