2009年3月13日
[ウォルマート] ブライアン・コーネルがサムズのトップに

クラフト専門店チェーン、マイケルズのCEOブライアン・コーネルがダグ・マクミロンの後釜としてサムズのトップに就任する人事が発表されました。


これはとても深読みしたくなる人事です。

コーネルはもともと北米ペプシにいたひとなのですが、98年にセイフウェイに移ってマーケティングの責任者となり、その後マイケルズに移籍していました。
セイフウェイではメーカー視点でのマーケティング手法の移植に注力し、同社の現在の成功の基礎を作り上げた一人として評価が高い。


この人がサムズのトップになるという意味は何なのか。

ウォルマートがサムズのマーケティングのオーバーホールを考えているという理由が考えられる。本体はターゲットから来たジョン・フレミングがてこ入れして成果を出していますが、サムズはあまり変わっていませんから。

もう一つは、ウォルマートはサムズのトップをステップアップの試金石として見ているところがありまして、サムズでのコーネルの手腕次第では将来的には本体で活躍してもらおうと考えているのかもしれない、と深読みすることもできる。フレミングはいま商品部の責任者ですから、将来的なマーケティングのトップとしてコーネルを考えている可能性もあります。

いずれにしましても、非常に興味深い人事です。


ところでもう一つおもしろいのは、CEOが抜けるマイケルズが次の経営者として、元ウォルマートのジョン・メンザーを抜擢したニュースが同時に発表されている点です。一見するとウォルマートとマイケルズが人材を交換したような感じがしますよね。

マイケルズはバイアウトされて非公開となった企業ですが、この人事からは再上場を考えている可能性が匂ってきます。メンザーはもともとウォルマート本体のCFOだった人ですが、ウォール街受けが良くて、国際部門の責任者として異動したのも当時ちょうど海外活動を拡大しようとしていた時期で新たな資本調達を必要としたからでした。
マイケルズを買収した投資企業が彼に白羽の矢を立てた理由が透けて見えてくるというわけです。


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【追記】
本日から日本へ出張となります。目的は某小売企業の店長会議とニューフォーマット研究所と、二カ所での講演です。
これから一週間ほどアップデートが不規則となりますがご容赦ください。

鈴木敏仁 (08:01)
ペプシネックス



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