ホールフーズが2008年度の決算を発表したのですが(9月28日期末)、景気の悪化で数値がかなり落ち込んでいます。売上高は前年比2.6%増の17億8,892億ドルでしたが、最終利益高が150万ドルで前年比95.6%減と大幅に落ち込みました。
利益が落ち込んだ理由の一つはワイルドオーツ買収コストです。一定の収入を見込んで投資したものの、想定以上に収入が減ってしまって利益を圧迫してしまった、ということになります。
通年の既存店成長率が資料に出ていないのですが、各四半期の数値を参考にすると4.8%増で、これだけみるとそれほど悪くはないです。ただ以下の通りどんどん悪くなっているのが見て取れます。
第1四半期:9.3%増
第2四半期:6.7%増
第3四半期:2.6%増
第4四半期:0.4%増
業績悪化の最大の要因はもちろん景気の悪化で、ホールフーズのようなプレミアム型がやられてしまうのはしかたのないことではあります。今までが良すぎたともいえる。
加えて、近年店舗面積をどんどん拡大してきてこれが重荷になってしまったことがあげられます。景気の悪化時にも耐えられる面積ではなかったわけで、つまり適正規模を超えていたと言うことですね。
そしてこの過大な店舗を増やしすぎてしまった。オーバーストアです。
さらに、競合するマススーパーマーケット各社がオーガニックを年々強化していることもあげられます。セイフウェイのOオーガニックなど、この分野でのヒットPBすらすでに存在している。
決算書を眺めてみて、ああ、これは重大な問題だなと感じるのは在庫です。在庫高が昨年度末から13.7%も増えてしまっている。売上高増が2.6%ですから、これは増えすぎ。急速な売り上げ減に対して在庫の縮小が追いついていない印象です。
また、どうやら運転資金が厳しくなってきている模様。来年度以降の新規オープン用に70店舗を超えるリース契約をすでに済ませていて、しかし手持ちの現金と信用枠と、予想されるいっそうの業績悪化を考えると、資金に余裕がなくなりつつあるとアナリストが指摘しています。
これを解消するために、決算発表と同時に投資企業レオナルド・グリーンによる資本注入を発表してます。金額は4億2,500万ドル。
レオナルド・グリーンは古くはライトエイドによるペイレス買収や、スポーツオーソリティやペトコなど、小売業への投資でよく名前の出てくる企業です。
今までは店舗を増やす一方で成長してきたホールフーズですが、これからはスクラップもありえるのかもしれません。
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