昨年11月にデフォルトの可能性を示唆していたゼネラル・グロース・プロパティーズが連邦破産法11条の適用を申請して倒産しました。昨年末時点での総資産額は296億ドルに負債総額は273億ドル、今年最初の大型倒産となっただけではなく、流通関連企業としても非常に大きな倒産となりました。
私の資料では、資産ベースで米国小売業界史上最大の倒産はKマートの170億ドルで、これをはるかに超えてます。
所有するショッピングセンター数は200ヶ所以上。最も有名な物件はニューヨークのサウス・ストリート・シーポート、カリフォルニア州ではグレンデール・ギャラリアが有名ですね。
アメリカではサイモンに次ぐ2番目に大きなモール専業の商業不動産企業です。
倒産の根本的な理由は金融クランチですが、遠因は2004年の企業買収にあります。ラウズという企業を113億ドルで買収、かなりの高レバレッジだったようで、そしてこの後に景気が悪化して家賃収入が不安定となり、資産価値も落ち、そして金融クランチで借り換えが簡単にできなくなった。
ただ最大の問題はCMBS(Commercial Mortgage Backed Securities、不動産ローンの証券化商品)にあったようです。140億ドルという全米レベルでも最大規模の残高があって、このうちの5億5,000万ドルが不履行、11億ドルが年内が支払期限という状況だそうです。
CMBSは比較的新しい金融商品であるため金融危機でどうなるかという経験がなかった、というようなことが紙面に書かれていました。
さて今後ですが、負債を整理してこのまま復活すると言うことはないだろうというのが大方の見方です。つまり、解体される可能性が高いだろうと言うことですね。
モールデベロッパー業界にも再編の波がとうとう押し寄せてきました。
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