FTC(連邦取引委員会)による調査が昨年から続いていたエクスプレス・スクリプツによるメドコの買収ですが、昨日承認され、買収が成立しました。買収総額は291億ドル、CVSによるケアマーク買収の217億ドルを上回る大規模M&Aとなります。
買収後の年商は合算で1,160億ドル、取り扱い調剤枚数は年間17億3,000万枚で市場シェア32%、全米の調剤の3枚に1枚がエクスプレス・スクリプツ/メドコ扱いということになるわけです。ちなみに2位はCVSケアマークで7億7,500万枚の17%だそうです。
この買収、ファーマシー業界は反対のスタンスを変えておらず、複数の業界団体が先週差し止めを求めて裁判所に提訴しています。
FTCは買収後も競合環境は変わらず市場のダイナミズムは維持されるという見解なのですが、賛成3人に反対1人、つまり反対意見もあって、果たして本当に消費者にとって益となるのかどうかは今後を見守るしかないでしょう。
エクスプレス・スクリプツ/メドコはメールオーダーを事業として持っています。
つまり消費者にダイレクトに調剤を売るチャネルを持っているというわけで、これを売上高ランクに当てはめるとCVSケアマーク、ウォルグリーンに次いで3位となる。
だからウォルグリーンは売上高が下がってでもエクスプレス・スクリプツとの取引をやめる方を選択したのでしょうね。
しかし1,160億ドルという年商は桁が大きいですね。
フォーチュン500社ランクで13位、ドラッグホールセラー最大手マッケソンの15位を上回ることになります。
ちなみに製薬メーカー最大手のファイザーが31位。
このM&A、製造側と販売側の両サイドに少なからぬ影響を与えるだろうと思います。
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