2011年8月16日
[ウォルマート] 増収増益も米国事業の既存店成長率は依然マイナス

ウォルマートが第2四半期の業績を発表したのですが、実際の数値から私が得る印象と紙面の報じ方に若干の温度差があって、おもしろいのでエントリーします。

連結売上高は1,086億ドルで前年比5.5%増、最終利益高は38億ドルで前年比5.7%増、従って収益は増収増益でした。

【売上高成長率】
・米国ウォルマート:0.4%増
・海外事業:16.2%増
・サムズ:9.5%増

【既存店成長率】
・米国ウォルマート:0.9%減
・サムズ:5.0%減
・米国トータル:0%

全体としては増収増益ですが、伸びを引っ張っているのが海外事業という構図にかわりはありません。


注目したいのは既存店成長率です。0.9%減で、四半期ベースで9回連続のマイナスとなりました。ところが昨年の同時期が1.8%減でして、かなり改善してきているんですね。
6ヶ月単位で見ると、今期が1.0%減で、前期は1.6%減、こちらも改善している。
数値を見る限り、下げ止まったのかなという印象を持ちます。

まあ四半期ベースの数値比較なんてほんとうはあまり意味はなく、歳末も含めた年間ベースで見てみないとはっきりとは言えませんけどね。
とりわけウォルマートは規模が大きいですから、短期間に大きく上げたり下げたりするということはないので、若干長めに状況を観察する必要があります。


でも大方のマスコミにとって現時点でまだマイナスであることが重要なようで、ネガティブな見出しが躍っています。
例えばWSJ誌のタイトルはWal-Mart Loses Edge(ウォルマートはエッジを失っている)で、ばっさりです。


そういえば先週、ネット販売や商品部の組織編成の変更や人の異動がありました。
改革でサム・ウォルトンから直接影響を受けた人の多くがやめてしまい(または解雇された)、あの独特なウォルマート文化が染みついている人が少なくなってしまった。

私が懸念しているのはここ一点でして、組織や人材のリストラクチャリングがあるたびに大丈夫なのかなと。

企業はやはり人材がすべてですからね。

鈴木敏仁 (02:02)

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