ウォルマートでいま働いている、または働いたことのある500人の女性が、給与と昇進で女性差別があったとしてEEOC(雇用機会均等委員会) にクレームを提出しました。
2001年に同様の理由で数人の女性が裁判を起こし、集団訴訟としての認められるのかどうかが争点となって最高裁まで争われ、昨年の6月に不可という判決が出たことはエントリーしました。
[ウォルマート] 米連邦最高裁が性差別訴訟を集団訴訟とは認めず
全企業を通してシステマチックに差別が行われたわけではないから集団訴訟としてまとめて扱うことはできないというのが最高裁の判断だったわけですが、逆に言うとエリア別、ケース別に訴訟を起こせば良いということになるわけです。
今回は5つの州の女性がまとまってクレームを提出したようです。
またEEOCにクレームを出したと言うことは、今度は裁判所ではなくEEOCが主体となるわけですね。
おそらくまずクレームの内容を整理し、場合によってはウォルマートに和解を持ちかけ、破談となるとEEOCが後ろ盾となって訴訟が起こされる、というステップになるのでしょう。
原告側が戦略を変えた、ということですかね。
原告側と言うよりも、集団訴訟を生業とする弁護士企業、という表現が正しいかな。
この問題、いろいろ考えさせられます。
こういうことをコツコツ積み重ねてきたことでアメリカの女性の地位は向上してきた。日本の企業内における差別はまだまだ根が深いものがあります。
一方、訴訟によって企業から金をかすめ取ろうとする弁護士や一般人もアメリカには非常に多い。まずはとりあえず訴訟、という感じですから。
一時期、"ウォルマートはひどい会社だ"プロパガンダが流布したことがありましたが、こういう背景があるんだということを我々日本人は知っておく必要があると思います。
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