2010年12月15日
[A&P] 老舗チェーンの倒産

日本への出張でアップデートが滞ってしまいました。
忙しさに時差ボケが加わるため、日本への出張中はどうしても書くことができなくなってしまいがちです。


さてこの出張中にいくつか興味を引くニュースがあったのですが、今日はまず倒産から。
A&Pが連邦破産法11条を申請して倒産しました。負債の総額は32億ドル、8億ドルのDIPファイナンスを調達しており、しばらくは再建を目指して通常通りの営業が継続されます。現在の店舗数は398店舗。

ちなみに2009年度の売上高は95億ドル、店舗数は436店舗、スーパーマーケット業界ではウォルマートを除くと8位に位置し、決して小さな企業ではありません。

アホールド、デレーズ、セイフウェイが買収に興味を持っていて交渉を開始しているというような話もあり、負債を整理した後にA&Pとして復活するのか、それとも買収されて老舗名が消えてなくなるのか、現時点では微妙なところです。


1年ぐらい前から経営が危機的状況にあるというような話がメディアに出てまして、この倒産はそれほど驚くようなニュースではありませんでした。

マンハッタンでエンポリアムという名称で店舗を展開しているのですが、近隣にホールフーズとトレーダージョーズが出店、後者は長蛇の列ができるほど繁盛しているのに対して、前者は改装時期をとうの昔に超えてしまった古い店舗でガラガラ、そんな状況を見ていますので、倒産は致し方ないことだろうなと思います。


創業は1859年、1900年代初頭の時点で1万5000店舗を展開していた企業でして、チェーンストアというもののパイオニアです。現時点においても1万店舗を越えるチェーンストアが珍しいことを考えると、偉大な存在でありました。


ちなみに大株主はドイツのテンゲルマンだったのですが、ロン・バークルがここ数年投資額を増やしていて、バークルの意向がA&Pの将来を左右することになりそうです。

鈴木敏仁 (04:11)

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