昨年8月に連邦地裁が認めたホールフーズによるワイルドオーツの買収ですが、連邦控訴裁判所が地裁の決定が不十分だとして差し戻しを決めました。この結果、本案件は再び地裁で審理されることとなりました。
地裁に認可されてからすでに一年が経過、不採算店舗が売却されたり、店舗名が変更されたりと、すでに統合は半分以上進んでおり、買収が認められないということはありえないようなのですが、店舗売却がさらに求められる可能性があるとのことです。
憶測の域を出ませんが、本件、なんらかの政治的な背景があるのかもしれません。だとすると、もし民主党が政権をこの秋に取るならば、人が一気に入れ替わりますから、年明けにはこの件は消滅してしまう可能性があるでしょう。
FTCの主張の骨格は、オーガニックスーパーマーケットという市場が、普通のスーパーマーケットとはまったく関係のないところに存在するというものです。この独立した市場において独占が発生し消費者の利益にならないというロジックです。
しかし、大手スーパーマーケットのほとんどがオーガニックを強化し、セイフウェイにいたってはオーガニックPBのOオーガニックを大成功させており、無関係に存在するということはありえないわけです。
さらに、ホールフーズは非オーガニック商品をかなり品揃えしています。惣菜はすべてオーガニックではありません。オーガニックを強化したスペシャリティ型スーパーマーケットと表現するのが正しく、したがっていわゆる高級スーパーマーケットと真っ向から競合しているわけで、この買収の結果競合がなくなるということはほぼないのです。
ということで、FTCの言っていることにはかなり無理があり、それが通ってしまうということは、なんらかの政治的な背景があるとしか考えられないわけですね。
ここで、裁判費用がかさむのを避けてホールフーズのほうからFTCに対して店舗売却を含む和解プランを出してしまうようなことも可能なのですが、負けず嫌いのマッケイがこれをやるのかどうか。今後のホールフーズの動向には注目できます。
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