2009年5月 4日
[ウォルマート] PBM(調剤給付金管理)プログラムの実験を終えて拡大へ

ウォルマートは昨年の9月からキャタピラー社をクライアントとしてPBMプログラムの提供を実験してきたのですが、実験段階を終えて他の組織へと拡大することを明らかにしました。

PBM(Pharmacy Benefit Management)とは簡単に言うと保険会社や大企業の調剤に関する処理プロセスを代行するビジネスです。詳しく説明するとアメリカの保険システムから説き起こさなければならないのでここでは省きますが、大手ドラッグストア企業は別事業として傘下に持っていますし、CVSが買収したケアマークはこの業界の大手でした。

ウォルマートは調剤売上高でライトエイドに次いで全米4位ですから、このビジネスをてがけかない方がおかしいんですね。ということで今回の事業の拡大そのものは取り立てて珍しいことではないのですが、やろうとしていることがPBM業界に影響を与える可能性があるんです。

PBM企業はクライアント(つまり大手組織)との契約で使う調剤価格をAWP(Average Wholesale Price)という業界参照価格をベースにして決めるのが慣習なのですが、ウォルマートはこれをしないと宣言してます。そのかわり、ウォルマートが支払ったインボイスプライスに経費と利益を乗せたシンプルな価格をクライアントに提示する。透明性を高めようというわけです。
業界参照価格には実はいろいろなコストが含まれていて、調剤コストがアップする温床と言われてます。またPBM企業ががっぽり稼ぐ源泉とも言われてます。

薬剤は製造段階から患者に届くまで、サプライチェーン上にどのくらいコストがかかっているのか非常に分かりづらいのが実際のところなんですね。ここにウォルマートは風穴を開けようとしているように思います。この新機軸がPBM業界にどの程度影響を当てるかは不透明ではあるのですが、いかにもウォルマートらしいイニシアチブじゃないかと思います。

鈴木敏仁 (02:10)
ペプシネックス



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