ファクタリング最大手のCITがシアーズHとの取引に対するファイナンスを停止しました。最大手が引き上げた影響は大きく、シアーズの株価は一時6%も下げました。
ファクタリングとは小売企業とメーカーの間に立って、小売企業による商品の支払いを代行するビジネスです。ごく簡単に言えば短期ファイナンスですね。
例えば小売企業とメーカーの支払いタームが60日だとして、ファクタリング企業が30日でメーカーに支払い、小売企業はこのファクタリング企業に90日で支払うというような流れです。当然メーカーは短期金利を支払う必要があるわけですが、大手小売企業と取引したい中小メーカーがキャッシュフローを優先させたいときにこのシステムを利用することになります。
アメリカではごく当たり前の業界慣習です。
日本にも同じようなニーズは当然あるのですが、卸がバッファーになったり、銀行が直接ファイナンスしたりと、異なる仕組みでこのニーズを解決しているので、アメリカのファクタリングとまったく同じビジネスは存在しませんね。
このファクタリングの最大手が手を引くということは、シアーズの支払い能力に懸念が生じていることを意味しています。
キャッシュフローがかなり悪化している可能性がある。
今後予想されるのは、、中小ファクタリング企業も手を引くことと、メーカーがシアーズに対する支払いタームを厳しくすること(最悪はCOD)です。そしてこれがはじまって行きつくところは破綻ということになるわけですね。
負のスパイラルです。
昨日、ランパートが1億5,900万ドルを投じて、自分が所有する投資企業から株を個人で買ったようです。また市中からも1,200万ドル分の株を買ったようで、これはおそらく金融グループを安心させるためなのでしょう。
シアーズ、結構苦しそうですね。
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