カナダのDepartment of Canadian Heritageという行政機関がカナダ進出を予定しているターゲットが取り扱う商品についての調査をしているという報道がありました。書籍等の"文化型商品"にカナダのコンテンツが十分に揃えられているかどうかを調べているのだそうです。
このDepartment of Canadian Heritage、今回その存在を初めて知りました。
日本語だと文化遺産省という意味がよく分からない名称に訳されているようですが、日本にぴったりマッチする組織がないので無理な翻訳になっているのでしょう。芸術、メディア、言語、スポーツ、といった活動についての政策を司る、という説明がされていて、つまり文化に関する活動を管掌するお役所、ということですね。
日本だと文部科学省からいくつかの機能をはずして、内閣府あたりのいくつかの機能を加えた感じ、といったところでしょうか。
ただHeritageという単語は先祖伝来の重要な遺産を意味し、それを冠とするということは、やはり日本のお役所とはその主目的がちょっと違いそうですね。
今回のターゲットに対する調査は、他国から入ってくる文化のチェックです。
おそらくカナダの文化はアメリカの影響を非常に受けやすい特性を持っていて、放っておくとアメリカになってしまう恐れがあるので、国境を越えて入ってくるアメリカ文化を規制しようという意図があるのではないかと推測します。
ウォルマートが西友を買収したときに、日本の役所が取扱商品を精査するということはしませんでしたよね。
日本はアメリカの影響を強く受けている国ですが、しかしユニークで色濃い日本文化が存在するので、あっという間にアメリカになってしまう恐れはない。
だからそういう必要性を感じない。
ということなのでしょう。
カナダにはカナダの事情に即した独特の規制があるのだなということを、今回のニュースを読んで実感したのでした。
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