15分宅配を売りにするイギリスのゴリラズがNYに進出します。
営業開始は今月末、場所はブルックリン。
NYでは先行するフリッジノーモアがすでに営業中で、資金調達に成功して拡大し始めており、ゴリラズは競合前提の進出ということになります。
15~30程度の短時間宅配をウルトラファストといい、ヨーロッパと中国で参入する企業が急速に増えています。
これがアメリカにも飛び火したといったところ。
7イレブンと提携しているインスタカートは30分宅配を開始しましたが、条件が揃えば20分ぐらいで届くようですね。
短時間宅配は2時間が業界標準でしたが、ウルトラファストの登場で競合する宅配時間が30分以内になりつつあります。
アマゾンがMGMを買収したことはすでに日本でも報じられているので詳細は省きますが、ひとつだけ参考情報として加えておきたいのは、アマゾンは映画館チェーンの買収で協議中と2018年に報じられたことがあるという話です。
ホールフーズ買収と同じで、映画を消費するユーザーのリアルなデータが欲しいからだろうと説明されていました。
これが一転し、リアルからコンテンツの買収へとシフトしたわけです。
あらゆるケースを想定してフィージビリティスタディし、最適なディールを探し出すといったところでしょうか。
"なるほどそう来るのか"という買収案件ばかりで、アマゾンにはいつも驚かされます。
ちなみに映画館チェーンの買収は消滅したわけではなく、将来的にはいまだあり得ると思っています。
アマゾンが独立事業としてのプライムナウを終了すると発表しました。
アプリとウェブサイトを閉鎖しアマゾン本体に移管すると。
短時間宅配は依然アマゾン本体では提供するが、プライムナウという名称は使わないということでしょうかね。
なぜなのかいろいろ考えてしまうのですが、プライムナウというサービスを使う他企業がいないので別事業としておく理由がないということなのかもしれないですね。
短時間宅配はインスカートやドアダッシュが圧倒的で、競合するアマゾンを利用する理由はなくなっています。
ペット用品チェーンのペットコのCEOが、「トレーニングとグルーミングの需要が増えて圧倒された」とコメントしました。
ステイホームでペットを飼う世帯が増えたことが要因です。とくに若年層にトレンドが顕著だったと言っています。
「昨年は1100万匹の新たなペットが飼われた、その飼い主のほとんどがミレニアルズとジェネレーションZ(つまり若年層)だった」
今年もこのトレンドは続き、ペットカテゴリーは9%程度は伸びるだろうと予測しています。
巣ごもり需要でグローサリーやホーム関連など昨年は大幅に市場が膨らみましたが、ペット市場にもその恩恵があったということですね。
ウォルマートがバーチャル試着テクノロジーを開発しているジーキットを買収しました。
ウォルマートは基本的に実用衣料が中心で高価格帯を扱いません。
ただこれはリアル店舗の戦略です。ネットはおそらく上の方へと取り扱い範囲を広げたいはずで、だからボノボスやモドクロスといった企業を買収してきたわけです。
しかしご存知の通り両社ともにすでに売却済み、ネット上でもそう簡単に広げることはできていません。なぜなのかはおそらくこの会社のDNA的な話になるでしょう。
そういう状態の中で、バーチャル試着の技術を取り込むことで、高めのアパレルを売りやすくしたい、ということだと思います。
バーチャル試着はアパレルネット通販のゲームチェンジャーだ、と同社役員がコメントしてます。
ちなみにウォルマートのテクノロジー系人員数は万単位なので自社開発できるはずなのですが、それでもやはり買収戦略は欠かせないんですね。
悠長に時間をかけて開発などしていられない、技術を持った企業を買うことでスピードアップするということなのだと思います。
今までずっと鈴木が主体となってアメリカの小売業界をテーマとして話をしてきましたが、今回は趣向を変えます。
デジタルトランスフォーメーションとヨーロッパの小売業界をトピックとして、毎月末のセミナーの間にエキストラで一つ加えてみることとしました。
攻守も交代し、矢矧さん主体で、鈴木は聞き手となります。
矢矧さんはコンサルタントとして企業の業務プロセスの改善に携わってきて、DXも現場で指導してきた方です。
面白い話が聞けると思うので楽しみにして下さい。
【グローバル流通最新トレンド】 ライブアップデート #10
【日時】2021年5月13日 10:00開始(11:00終了予定)
【会場】オンライン
【講演者】矢矧 晴彦(経営コンサルタント)
鈴木敏仁
【受講料】3,000円
【申込締切】 2021年5月12日 10:00
皆さまのご参加をお待ち申し上げます。
ウォルグリーンが自社サイトやアプリでの買い物でも短時間宅配を可能としました。
短時間宅配のビジネスモデルはサードパーティのウェブサイトやアプリに小売企業が商品をリストアップするマーケットプレイス形式で、ギグワーカーが買物代行して宅配する形式です。
ウォルグリーンがはじめたのは、ウォルグリーンのサイトやアプリから買い物をスタートし、店員が商品をピックアップし用意して、宅配のみサードパーティに託すモデルです。
もちろんサードパーティから買い物をスタートすることも依然可能なので、ユーザーは双方から利用できるようになったということですね。
入口が前者は宅配企業だが、後者は小売企業、と言うことができます。
短時間宅配(日本では買い物代行)はサードパーティ側がずっと入り口できましたが、おそらくこれから大手を中心に入り口を自社へと移行する企業が増えると考えています。
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