タルボットがキッズフォーマット66店舗、メンズフォーマット12店舗、トータル78店舗をクローズすることを発表しました。今年の9月までにクロージングが終了する予定、売上高へのネガティブな影響はおよそ1億ドル、閉鎖によるポジティブな影響が1300~1500万ドル、現四半期に500万ドル、08年度に3400~4200万ドルの特別損失の計上を見込んでいるとしています。
ミッシー専門フォーマットのタルボットがキッズ市場に参入したのは90年、メンズ市場に参入したのは03年のことでした。これら他フォーマットはタルボットに隣接するように立地していて、自分の服を買いに来るミドルの女性に子供服や旦那の服もついでに買ってもらうことを期待して開発されたのでした。
でも結局機能しなかった。
とりわけメンズがうまくいきませんでした。開発当初から難しいだろうと言われていて、当時のCEOのゼッチャーも難しいことは承知の上でリスクを回避するため一気に拡大せずゆっくりとやる、とコメントしていたものでした。12店舗しかないのもそのためです。
たぶん最大の理由はイメージという壁を破れなかったんでしょうね。タルボット=おばさん、という強烈なイメージがありまして、そしてすぐにあの赤いファザードが脳裏に浮かぶぐらいの刷り込みがある。そういうブランディングが完成しているからこそタルボット本体が成長したわけですが、これがそのままメンズにもコピーされてしまいますから。
男にとってクールなイメージってのはないです。
タルボットは苦戦してます。2四半期連続で赤字を計上中。株価も10ドルを割り込みました。数年前は40ドルをつけてましたので、かなりの落ち込みです。
現在店舗数は1,157店舗、アメリカにおいては専門店っておおよそ4桁を越えると成長が鈍化する傾向があります。この頭打ちを見込んで他フォーマット化を模索したわけですが、うまくいかなかった。
長年同社を率いてきたCEOゼッチャーが昨年引退したのですが、これも微妙な影響を与えているように思います。ゼッチャーという人はいわゆるたたき上げで、現場をよく知っていて、店舗にも足しげく通い、さらにデザインにも自らが意見を加えてゆくような商売人でした。私の私見ではありますが、デザインって総意で作ってゆくものではなくて特定の個人が感性で作ってゆくものであり、そしてこの感性をトップが持たないとアパレル専門店って成長が止まってしまうと思ってます。
そういう人がいなくなってしまったということが、影響を与えないはずがない。
タルボットが他フォーマットをクローズする理由は本体に集中することにあります。
リズ・クレイボーンから来た後任CEOサリバンの手腕に注目が集まります。
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