ウォルグリーンが役員クラスの新人事を実施したのですが、新たに設置された新ポジションの役割と、就任する人の前歴が非常にユニークです。
部門の名称はカスタマー・エクスペリアンスで、就任する人の肩書きはチーフ・カスタマー・エクスペリアンス・オフィサー。シニアバイスプレジデント(上級副社長)で上司はCEOのグレッグ・ワッソンなので、大きめの部署ということになります。
そしてここに就任する人の前歴が、ユナイテッド航空のマイレッジプラスの責任者なんですね。
マイレッジプラスということは、つまりこの部署の機能はロイヤルティプログラムということになるわけですが、さらに"お客の経験"というものを強化することを目的としていると書いてあります。
私がおもしろいなと感じたのは次の三点。
一つ目はウォルグリーンがロイヤルティマーケティングを始めるということ。私は知りませんでした。どこかの資料で読んだような、読んだこと無いような、というレベル。CVSはすでにかなり成果を収めていて、ライトエイドが現在トライしていて、3番目の参入となりますね。
二つ目はユナイテッドから人を引っ張ってきたということ。こういう人事は日本ではちょっと想像できない。
三つ目はその名称。ロイヤルティ・プログラムを担当する部署にこういう部門名をつけるセンスが非常に良い。また"お客の経験"という部門名は、直接そのままというのは無理だからなにかもうちょっとひねった名称を考えたとしても、日本の小売業界の部署名としては想定しづらい。
特に二つ目と三つ目が重要ですね。組織を柔軟に維持しようとしたら、こういう人事や組織政策は不可欠でしょう。
過去の風習に囚われたガチガチの組織体制だとこういう発想は出てこない。
日本の大手小売企業ではまず難しいような気がするし、そう考えると大企業ウォルグリーンもなかなかおもしろいなと思います。
変わろうと努力しているのかも知れませんね。
ちなみにウォルマートにも、CEO直轄ではなくて店舗オペレーションの中ですが、似たような名称の部門があるはずです。
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