ターゲット株の10%弱を保有しているアクティビスト型の機関投資家、パーシング・スクェアのウィリアム・アックマンが、ターゲットに対して新たな提案をしていることが報じられました。
ターゲットはなんと全1,680店舗の85%の土地を自社で所有しているのだそうです。この土地を所有するREITを別会社として設立し、スピンオフしろ、というのがアックマンの提案です。
メリットは、REITとすれば最低90%の利益を配当として株主に分配する限り連邦税を免除されると言う点にあります。またターゲットという優良企業をテナントとしさらに長期リース契約を結ぶことによって、スピンオフされたREITの価値が高くなる。
ただし、リノベーションの自由を維持するために建物まではスピンオフしない。
というのが、アックマンの提案の骨子です。
これに対してターゲットは、借り入れに対する信用レベルが落ちることを懸念しているようです。つまり土地という含み資産をベースとして高いレーティングを維持しているのだが、土地がなくなることでレーティングが落ちて、資本の調達コストが上がってしまうことを心配しているというわけです。
アックマンの主張、決して間違ってはなくて、よく日本人がイメージしているごり押し型のもの言う株主、という感じじゃないですよね。
一方のターゲットの言い分もよく分かる。
何度もここで書いていることですが、アメリカの投資家コミュニティって成熟してるなあと感じます。ときに、企業の経営陣を上回るロジック、または正論を持っているときがある。
日本はこれから、といったところでしょうかね。
ちなみにターゲットがほとんどの不動産を所有しているということは知りませんでした。小売業界ではもっとも比率が高いのだそう。この企業はバランスシート上、レバレッジ比率がとても高い特徴を持っていて、どうしてなんだろうと思ってたのですが、このあたりに理由がありそうですね。
本件、おもしろいので、流通eニュースに来週にでも書こうかなと思ってます。
参考までに。
クレジットカード事業の売掛債権、半分の売却を検討
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追記:アホールドUSAがコンビニエンスストアの開発を示唆したようです。小型店舗を開発に名乗りを上げる企業が増えて、守勢にまわる前に備えなければ、ということですかね。東海岸は人口密集地が多くて、小型フォーマットはもともとぴったりなんじゃないか、とも思います。
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