ギャップを創業したドン・フィッシャーが10月27日に癌で死去しました。81歳でした。
1969年に奥さんと小さな店をサンフランシスコにオープンしたのが創業、当時の流行語だったジェネレーションギャップから取り、また小売業のギャップを埋める、というような意味合いで店名をつけたのでした。場所は現在のサンフランシスコ州立大学のそばです。
最初はリーバイスを中心としたティーンを対象に絞ったフォーマットだったのですが、83年にアン・テーラーから移籍してきたミラード・ドレクスラーがマーチャンダイジングをオーバーホールしたのが大成長の足がかりとなったのでした。
興味深いことは、フィッシャーは不動産(つまり出店戦略)に強いがその他の分野については弱い人だったという点です。優秀な人を雇用して弱点を補おうとした人で、ドレクスラーもそれです。
ただドレクスラーとはかなりぶつかったようなんですね。後先顧みずどんどん出店しようとするフィッシャーとしょっちゅうぶつかって、結局ドレクスラーはギャップをやめることになります。いまはJクルーを経営してますね。
現在のギャップは店の作りすぎが足かせになっているわけで、そう言う意味ではドレクスラーの方が正しかったのかもしれない。
ひとつ、ずっと思っていることがありましてね。
アパレルという分野は、リーダーにマーチャンダイジングの深い知識が求められ、分からない限りうまく行かないビジネスなんじゃないかということです。リーダーのファッションに対するカンとか感性とか、そういうものが色濃く反映されない限り、総花的な何の特徴もないセレクトショップとなってしまう。
フィッシャーにはそういうものはなかったけど、ドレクスラーがその役を果たしたということなんですね。
アパレルビジネスの特性というものを考えると、ギャップはある意味ユニークな存在であるように思います。
求心力としての創業者がいなくなり、これからギャップはどうなるのでしょうかね。
リバイバルするのかどうか、興味深いところです。
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